意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


九校戦編15

少佐が、優勝者インタビューから帰って来た。新人戦スピードシューティングで優勝した吉祥寺くんへのインタビューだ。以前、彼と会話した時に少佐と二人で会いたい話が出たので実現させた。

 

「ジョージ・マッケンジーはどうだった?」

 

少佐は、笑った。どうやら少佐のツボにはまったようだ。非関西圏の笑いの敷居は低い。練りに練ったギャクをぶつけると何を言っているのか理解されない事が多いくらいだ。関西圏で自分のしゃべりに自信のある人は注意すべきだ。『過ぎたるは及ばざるが如し』

 

「ジョージは、自信満々だったわ。準優勝した森崎の事をほとんど覚えてないくらいに」

 

やはり、そうか。吉祥寺くんと森崎くんとでは格が違う。彼はナンバーズではないが、ある事情でA級魔法師並みの魔法力を発揮できる。

 

「それよりも、エンジニアを気にしてたわ。北山さんのエンジニアは、モノリスコードを担当するのかと」

 

「森崎くんは、モノリスコードにも出場するのに全く話題にならなかったの?」

 

「そうね」

 

森崎くん、可哀想。しかし、それほど差があったという事だ。逆に言えば今から司波くんに頼んでCADの調整や作戦を考えて貰えばジョージ・マッケンジーじゃなかったカーディナル・ジョージとクリムゾン・プリンセスじゃなかったクリムゾン・プリンスを一泡吹かせられる。

 

マッケンジーとプリンセスはウケなかった。笑いを舐め過ぎるのも良くない。

 

参考までに、『クリムゾンまたはクリムソン (英語: crimson) は濃く明るい赤色で、若干青みを含んで紫がかる。彩度が高く、色相環上ではマゼンタと赤の中間に位置する。』

 

よって「クリムゾン・プリンス」とは「赤い王子」。しかし、この場合の赤いは共産主義や左翼ではなく血の色だ。

 

ついでに、クリムゾンの文化について

 

『かつてはアメリカやヨーロッパで絶賛された。ミケランジェロの絵画や、軽騎兵、テュルク、英国兵や王立カナダ騎馬警察の衣服に用いられた。イギリスでは伝統的に血の色と関連付けられており、それゆえ暴力、勇気、苦痛を連想させる色でもある。』

 

少佐が一条くんのプロフィールを出して来た。

 

『一条将輝(いちじょう まさき) は、国立魔法大学付属第三高校の男子生徒である。一条家の長男で次期当主である。一条茜と一条瑠璃という妹がいる。

 

身長は180cm弱、広い肩幅と引き締まった腰、長い脚、凛々しい顔立ちで若武者風の美男子という容貌をしている。(プロフィールに美男子は必要ないと思うのだが。少佐の好みに合わせた?)

 

佐渡侵攻事件に際し、当時弱冠13歳で義勇兵として戦列に加わり、父の一条剛毅と共に数多くの敵を屠った経験を持つ。その際に「敵と味方の血に塗れて戦い抜いた」ことへの敬称として「クリムゾン・プリンス」の名で知られているが、当人はその二つ名を仰々しいこともあり嫌っている。(当然だが、本人に訊いたのだろうか?)

 

爆裂を使用する際は、赤みを帯びた拳銃形態の特化型CADを使用する。 (でも、赤色は好きらしい。)

なお、爆裂以外の魔法では魔法師が身体に無意識に展開する情報強化を一瞬で突破するのは難しい。(これは、いづれ説明する。実は違う。)

校内では、入学直後から風紀委員会に籍を置いている。(結局、武闘派のようだ。)

 

一条くんはすでに 実戦を経験しているのだ。

 

第三次世界大戦が始まる前に態勢を整えた我国はすでに勝負が決した状態で大戦に臨んだとする僕の自論だ。その自論を正当化する為の材料の一つに離島を正体不明の部隊に電撃的に襲われた時はどう対応するかが国軍が自衛隊と呼ばれていた時代にすでに法律で整えられていた事実を紹介しておこう。

 

長いので斜め読みで結構だ。自衛隊を出動させるのは少し手間がかかるのがお分かりだろう。これでも当時は画期的に速やかだったらしい。

 

一条くんは、正体不明の部隊(新ソ連とバレているが)討伐に義勇兵として参加している。つまり、以下に紹介する法律の適用外なので更に速やかに外敵排除に行動を起こせたのだ!

 

『離島等に対する武装集団による不法上陸等事案に対する政府の対処について

 

平成27年5月14日(西暦2015年のことだ。)

閣議決定

政府は、離島又はその周辺海域(以下「離島等」という。)において、武装した集団又は武装している蓋然性が極めて高い集団が当該離島に不法に上陸するおそれが高い事案又は上陸する事案(以下「離島等に対する武装集団による不法上陸等事案」という。)が発生した場合、我が国の主権を守り、国民の安全を確保するとの観点から、関係機関がより緊密に協力し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するため、下記により対応することとする。

1.事態の的確な把握

離島等に対する武装集団による不法上陸等事案が発生した場合、事態を把握した別紙1に掲げる関係省庁(以下「関係省庁」という。)は、内閣情報調査室を通じて内閣総理大臣、内閣官房長官、内閣官房副長官、内閣危機管理監及び国家安全保障局長(以下「内閣総理大臣等」という。)への報告連絡を迅速に行うとともに、相互に協力して更なる事態の把握に努める。

なお、上記報告ルートに加え、関係省庁による内閣総理大臣等への報告がそれぞれのルートで行われることを妨げるものではない。

2.対策本部の設置等

政府は、離島等に対する武装集団による不法上陸等事案が発生し、政府としての対処を総合的かつ強力に推進する必要がある場合には、内閣総理大臣の判断により、内閣に、内閣総理大臣を本部長とし、内閣官房長官その他必要により本部員のうち国務大臣である者の中から本部長が指定する者を副本部長とする対策本部を速やかに設置する。対策本部の本部員は別紙2のとおりとし、その運用については、「重大テロ等発生時の政府の初動措置について」(平成10年4月10日閣議決定)による対策本部に準ずるものとする。

3.事態緊迫時の対処

事態が緊迫し、海上警備行動(自衛隊法第82条に規定する海上における警備行動をいう。以下同じ。)命令又は治安出動(自衛隊法第78条に規定する命令による治安出動をいう。以下同じ。)命令の発出が予測される場合には、対策本部の下、内閣官房、外務省、海上保安庁、警察庁及び防衛省を中心に、あらかじめ、海上警備行動命令又は治安出動命令の発出に係る、対処方針の検討、自衛隊と海上保安庁、警察等との間の役割分担及び連携の確認、国際法との整合性の確認、必要な情報の共有等について、相互に最大限の協力を行い、海上警備行動命令又は治安出動命令が発出された際には速やかに強力な対処を行うことができる態勢を整える。

4.迅速な閣議手続等

(1)海上警備行動

海上保安庁のみでは対応できないと認められ、海上警備行動命令の発出に係る内閣総理大臣の承認等のために閣議を開催する必要がある場合において、特に緊急な判断を必要とし、かつ、国務大臣全員が参集しての速やかな臨時閣議の開催が困難であるときは、内閣総理大臣の主宰により、電話等により各国務大臣の了解を得て閣議決定を行う。この場合、連絡を取ることができなかった国務大臣に対しては、事後速やかに連絡を行う。

(2)治安出動等

警察機関による迅速な対応が困難である場合であって、かつ、事態が緊迫し、治安出動命令の発出が予測される場合における防衛大臣が発する治安出動待機命令及び武器を携行する自衛隊の部隊が行う情報収集命令に対する内閣総理大臣による承認、一般の警察力をもっては治安を維持することができないと認められる事態が生じた場合における内閣総理大臣による治安出動命令の発出等のために閣議を開催する必要がある場合において、特に緊急な判断を必要とし、かつ、国務大臣全員が参集しての速やかな臨時閣議の開催が困難であるときは、内閣総理大臣の主宰により、電話等により各国務大臣の了解を得て閣議決定を行う。この場合、連絡を取ることができなかった国務大臣に対しては、事後速やかに連絡を行う。

(3)上記(1)又は(2)の命令発出に際して国家安全保障会議における審議等を行う場合には、電話等によりこれを行うことができる。

5.事案発生前からの緊密な連携等

上記のほか、内閣官房及び関係省庁は、事案が発生する前においても連携を密にし、離島等に対する武装集団による不法上陸等事案に発展する可能性がある事案に関する情報を収集、交換し、事案への対応について認識を共有するとともに、訓練等を通じた対処能力の向上等を図り、事案が発生した場合には迅速に対応することができる態勢を整備することとする。』

 


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