意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


九校戦編5

冒頭の一節を読み上げると少佐の表情が明るくなった。

 

少佐がコスプレ大会よろしく次々に服装を変える理由もわかった。九校戦の出場選手を意識しているのだ。

九校戦出場選手は、自分が最も実力を発揮できると感じる服装で競技に臨んで良いルールになっている。その為、さながらファッションショーの様相を呈する。僕にはコスプレ大会にしか見えないが。

 

サイオンを制限無しで使えば、少佐は会長や委員長と同じかそれ以上の魔法力を発動できる。フィールドで輝いているのは少佐だった可能性は充分あったのだ。

 

なあに、輝くのは一生のうちいつでも構わない。人間の幸せはいかにして達成出来るかなんて疑問は一万年以上前に解決済の問題だ。実際にやる人は少ないがいつの時代にもそれを強調する人はいる。ちなみに、一万年以上前に解決した方法や五千年前に新たに発見された方法を使えば「一生のうち輝く」時期もちゃんと来る。

 

さて、その方法とは?

 

前者が、神に祈る。後者が、神になるまで座る。

 

なので、『』の中に登場する『それ』とは、『彼方の世界の自分』だ。

 

神になるというのは、簡単に表現すれば、ただそれだけのことだ。『それ』に関しては孔子が論語の中で

 

『朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや。』

 

と、語っている。朋とは、『彼方の世界の自分』だ。孔子の弟子達がわざわざ論語の最初に選んだくらいに『楽しい』のだ。

 

これを、『道を得る』とか『悟りを得る』などと表現する時もあるし、この私小説では(意識の、あるいは境地の)第六段階と表現している。

 

少佐は、目を丸くしている。そして、おそるおそる尋ねた。

 

「師匠は、悟りを得たの?」

 

「そうだよ」

 

「う〜〜ん」

少佐が、頭を抱えてしまった。

 

「『道を得る』前も薪を割り、『道を得た』後も薪を割る」

 

「それは?」

 

「比較的早く『それを見つける』コツの一つだよ」

 

ここで、一つ咳払い。

 

「実はね、少佐。『それを見つける』前も『それを見つけた』後も大した変化がないのが安全に『それを見つける』時の心構えの一つなんだ。『それ』を特別なものと捉えたり、見つけたら今までの自分とは別人のようになると信じ込むと見つけにくくなるよ」

 

「ギクッ」

少佐が、大袈裟にショックを受けた仕草をした。

 

「魔法力を強化するには、神になれば良いと少佐も気付いていたのでしょう?でも、修道女や尼のように世捨人にならねばならないと考えて二の足を踏んでいたのでは?」

 

「ギクッギクッ‼︎」

今度は、少佐は笑っていた。

 

「ところで師匠。竹宮ゆゆこは『それを見つけ』たの?」

 

「調べたことがないからわからないね」

 

「ところで、師匠。シーシェパードって何?」

 

「ガクッ!」

 

◇◇◇

 

 

パトライトが、点滅した。スピード・シューティング開始の合図だ。ちなみにパトライトは、それを作っている企業の名前だ。セスナとかジープとかと同じ。今は、どれも買収されてしまっているが。

 

会長が次々と真下からドライアイスの亜音速弾で赤いクレーを打ち抜く。試合開始前から、会長への大声援で相手選手はアウェイ感に気押されていたがそれどころでなかった。

 

勝負になってない。相手選手の魔法と干渉しない領域から放たれる魔弾は、まるで会長が一人で競技に集中しているかのごとく確実に赤いクレーを貫いていく。

 

試合にならない。観戦記にもならない。

 

そこで、第三次世界大戦の前哨戦で繰り広げられた同盟と反同盟の見えない戦争について少佐に説明し直した。

 

『』

 

自称環境保護団体が何故か2000年代から日本の調査捕鯨を襲うようになった。

 

『』

 

この行動の変化は、シーシェパードのパトロンが反同盟に変わったからだ。今で言う、大亜細亜連合(当時は中華人民共和国。実際は中国共産党の独裁国家)だ。ちなみに同盟とは、日米同盟だ。反同盟の作戦は、米国の太平洋支配権を奪還するには日本の国際的地位を失墜させる、あるいは、日米同盟の関係を悪化させる、だった。

 

そこで、フロントに主に高麗自治区人(当時は、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国と自称)達を使って反日運動を世界展開していた。シーシェパードもこの反日運動の為の偽環境保護団体だった。日本人は、野蛮で下品で卑怯者だと白人に向けてプロパガンダを打ったのだ。白人には、白人の方が説得力があると考えたのだろう。

 

ところが、2017年にそのシーシェパードが活動を突然休止してしまう。

 

『』

 

反日環境テロリストは、日本の強気の姿勢と資金力に屈した。これは、シーシェパードを支える反日米同盟の資金が尽きた事も表す。第三次世界大戦前夜では、こうした見えない戦争が繰り広げられていたのだ。

 

しかし、財力と武力で勝る日米同盟側が反同盟を徐々に押して行った。

 

「この続きは、またの機会に!」

 

「え〜〜っ⁈」

 

「僕は、ノーヘッドドラゴンもシーシェパードと同じような集団と考えているんだ」

 

「?」




運営様から盗作と指摘された箇所を削除しました。

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