意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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サブタイトル変更しました。


九校戦編1

しばらく、座禅をした後に仕事を片付けた。これでも一応小説家だ。ちょっとエロい学園物だが、唯一僕がまともに小説として書いているものだ。少佐と知り合いになったのを記念して外見は幼女で中身はBS魔法師を束ねようとする凄腕の魔法師を登場させてみた。ヒロインのメグミちゃんは、活動に誘われる話にした。

 

それと、少佐が折角、四葉に気をつけてと言ってくれたのだからしかるべき筋にも伝えておいた。

 

いつの間にか昼を過ぎていた。今度は、ホテルのレストランに出掛けた。

 

◇◇◇

 

「河原くん、こんにちは」

振り返ると七草会長が、立っていた。

 

「これから、昼食?だったら少しいいかな?」

一応、質問や疑問形になっているが拒否権はないみたいだ。

 

「早速だけど、君は吉田さんと以前から知り合いだったの?」

テーブルに着くとすぐに会長は尋問を開始した。そんなに気にするような事なのだろうか?

 

「最近、知り合いました」

 

「フーン。随分と親しそうだったけど」

 

「はい。実際に親しいですよ」

 

「否定しないのね」

会長は、やりにくそうだった。

 

すぐに会話が途絶えた。僕から切り出す。会長の呼吸を見計らって。

 

「何か、彼女について知りたいことがあるのですか?」

 

「へっ?!」

会長が息を詰まらせた。どうやら、ビンゴらしい。

 

「どんなことが知りたいのですか?」

僕が、切り込んだので会長は言葉が出なくなった。

 

「彼女は、SB魔法師を束ねて十師族に対抗し得る組織作りを考えています」

 

会長は、言葉を失った。心配ごとが多過ぎるのは身体に良くないよ。七草さん。

 

「と、さっき小説に書いてました。会長、どうされました?」

 

会長は、ふくれっ面になった。怒っても可愛いですアピールだ。

 

「君も達也くんも、今年の一年生は…」

会長は、小声でぼやいた。

 

「広角的に物事を見過ぎて、余計なことにまで気を回して少し疲れていらっしゃるのでは?」

 

「へっ?!」

 

「どうかされました?」

 

「何でもありません」

 

「そうですか。では、昨晩の大捕物を御存知ですか?」

会長は、知らなかった。軍と大会委員と学校は情報を伏せたようだ。僕は、司波くんと吉田くんの活躍を手短に説明した。面白いことに、説明を聞いている会長の表情がどんどん明るくなって来た。

 

危険な話を楽しそうに聞いているのだから、七草さんはその本質が危険大好き女であると推測できる。彼女は、自分の周りの血生臭さを嗅ぎ付けていたにも関わらず、それが何なのかハッキリしないのでモヤモヤした気分になったのだろう。

 

会長の気が晴れたところで、明日のスピード・シューティングに対する意気込み等を訊いて簡単な取材をさせてもらった。

 

「ところで、真知くん。大捕物をどうして知ったの?」

 

「報道ですから」

 

「フーン」

会長はあからさまに納得していない表情になった。

 

「オフレコでお願いしますよ」

 

「はいはい」

 

七草さんは、小生意気な年下の男の子が好きな一種のショタコンであるのがわかってしまった。彼女の目の周りから、小さい白い星が飛んでいたからだ。

 

◇◇◇

 

ホテルをウロウロするだけで取材ができるのがわかり、今度はティータイムにホテルの茶店に行こうと思った。その前に、もう一仕事しよう。

 

『魔女っ子メグミちゃん』に年下で可愛いが小生意気な女の子を好きなサブヒロインを新たに登場させよう。そのサブヒロインは生徒会長をしている設定だ。モデルがいると簡単に書けるので助かる。

 

次は、発勁についてだ。世間では以下の様に説明されている。

 

『』

 

なぜ、発勁について書く理由は置いといて、上の記述について解説する。前半は暗勁について、後半は明勁について書かれている様だ。驚いたことに百年前からほとんど進歩していない。西暦2000年頃から、かなりの功夫がある人物が日本に来て教え始めたはずなのに、一体どうしたのだろう?

 

理由は、簡単だ。そんな時間がかかることに熱を上げるよりも現代魔法の習得に精を出す流れがその頃から始まっていたからだ。皮肉にも、その努力が現代魔法は先天的な体質によるところが大きいと発覚する原因となった。体質が魔法に適していない者がどんなに努力しても魔法力を使いこなせはしなかったとわかってしまったのだ。

 

さて、後半の内容は摩訶不思議な記述はないが言うは易し行うは難しだ。以前、解説した筋反射で全身を一度に動かさなければならないからだ。こんなにもたくさんのことをどうやって意識するつもりなのだろう?

 

前半は、怪しい記述ではないが暗勁の話なのでこの世の力ではない。自分の身体を使ってはいるが古典物理の範疇から逸脱する。

 

たとえ話で、恐縮だがこの世のエネルギーからあの世のエネルギーを生じさせるメカニズムを書いておく。有名なファラデーの法則だ。

 

『電磁誘導によって回路に生じる起電力は、その回路を通る磁束の時間的な変化の割合に比例するという法則。電磁誘導の法則』

 

E=ーΔΦ/ΔTの方がお馴染みだろう。単純にΔT→0とすれば、E→ー∞となる。(ただし、Eは0ではない。)しかも、磁束変化が電圧に転化している。

 

同じ様なエネルギーの転化が、光を入れられる身体になったら可能になる。光を取り入れるのはまだ、この世の話だが上記の方法と良く似たやり方であの世のエネルギーを露骨に取り入れられるのだ。それが、暗勁の正体だ。

 

これを、現代魔法にぶつける。実戦形式に比較的近いモノリスコードなら、すぐに結果を出せるだろう。

 

しかし、遠距離からの攻撃魔法を使用された場合に対処できないのでは?と思われるだろう。僕もそう思っていた。ところが、現代魔法を高校で学び直してみると根本的な欠陥が現代魔法にあるとわかった。現代魔法による事象改変は、本当に自然の現象を完全に書き換えてはいなかったのだ。ある程度、書き換えるとだいたい魔法師の意図した事象改変が起きるので「完全に現象が変化した」と見えるだけだ。

 

『』

 

上記の仮説は、だいたいは正しいのだがエイドス(情報)もエネルギーと結びついている視点が抜けている。情報を改変するにはエネルギーが必要であるからある程度の事象改変さえ起きれば、情報の改変は必要最小限に止めたい。エネルギーの無駄使いはしたくないからだ。

また、すべての情報を網羅するのも現実的に不可能だ。単一系の単純な魔法でさえ莫大な情報を扱っている。

現代魔法においては、いかに情報を圧縮するか、あるいは近似するかが魔法式を作り上げる際の腕の見せ所になっている。

 

なので、そこを突く。事象改変には重要でない、あるいは不必要、あるいは見向きもされなかった事象や情報を使って攻撃や防御を実行するのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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