意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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九校戦前夜10

何だ?これは!

 

発足会が始まった途端に降りてきた。組織的な殺意と悪意だ。壇上の選手とスタッフに向けられている。

 

僕が壇上の選手達、特に司波くんを再度良く『観』ようとして意識を拡張した瞬間にわかった。

 

司波くんの超絶魔法力を彼の意識の段階が生まれて持っての六段階(産まれた時から神修行が始まっている、所謂「仏」)だと当初考えていたが、最近どうも違うような気がしてきたのだった。それで、この機会を利用して再確認したかった。面と向かって司波くんを観ればすぐに感づかれてしまうからだ。

 

これで、僕が呼ばれた理由がハッキリした。しかし、九校戦メンバーに対するテロ行為に対抗するのに多少未来が分かる程度の僕が投入されたくらいでは事態を劇的に好転させられると思えない。学校は何か手を打っているのだろうか?個人的には、国軍に予め助けを求めておいた方が良いと思う。

 

予め国軍に治安出動要請の可能性大なりと連絡しておいた方が良いと思う。

 

大事な事なので、二回言っておきました。

 

さて、肝心の「発足会」は、いよいよ佳境に入った。我らが期待の超新星司波達也くんに徽章が授与される。この機会を待っていた。彼は、選手スタッフ合計50名の最後に授与される。この瞬間、若干彼の独特の警戒心が薄れると僕は予想していたのだ。

 

司波深雪さんが、司波達也くんに徽章を持って近づく。1ーEのクラスメイト達と1ーAのクラスメイト達、それに加えて司波兄妹に憧れる人達、その反対の人達の意識が司波さんと司波くんに集中して行く。

 

そのどさくさに紛れて僕は、初めて本気で司波達也を『観た』。

 

あっ!

 

なるほど。しかし「 This case is no comment.」関係各位の皆様方には、ご了承頂きたく存じ上げます。

 

千葉さんの合図で、1ーEのクラスメイトが拍手する。司波くんの徽章授与の直後だ。

 

さて、千葉さんは上手く根回ししていただろうか?

 

心配ご無用!?

 

1ーEの盛大な拍手が他の学生の顰蹙を買う前に、司波さんとなんと!七草生徒会長までが拍手し始めた。

 

いやはや、桜田門には敵いませんね〜。

 

やったね。千葉ちゃん!

 

でも、対テロは軍に任せるべきですよ。

 

大事な事なので、3回言いました。

 

◇◇◇

 

24時間経った。横槍が入ると思ったが何もなかった。とういう事で、超ヤバイ魔法師を人工的に作る方法というより理論の話をします。まず、ただの魔法師がただの魔法師に留まる大きな理由の説明から。

 

要は、使える魔法演算領域が限定されているからです。平たく表現すると無意識領域の中である程度意識的に魔法演算領域に利用できる領域は限られているし訓練で倍増したりもしない。

 

なぜ、限られてしまうのか?

 

それは、無意識領域の比較的意識しやすい部分が情動と深く関わっているので意識はできてもそこでの情動に本人は振り回されるだけになるからです。

 

(だから、魔法師は常に冷静さを求められる。感情が高ぶり過ぎれば普通なら何の問題もなく発動できる魔法でさえ発動できなくなることがあるのだ。)

 

逆に言えば、情動が起こっても過剰な反応をしなければ使える魔法演算領域が増えて魔法力の大幅アップが期待できる。

 

では、情動とその反応はどのように起きるのか?その簡単なメカニズムをネットから拾って来た。

 

「視床下部(ししょうかぶ)は…」

 

上記のごとく、脳の真ん中辺りにある視床下部で、情動に対する身体の反応はコントロールされる。

 

「自律神経の中枢は視床下部です…」

 

これだけだと、視床下部を何らかの方法で調整して自律神経に過剰な情報を与えないとしても魔法演算領域は大して増えないのではと思われるかも知れない。しかし、下記の文章を読むと考えも変わるだろう。

 

「…」

 

歩いていて脇道から急に自動車が飛び出して来たら、交感神経を興奮させて血圧を上げたり心臓を早く動かしたり、冷や汗を出させたり、全身の筋肉を収縮させたり等の『余計な事』をせずに

 

自動車を避ければ良い。必要なら魔法を発動すれば良いだけのことだ。

 

これらの『余計な事』が無意識の浪費であり使える魔法演算領域を減らしてしまう。実際は、『余計な事』を無意識に抑制する反応が必要となるので『余計な事』を無くす効果は絶大になる。

 

では、どうすればいいのか?

 

視床下部が大脳辺縁系や大脳皮質から生じる感情を真面目に受け取らないようにさせるか、受け取っても真面目に交感神経を興奮させないようにするか、その両方をさせるかだ。

 

これを外科手術や投薬で行うのは、現代の医学でも不可能だろう。交感神経が不活性になり過ぎて鈍いだけの人間になってしまう。しかし、現代魔法を使えば可能性はある。

 

『精神構造干渉』(禁忌の系統外魔法と言われている)で視床下部を微調整してしまうのだ。

 

とは言え、このような魔法力を使いこなせる魔法師は世界にも稀有な存在だ。

 

あまり、おすすめしないがネットで調べるとそれが可能な魔法師の個人名が出てくるだろう。

 

ただし、その個人名を公言するのは自己責任で行なって欲しい。万が一あなたの身に何らかの不都合が起きても僕は一切責任を負いません。

 

また、この理論で戦略級魔法師を作り出せるなどと早合点し、実行した結果、死亡したり廃人になったとしても僕は一切の責任を負いません。

 

特に、MATの良い子は真似しちゃダメだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




盗作になると運営から注意されましたので、引用の部分を削除しております。関係者の皆様にご迷惑をおかけしたしましたことをお詫びいたします。

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