意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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あとがきのようなもの

中途半端な終わり方と感じた方がおられると思うが、その通り!

 

じつは、ほぼリアルタイム、ほぼ真実を書いていたこの日記風私小説にクレームが入ったのだ。今回は、僕の実家もそれに賛成したのでこれまでのような更新は以後できなくなる。

 

カンの良い読者は、我国の平和条約締結までの作戦が相手側にこの私小説を通して筒抜けになるのを防ぐ為だと思っているだろう。確かにそれもある。

 

実は、それ意外なことがまずかったらしい。

 

たとえばこのような描写だ。

 

◇◇◇

 

「呼び出してゴメンね」

最近、出番がないとふてくされているらしい小野教諭だ。スパイなんだから目立たないように行動するのが当然だと思うのだが。しかし、この人の胸だけは本当によく目立つ。頭隠して胸隠さず!

 

巨乳カウンセラーとカウンセリングルームで二人きりとなれば、やる事は一つと思いたいが、そうは問屋が卸さない。

 

「もうすぐ発表されるのだけど…」

 

小野公安オペレーターによると、今春から魔法科高校のカリキュラムが大幅に改変されるそうだ。一般魔法科に新たに魔肛科が創設されるのだ。

 

「師匠くん。何か良からぬ事を考えていない?」

 

「考えてませんよ。それより小野先生。魔肛科って何ですか?」

 

小野公安パートタイムオペレーターは、本当に〜等と訝しみながら、説明を続けた。

 

魔肛科とは、フランス書院文庫等の研究に勤しむ文学系コースではなく、魔法工学技術系に重点を置いた学科らしい。

 

「司波くんは、一高の教育カリキュラムまで変えたんや!」

 

「そんな事は…あるけど」

小野遥教諭は、溜息を吐いた。

 

彼女は、新カリキュラム創設に際して現行の制度変更について話し始めた。新入生は今まで通り。変わったのは二年生に進級する際の手続きだ。新二年生には、一般魔法科と魔工科のコ ース選択が可能になった 。一般魔法科を選択した学生は従来どおり一科生四クラスと二科生三クラスに分かれて受講する。

 

「実績を上げまくっている司波くんを補欠のままにしといたら格好つかんか。で、学生は司波くん一人?」

 

「それは、流石にまずいでしょう?」

もじもじしながら遥教諭がこぼす。

 

「確かに」

嫌な予感がして来た。

 

魔肛科を志望し三月の試験にパスした学生は、新たに設けられた魔肛科一クラスに転科するそうだ。

 

「師匠くんに、三月の転科試験受けて欲しいの」

椅子の上で身をよじらせながら遥先生が頼んで来た。保健室のイスはよほど座り心地が悪いらしい。

 

新設コースに司波くん一人では、創設の動機があからさまになってしまうので、学校は非公式に転科する学生をリクルートしているのだった。

 

「勉強してないから、受からんと思いますよ」

 

「だって凄い発明」

と言いかけて、遥ちゃんは話題を強引に変えた。

 

「大丈夫!師匠くんなら、絶対合格するから!」

 

おいおい、そんな裏口入学みたいな話を教師がするなよ。しかし、『あれ』がもう公安にまで知られているのか。

 

『あれ』を思いついたのは、反日反魔法師弁護士等提訴の第一回公判が横浜地裁で開かれた日の直後だ。

 

僕は、思いついた魔法式のチャート図を書いて、森崎くんに送信した。

 

すぐに返信が届いた。「今からそっちに行く」だった。

 

「これは、実現可能なのか?」

興奮した様子の森崎くん。本当にすぐに来た。

 

「できるはずや。魔法式を極限まで縮めれば一万字以下になる。それを全部視覚的に暗記して、一度に思い出すだけや。めっちゃ早いし、CADも要らん」

 

似たような事を司波くんがしている。

 

「でも、視覚的に一万語の暗記やそれを一度に思い出すのはどうなんだ?それとこの魔法式は、座標の指定が抜けているみたいだが」

 

「一万語は、安心しろ。視覚情報だけで瞬間的に認識して覚えるんは、昔からある速読の技術や。3ヶ月もあれば誰でもできる。それと座標はxyz座標やない。心で把握するのが前提や。これは時間がかかりそうやけど、道を得てる森崎くんなら大丈夫や」

 

「そうか!」

 

手放しに森崎くんが喜んだのは少しの間だけだった。

 

「師匠。これは、もしかして同時に標的を認識できれば一度に複数撃つのが可能なのか?」

 

「そやな。一人でも一万人でも同じ理屈や。しかも心で把握できれば、遠くでも隠れていても撃てる」

 

「それって、まさか…これは戦◯級魔法じゃないのか?」

 

「まさかの×略級魔法やな」

 

以上『あれ』についての回想終了。

 

「わかりました。三月の試験を受けますわ」

 

僕がそう言ったのを聞いて豊かな胸を撫で下ろす遥ちゃん。相変わらずイスの上で身をよじらせている。

 

「師匠くん。何か変なことしてない?」

 

「何もしてませんよ、ちゃんと魔肛科に転科しますから」

 

「本当〜?」

遥ちゃんは後陰がただならぬ状態になっているようだ。柴田さんみたいに己の欲望に忠実になった方が良いですよ!小野遥教諭。

 

◇◇◇

 

11月末に我が国と大亜との平和条約が無事締結されたし、構わないだろう。それに、×◯級魔法なんてあと数年で珍しくなくなる。だから、書いても差し障りないと思うのだが、NGらしい。

 

という事で、次回から不定期連載になります。これからも『余命三年時事日記』をよろしくお願いします。

 

そういえば、もう『三年』ではなく、あと『二年』だった。(⇦伏線ですよ!)

 

三代目 河原真知

 

 

 




D.カーチス 他2名
睡眠学習法 (1965年) 出版社 黎明書房

君も睡眠学習で魔法式を丸暗記して、CAD無しの戦略級魔法師になれる?

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