意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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オリジナルキャラクターが増えましたので簡単な表を作成しました。

僕 この物語の主人公、語り部。一高1ーE 学校登録氏名:河原真知 ペンネーム:氷室雪絵
白石 主人公の男友達。1ーE
長岡 主人公の女友達。1ーE
涼野 主人公の女友達。 1ーA
朝田 主人公の女友達。1ーA
藤岡 主人公の男友達。1ーE
河村美波 主人公の女友達。二高1年
少佐 主人公の女友達。一高三年 本名:吉田摩耶
馬頭 主人公の男の知り合い。一高三年?
戸枝 主人公の男の知り合い。一高三年?
石川 主人公の男の知り合い。一高三年?
光学迷彩の中の人 ニックネーム:Qちゃん


入学編 1

 そもそも、現代魔法が世に出たのは1999年の核テロを魔法使いが未然に防いだのが最初だと言われている。

 

 これ変だと思わないか?1999年には西暦2000年問題や五島勉の「ノストラダムスの大予言」の悪影響で確かに世の中は物騒だったようだ。しかし、当時のネットワーク化は遅れていて重要なコンピューターはほとんどがスタンドアロンだったはずで、旧IBMの汎用コンピューターが西暦2000年になると狂いだし航空機が墜落するなどは中学生でもおかしいとわかるはずだった。

 

 次に、ノストラダムスの大予言についてだ。ノストラダムスは16世紀の医師、占星術師、詩人、料理研究家(?)だったそうだ。彼の著作の翻訳を読んだことがあるがなぜ1999年に世界が滅びると解釈できるのか理解出来なかった。五島氏の頭の構造は一体どうなっていたのだろうか?それよりも、当時の人々はなぜ自分の寿命をうらなってもらわなかったのだろうか?ノストラダムスの大予言が当たりなら全員が「あんた1999年に死ぬわよ」と占い師に言われただろうに。

 

 こうして、僕はあまり意味のないことに思考を巡らせながら入学式が始まるのを待っていた。

 

 よく考えたら、その後「サードインパクト」(昭和マニアの僕は意図的にこのように呼んでいる。ちなみにテストでこう解答して他の昭和マニアから「勇者」と称えられた。教員には怒られた。)が勃発して人類の三分の一が死んだとされているからノストラダムスの大予言も全くの外れだったとは言えないかも知れない。

 

西暦2095年の春に話を戻そう。

 

時刻を間違えて入学式の二時間も前に来てしまったのがそもそもの間違いだ。することがないので太陽光に当たってエネルギーを貯めていたら少し離れた所でカップルの痴話喧嘩が始まった。

こういうのは聞いたら悪いよなと思いつつもついつい盗み聴きしてしまうものだ。幸い僕は魔法を使えないので盗み聴きしても魔法使いである彼等に感づかれはしなかった。

 

驚いた。カップルだと思ったら兄妹だったのだから。全然似てない。しかも、あの熱々ぶり。リアルな千葉文学(西暦2000年代に流行った軽妙小説の一学派の俗称)を目撃してしまった。やはり、東京はすごい。

それにしても、あの妹さんはこの世の者とは思えないレベルの美人だった。俺の妹はこんなに可愛いと言っていいぞお兄ちゃん!

 

ちょっとまてよ。そのお兄さん・・・・・・人殺しだ。しかもとてつもない人数を殺している。

 

うむ。やはり、この学校を選んで良かった!理由を書いていると長くなりそうなのでこの話は次の機会に。

 

いちゃラブ兄妹にあてられて、気分転換に太陽と喋っていたがあまり実のある話はできなかった。ただ、魔法使いに僕は感知されないのは確信できた。通りで簡単にコロ・・・・独言はこの位にして会場に移動しよう。

 

この日記をご覧頂いている公安や諜報関係者の皆様、このブログはウケを狙ってかなり盛っています。一部は全くの創作かも知れません。内容を本気にして御自分の生命や社会的地位を棒に振っても責任は負い兼ねます。予めご了承ください。

 

さて、会場に向かってゆったりと歩いていると頭に圧迫感が生じた。向こうから歩いてくる女子生徒が原因だと直覚した。「また、ウィードよ」「やる気あり過ぎ」などとこちらに聞こえるように喋べりながら近づいてくる。

 しかし、いきなり二人は小走りで僕から離れて行った。

 「悪意」に「殺意」を返してやった。さすがは一科生。彼女達が殺意をどのように感じたかはわからないが比較的早く感じていた。でも、その反応なら余裕で殺されているだろうね。ちょっと大人げないことをしてしまったが、僕はさいわいまだ子供だ。世間的にも許されるだろう。

 余談だが、「殺意」は冷たく感じることが多い。覚えていて損はない。特に危険な職業に就いておられる方々は。

 

        ◇◇◇

 

 入学式とか卒業式とかこの類のセレモニーは大体において面白くないことがほとんどだ。しかし、新入生答辞には驚かされた。まず、新入生代表があのいちゃラブ兄妹の妹だったこと。そして、綺麗過ぎる妹氏(司波深雪さんらしい。)の答辞の内容だ。反魔法主義者がその偏った思想をオブラートに包んで真意を悟られないようにする為の美辞麗句に頻繁に使用される「皆 等しく」「一丸となって」「総合的に」などが使用され極めつけは「魔法以外にも」だ。妹氏は反魔法主義者か?日教組か?ほとんどの男子生徒が彼女に見惚れている中で僕は笑いをこらえるのに必死だった。それと、こんな時に生徒一人一人の様子を監視している教員達(?)にも笑えた。ガキ相手に必死になるなよ。

 

新たに加わった監視人様方に人自己紹介をさせていただきます。尚、詳しいプロフィールは所属組織から配布されたものを参照願います。ここでは、自分自身の考えを披露致します。僕は、魔法使いに否定的です。理由は、現代社会の一番の問題は魔法使いと魔法使えないの関係の悪化であるからです。

 

20世紀の一番の社会問題は、核兵器等の大量破壊兵器使用による武力衝突があれば人類が滅亡してしまう程度の損害が出ることでした。その危機は過ぎ去りました。核兵器よりももっと破壊力がある兵器が登場したのが原因です。そもそも核兵器等の大量破壊兵器は使い勝手が悪く個人で使用するのは不可能でした。国家等の大きな組織でなければ使用できなかったのです。これは核兵器を使用する意思決定にも多くの人達が介在する事になり、おいそれと核兵器使用を実行に移せない隠れた抑止力となっていたのです。

 

しかし、魔法使いの登場で事態が一変します。特に戦略級魔法師の登場です。彼等は、個人の意志で核兵器並みの大規模破壊が可能です。実際に我国でも新ソ連の沖縄侵攻に対抗して核融合反応魔法が使用されています。

この記述で私が諜報機関と通じていると結論してもらっては困ります。公開されている情報だけで新ソ連の沖縄侵攻も核融合反応魔法の使用も断定できるのですから。

話を元に戻しましょう。と思いましたが入学式が終わりました。続きはまたの機会に。

 

僕は、ホームルームに参加するためにEクラスルームに移動した。自己紹介をすることになったので僕は京都出身でやんごとなき理由でこの八王寺高校に魔法が使えないのに来たと正直に話した。ウケた。関西出身はさすがだよな〜、本当に面白いよね〜と言われた。イヤ、マジなんですけど。

 

ところが、意外な事にもう1人魔法は使えないと自己紹介した人物がいた。彼女は福岡出身で趣味は八卦掌と言い放った。未だに謎のベールに包まれた神秘の武術と八卦掌が言われるのは、百年前から変わってない。アニメや漫画でも必殺技64手(←ここ笑うところ?)が描かれているのを見たことがないのだ。本当の事を言ってしまうと八卦掌はその基本が変わっていてグルグルと円を描いて歩くのが奇妙なだけで他の内家拳と変わりないと誰かに武術を伝えなければならない義務を負う、所謂、掌門人に僕は聞いた。(祖父の関係者だけど。)

とはいえ、大亜連合と日本帝国は緊張状態にある現状で、しかもこの魔法科高校で中国武術が趣味だと宣言するとは良い根性をしている。と思ったら、彼女に僕の意識が余分に行ってしまいわかってしまった。

 

彼女も人を殺していた。もしかしたら、それで地元を離れたのかもしれない。八卦掌の創始者みたいに。

 

それにしても、このクラスのメンバーもそうだがほとんどの男子女子が美形だ。魔法科高校に入学する前に色々と調べてみたが、全員美形というのがあった。絶対ガセだと思ったが本当に美形揃いだった。これは興味深い現象だ。ちなみに冴えないというかフツーの顔(略してフツメン?)は僕と八卦掌の彼女くらいだった。

 

 

なぜ、魔法使いに美形が多いのか?それは、彼等が先祖返りだからだと考えられる。聖書外典や黄帝内経にある記述を参考にすると魔法使いが沢山出現した時代があるようだ。時が経つにつれて急速に魔法使いが生まれなくなった。今、出現している魔法使いにはその生まれ変わりだろう。なので、容姿が日本人離れしているのは当然だ。日本人から見れば、大陸系の外見は格好良く感じられる。脚が長く、首筋もはっきりしている。

 それとこれは全くの想像だが、過去にあったことは今も起こりうる。神が魔法使いを生ませないと決定すれば再び魔法使いは生まれなくなる。ネット上のデータから概算すると各国が競って魔法使いの生成と育成と図っているにもかかわらず、その人口増がそのコストに比例しないのは、神の意志だろう。(別に預言とかそういうものではないので気にしないように。)

 

無駄に熱い担任の主張を聞き流しながらどうでも良い事をアレコレと考えてみた。しかし、担任はどこの金八?飛び出せ!青春?な人物だ。奇妙な長髪とすそ野が広がったズボンが全然似合ってない。このような人物をEクラスの担任にしたのは何らかの意図が有るのだろうか?

 

25人のクラスだったが、ホームルームには20人足らずの参加だった。入学初日から、ホームルームに参加しないとは一体どの様な連中だろうか?僕は、帰りにどこに寄る等と話が盛り上がっているクラスメイトの輪に加わりながら考え事をしていた。意外に思われるかもしれないが僕はどちらかと言えば社交的だ。死後は全く関わりを持たなそうな友達もできた。僕の高校生活は順調に始まった。ような気がする。

 

 

        ◇◇◇

 

 

 CADには、サイオン信号と電気信号を相互に変換する感応石と呼ばれる合成物質が入っている。魔法使いから出るサイオンを使って電子的に記録された魔法陣、つまり起動式をその合成物質は出力する。(呪術師がサボテンを使って即席に「観る」力を得るようなものだ。)魔法使いは、出力された起動式を吸収し魔法演算領域と呼ばれるブッディ体に送り込む。そこで、魔法を実行する情報体、すなわち魔法式が生み出される。

 

うーむ。体に悪そうだ。道を得たわけでもない意識で、無意識下の領域のエネルギーを使いこなすのは危険を伴う。明らかに健康を害するよりも前に精神のバランスが保てなくなるだろう。何しろ、想子(サイオン)を過度に使う一方でエネルギーの補給はほとんどしていないのだから。

 

僕が現代魔法使いに否定的なのはこれが理由だ。彼等は精神が不安定なのに大きな力を持つ。これでは基地外に刃物、左翼に爆弾だ。魔法が使えない人が潜在的に魔法使いに恐怖を抱くのはそれなりの理由があるのだ。

 そこで、僕は以前考えた。世の中から魔法使いあるいは魔法使えない人のどちらかが全員居なくなれば両者の争いはなくなるだろうと。小学生が考え付くアイディアなんてこんなバカげたものだろう。

 

前者を選択する場合は、現代魔法師が使うCADの性能を良くして更に魔法演算領域を酷使できる様にすればいい。魔法師全員過労死だ。もう少し効果を上げようとするならば、起動式に自己破壊的な概念を想起させる術式を紛れ込ましておくと良い。魔法使いは自己保存本能をかなぐり捨てて魔法を使うので己の魔法能力が上がったと錯覚し燃え尽きるまで頑張り続けるだろう。

 そして、体調を崩して突発的に自殺する。名付けて「タミフル」術式。当時、これをネットに公開したら両親とともに学校に呼び出された。あやうく、外患誘致罪被告の最年少記録を打ち立てるところだった。(ちなみに外患誘致罪刑事告訴の最年少記録は持っている。)その直後から、大亜や新ソの関係者が接触してきたので本当に危なかったのだ。おかげで、公安の調査対象に今でもなっている。

 良く考えたらこんなもの目の良い魔法使いにはすぐばれるだろう。術式レベルの細工ではだめだ。感応石自体の構造に細工して・・・・内乱罪の主犯格として共謀罪で告発されそうなのでここら辺りで止めておこう。有料会員の皆様は・・・・のあとも読めます。お金さえ払えば有料会員になれますが、徹底的な身辺調査が行われるのを覚悟しておいて下さい。 

 

 公安、軍情報部の皆様。いつも監視して頂いてありがとうございます。僕の安全な学園生活は皆様と皆様の下請け様の尽力のおかげです。

 しかし、未成年者にスパイの真似ごとをさせるのはどうかと思いますよ。彼らは優秀な学生です。高校生の頃から騙し騙されていたら絶対に人間不信になります。大した報酬ももらえない公務員の下請けに将来有望な青少年をこき使ってその才能をダメにする暗黒の未来しか見えないですよ。もし、彼等が疲れて辞めたいと言い出したら僕に連絡させて下さい。時間はかかりますが元気を取り戻す良い方法をご指導させて頂きます。ただし、有料です。

 

 本当は、下請け諜報員だけではなかった。殺し屋や軍人も警察もいた。取り締まるほうだけでなく取り締まられるほうも。教員だけでなく学生の中に諜報員を紛れ込ましておくのも仕方ない。魔法科高校は国からの多大な予算で運営されている。国が学園内で何が起こっているのか出来るだけ詳しく知っておきたいのは当然だ。

 

 話が横道にそれてしまった。次に後者、つまり魔法使えない人を全滅させるにはどうしたら良いのか?当時、僕は百年前くらい前の「少女漫画」を読んでいた。(ちなみに僕は学校にあまり登校していない。卒業するために必要な出席日数も定められてないし、資格取得等に必要な学歴は高校卒からなので特に真面目に通う意義を見いだせなかったからだ。)その影響もあって、男子は全員男の娘に女子は全員腐女子にすれば人類は一代で滅びると考えた。

 全くおバカな作戦だが、あとからよくよく考えたらモラル崩壊時代は新ソや大亜や米国左派の仕組んだ「ソドムとゴモラ作戦」により作られたものだった。敵は天皇陛下中心の精神的に強い日本の国体弱体化を謀るつもりだった。日本は核兵器は持っていないとされていたが、米国との取り決めで先制核攻撃を日本が受けたら在日米軍基地の核ミサイルが紛失し24時間以内に先制攻撃を掛けた敵国に潜水艦惣流から撃ち返すことになっていたのだ。

 なので、大亜や新ソは先制核攻撃を絡めた日本へ電撃的な直接侵略は不可能だった。そこで、日本国民を堕落させて腑抜けにし間接侵略を仕掛けていたのだ。ただ、先に大亜や新ソの民度が落ちて弱くなってしまい、当時の中国共産党国とロシア王国は事実上滅び、米国左派は中央から退けられた。

 

 学校で習った近代史とかなり違うと思われただろう。だから前もって断っておいた。僕は学校に真面目に通っていないと。赤が作った教科書は出来るだけ読まない様にしたので極めてフラットな歴史感覚だと自負している。

 

再び、話を元に戻す。魔法使えない人を全滅させるなんて魔法を使えば造作もないので当時の僕も少し面白い事を考えようとしたのだ。今ならもっと生産的な方法を提示出来る。

魔法使いが精神干渉魔法を使えば魔法使えない人は魔法使いに隷属する。簡単な事だ。もしかしたら、すでに大亜や新ソはしているかも知れない。と言うかしているだろう。米国も怪しいな。日本帝国はしていない。それは確約出来る。もし魔法使いがそれをしたら皆殺しになるだろう。その理屈や方法は、今のところ有料会員にも明らかにする気はない。

とは言えケチケチする必要もないので一つ。魔法演算領域から直接攻撃を仕掛ければ、敵は死ぬのが当たり前になって自然に死亡する。 

 

本日はここまで。


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