蒼空の会社員   作:kr36

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当てられる(落とせるとは言ってない)
あとオリ主の機体は一話で予想できる人は多そうです。
原作的にはある意味でここから開始です。


通学は満員電車で

『急行池袋行き発車いたします、お近くの空いているドアからご乗車下さい』

 

朝八時、都会の駅では当たり前の人混みの中で二人の高校生が走っていた。

 

「マキちゃん、その電車乗って!」

 

「うわっ人いっぱい、おまつり!?」

 

『間もなくドアが閉まります駆け込み乗車はご遠慮下さい』

 

「乗れる乗れるホラ!」

 

黒髪の高校生はもう一人のマキという名前の茶髪の高校生を無理やり背中で押し混みながら満員電車に乗り込んだ。

 

十数分後

 

何駅か通りすぎ人も少なくなって余裕ができたのでマキは車内のつかまり棒に体を預けている。

 

「マキちゃん満員電車慣れた?」

 

「……きつーいつらーい(よだきー)、話には聞いてたけどこれほどきついとは思わなかったよ」

 

「……まあ、満員電車を回避する方法も無くはないんだけどね……」

 

と言いながら黒髪の高校生は窓の外を指差すその先には飛行機がとんでいた。

 

「ああ……あれで通学できればどんなに楽か」

 

「無理だよ……こんな都会じゃあ「それがムリじゃあ無いんだよね」」

 

瞬間、耳をつんざくエンジンと共に電車の横に戦闘機が降下してきた、窓からみえるその飛行機の操縦者は彼女たちと同じ制服で長い銀髪をした少女が乗っていた。

 

「女の子が乗ってた!私たちと同じ制服髪の長い」

 

「え?じゃあ二年の《飛燕のお蛍》さんね!」

 

電車の横を飛んでいた飛燕は右旋回しながら急上昇してライトニングを叩きおとしていた。

 

「街の上で空中戦してる!?」

 

マキは思わず窓に張り付いて空中戦を眺め始めた。

電車の中からはちらほらと「若者は元気でよろしい!」等の声が聞こえ街の上での空中戦は当たり前の事として受け入れていた。

 

「モコちゃん、これ都会では普通なの!?」

 

「普通普通、マキちゃんの地元ではなかったの?」

 

「そうそう無いよ、やっても曲芸飛行だし地元での通学機赤トンボだったから」

 

見ていると一式陸攻の後ろを飛んでいたライトニングが右旋回降下しながら離脱を開始している。

その後ろをついていた零戦は追従せずに陸攻についていくようだ。

 

「あ~あれは不利になったから逃げたね」

 

「だねぇ、簡単に離脱できるかはわからないけど」

 

「え?モコどういう事」

 

「あの一式陸攻、私たちの学校の通学機なんだけど、いまみえてる二機の学生機以外に護衛がいるの、たぶんそろそろ」

 

突然小さくサイレンの音が聞こえだした。

マキは上空で空中戦が起こっていたので住民の避難の為にサイレンを鳴らしているのかと思ったが、そのサイレンの音がどんどん大きくなるにつれて思ったものと違う事を理解した。低く飛んでいるライトニングに鉄の雨が降り注いだ。ライトニングの翼が折れ数秒後、エアブレーキを開いたガルウィング翼の急降下爆撃機「スツーカ」がライトニングの真後ろを通るように急降下していった。

 

「え?」

 

「今のが、《狙撃の栗原》「またの名を距離千五百で当ててくる《変態栗原》や」」

 

「え?」

 

「誰?って遠坂さん」

 

振りかえるとそこには少し日に焼けたスーツ姿のおじさんがいた。

 

「おっす、モコちゃん教えた店にちゃんと照準機はあったか?」

 

「あ、ありましたよ、教えていただきありがとうございます」

 

「ちょ、ちょっとまってモコ、この人誰?それと照準機ってなに?」

 

「あー始めまして俺はさっきのスツーカに乗ってるやつの同僚の遠坂 寛人いいますよろしくお願いします」

 

「あ、私は羽衣 マキっていいます。」

 

「照準機については後でのお楽しみ、それよりも遠坂さん噂には聞いていましたが本当に千以上離れている所から当てるんですねぇ」

 

「相手が回避機動をとっていないのを前提としてるとはいえ場合によっては二千からでも当てられると本人は豪語しとるんやで?」

 

「それが本当だとしたらとんでもない話ですねぇ、しかもそれをガンポット積んだ急降下爆撃機でやるんですから」

 

「だよなぁ……、せやあいつ後部銃座を改造して……」

マキは急に始まった機体の考察についていけず目的の駅まで静かに話を聞いているしかなかった。

 

 




赤トンボ=九三式中間練習機の事

それと千五百メートル狙撃ですが数打ちゃ当たるを一回の射撃内で行っていると考えて下さい。

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