夢から始まる君とのLIFE   作:U.G.N

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 第3話
 どうぞ



何か知らんが互いにムカつく

 やっぱりあれは正夢、いや、予知夢だったのね!

 

「八幡、この女の子と知り合いなの?」

 

「いや、初めてだと思うんだが」

 

「あんた八幡っていうのね。よし、あんたにこ達のマネージャーやりなさい」

 

 あの夢を正夢にしてみせるわ。

 

「いやちょっと何言ってるかわからないんだが」

 

 流石に急ぎすぎた。

 

「ごめんごめん。私たちはね……」

 

「みゅ、みゅみゅみゅミューズぅぅ!!?」

 

「おう、どうした材木座。とうとう人間の言葉を話すのを辞めたのか?」

 

「ち、ちがうわい! それよりその方はμ'sの矢澤にこ殿じゃないのか!?」

 

 ん? この大男はにこ達のこと知ってるのかしら。流石ににこ達も有名になってきたみたいね。いい気分だわ。

 

「あ? ミューズ? 石鹸か?」

 

 ピキッ

 

「ち、違うよ八幡。μ'sっていうのは9人グループのスクールアイドルだよ」

 

 ふ、ふん。この可愛い子もちゃんとわかってんじゃない。

 

「ん? スクールアイドルって高校生がなるものじゃないのか? 小学生でもなれるのか?」

 

 ピキピキッ

 

「な、何を言っておるのだ。にこにー殿は3年生だぞ八幡よ」

 

「え、中3だったの? てっきり小学生だと……」

 

「高校生よ!!!」

 

 ウガーッとこの失礼な男に掴みかかろうとするが、何故か身体が動かない。

 

「はーいストップ。にこっち落ち着いて」

 

 どうやら希が私を羽交い締めにしているようだ。

 

「離しなさい希! この男を1発殴らせて!」

 

「まぁまぁ。ごめんなぁ、うちのにこっちが迷惑かけて」

 

「は、はあ」

 

 くっ、動けない。ていうか、にこの背中で潰れてる2つの大きなものの弾力で、希が手を離した瞬間前に吹っ飛びそうなんだけど。

 

「と、とととと東條希ぃ!?!?」

 

「ん? うちのこと知ってるの?」

 

「は、はははいぃぃ!! もちろんでございまする!」

 

「へぇ。ありがとな。君おもしろいなぁ」

 

「ぶべらっ!!」

 

 何か大男が倒れたんだけど。

 

「何だ? この人も有名人なのか?」

 

「さっきも言ったμ'sのメンバーだよ。この東條希さんも3年生」

 

「え、同い年? この2人が?」

 

「殴らせて! 希、この男殴らせて!」

 

 明らかににこの一部分を見て言ったこいつ!

 

「ははは、それで、君たちはにこっちの知り合いなん?」

 

「いえ、そこの小さい人がいきなり詰め寄って来ただけです」

 

「どぅわれが小さい人よ!!」

 

「にこっち、話進まんから少し黙っててくれる?」

 

 くそぉ、どこまでも腹立つわこの男。

 

 

「ふむふむ。落とした缶バッジをにこっちに拾ってもらったと思ったら、いきなりマネージャーになれと言われたと」

 

「はい」

 

「にこっち何してんの?」

 

「改めて聞くと、私も自分が何をしてるのかわからないわ」

 

 にこの中ではちゃんと意味はあったんだけど、流石に相手には意味がわからなさすぎるわね。

 

「いきなり悪かったわね、目の腐った人」

 

「いいえ、気にしてないですよ小さい人」

 

「…………」

「…………」

 

「だから小さいって言うんじゃないわよ!!」

「先に目が腐ってるとか言ったのはそっちだろうが!」

 

「あんたの目が腐ってるのは本当じゃない!」

「あんたが小さいのも本当だろうが!」

 

 むかつくぅ~~~!!

 

「はいはい、そこまで。よく初対面でそこまで言い争えるなぁ」

 

「本当ですよね。ていうか、八幡があんな感じで話すのは初めて見たかも」

 

「…………」

 

「……? どうかしましたか?」

 

「君、女の子?」

 

「男です!!」

 

 

「ほらにこっち、早くことりちゃんのお店行くよ」

 

「ああ、そうだったわね。ふん、感謝しなさい。今日はこの辺にしといてあげるわ」

 

「何様だよ。態度は大きいんだな、身体は小さ、いや何でもない」

 

「そこまで言ったなら最後まで言いなさいよ! 余計腹立つわ!」

 

「八幡! いい加減にしなよ、相手は上級生だよ? どうしちゃったのさ」

 

 そうよ。もっと言ってあげなさい、可愛い男の娘!

 

「ぐ、だが戸塚……」

 

「八幡?」

 

「すんませんした」

 

 アホ毛が頭を下げることで私の顔の前にくる。

 なのでそのアホ毛を掴んで……

 

「ふん。いい心掛けね。口の聞き方には十分注意することね」

 

「うわぁ、にこっちそれは引くわ」

 

「は、ははは」

 

 何故か希と男の娘が引いてる。

 すると、アホ毛が身体を起こすと精一杯作り笑いを作り、

 

「いやー、ほんとすんませんでした。これから気を付けますね。それでは俺たちはこの辺で。もう2度と会えないといいですね。チビ先輩」

 

 何て言い捨てていった。

 

「こっちの台詞よ! この、腐り目アホ毛ぇ!!」

 

 

 

 

「何なのよあいつは!」

 

 私は希とことりの店に向かいながらさっきのクソガキの愚痴を溢していた。

 

「年下に大人げないでにこっち。そもそも何でにこっちはあの子にマネージャーになれなんて言ったん?」

 

「……あいつが夢の中で私のマネージャーやってたのよ」

 

「夢ってさっき言ってた?」

 

「ええ。でも、きっと別人ね! 確かに顔はそっくりだったし、夢の中のマネージャーも少しは生意気だったけど、あそこまで酷くなかったし。むしろちょっと格好良かっ…………はっ」

 

 希の方を見てみる。

 

 にやにや

 

「何にやついてんのよ!」

 

「いやー、まさかあのにこっちが、そんな乙女チックな夢を観てるなんてなぁ。プププ。にこっちも女の子やねぇ」

 

 くっ。

 

「の、希ぃ!!」

 

 私はにやにやしながら逃げていく希を追いかけ回すのだった。

 

 

 

 

「どうしちゃったの八幡? 八幡らしくなかったよ」

 

「……なんだろうな。俺もわからん。目が腐ってるとか雪ノ下たちに言われ慣れてるはずなんだけどな」

 

「は、ははは。それもどうかと思うけど……」

 

「ただ、何かあいつに言われたら腹が立ったな。あんな感じは初めてだ。いつもなら全く気にならないはずなんだが」

 

「………………それって」

 

「あん? 何か言ったか?」

 

「……ううん。何でもないよ。それよりぼくたち何か忘れてない?」

 

「うん? そうか?」

 

「そんな気がするんだけど……」

 

「まぁ忘れるってことはその程度のことなんだろ。またいつか思い出すさ」

 

「……うん。それもそうだね!」

 

 

 

「んじゃ帰るか、千葉に」

 

「うん!」

 

 

 

 




 忘れるということは所詮その程度のことですよね?
 そうですよね?

 まぁそれはともかく次回もお楽しみに

 感想、評価、お待ちしております

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