魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

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過去と………

唯が百と話をしていた頃と時間は前後して………

 

「だりゃぁーーーー!!!」

武昭は()()()()()()()()()()()()()()で修行をしていた。

 

「ふぅ……少し休むかって、その前に軽く整えるか………

発動、緑の魔法+ウッドメイク(ハウス)

呟いた武昭が地面に手をつけると傍にあった木の一本が6~7m程までに成長し

上部に家がある、いわゆるツリーハウスに変化したので武昭はその中で休憩をした。

 

「ここは私有地で自由に個性も使い放題だし………

それに山菜やキノコも採り放題、食べ放題だからな………

メタルメイク(ネット)&(ポット)立体文字(ソリッドスクリプト)(ウォーター)火竜の溜息」

武昭は自身で鉄の網と鍋を作り口から小さな火を吹き出して空中に書いた文字から水を出すと

キノコの網焼きと山菜のスープを作った。

 

「なんか魔法の無駄遣いだよな……魔法……か………」

食事をしていた武昭は自分の肩にある紋章を服の上から触っていた。

 

「初めて魔法を使った時父さんと母さんは驚いてたよな……

互いに無個性の両親なのに、こんな俺が生まれたんだから………

けど……俺の過去を話したら受け入れてくれたっけ………」

そう言った武昭は窓から夜空を見上げながら昔を思い出していた。

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△

 

武昭がこの世界に生まれてから4歳になった時、個性の検査の為に近くの病院に来ていた。

 

「検査の結果ですが………お宅のお子さんには個性が宿ってませんね」

 

「はぁ……やはり、そうでしたか………」

 

「両親が無個性でもごく稀にお子さんに個性が発動する事がありますが………

それに、これを見てください」

医者は一枚のレントゲン写真を見せた。

 

「昔……ある研究がされて、それで分かった事なんだが………

足の小指の有無で個性が宿ってるかの目安にされてるんだ。

ここを見るとお子さんには関節が2つあってだね、これは無個性の印なんだ」

 

「では………ウチの息子は………」

 

「えぇ、この世代では珍しい()()()()()宿()()()()()()()()()

 

「そうなんですか………ありがとうございました………」

検査を終えた武昭は母親と共に帰宅した。

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 

それから数日後………

武昭の家が持ってる山の中で両親が話していた。

 

「そうか……やっぱり武昭には個性が宿ってなかったか………」

 

「それは仕方ないわね………私達には個性が無いんだから……」

 

「けど武昭は体を鍛える事は続けるみたいよ」

母親の言葉に父親が視線を向けた先には武昭がトレーニングをしてる山中があった。

 

「ハァハァハァ、次は……「武昭………少し休んだ方が良いよ………」ありがとうな唯」

武昭が一旦トレーニングを終えて休んでると唯がタオルとスポーツドリンクを持ってきた。

 

「ふぅー 冷たくて美味いなぁ………」

 

「ねぇ………武昭のお母さんから聞いたんだけど………武昭って個性が無かったんだよね……

それなのに、こんなトレーニングを続けるの?………」

 

「そうだな………普通なら個性が無いって分かったんなら、やらなくてもいいかもしれないな………

だけどな……個性が無くても体を鍛えると出来る事があると思うんだ………

だから、俺はこれを続けるよ………」

 

「そうなんだ………頑張るのは良いけど………ケガだけには気を付けてね………」

 

「あぁ、分かったよ唯………ん?地震か……「キャッ…」おっと」

2人が話してると軽い地震が来て唯がよろけたが武昭が支えた。

 

「どうやら震度は低いみたいだな……大丈夫か?唯」

 

「う、うん………武昭が支えてくれたから……大丈夫……」

 

「けど、何かあったら危ないから父さん達の所に行こう」

 

「ふえっ!?た、武昭!私、自分で歩くからっ!!」

 

「悪いな唯、けど今は早く行きたいから、こうさせてもらうよ!」

唯は武昭にお姫様抱っこをされたので拒否しようとしたが、それは却下された。

 

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武昭と唯が両親の所に到着すると2人が話しかけてきた。

 

「武昭、唯ちゃんも大丈夫だったみたいだな」

 

「あぁ、けど早く家に帰った方が良いんじゃないかな?」

 

「武昭の言う通りね、アナタそっちの片付けをお願い」

 

「分かった、ん?何か音がしないか?」

 

「そう言えば………それに段々音が大きくなってる様な………えっ!?」

母親が音がした方を見ると、猛スピードで巨岩が転がってくるのが見え

そのままでは両親へ直撃コースだった。

 

だが、急にきた危機によって全員どうするべきか対応出来なかった………

 

()()()()()()()()()()()()

 

「うぉーー!!」

武昭は唯を地面に優しく降ろすと巨岩に向かって行った。

それを見た両親は正気に戻った。

 

「なっ!?武昭!止めなさい!!」

 

「待つんだ!今行ったら君も危ないっ!!」

 

「けど!あのままじゃ武昭が!!」

 

「ダメー!武昭ー!!」

3人は叫ぶが武昭は止まらなかった。

 

「体が勝手に動きやがったか………

やっぱり生まれ変わっても、俺の生き方は変わんねぇって事か!

どんな時だろうと家族を守る為に立ち向かうのが俺の進むべき道だぁっ!!」

そう叫んだ武昭が()()()に右手を振りかぶると炎に包まれた。

 

「喰らえっ!火竜の……鉄拳!!」

そのまま燃えた右手で武昭は岩を砕いた。

 

「ハァハァハァ……まさか、久し振りに使ったのがお前の魔法だったなんてな……

ありがとうな、()()

 

「武昭………今のは何なの?……」

 

「何で無個性の武昭があんな事が出来たんだ?……」

岩を砕いた武昭が自分の手を見てると両親が真剣な表情で傍に来た。

 

「父さん………母さん………うっ?コレは………」

武昭が話そうとした時に急に意識が遠くなりそのまま倒れた。

 

「おいっ!武昭!!」

 

「どうしたの!武昭!!」

 

「急いで家に連れて行くんだ!」

 

「私も……一緒に行って良いですか?」

 

「えぇ、構わないわよ唯ちゃん」

両親は武昭を抱き上げると急いで家へ帰り唯も、その後を追い掛けた。

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 

家に帰って暫くすると武昭が目を覚ました。

 

「アレ……ここは………」

 

「武……昭………?」

武昭が目を覚ますと唯が部屋に入って来た。

 

「唯……何で、俺はここに……」

 

「唯ちゃん、武昭は………あなたー!武昭が目を覚ましたわー!!」

武昭が軽く状況確認しようとしたが母親が父親を呼びそれで軽く部屋で騒ぎがあった。

 

その後……

 

「武昭……聞きたいんだが、あの炎は何だったんだ?」

 

「あと……帰った時に着替えさせたら左腕に何か()()()()()()F()()()()()()()()()()()()()()()()()

それは何かしら?」

 

「えっ!?そんな!!本当だ……()()()()()()()()()()()………」

 

「どうやら……武昭はそれが何か知ってるみたいだな……どういう事か話してくれるか?」

父親の言葉に武昭は黙ってうなづくと自分の過去を話し出した。

 

その内容は………

 

・武昭はこの世界に産まれる前の記憶があった。

・その世界で一匹の竜に育てられて魔法を習った。

・竜が姿を消してからはある街にある魔導士ギルドに所属する事になった。

・そのギルドで数人しかいないS級魔導士の資格を手にした。

・その後、ある戦いにおいてギルドの仲間を守る為に命を落とした。

との事だった。

 

「じゃあ、武昭の腕に浮かび上がったそれは……」

 

「コイツは俺がいたギルドの紋章で……ギルドの一員の証なんだ」

 

「なら、あの時に武昭の右手が炎に包まれたのも………」

 

「そうだよ、コレはギルドの仲間から習った【魔法】なんだ」

武昭は右手に炎を出したが、その勢いは先ほどよりも弱かったが少しすると消した。

 

「父さん……母さん……実は話したい事が……「ダメよ」えっ?」

 

「武昭の事だから、この家を出て行くと言うんでしょう?」

 

「母さん?………何で分かったの……俺は普通じゃないんだよ………

前世の記憶があって、その時の力も使える!こんな俺はいずれ迷惑を…あ……」

武昭が泣きながら話してると母親が優しく抱き締めた。

 

「前世の記憶を覚えている?その時の魔法を使える?それが何だって言うのよ……

武昭は私達の息子………ただ、それだけよ………」

 

「そうだぞ、武昭………どんな事情だとしても親として全てを受け入れる……

それが親と言う物だ………」

それを聞いた武昭は声を殺して泣いたが母親は優しく撫でていた。

 

武昭が泣き止んで………

 

「ふぅ……ごめん父さん、母さん………少し俺と唯だけにしてくれるかな?」

そう武昭が言うと部屋の中には武昭と唯だけになった。

 

「なぁ………唯……唯はあの時の俺を見て、俺の事を聞いて、どう思った?」

 

「ん………最初は少し怖かった………けど………話してる時の武昭を見てて……

辛そうにしてたのが気になった……」

 

「そうか………多分、俺は後悔してるんだよ………

仲間達を守る為とはいえ自分が命を落とした事に………」

 

「そうなんだ………」

そういうと部屋は沈黙に包まれた。

 

その後、唯は帰宅したが何かを考えていた。

 

 

 

















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