武昭が眠って暫くして………
「うん………あれ?唯………膝枕をしててくれたのか?」
「うん……私が武昭にしてあげたかったから……」
「そっか、ありがとうな、クワァ〜〜〜」
起き上がった武昭は体を伸ばした。
「さてと、買い物も終えて昼も食べたし、これからどうする?」
「うーん……どうしよう? 私は武昭がしたい事や行きたい場所があるなら、それで良いよ……」
「俺に任せるって事か………あっ、だったら」
「ふえっ!?た、武昭!!」
急にお姫様抱っこをされた唯は慌てて武昭を見た。
「ちょっと、行きたい場所があってな、行くからちゃんと掴まってろよ」
「う、うん……分かった……(こうしてると……武昭の暖かさとかが……)
「じゃあ行くか………瞬間移動(ダイレクトライン)」
武昭が一言唱えると2人の姿が、その場から消えた。
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姿を消した2人が再び姿を見せるとさっきとは違う何処かの裏路地に居た。
「えっと……武昭、ここは?………」
「あれを見たら分かるぞ」
唯が武昭に言われた方を見るとお城があり、そこの屋根には金の鯱鉾があった。
「あれって名古屋城?だったら………」
「あぁ、愛知に来たんだよ。たまには遠出するのも良いかなって、ほら」
「うん……ありがとう武昭………じゃあ何処に行くの?」
「何も考えないでブラブラ歩くだけでも良いだろ?」
「そうだね………そう言うのも良いか」
「じゃあ行くぞ」 「うん……」
唯と武昭は手を繋ぐとその場から離れた。
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街中を歩いていた2人は色々と見たり食べたりしていた。
「ふぅ〜 結構美味しい店があるんだな」
「武昭って、本当に美味しそうに食べるよね………」
「そうか?自分じゃ気づかないけどな……まぁ何を食べても俺には唯の料理が一番だけどな?」
「そ、そうなんだ……(武昭って正直に言うから………聞いてる私の方が恥ずかしい………)
「さてと、そろそろ帰ると「キャッ」おっと、ごめんなさい余所見してて」
話していた武昭が歩いていたポニーテールの女の子にぶつかって転んだので手を出した。
「いえ、私も前を見てなかったものですから…クッ……」
「どうやら、転んだ時に足を捻ったか何かしたみたいだな……あっ、あそこに行くか」
「だったら………私が肩を貸すから掴まってください………」
「いえ、私の不注意ですから………」
「いや、俺も余所見をしてたから、どっちも悪いよ、それに怪我人を放っておけないからな」
「分かりました………すみませんが、お手数をおかけします……」
ポニーテールの女の子を連れて武昭と唯は近くの公園に向かった。