魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

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第一種目

武昭が壇上から降りるとミッドナイトが入れ違いに登った。

 

「じゃあ一回戦の種目を発表するわよ、アレを見なさい!」

全員がミッドナイトの差した方を見ると巨大なビジョンに【障害物競走】と映し出されていた。

 

その後、ルールやコース説明が終わると生徒達がスタート地点に並んだ。

 

「コースに出る入り口は全部で三つ……先行と後続なら、やっぱり俺は……」

 

【3!2!1! START!!】

 

流星(ミーティア)!」

武昭はスタートランプが緑になったと同時に魔法を発動させていち早く入り口を抜けた。

 

「ふっ、悪いがどんな競技でも負けるのは嫌なんでな……」

 

「それは俺も同じだ」

武昭が後ろを見ると轟が追いついていた。

 

「へぇー俺の速さについてくるなんてな」

 

「当たり前だ、俺はお前に勝つんだからな」

 

「そんな事を言うのは良いけど、相手は俺だけじゃないんだぜ?」

武昭が指差した方を見るとA組の生徒達が続々と入り口を抜けていた。

 

「教えてやるよ上ばかり見てると下に何があっても気づかなくて転ぶ事もあるぜ」

 

「うるせぇ……ん?何か音が……」

 

「おいおいおい、あいつは入試の時の0Pのヴィラン役のロボットじゃねぇか」

2人がコースを進んでいると入試の時の巨大ロボットが数台いた。

 

「早速最初の障害物だ!第一関門ロボ・インフェルノ!!」

 

「おいおい!あんなと戦うのがヒーロー科の入試だったのかよ!?」

 

「あんな奴、どうしたら良いんだ!?」

 

「行く手を遮るならぶち壊すだけだ!雷竜の……顎!!」

 

「こんな奴に手間取ってる暇は無いんだよ!!」

 

「はぁーっ!?あいつら!!」

ロボの頭上まで飛び上がった武昭がナックルハンマーに雷を纏わせて殴り壊し轟が凍りつかせたのを見た生徒達は驚いていた。

 

「よしっ!今の内に空いてる足元から通り抜けれるぞ!!」

 

「そうだ!A組の奴等だけを先に行かせてたまるか!!」

 

「まぁ、順位を争うこの競技じゃ良い考えだな……ん?おい轟」

 

「なんだ、こんな時に?」

武昭は気になった事を隣を走っていた轟にある事を尋ねた。

 

「お前は俺と違って()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「どうやらお前は気づいた様だな あれは変な体勢で凍らせたから……」

轟が話してると後ろから大きな音がしたので見ると轟が凍りつかせたロボットが倒れていた。

 

「どうやら()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あぁ…後続が来ない様にな……っと……」

 

「けっ!下が駄目なら上からだ!!」

 

「そのアイデアはお前だけじゃ無いぜ!爆豪!!」

爆豪は両手を爆発させて、瀬呂はテープでとロボット達の上から越えていた。

 

他にも何人かの生徒がロボット達を越えていたが大体がA組だった。

 

「オラァ!俺の前にいるんじゃねぇ!!」

 

「違うぜ爆豪 俺達が前に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「アァーッ!?テメェ!ぶっ潰してやらぁ!!」

 

「へっ、それはこの競技が終わってからにするんだな!おっと」

武昭が爆豪を避けて前を見ると大きな穴の中に幾つかの足場に数本のロープが繋がれていた。

 

「次の試練は第二関門ザ・フォールだぁ!!」

 

「どうやら、このロープを使って先に進むみたいだな……けど!」

武昭はロープを渡らず足場を飛び越えて進んでいた。

 

「チッ、ここじゃ俺の個性は、そんなに使えないか」

 

「はっ!ここは俺が先に行くぜ!!」

轟はロープを凍らせて爆豪は両手を爆発させてそれぞれ進んでいた。

 

幾人かの生徒が進む中に緑谷がロープを進んでいたが、その背中には大きな鉄板があった。

 

(やっぱり、あの3人は先に行ってるか……けど、必ず後で()()が役に立つ筈だ!!)

緑谷はロープを渡り終えると先に進んだ。

 

一方……

 

「おーっと!!先頭集団は第三関門怒りのアフガンまで来たぞー!!

ここは威力が弱い地雷が埋めてあるがよく見れば分かる筈だぜ!!」

 

「くそっ、ここで手間取ってる訳には……」

 

「下を進めねぇなら上を行けば良いんだよっ!!」

 

「そんな事しなくても、普通に行けば良いだけだ!」

轟が地雷を避けながら進み爆豪が爆発で進む中、武昭は普通に進んで地雷を踏んでいた。

 

「アァーッ!?1年A組創史が地雷を踏みやがった!?ヤケになったのかぁ!?」

 

「おい、よく見ろ……創史はヤケになった訳じゃ無いぞ」

相澤の実況にマイクが爆煙が晴れた後を見ると体に炎を纏った武昭がいた。

 

「この体ならどれだけ爆発しても関係ないからな!

お先に轟!爆豪!!」

 

「くっ!後ろの奴等に道を作る事になるけどしょうがねぇ!!」

 

「コラァ!俺の前に出るんじゃねぇ!!」

武昭が進む中、轟は地面を凍らせて進み爆豪は爆発を強くした、そんな中……

 

チュドーン!

 

「なんだ?今の音からすると数発分の地雷が爆発したみたいだけど……なっ!?」

後ろから音がしたので武昭が音の方を見ると鉄板に乗った緑谷が飛んで来た。

 

「なるほど、地雷を集めてその衝撃でここまで飛んで来たのか……

けど!それもここまでだな!!」

 

「待てやゴラァ!!」 「負けねぇ!!」

 

(駄目だ……このままなら距離が足りない……アッ!)

鉄板の勢いが落ちてきた緑谷が地面を見ると地雷が残っている事に気付いた。

 

(僕だって……負ける訳には行かないんだ!!」

緑谷は鉄板を振り上げると地雷に叩きつけて再び、その勢いで飛び上がったが

その爆発に爆豪と轟が巻き込まれていた。

 

「この!クソナードが!!」

 

「チッ!距離が近過ぎたか!!」

 

「よしっ!このままいけばゴールだ!!」

 

「そうは行かないぞ!緑谷!!火竜の咆哮!!」

武昭は上空にいる緑谷の下でゴールに向けて背中を向けると口から炎を吐き出してスピードを上げた。

 

その結果………

ゴール直前に武昭の炎が小さくなり緑谷が先にゴールした。

 

「おぉーっと!1着はA組の……緑谷出久!2着は創史武昭だぁ!!」

 

「くそっ、最初の方で魔力を使い過ぎたか……

まぁ、何はどうあれ1着は緑谷だ、惜しかったぜ」

 

「ありがとう創史君、僕の方だってたまたまだよ………」

2人は健闘を讃え合った。

 

 


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