魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

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特訓 Part.1

放課後、雄英の幾つかあるトレーニングルームの一つに武昭達、数人の生徒達が集合していた。

 

「さてと、訓練を始めるけど……相澤先生が言うには体育祭は

全員が同じジャージを着てやるみたいだ」

 

「あぁ、全員が同じ条件で行うためなんだとさ」

 

「でしたら、どの様な競技にせよ頼りになるのは自身の個性という事ですね」

 

「百ちゃんの………言う通り……」

 

「けどー 私達の個性を使うって言ってもどうしたら良いのー?」

 

「うん、三奈ちゃんの言う通りだよ」

武昭と尾白、唯と百、芦戸と葉隠が組んで準備運動をしながら話していた。

 

「まぁ、個性云々よりも、今回の特訓は自身の身体能力を上げる事を重点にしてるからな」

 

「それが創史が昼に話してた事なんだな」

 

「そうだ、じゃあ少し用意するから皆はここにいてくれ」

武昭は皆を中心にして周りの床に何かを書いていた。

 

「ねぇー あれって何してるのー?」

 

「あぁ、あれは武昭さんが行う特訓の下準備ですわ」

 

「皆………そろそろ、体に力を入れてた方が良いよ………」

 

「えっ?小大さん、それってどういう事?」

 

「よし……術式魔法!発動!!」

武昭が何かを書き終えて叫ぶと同時にその書かれた物が光り出し範囲内にいる者達の数人が膝をついていた。

 

「くっ!?な、なんだ……これは……」

 

「なになにー!?体が自由に動かないよー!」

 

「一体、何が起きてるの?………」

尾白、芦戸、葉隠が膝をついていると武昭が傍に来た。

 

「今、俺がやったのは術式魔法と呼ばれる物で、この範囲内にいる皆に魔法であるルールを課したんだ」

 

「その……ルールって?………」

 

「それは、“この術式内にいる者達に掛かる重力が2倍になる”っていうルールだ」

 

「重力が………2倍って………」

 

「簡単に言うと……尾白、お前の体重ってどれ位だ?」

 

「確か……入学前に測った時は……76kg位だったけど……」

 

「ですから……今の尾白さんの体重は2倍の152㎏……あるという計算になりますわ………」

 

「それで………私達は……この状態で……体を鍛えるの………」

武昭が話してると百と唯が近くに来たので芦戸が驚いていた。

 

「エェーッ!?……2人共……こんな状態なのに動けるのー!!」

 

「私と百ちゃんは……それなりに……武昭と、こうしてたから………

何とか慣れてるだけ………」

 

「ほら、まずは腕立て伏せ10回と腹筋10回をするぞ」

 

「えっ!?それだけで良いのー!?」

葉隠が驚いていた。

 

「葉隠さん……それだけって言うけど……こんな状況じゃ……1回やるだけでも

かなりのキツさだよ………」

尾白が体勢を変えようとするがうまく変える事が出来なかった。

 

「まぁ、辛いのはわかるけど、ヒーローになるのは簡単じゃないって事だ」

武昭が運動を開始すると、遅れながら唯と百も始めた。

 

暫くして…………

 

「よーし、ひとまずは休憩だな」

 

「ハァハァハァ……数は少ないけど…重力が倍だから結構キツいな……」

 

「まぁ、初めてにしては良い具合だな文字魔法(ソリッドスクリプト) (ウォーター)ほら」

武昭は水を出すと尾白に渡した。

 

「あぁ、ありがとう……ふぅ…俺はそれなりに鍛えてたから良いけど……」

 

「大丈夫ですか?芦戸さん」

 

「はい……葉隠ちゃん」

 

「ありがとう、ヤオモモ〜」

 

「ごめんね……唯ちゃん……」

尾白の視線の先では百と唯が芦戸と葉隠に百が作った水を飲ませていた。

 

「まぁ、今回は短時間で消える様にルールを決めてあったから効果は短かったけどな」

 

「けど、こんな事をして体を鍛えてるなら、あれ程の強さも納得できるな」

尾白はUSJでの武昭の戦い方を思い出していた。

 

「さてと、もう少ししたら軽く手合わせをするぞ、今度は個性を使ってな」

 

「そうか、何処まで通用するか分からないけど、頑張るか」

尾白がそう言って武昭と手合わせを開始すると、女子達もそれぞれに手合わせをしていた。


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