魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

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今回の話には、ちょっとしたオリジナル設定があります。


出会い

武昭が銀行強盗に巻き込まれて数日後……

 

「フワァ〜……昨日はよく寝たなぁ〜………ん?あれは………おーい、おはよう」

 

「ん……おはよう、武昭君………」

登校していた武昭がクラスメイトの“小大 唯(こだい ゆい)”に挨拶すると唯も返した。

 

「そう言えば………新聞に載ってたよ………【人質の少年、無茶をするって……】

危ない事はしたらダメだよ………」

 

「危ない事って言うけど、あの時は、あぁするしか……「したらダメ……分かった?……」わ、分かった」

武昭は唯の有無を言わさない迫力に頭を下げた。

 

「お詫びとして………今度の日曜日に………私と一緒に買い物に行ってくれたら許してあげる……」

 

「あぁ、俺が悪かったからな………そういや、まだ再来年の話だけど唯は雄英高校に行くんだよな?」

 

「うん………私の個性じゃ無理かもしれないけど………ヒーローは私の夢だから………」

 

「まぁ、約2年あるんだし、どんな結果でもやらないより、やった方が良いからな、頑張れ」

笑顔の武昭に頭を撫でられた唯は恥ずかしながらも喜んでいた。

 

「ところで………武昭は、雄英に行かないの?武昭だったら合格間違い無しだけど……」

 

「うーん……唯は知ってるから言うけど俺が使ってるのは個性じゃなくて“魔法”だからな……

だからヒーローって言うより、俺は“魔導士”なんだよ」

武昭は頬をポリポリ掻きながら言い辛そうに言った。

 

「そっか………武昭のその魔法って……『死ぬ前に覚えてた』んだっけ………」

 

「そうだよ………俺はギルドの仲間を守る為に命を落とした筈だった………

けど、目が覚めた時には赤ん坊として産まれていて、そして………」

武昭は制服の上から紋章がある場所を触っていた。

 

「それから試しに昔と同じ様にやってみたら出来たんだ……

滅竜魔法と仲間達から受け取った魔法がな………」

 

「竜から習った滅竜魔法………だよね……」

 

「そうだ、他のギルドの奴らの魔法も覚えてたけどな………

まぁ、昔は昔で今は今だからな、ほら早く学校に行くぞ」

 

「うん…そうだね………

(武昭は自分がヒーローじゃなく魔導士だって言ってたけど………

あの時から私にとってのヒーローだよ……)」

唯は差し出された武昭の手を握りながら昔の事を思い出していた。

 

 

武昭が唯と約束した当日………

 

待ち合わせの公園で武昭が唯を待っていた。

 

「うーん、ちょっと早く来すぎたかな?」

 

「武昭?………なんで時間よりも早く来てるの?………」

声のした方を武昭が見ると白いワンピースに麦藁帽子を被った唯がいた。

 

「いや、女の子を待たせる訳には行かないと思ったから早目に来たんだ」

 

「そうなんだ……私も、そう考えて早く来たんだよ……」

 

「そっか、だったら今日は長く遊べるな、早く行こうぜ……」

武昭が笑顔で差し出した手を握った唯は優しく微笑んだ。




簡単なオリジナル設定。

武昭と唯は家が隣同士の幼馴染。

武昭の前世を知ってるのは武昭の両親と唯だけ。

武昭の両親は無個性で海外で働いていて一人暮らしをしている。

唯は武昭の事を好き。

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