魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

26 / 47
個性把握テスト 前編

A組の皆は体操着に着替えてグラウンドに集合していた。

 

「普通なら入学式やらガイダンスがあるんだろうけど……

ここは、そんな普通事はしないって事か………」

 

「武昭、お前って何でそう平然としていられるんだ?」

 

「だってよ、ヒーローになったら、こんな理不尽なんていつ起こるか

分からないんだから……いつでも行動出来る様にしとくもんだろ?」

武昭は尾白とストレッチをしながら話していた。

 

それから集合して………

 

「じゃあ試しに入試の主席は………創史、こっちに来い」

 

「はい、何をすれば良いんですか?」

 

「こいつを投げてもらう」

武昭が相澤から渡されたのはソフトボールに機械が付いている物だった。

 

「中学の時は個性を使わないで投げて、どれ位だった?」

 

「確か90mでしたけど、じゃあコレも投げて良いんですか?」

 

「あぁ、但し()()()使()()()()()()()()

 

「個性を使ってですか………(どうするかなぁ……こんな時は……()()()

行くぜ!アイスメイク!魔王の前腕甲(ヴァンブレイズ)!!」

武昭は何かを思いつくとボールを持った右手に巨大な氷の腕を作り出して投げた。

 

その結果……

 

「結果………∞だ………」

 

「おぉーっ!すっげー!!」

 

「まずは自分の限界を知る……それがヒーローの素地を知る合理的見解」

 

「個性使って良いのかー!()()()()()()!!」

誰かが言った面白そうと言う言葉に相澤の雰囲気が変わった。

 

()()()()か………よし、このテストで最下位をとった生徒は除籍処分とする」

 

『ええーっ!!??』

 

「最下位除籍って入学初日に理不尽です!いや、初日じゃなくても理不尽ですけど……」

 

「その理不尽を覆すのがヒーローって物だと思うけどね」

 

「ほう……中には分かってる奴もいるみたいだな………

普通の高校生活がしたいなら、お生憎様。

これから3年間雄英は皆に色んな困難を与え続ける………

 

“Plus Ultra“(更に向こうへ)
さ………

全力で乗り越えて来い………

 

さて、デモンストレーションはこれで終わり、こっからが本番だ……」

 

「先生、今の俺の記録は有効ですか?」

 

「あぁ、その方が合理的だからな、ほら他の記録も測って来い」

相澤の指示を受けた武昭は皆の所に合流した。

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△

 

第一種目:50m走

 

ピッ 〔3秒04〕(50mなら3速までしか入らないか………)

今、競技を終えた生徒は名前を飯田 天哉(いいだ てんや)

個性【エンジン】脹脛にエンジン器官があり足が速い。

 

そんな中、ツンツンした赤い髪の男子が武昭に話しかけてきた。

 

「よっ!お前すっげーなぁ!あんなにボールを投げるなんてよー!!」

 

「そんな事無いよ、俺は体を鍛えてるだけだからさ、俺は創史武昭だよろしく」

 

「俺の名前は切島鋭児郎って言うんだ、こっちこそよろしくな!」

切島 鋭児郎(きりしま えいじろう)

個性【硬化】全身を硬化させる事が出来る。

 

「ねぇねぇ!私の事覚えてる!?」

 

「あっ、確か受験の時に瓦礫に挟まってた……」

 

「そうだよ!私の名前は芦戸三奈って言うんだ!

受験の時は助けてくれてありがとうね!!」

芦戸 三奈(あしど みな)

個性【酸】体から濃度調整可能な溶解液を出す。

 

「別に当然な事をしただけだからさ、おっと俺の出番か」

武昭がコースに行くと肘に何か付いた黒髪の男子がいた。

 

名前を瀬呂 範太(せろ はんた)

個性【テープ】肘にある射出器官からテープ状の物を出せる。

 

〔位置について ヨーイドン〕

 

高速(ハイスピード)よっと、こんなもんかな?」

 

ピッ〔2秒37〕

 

『おぉーっ』

武昭の記録を見て皆は驚いていた。

 

第二種目:握力

 

武昭が握力計を握ろうとした時に歓声が上がったので見ると体の大きいマスクをした

生徒が複数の腕で握力を計っていた。

 

「おいっ!540kgってあんたゴリラ!?タコか!!」

 

「タコって……エロいよね……」

記録を出した生徒の名前は障子 目蔵(しょうじ めぞう)

個性【複製腕】触手の先端に身体の一部を複製可能。

 

「ふーん、だったらテイクオーバー ビーストアーム鰐口(わにぐち)バキッ!あっ………」

 

「うわっ!創史君て握力計を壊しちゃったよ!!」

 

「えっと……先生………コレは……」

 

「あぁーまぁ仕方ない………それと記録は測定不能だ」

 

(すごいな創史君は……僕だって……)

武昭達のやりとりを見ていた生徒“緑谷 出久(みどりや いずく)が握力を計るが、そんなに出なかった。

 

第三種目:立ち幅跳び

 

「せぇーの………よしっ、こんなもんかな?」

 

「さすがですわ武昭さん、足から炎を出して飛距離を稼ぐなんて」

 

「まぁ、これくらいは簡単だからな」

計測を終えた武昭の所に百が来た。

 

「今の所、私が6位で武昭さんは3位ですわ」

 

「残りは5種目だったか?」

 

「いえ、武昭さんはソフトボール投げを終えているので4種目になりますね」

 

「あぁ、そうだったな、それよりも百の出番だぞ」

 

「はい、教えていただきありがとうございます」

百が離れると入れ替わりに尾白が来た。

 

「尾白も結構な記録出したじゃないか」

 

「武昭の記録からすれば、そう感じないけどな……

そういや……武昭の個性ってなんだ?」

尾白のセリフに皆が耳を傾けた。

 

(見てたら氷の腕を作ったり足から炎を出してる……)

 

(けど、腕を見た事無い動物に変えたりもしてたし………)

 

(入試の時は大きな亀になってたっけ、両手を大きな剣にも………)

 

『一体、どんな個性なんだ?』

 

「俺の個性か………まぁ簡単に言えば魔法……だな」

 

「はぁ?魔法って………」

 

「それよりも次の計測に行くぞ」

 

「お、おいっ、待てよっ……」

武昭が次の場所に行くのを尾白は慌てて追い掛けた。

 

 

 






▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。