日にちが経って夏休みになって………
「ふぅ……取り敢えずはここまでにしておくか………」
武昭は私有地の山でトレーニングを終えて横になっていた
「そろそろ、トレーニングの仕上げをする頃だな……
あの時……俺はモード雷炎竜を発動して倒れこんだ………
つまり、そこまでの魔力が無いって事か………」
「武昭……ここに居たんだ……」
武昭の顔が影に遮られたので見ると唯が立っていた。
「唯か………どうかしたのか?」
「特に無いよ………ただ、武昭がここに居ると思ったから来ただけ………」
唯は腰を下ろすと武昭の横に座った。
「ねぇ……何か……悩んでる事でもあるの?」
「さすが唯だな、小さい頃から一緒なだけはあるか………
別に悩んでたって程じゃないんだけどな………」
「武昭……私に何が出来るか分からないけど……話せる事なら……話して」
「ありがとうな唯……前に俺達と百で旅行に行った事があるだろ
あの時に使った力の事なんだ………」
「あの時って……武昭が大怪我をして入院した時の事だよね……
あの時は……私も百ちゃんも心配したんだよ………」
「ごめんな唯……心配かけて………」
「ううん……大丈夫だよ……私は武昭を信じてるから………
それで、あの時の力って……」
「あぁ、唯は知ってる筈だけど俺が使う魔法に滅竜魔法があるだろ」
「うん……竜から教わった竜迎撃用の魔法………それが滅竜魔法だよね?」
「そうだ……それで俺はマスキュラーと戦った時に近くにあった
「え?モード雷炎竜って……武昭は一つの属性でしか魔法を発動出来なかったんじゃないの?」
「あぁ……俺も………そうだと
「じゃあ武昭は………
「
武昭が軽く拳を握ってると唯が優しく拳を両手で包んでいた。
「大丈夫だよ……武昭なら必ず出来るよ………
だって……武昭は私の……
「唯……そっか……ありがとうな………俺を信じてくれて……」
体を起こした武昭は唯を優しく抱き締めた。
「あっ、ごめんな唯……汗かいてるのに……」
「ううん……そんな事無いよ……これは武昭が頑張ったって事なんだから……」
「そうか………さてと、そろそろ家に帰るか………唯、悪いけど帰ったら……」
「うん、分かってるよ……今日は腕によりを掛けて作ってあげる………」
「あぁ、ありがとうな、それじゃ帰るか……
武昭は唯にお姫様抱っこをすると、その場から姿を消して帰宅した。