魔導師のヒーローアカデミア   作:北方守護

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武昭VS百

百から相談を受けた日の翌日………

武昭と唯は百の家が用意した広場に来ていた。

 

「すみません、武昭さん……この様な事を頼んだりしてしまって………」

 

「いや、別に構わないよ、俺も体を動かす事は嫌いじゃないからね」

 

「ありがとうございますわ、そう言ってくれて」

2人は広場の真ん中でストレッチをしていて唯は離れた場所で見ていた。

 

「けど、パッと見だけど百は悩みがあっても自分で解決出来る様に感じるけどな」

 

「えぇ……本来なら、そうですが時には他人の意見を聞く事もします」

 

「まぁ、何を悩んでるかは分からないけど

俺と手合わせする事で解消出来るなら幾らでも手を貸すぜ」

 

「分かりましたわ………では、お願いします唯さん」

 

「じゃあ、私が合図を出したら開始だよ………始め!」

唯が合図を出すと同時に腕から鉄パイプを出して振りかぶって来た。

 

「先手必勝ですわ!」

 

「確かに初見にしては良いかもしれないな……けど!」

武昭は右腕を鉄に変化させると百の攻撃を受けて軽く吹き飛ばした。

 

「相手が似た様な事が出来るなら、それは悪手だ!」

 

「きゃっ!では!これでどうですか!?」

飛ばされた百は拳銃を作り出して武昭に射撃した。

 

「なるほど 百の個性は物を作り出せるって事か……

けど!それ位の射撃なら俺には問題ないよ!!」

 

「くっ!確かに私も射撃はそこまで得意ではありませんが

それを避ける武昭さんも、ある意味人並み外れてますわ!

(これが……異世界においてS級魔導士と呼ばれた方の力ですのね……)」

 

「ホラホラ!俺が(ヴィラン)なら百はとっくにやられてるぞ!」

 

「本当に!そうですわね!

(武昭さんの言う通りですわ、相手が敵なら私は危なくなってますね)」

 

「さすが武昭………魔導士試験で試験官をやった事があるだけある……」

 

「おやおや……何か騒がしいと思ったら百が何かをしてたのですか………」

2人を見ていた唯の横に和服を着た百と同い年位の女性が立っていた。

 

「えっと……初めまして………」

 

「えぇ、初めまして……貴女達があの人の言っていた百の友達ですのね」

 

「あっ、ハイ小大唯と言います、彼は創史武昭です………」

 

「あら、ご紹介ありがとうございます、私の名前は八百万 十和(やおよろず とわ)と言います」

そう言った十和は唯の横に座った。

 

「百が悩んでるのは分かってたんだけど、どうしたら良いか分からなくてね………

けど、貴女達みたいな友達がいてくれて私も安心だわ、これからも百の友達で居てあげてね」

 

「は、はい、分かりました……(この人って、百ちゃんのお姉さんなのかな?……)」

 

「どうやら、手合わせが終わるみたいよ………」

十和と話してた唯が2人を見ると武昭の両手に渦巻が纏われていた。

 

「喰らえ!天竜の翼撃!!」

 

「くっ!風が…キャー!!」

武昭の攻撃を受けた百は空高く吹き飛ばされた。

 

「武昭!ダメだよ!!」

 

「いえ、問題無いみたいよ………ホラ」

唯が慌てていると十和が引き止めた。

 

「う……あれ?………私は………」

 

「大丈夫か?百」

 

「武昭さん?………そうでした、私は……えっ!?

状況を把握しようとした百が自分の体勢を見ると武昭にお姫様抱っこされていた。

 

「た、武昭さん!?何をしてるんですの!?」

 

「百、暴れると危ないぞ、場所が場所だし」

 

「え?それはどういう……ひっ!?

武昭に言われた百が周りを見ると空高く飛んでいる事が分かった。

 

「大丈夫だから落ち着くんだ百」

 

「は、はい……(武昭さんは何故………あっ、そういう事ですか……)」

落ち着いた百が武昭の足元を見ると炎が出ているのが見えた。

 

(炎の魔法を足に纏わせて飛んでいるのですか………

そうですわ………私の考え方は型嵌り過ぎていたのですね………)

 

「よしっと、百 地上に着いたぞ」

 

「ありがとうございますわ、武昭さん!私分かりましたわ!!」

 

「ん?何が分かったんだ?」

 

「いえ、こちらの話ですわ。それよりも朝食に致しましょう」

 

「百、どうやら悩みが解消出来たみたいですね」

 

「あっ、初めまして、創史武昭って言います……えっと百のお姉さんですか?」

 

「あら嬉しい事を言ってくれますね、私はそんなに若くないですよ」

 

「そうですよ武昭さん、お母様も申し訳ありません」

 

『えっ?』

 

「そうですよ、私は百の母親で八百万 十和と言います。

唯さんには二回目ですね」

 

『えーっ!!』

武昭と唯は十和の見た目が百が居る様な年齢に見えなくて驚いていた。

 

「ふふふ、皆さん早く家に戻って朝食にしますよ」

十和の言葉に驚いていた武昭と唯は百と一緒に着いていった。

 

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皆が家に戻ると朝食の用意がされていて千が座っていた。

 

「おぉ、手合わせは終わったみたいだな」

 

「そうですわ、お父様」

 

「はい、それでは皆さん席に着いてください」

十和の言葉に皆が席に座ると朝食の和食が並べられたので皆は食事を始めた。

 

暫くして朝食を終えて………

 

「それで 武昭君達はいつまでこちらに居るんだい?」

 

「はい、あまりコッチに来る事も無いので軽く東北の方に行こうかと」

 

「あら?特に決めてないのかしら?」

 

「はい……今回は百ちゃんが招待してくれたから、お言葉に甘えてもらいました………

それで、これから先は、その場で決めようって話してたんです………」

 

「そうだったんですのね……もしお二人が良いのなら私も付いて行って良いでしょうか?」

 

「いや、俺は構わないけど……唯はどうだ?」

 

「私も良いよ………よろしくね百ちゃん」

 

「じゃあ、俺は何も言わないよ、千さんと十和さんは……」

 

「私は娘が決めた事なら何も言わないよ」

 

「そうですよ、百が自分からこんな事を言うのは珍しいんです……

ちゃんと自分で考えたのですから」

 

「分かりました……お嬢さんは何があっても守らせてもらいます」

武昭は百の両親に頭を下げた。

 

「た、武昭さん!?その様な事をしないでください!私が自ら望んだのですから!!」

 

「無駄だよ百ちゃん……武昭は私の親でも、ああやって頭を下げたんだから……

私に危険が及ばない様にって………」

 

「唯さん………」

 

「武昭君………君がそう言ってくれるのは嬉しいよ………

けど、それで君が傷つく様な事は無いようにしてくれ」

 

「そうよ……武昭君が傷つくと悲しむ人達がいるのだから………」

 

「千さん……十和さん……分かりました」

武昭は頭を下げると百達の所に向かった。

 

「じゃあ、どこに行くか決めるけど……コイツで決める」

武昭は懐から数枚のカードを取り出すと裏返してテーブルに並べた。

 

「こういうのは運任せでするから面白いんだ、ホラ唯」

 

「ううん、今回は百ちゃんに任せるよ………」

 

「そうですか………では、コレにしますわ」

百が引いたカードには【宮城県】と書かれていた。

 

「じゃあ次の目的地は宮城県か、なら準備をしたら向かいます」

武昭達は百の両親に告げると部屋を出た。

 









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