タイトルに意味はありません。
その前にこの作品には以下の成分が含まれています。
・勇者シリーズ✖インフィニット・ストラトス
・一夏=前世は大ボス
・箒の異常なキャラ崩壊
・一夏(ダイノガイスト)✖箒
・二人の非人間化
・IS学園はほぼ出ない。
・宇宙海賊ガイスター
・エクスカイザーは多分出ない。
・仲悪いけど決して悪役ではないオリ兄
・異常なブラコン千冬
・ダイノガイスト様=最強
・箒もガイスター入り
・おそらく途中から勇者シリーズ中心になる。
・他のヒロイン?知りませんな。
・哀れなドライアス
・作者の気まぐれで他の作品からの追加参戦する危険性あり。
それでも言い方はどうぞ。
とある無人島
ドライアスのアジトから去った後、一夏・・・・・ダイノガイストと箒はとある無人島の洞窟で身を隠していた。
『・・・・・・・・・・』
「な、なあ、一夏・・・・・・あとどのくらい私はこうしていればいいんだ?」
箒は目隠しをかけられた上に下着の格好にされ寝かされていた。ダイノガイストはそれを黙ってじっと見ている。
『・・・・・・・・ダメだな。取り出せるかと思ったがあの奇妙なものは俺同様に完全に人体と融合してしまっている。』
ダイノガイストはセンサーを解除し、箒の体に衣服をかけると目隠しを外す。箒が起き上がると隣では人間より少し大きいぐらいのダイノガイストが顔を手で押さえながら座っていた。
『ドライアスの奴め・・・・・・とんだものを作ってくれたもんだ。この俺はともかく箒にまで・・・・・・今度会ったら八つ裂きにしてくれる。』
「一夏・・・・」
『ダイノガイストと呼べ。』
ダイノガイストは敢えて箒に一夏と呼ばせないようにする。しかし、箒にとっては一夏と言う呼び方の方がいいようだ。
「その・・・・・・何かわかったのか?私やお前の体に何が起こっているのか?」
『・・・・・・・』
「な、なぜ黙っているんだ!?そんなに重症なのか!?」
『・・・・・・・一言で言う。俺たちはもう普通の人間ではない。』
「えっ?」
ダイノガイストの一言に箒は思わず口を開く。
『正確には普段の体は人間と変わりない。だが、状況に応じて俺たちは自分の肉体を高速で切り替えることができるのだ。要は長い歴史をかけて進化するものを瞬時にするようなものだ。』
「え・・・・・えっと・・・・・つまり・・・・・」
どうやら今の言い方はわかりづらかったようだ。
『・・・・つまり、カエルの幼体が一気に成体になるように俺たちの体は人間とロボットの姿を使い分けることができるという事だ。』
「と言うことは私たちは既にロボットと人間の中間・・・・・・ロボット生命体と言うのか?」
『大体で言えばな。本来ならあのドライアスが埋め込んだDCというヤツを取り出してやりたかったがここまで同化したのでは俺でもどうすることもできん。』
ダイノガイストは洞窟の外を見ながら立ち上がる。
「・・・・・・これからどうすればいいんだろう、私たちは・・・・・」
箒は服を握り締めながら不安そうな顔になる。
『お前が心配する必要はない。おそらく束が俺たちのことを探しているはずだ。お前を彼女の所に連れて行けば同化してしまったヤツを取り出す方法が見つかるだろう。』
ダイノガイストは普通に言うがその言葉に箒の態度は一変する。
「ね、姉さんに渡しを引き渡す!?い、一夏はどうするんだ!?」
『・・・・・・・お前に答える義理はない。』
「言ってくれ!お前・・・・・・・言ってたじゃないか!私を『宝』だって!」
『・・・・・・「宝」だからこそお前を引き渡すんだ。』
「嫌だ!一夏と一緒じゃないと嫌だ!どうして私は一緒に居ちゃいけないんだ!どうしてだ!どうし・・・」
『いい加減に黙れッ!!』
「ひっ!」
ダイノガイストの怒鳴り声に箒は思わず目を丸くする。
『俺は織斑一夏ではない!俺はダイノガイスト!宇宙海賊ガイスターの首領、ダイノガイスト様だぁ!!易々俺に呼び掛けるな!!』
「・・・・・う、うぅ・・・・・・」
ダイノガイストに怒鳴られて箒は泣き始める。少々乱暴なやり方だったがこれでいいと思った。
(俺はもう帰れる場所がないからな・・・・・・・だが、箒にまで俺と同じことをやらせるわけにはいかん。)
これはダイノガイストなりの配慮だった。
自分と共に行動していても恐らく箒を元の普通の人間に戻すことは不可能だろう。
しかし、束なら可能性がある。
なら、彼女に引き渡して元に戻る研究をしてもらうべきだと考えたのだ。それがおそらく唯一の方法だ。
『ふう・・・・・・・・では早速ここに特殊な発信音を・・・・・』
ダイノガイストが作業を始めようとした瞬間、箒が彼の後ろからダイノブレードを一本引き抜いた。
『ぬっ!?き、貴様!どういうつもりだ!』
ダイノガイストは後ろを振り向くと箒はダイノブレードを自分の首に向ける。
「ど・・・・どうしても一緒に居させてくれないなら私はここで死ぬぅ!!」
『何ィ!?』
「もう一人でいるのは嫌だ!やっと・・・・・・やっと一夏に会えたのに・・・・・・・・姉さんに預けてもらっても姉さんのことだ。私を実験サンプルにするか、適当に誤魔化して私を元の生活に戻すだけだ!それなら・・・・・いっそここで・・・・・」
『ほ、箒・・・・・・』
「う、ううぅ・・・・・・」
『お前・・・・歩けるようになったのか?』
「・・・・・え?」
箒は、自分をよく見る。
杖なしで歩いている。
あまりのショックで気がついていなかったが自分の足で歩いているのだ。
DCの影響なのは確かだが確かに歩いているのだ。
「あ・・・・・ああ・・・・・」
箒は驚きのあまりにダイノブレードを落とした。
「歩ける・・・・・・昔みたいに自分の足で歩けるようになってる!」
箒は思わず喜んだがその隙にダイノガイストはダイノブレードを拾ってしまう。
「あっ・・・・・・・」
喜びも束の間、箒は悲しい顔になった。だが、ダイノガイストは黙ってダイノブレードをしまうと箒を抱きしめた。
「一夏・・・・・・」
『・・・・・・・ここまで強情とは・・・・・・・流石、俺の「宝」だな。』
「え・・・・・・じゃあ・・・・・」
『お前がその気なら俺の傍に置いてやる。だが、耐えられないなら速攻で束の所へ送る。それでいいな?』
「う・・・・うん。」
箒は、ダイノガイストの顔に思いっきりキスをした。ダイノガイストは少しやれやれという顔をしたがすぐに箒を抱きかかえると洞窟の奥へと歩いて行く。
「これからどうするんだ?」
『聞いただろう?俺たちは海賊だ。なら目的は一つ・・・・・』
『「宝」を奪う事だ。』
一年後 ドイツ軍基地
「ここが織斑教官の部屋です。」
「ありがとうございます。」
少年は案内をしてくれた軍人に頭を下げる。軍人が去って行くのを確認すると少年はドアをノックする。
「・・・・・・・・誰だ?」
「俺だよ、千秋だよ。千冬姉。」
千秋と名乗る少年は、ドアを開ける。中に入ると大きい段ボールをいくつか積み上げた部屋で一人の女性が片づけをしていたところだった。
「千秋・・・」
女性は千秋を見るなり彼に近寄る。
「久しぶり、千冬姉。」
「すまないな、わざわざ迎えに来てくれるなんて・・・・」
「来るに決まってるじゃないか。一年前のあのことを考えれば・・・・・」
千秋は困った顔で言う。
「あの時は本当にびっくりしたよ!風邪で寝込んでいるときに突然束さんが来たかと思いきやドイツまで連行されるし、着いたら着いたで一夏が行方不明になったショックであり得ないほど号泣していた千冬姉がいたし・・・・全く、あんな姿見せられたんじゃ待っている方が逆に心配だったよ。」
「ははは・・・・・・・あの時は本当にすまなかったな。」
千冬は申し訳なさそうな顔で言う。その顔を見て千秋は少し違和感を感じた。
「・・・・・・やっぱり、一夏がいなくなった時のことを引きずっているんだな。」
「・・・・・・・ああ。」
千冬は寂しそうな顔で机の上になる写真を見る。ずいぶん昔なのかそこにはランドセルを背負っている少年二人と千冬の姿があった。
「千冬姉、正直言うと俺、後悔しているよ。一夏に冷たくしていたことを・・・・・」
「千秋。」
「俺・・・・・昔二人に比べて体が弱かっただろう?その分勉強ができて周りからは認められていたけど・・・・・・でも、俺よりもやりたいことができた一夏がどうしても羨ましかったんだ。」
「お前な・・・・」
「確かに俺は周りから『天才』って言われていたよ?武の千冬と文の千秋って、周りから言われていたんだよ。それで特に突出したところがない一夏は『出来損ない』。」
「・・・・・・・今思えば皮肉な呼び名だな。」
「俺は確かに天才だったのかもしれない。でも、昔は体質のこともあって家に引きこもり。それに比べて外でやりたいことができた一夏が羨ましくてたまらなかったんだ。自分にできないことをできたあいつがどうしても許せなかったんだ。」
「・・・・・・・そんなことがあったのか。」
「・・・・・もう、あいつに謝ることもできない。全く、今頃どうしてるんだろう。」
「・・・・・・」
「悪い、嫌なことを思い出させちまったな。」
「気にするな。」
「じゃあ、早く荷物まとめて空港に急ごうか?早くしないと予約の便が来ちまうよ。」
千秋はそう言いながら千冬の手伝いを始める。
「そうだな。」
千冬は机を開ける。すると思わず涙が出た。机の中には姉弟が揃った写真がある。
「一夏・・・・・・・・・お前はどこに行ってしまったんだ・・・・・・」
同じ頃 無人島
『ほら、もう少しだ。』
ダイノガイストは目の前にいる赤のパーソナルカラーの戦闘機に言う。
『チェ・・・・・・チェエェンジ!!』
戦闘機は見る間に変形し、女性のフォルムのロボットへと変わる。
『ハア・・・・ハア・・・・・・やっとできた。』
『ふむ・・・・・・・・変形にかかる時間はもう少し短くせんとな。』
ダイノガイストは、考え込んでいると女性型ロボットは抱きつく。
『一夏~今回のはどうだった?』
『この姿の時はその名で呼び名というのに・・・・・・・・まあまあだ。』
『あれでまあまあか・・・・』
女性型ロボットは残念そうな声で言う。
『褒めたつもりで言ったんだが・・・・・』
『そうなのか!』
『全く、もう少ししたらお前も一緒に行動できるようになるんだぞ、箒。いや、ジェットガイスト。』
ダイノガイストはそう言うとジェットガイストを傍に寄せる。
『・・・・・・・・一夏。』
『うん?』
『今夜も・・・・・・』
『今日はどこにも行かん。安心しろ。』
『うん。』
ジェットガイストは、ダイノガイストを強く抱きしめる。
???
『おい、早くしろ!』
『んなこと言われなくてもわかってる!』
遠い宇宙で四つの光る球体が他の球体に追いかけられていた。
『待て!ガイスター!!逃げて無駄だぞ!』
『うるせえ!ボスがいなくなってもガイスターは何度でも蘇るのだ!俺が四将をまとめてな!』
『『『・・・・・・・・』』』
『・・・・・まあ、ともかく急いで逃げるぞ!』
四つの球体はさらにスピードを上げて逃げていく。
『くそ!まさか途中の彗星の巻き添えで「エネルギー生命体捕獲装置」が壊れてしまうなんて!』
『仕方のないことだグリーンレイカー。とにかく奴らを再逮捕しなければ!』
追いかけている球体の中のリーダー格らしきものが言う。
『ちくしょう!このままだとまた捕まっちまうぜ!』
『そんなことになってたまるか!』
四つの球体が急ぐ。行く先にはブラックホールがある。
『あれはブラックホール!?』
『まずい!このまま突き進めば我々も巻き込まれてしまうぞ!』
複数の球体は追跡をやめる。
『やったぜ!奴ら追いかけて来なくなった・・・・・』
四つの球体は今頃目の前のブラックホールに気づく。
『『『『わああああああああ!?』』』』
四つの球体はブラックホールに呑まれてしまった。
この四つの球体が何だったのかは後程。
ここでのキャラ紹介
織斑千秋
本作のオリキャラ。一夏の双子の兄で原作で言う一夏ポジション。幼い頃は体が弱く引きこもりがちだった。そのため健康だった一夏に冷たく当たっていた。道場の練習も体質の克服だったらしい。現在は後悔している模様。
織斑千冬
一夏の姉。異常なブラコン。一夏誘拐時は大号泣でだれにも止められなかった模様。今でも一夏の生存を信じている。
ジェットガイスト
箒のロボット形態。戦闘機に変形。現段階では剣も装備の予定。
四つの光る球体
ご想像にお任せします。