IS世界のガイスター   作:赤バンブル

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ワルターに絶望到来。





ダブル大ピンチ!

???

 

「ハッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・・・・」

 

暗い闇の中ワルターはただ一人必死に走っていた。まるで何かに追いかけられているかのように。

 

 

 

「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・・・くっ!?」

 

ワルターは後ろを見ると冷や汗をかきながらさらに足を速めた。後ろからは明らかに別の足音が聞こえる。

 

「待って~!ワルター様~♡」

 

「くっ、来るな~!!!」

 

ワルターは声の主から逃げようとした直後、地面が崩れ、穴の中へと堕ちて行った。

 

「あっ、あっ・・・・・どっしぇぇぇぇぇぇぇぇ~!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本 ワルザック共和国 日本大使館のワルターの寝室

 

「うっ!?」

 

ワルターはベッドから落ちたところで目を覚ました。どうやらさっきの出来事は夢だったようだ。

 

「ゆ、夢か・・・・・・・」

 

「若ー!!如何なされました?」

 

うなされていた声が聞こえていたのかカーネルが早速部屋に入ってきた。

 

「案ずるでない。悪夢を見ていただけだ・・・・」

 

「悪夢?」

 

「あぁ、あのシャランラ・・・・・・・いや、戦いに敗れる夢を見たのだ。」

 

それを聞くとカーネルは真面目な顔になった。

 

「・・・・・若君。その夢、もしや正夢になるやもしれませんぞ。」

 

「何!?」

 

ワルターは慌てて飛び起きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイスター基地 束のラボ

 

一方その頃、束のラボでは楯無が何らかの説明を受けていた。

 

「いいかな~?君の手足を治す方法は現在のところ三択ある。」

 

束は、イメージ映像を見せながら言う。

 

「一つは、地道に細胞を活性化させながら直していく方法。まあ、時間はかかるけど完全に治せるよ。但し、細胞活性させる時間と調整、後リハビリの時間も取るとかなりの時間になっちゃうからね・・・・」

 

「後の二択は?」

 

「もう一つは義手と義足を付ける。これなら君に合ったサイズを作ればいいだけだし、リハビリの時間もそれほどかからない。但し、接続する時間が限られていて一日の何回かは休まなくちゃいけないよ。」

 

「もう一つは?」

 

「これね・・・・・・人間やめる覚悟はある?」

 

「・・・・・・・・」

 

束の一言に楯無は黙った。

 

「最後の一択は全身のサイボーグ化。これは今残っている生身の部分も機械化するからあまり勧められないね。まあ、他の二択と比べると時間はかからないし、リハビリする必要もない。あると言えば定期的なメンテナンスだね。」

 

「・・・・・・それの方が一番手っ取り早いのね。」

 

「あっ、でも大事なところは生身のままにする予定だから心配ないよ。その辺は強化装甲で覆うようにするから。」

 

束は責めての慰めのように言う。

 

「さあ、この中から選べるのは一つ。どれにする?」

 

「・・・・・・・・」

 

楯無は、黙る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザゾリガン ブリッジ

 

「ジェットシルバー、スターシルバー、そして、ついこの間突然となく現れたドリルシルバー。実は彼らには恐るべき能力が隠されているのです。」

 

「何だと?」

 

ワルターはカーネルに着替えをしてもらいながらモニターに写されている映像を見る。隣では寝不足だったのか眠そうな顔をしながらジャンクフードを食べているオータムとエムがいる。

 

「分析の結果、彼らには合体し、パワーアップする機能があったのです。」

 

カーネルの言葉を聞いてワルターは思わず持っていたグラスを落とす。

 

「ただでさえ厄介だというのに、合体だと!?奴らは・・・・・奴ら自身は・・・・その事実を知っているのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある高山上空

 

『こちら、ジェットシルバー。パワーストーンは見つかりません。』

 

 

街中

 

『スターシルバーだ。何の手掛かりもなしだぜ!』

 

 

地下鉄

 

『ドリルシルバーです!こちらもダメであります!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃船 アドベンジャーの中

 

「う~ん、やっぱり手掛かりもなしにパワーストーンを見つけるのは無理なのかしらね?」

 

アドベンジャーの中で報告を聞いた鈴はため息をつきながら言う。

 

「でも、ドリルシルバーがヒントを覚えていないなんてありなのかよ?」

 

「う~ん~、眠っている間に忘れちゃったんじゃないのかな~?」

 

『それはないと思います。レジェンドラの勇者は封印されていたとはいえ、その記憶にはそれぞれの居場所を教えるための在処が刻み込まれているんです。おそらくは何らかのきっかけが必要なのでしょう。』

 

「でも、アドベンジャー。現に残りの勇者は三人なのよ?あと三人なのに在処を覚えていないなんておかしいじゃない?」

 

『我々レジェンドラの勇者には限られた記憶しか与えられていないのだ。』

 

『今はとりあえず地道に探すしか手はないでしょう。』

 

「地道にか・・・・・」

 

千秋は地図で調べたところを塗りつぶしながら言う。

 

「おーい!アイス買ってきたぞ!」

 

そこへ弾と虚が袋を持ってきながら入ってきた。

 

「アイス~!!」

 

本音は早速飛びつく。

 

「こらこら、みんなの分あるんだからそう急かさないの。」

 

虚は飛びつく本音を押さえながら言う。

 

「千秋、なんか手掛かりはあったか?」

 

「何にも。五人目の勇者が見つかったかと思ったらまた調べものをすることになるとはな・・・・・・」

 

「まあ、勇者三人があちこちを調べているんだ。夏休みもまだまだ残っているんだし、焦る必要はねえよ。」

 

弾は千秋の肩を叩きながら言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザゾリガン

 

「諜報部隊の報告によりますと彼らはまだ自分たちに合体機能があるという事に気づいていないようです。」

 

「・・・・・となると、奴らが合体に気づく前に叩いた方が良いな。」

 

ワルターはグラスを持ちながら言う。

 

「そう来るだろうと思いまして本国で建造中の移動攻撃要塞『ワルツハイマーX』を手配いたしました。これまでのロボット兵器とは大きさも攻撃力も桁違いでございます。」

 

カーネルは、モニターで調整が行われているワルツハイマーXを見せる。

 

「なるほど。この巨大メカで奴らが合体に気づく前に倒そうというのか?」

 

「左様でございます。お気に召していただけましたか?」

 

「うむ、大きいことはいいことだ!」

 

ワルターは満足そうに言う。

 

「早速準備に取り掛かれ!」

 

「はっ、最終調整を急がせましょう。」

 

「はあぁ、こりゃあ、俺たちの出番はなさそうだな。」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

しかし、ワルターはこのとき気づいていなかった。

 

このとき、何者かがワルツハイマーの中へ潜入していたということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドベンジャーの中

 

『大変だ!司令官は中枢部をやられた!きっと爆発してしまうよ!』

 

『みんな、早く下がれ!コン〇イ司令官が爆発するッ!!』

 

『ほあああああああああああっ!!』

 

 

 

「やっぱり、昔のアニメはツッコミどころがあって面白いな。」

 

千秋はアイスを食べながら言う。

 

「でも、作画面は滅茶苦茶ね。居ないはずのキャラが突然現れたりするし。」

 

「でも、乗り物が変形する・・・・・・ロマンじゃねえか?」

 

「現に目の前にいるけど。」

 

一同は揃いに揃って言う。そのとき、ニュース速報が流れる。

 

「何でこんな時期に?台風はこの間通り過ぎたばかりだけど・・・」

 

簪は不思議そうに言う。

 

「えっと何々・・・・・オホホック海のサムチャック島で・・・・」

 

「パワーストーンと思われる石が発見された・・・・・ですか。」

 

「なあ~んだ、つまらないニュース・・・・・・・」

 

「「「「「「「じゃっない!?」」」」」」」

 

七人は一斉にテレビの画面を見る。

 

「パワーストーンが!?」

 

『主よ!』

 

ドランも驚いているようだ。

 

「よおし、行くわよ!サムチャック島に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザゾリガン

 

「ハッ、ハハハハハハハハハハハ・・・・・・愚かな小娘たちよ、この偽のニュース速報を見ておるか?」

 

ワルターはモニターでうまく流されているニュース速報を見て笑う。

 

「若君、我々も準備を。」

 

「よし、我々もサムチャック島に全速前進!!」

 

ワルターの命令でザゾリガンは高速で移動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サムチャック島

 

「うわあぁ・・・・・・海がきれい。」

 

サムチャック島に到着した一同は海を眺めていた。

 

「それはそうと一体どこにあるんだ?パワーストーン?」

 

弾は辺りを見回しながら言う。

 

「・・・・・・何か臭うな。」

 

「何よ失礼ね!昨日はちゃんと風呂に入ったわよ!」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

千秋の一言に反応した鈴に一同は思わず黙った。

 

「ま、まあ、そんなことは置いときましょう!って、何が臭うのよ?」

 

「よく考えて見ろよ?パワーストーンのことについて知っているのは俺たちと悪太、ガイスターだけなんだぜ?なのにどうしてニュースなんかに出るんだよ?」

 

「い、言われてみれば確かに・・・・・」

 

「でもさ~、今更そんなこと言ってももう来ちゃったよオリムー。」

 

「それにさっさと探しておけばいいことだし、そこまで深く考えなくても・・・・・」

 

「おい、何だよアレ?」

 

弾はゴルドスコープを覗きながら言う。

 

「え?」

 

全員が上空を見る。するとはるか彼方から巨大な移動砲台のような要塞が目の前に落ちて来た。

 

「な、何よアレ!?」

 

「お、大きすぎる!!」

 

「悪太だ!やっぱり俺たち騙されていたんだ!」

 

「布仏先輩たちは隠れて!ここは俺たち三人とドランで。」

 

「ドラン!」

 

『心得た!』

 

鈴が言うと同時にアドベンジャーの中からドランが発進し、さらに後方の貨車からシルバーナイツが発進して行く。鈴たち三人もそれぞれの専用機を展開した。

 

『チェーンジッ!!』

 

『チェンジ!ジェットシルバー!!』

 

『チェンジ!スターシルバー!!』

 

『チェンジッ!ドリルシルバー!!』

 

『チェーンジッ!アドベンジャー!!』

 

ドラン一同は変形し、謎の巨大移動砲台の前に立ちはだかる。

 

「出揃ったな、勇者たち。誠の主を忘れた愚か者共めが・・・・今日こそ貴様たちを破壊してパワーストーンに戻してやるから覚悟しろ!!ファイヤー!!!」

 

ワルターの命令と同時に巨大要塞ワルツハイマーは一斉に装備されている砲台から攻撃を開始した。

 

『『『『『うおっ!?』』』』』

 

ドランたちは一斉に分散して攻撃を回避するが攻撃は雨の如く降り注いでいた。

 

『な、なんと火力だ!?』

 

「うわあぁ!?」

 

「「きゃあぁ!?」」

 

千秋たちは一瞬で吹き飛ばされ、危ういところをアドベンジャーに拾われる。

 

『大丈夫ですか?主たち。』

 

「ありがとう、アドベンジャー。」

 

『この攻撃では危険です。主たちは安全なところへ。』

 

「でも・・・・」

 

「私はアドベンジャーの言う通りにした方がいいと思う。さっきの攻撃で一気にシールドエネルギーが削られたし、ISじゃおそらくあの攻撃は対処しきれない。」

 

「・・・・・簪の言う通りだな。鈴、俺たちは手を引こう。」

 

「えぇ。」

 

そう言うと三人はアドベンジャーに運ばれて弾たちが隠れている場所に連れて行かれた。

 

「まずい!このままだと全員やられちまう!」

 

『ドラドラ~、早く合体するのだ~!!』

 

『心得た!』

 

ドランは、本音の命令に従う。

 

『ゴルゴ――――――――ン!!』

 

すると落雷が落ち、大地が割れ始める。

 

「させるか!」

 

ワルツハイマーはバーニアで一旦飛行したかと思うとゴルゴンが出てくると思われるポイントに着陸し、塞いでしまった。

 

「「「「「「「あぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」

 

『何と!?』

 

一同は驚くが砲撃は再開され、止むを得ず回避行動をする。

 

『おのれ、ゴルドランに合体させぬつもりか!』

 

『うおぉぉ!?これでは近づくこともできない!!』

 

ドランたちにできることは攻撃を防ぐことで精一杯だった。

 

防戦一方のドランの姿をワルツハイマーのブリッジからワルターは満足そうに見ていた。

 

「いいぞ!その調子だ!右舷の砲撃を10%増加!背後に回る敵に備えよ!!」

 

ワルターの命令に従ってコンピュータは戦闘パターンを切り替える。

 

『ぬおぉぉぉぉぉ!!!』

 

『『『うわあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』』』

 

『グワァァァァア!!!』

 

ワルツハイマーの砲撃にドランたちは次々と吹き飛ばされて行く。

 

 

 

 

 

「ハッハハハハハハハ!!!見たか、超でっかい兵器ワルツハイマーXの力を!!今回こそ勝利の女神は私に微笑んでくれるわ!」

 

ワルターは勝利を確信したように言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが

 

「私も愛するワルター様に微笑みを♡」

 

「そうか?ありがとう・・・・・・・・・・・・・・・って!こ、この声は!?」

 

ワルターはブリッジの背後を見る。

 

いたのは完全防備の状態のパイロットスーツを着た人物だった。しかし、声は忘れたくても忘れられないある人物の声そのものだった。

 

「まっ、まさか!?」

 

「ウッフフフフ・・・・・・シャララララ・・・・・・・」

 

その者はヘルメットを外して、パイロットスーツを脱ぎ、その全貌を明らかにする。その姿にワルターは絶望した。

 

「お、おま、おま、お前は・・・・・」

 

目の前にいる者は、可憐な見た目のテレビに出てきそうな魔法少女のようなに見えるピンクのツインテールをした少女だった。

 

「シャランラ・シースルー?!」

 

「お久しぶりです、ワルター様。」

 

「な、な、な・・・・・・」

 

ワルターは思わず後ろに下がる。

 

「お会いしたかったですわ!!」

 

そんなワルターに対してシャランラは近づいてくる。

 

「私の・・・未来の・・・・旦那様♡!!!」

 

「くっ、くっ、来るなぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ウフ、ワルター様~♡!!」

 

シャランラはワルターに抱きつく。

 

シャランラに抱きしめられた瞬間、ワルターはまるで石になったのかのように目の前が恐怖で染められていく。

 

「や・・・・やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

ワルターの絶叫の叫びにワルツハイマーのコンピュータは「戦闘停止」と判断し、砲撃を中断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のダイノガイストは

 

 

「一夏~!早く~♡!!」

 

「・・・・全く。」

 

 

箒とアメリカのユ〇〇ー〇ルでデートをしていた。

 

「次はあっちのに乗ろう!」

 

「わかった、わかった。」

 

 

 

 




たぶん次回でシルバリオン登場予定。

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