IS世界のガイスター   作:赤バンブル

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最近、超合金魂のガオガイガーを中古で見つけたけど勇者シリーズの超合金魂化はしないのやら・・・・


篠ノ之家

とある日の織斑宅

 

「はあ~~~だるい。」

 

鈴はソファーにくつろぎながら言う。すぐ脇の椅子では簪と虚、本音がテキパキと何かを調べていた。弾と蘭は店の手伝い、家の主である千冬はハローワーク、千秋は図書館に行ってここには女性陣しかいなかった。

 

「しかし、今回のパワーストーンの在処は本当に難しいものですね。」

 

虚はそう言うとパソコンを閉じて、台所へと行く。

 

「うにゅ~~~~こんなの見つかりっこないよ~~~。」

 

「本音、そんなこと言わないで。言うだけこっちも虚しくなる。」

 

あきらめムードを漂わせている本音に対して簪は言う。

 

 

 

何故このようになったのかというとそれは、数日前のスターシルバーを復活させたときのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前

 

「これが次のパワーストーンの在処?」

 

弾はゴルドスコープに表示されたものを見て言う。

 

『あぁ、これが俺が憶えている在処の記憶だぜ?』

 

「これって・・・・・・」

 

一同は顔を見合わせる。場所は絞れるには絞れるのだが問題はその数だ。

 

「じ、神社・・・・・・ですよね?」

 

「うんうん、神社だよ~。」

 

在処は、鳥居の門の形状をしていたのだ。

 

つまり、次のパワーストーンの在処は神社ということになる。

 

しかし、神社といったら日本だけでも数えるのが大変なほどある。

 

「・・・・・・・これは、数週間で済む問題じゃなさそうだな・・・・・」

 

千秋も含めて全員がこのときそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 織斑宅

 

「そもそも神社を探すのだって大変なのに一体どうやって見つけろって言うのよ!?」

 

鈴は落ち着いたのか再び本を漁り始める。

 

「確かに場所は、ほぼ日本に限定できるけどパワーストーンのようなものが収められている神社なんて早々あるものじゃないから。」

 

簪は黙々と調べながら言う。

 

「ふい~~。」

 

玄関から千秋の声が聞こえて来た。

 

「あっ、オリムーが帰ってきた~。」

 

鈴たちが玄関の方を見ると汗を拭きながら千秋が入ってきた。

 

「どう?何か手がかりになりそうなの見つかった?」

 

「全然、寧ろ調べる神社が増えただけだ。」

 

千秋は図書館から借りて来たのか大量の本をテーブルに乗せる。

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?こんなに!?」

 

「あぁ、これでも全部借りれなかったぐらいだしな。」

 

「うぅ・・・・・頭が痛くなってきた。」

 

簪は頭を押さえながら言う。

 

「あ~あぁ。誰か手がかりでも持ってきてくれたらいいのにな~。」

 

鈴は天井を見上げながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザゾリガン

 

一方のワルターたちもパワーストーン探しに難航していた。

 

「え~い!まだ小娘共はパワーストーンの在処を見つけられんのか!?」

 

「申し訳ございません、諜報員総出で手当たり次第捜索しているのですが未だに手がかりが掴めておりません。」

 

「うぅ・・・・・なんとして次のパワーストーンは・・・・・」

 

部下の報告を聞いてワルターはソファーに腰を掛けて頭を抱える。

 

「若君、お気持ちはこの爺めにもよおぉく理解しております。しかし、あちらは学生、夏休みが終わればパワーストーン探しはできなくなります。それにこちらが先に手に入れれば、次の勇者の手掛かりが掴めるのは確実。ここは落ち着いて時を待つべきです。」

 

「・・・・・・・そうだなぁ。」

 

カーネルの言葉を聞いて、ワルターは落ち着きを取り戻す。

 

「確かにここ連続の敗北で私も冷静さが欠けていた。確かに今は落ち着いて時を待つべきだな。」

 

「左様でございます。現在、本国から対勇者用の兵器の開発を急いでおります。パワーストーンを探すのはそれからでも遅くはないものかと。」

 

「うむ、オータムたちもたまには休ませなければならんしな。二人にも今はゆっくり休むように伝えといてくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイスター基地

 

『例のガキどもは未だにパワーストーンの在処を発見できていないようです。』

 

プテラガイストは、偵察中、通信でダイノガイストに報告していた。ダイノガイストは、ダイノブレードの手入れをしながら聞いている。

 

『そうか。他に宝の情報はないか?』

 

『えぇ・・・・・・特に他のことは・・・・』

 

『・・・・・そうか。もう、戻っていいぞ。』

 

『はっ!』

 

プテラガイストはそう言うと通信を終える。ダイノガイストは、ダイノブレードの手入れを終えると近くに飾っておいた人間の時の写真を見つめる。

 

『・・・・・・・・・家族のことを考えるとは俺も甘くなったもんだ。』

 

ダイノガイストは皮肉そうに言う。そこへ箒が部屋に入ってきた。

 

「・・・・一夏。」

 

『どうした?また、更識刀奈に余計なことを言ったからお仕置きしてくれと言いに来たのか?』

 

「違う、頼みたいことがあるんだ。」

 

『・・・・・・・・話せ。』

 

ダイノガイストは椅子に腰を掛けて箒を見る。

 

「・・・・・・私が父さんと母さんと離れてどのくらい経つと思う?」

 

『そうだな・・・・・・“白騎士事件”が起こったのが十年前。その後すぐに重要人物保護プログラムでバラバラにされたからもう随分経つな。』

 

ダイノガイストは感慨深そうに言う。

 

「明日・・・・・・・・ちょうど二人の結婚記念日なんだ。」

 

『・・・・・・』

 

「もう私がガイスターのメンバーで会いに行くことはできないというのはわかっている!でも・・・・・・最後に父さんたちの顔だけは見ておきたいんだ!」

 

『・・・・要はこっそり二人の様子を見に行きたいという事か。』

 

ダイノガイストは察したように言う。箒は頭を下げて言う。

 

「お願いだ!直接会わなくてもいい、だから父さんの様子を見に行かせてくれ!頼む!」

 

箒は必死にお願いする。ダイノガイストは腕を組みながら考える。

 

会わせてやりたいのは山々だ。

 

しかし、自分のせいで今の箒を見せてあの二人が喜ぶだろうか?ひょっとしたらショックのあまり倒れてしまうのかもしれない。

 

寧ろ元凶である自分に憎しみを感じるのが当然だ。

 

でも、こっそり見に行くだけでは逆に箒の方がつらいだろう。

 

そう考えるとダイノガイストは、結論を出せなかった。

 

『・・・・・・・・・・うむ・・・・・』

 

「会わせてあげなよ、いっくん。」

 

突然の声にダイノガイストは顔を上げる。いつの間にか束が部屋に入ってきていた。

 

「箒ちゃんも私のせいで十年も父さん母さんの顔を見ていないんだよ。ガイスターとして活動して行くにしてもこれから先会いに行くこともできなくなると思うし。ねっ?」

 

『・・・・・そうは言ってもな。』

 

「それにとっておきの情報を教えてあげるよ。」

 

『何?』

 

「実はね・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 織斑宅

 

「ただいま・・・・」

 

千冬が気の抜けた声で家の中へ入ってくる。

 

「あっ。お帰り、千冬姉。」

 

「おぉう、千秋・・・・・・・慰めてくれ。」

 

「嫌です。」

 

「ガクッ。」

 

千冬はしょんぼりしてテーブルに座る。

 

「なんだぁ、今日も駄目だったのかよ?」

 

「あぁ、どこもかしこも駄目だそうだ。」

 

「だったら、アルバイトからやればいいんじゃないですか?いきなり再職しようにも今の世の中、優秀だからって雇ってくれるわけじゃないんですし。」

 

鈴が彼女の目の前に並べる。千冬は涙目で食事にありつく。

 

「・・・・・・・そうだ。だったら、弾の店で働いたらいいんじゃないか?少なくとも厳さんなら雇ってくれるよ。」

 

「おいおい・・・・・・私は家事関係はまるでダメなんだぞ?そんなことしたら店が閉店してしまうじゃないか。」

 

「あ~でも、蓮さんが一から丁寧に教えてくれると思うから大丈夫だと思いますよ?千冬さん、家事以外はできるんですから。」

 

「う~ん・・・・・・そうだな。一様二人に相談してみるか。他の仕事探している間は雇ってくれるかもしれんし。」

 

千冬も考えを改めるように言う。

 

「それにしても千秋、お前随分図書館から本を借りているようだな。何か調べものか?」

 

千冬は後ろにまとめられている本の山を見て言う。

 

「えっ?あ、ああ!まあな!ちょっと神社について・・・・・・」

 

「神社?」

 

「は、はい!日本の神社の中で何か変わったものを納めていないかって調べているんですよ!?何かにまつわる巻物とか・・・・・・」

 

「・・・・・・・・そう言えば、昔通っていた篠ノ之道場で柳韻さんから一度だけ変わった石を見せてもらったことがあるな。」

 

「えっ?い、石!?」

 

「あぁ、一度帰ろうとしたとき大雨で帰れなくなってな。そのとき待っている間、柳韻さんがせっかくだからって見せてくれたんだ。何と言うかそのまた昔、柳韻さんの先祖が魔除けの石とかなんかでで神社の宝物としてしまってあるとか・・・・・・」

 

「そ、それってどのくらいの大きさでどんな形でしたか!?」

 

二人の真顔に千冬は思わず戸惑った。

 

「えっと・・・・・・・確か掌に収まるぐらいの大きさで・・・・・・確か宝石みたいな感じだったと思うが・・・・・」

 

「・・・・・・あっ、でも道場は畳んじまったし、神社の方も・・・・・・」

 

千秋は思い出したように言う。千冬が言っていた当時は確かにあったのかもしれない。しかし、篠ノ之家が引っ越した後、管理人が変わったからもしかしたら蔵の整理か何かで処分してしまっているかもしれない。もしそうだとしたら・・・・・・・

 

「あぁ、そう言えば千秋には教えていなかったが龍韻さん、神社に戻ってきているぞ。」

 

「何!?」

 

千冬の一言に千秋は驚く。

 

「一夏と篠ノ之が行方不明になった後、ガイスターとかがISを強奪するようになってから二人を重要人物保護プログラムの監視の意味がなくなってな。おばさんと一緒に神社に戻ってきているんだ。この間会いに行ったが二人とも寂しそうだったな・・・・・・」

 

「そ、そうなんだ・・・・・」

 

「そうだ、どうせだから明日一緒に行くか?何か手土産を持って・・・・」

 

「い、いや!いいよ!俺、明日鈴とちょっと出かける用事があるから!」

 

「でも・・・・・」

 

「千冬さんもいつまでもニートじゃ不味いでしょ!?一日でも早く新しい職に就かないと!ねっ!?」

 

「あ・・・・あぁ・・・・」

 

二人の威圧に押されて千冬は引き下がるを得なかった。

 

その晩、千秋と鈴はこっそり弾たちと連絡をとり、二日後に篠ノ之神社に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝 篠ノ之神社

 

早朝、神社の敷地にある家の中。

 

その家の仏壇を掃除している女性がいた。女性は少女の遺影を仏壇に戻す。

 

「おはよう、箒。」

 

女性は遺影に向かって笑うように言う。

 

「貴方も生きていたらもう高校生なのね・・・・・」

 

女性はまるで自分の子供に言うかのように語る。

 

「また、箒と話していたのか?」

 

そこへ夫らしき男性が入ってくる。

 

「えぇ・・・・もうあの子の姿を見なくなってから十年目ですから。」

 

「・・・・・もう、そんなに経つのか・・・・」

 

男性も寂しそうな表情を浮かべながらも仏壇の娘の顔を眺める。

 

「・・・・・二人の娘を授かって二人ともいなくなってしまうとは・・・・私のやり方が間違っていたというのだろうか・・・・・・」

 

「いやいや、間違っていないよお父さん。」

 

「「!?」」

 

突然の第三者の声に二人は驚く。外の方を見るともう一人の娘が立っていた。

 

「束!?」

 

女性の方は束の方へと向かい彼女を抱きしめた。

 

「うぅ・・・・苦しいよ、お母さん。」

 

「お前は帰って来てくれたのね・・・・・・大丈夫そうで良かった・・・・・」

 

「束・・・・・」

 

「お父さん、お久しぶり。自分勝手な娘でゴメンね。」

 

「・・・・・・・元気そうだな。」

 

束の父、柳韻は戸惑うながらも落ち着いた態度で言う。

 

「うん、元気だよ。箒ちゃんもいっくんも。」

 

「「!?」」

 

束の言葉に二人はまたもや驚いた顔をする。

 

「ほ、箒だと・・・・・・」

 

「あっ、いっけない。言っちゃダメだっていっくんに言われていたのに。」

 

「いっくんって・・・・・一夏君も一緒なの?」

 

「えっとですね・・・・・・・・う・・・ん・・・・どう言おうか、いっくん?」

 

束は、外の茂みの方を見て言う。すると茂みの方から小声で会話が聞こえる。

 

『ダイノガイスト様、聞かれていますぜ?』

 

『・・・・・・束め、何が「私に任せなさい!」だ(怒)。堂々とバラしているではないか・・・・』

 

『でも、出てこないとまずいんじゃないですかい?』

 

『馬鹿か、てめえらは!俺たちは犯罪組織として有名なんだぞ!堂々と出られるか!』

 

『俺、馬鹿じゃねえ!!』

 

『わあぁ!?誰もお前のことなんか言ってねえって~!?』

 

茂みの中が騒がしくなるとコウモリが代わりに出て来た。

 

『束、貴様なんで堂々とバラしているんだ!これじゃあ、箒に二人を会わせるどころじゃないだろ!っと、ダイノガイスト様が仰っておられる!』

 

「いや~だって会わせるんなら表から堂々と言った方がいいじゃん?」

 

『よくない!!堂々と出てきたら二人とも仰天して気を失うだろ!っと仰っておられた!』

 

「あの・・・・・・」

 

束の母がコウモリを見ながら恐る恐る聞く。

 

『なんだ!?』

 

「家の娘の箒と一夏君はどうしているのでしょうか?」

 

『ジェットガイスト様は、ダイノガイスト様の正妻でダイノガイスト様の「宝」であられる。』

 

「?」

 

『つまり貴様の娘はダイノガイスト様のつ・・・・・』

 

『ブラアァァァァァァァァァァ!!!!』

 

茂みの中から火炎が発射され、コウモリは燃え上がる。

 

『あちちちちち~!!!』

 

コウモリは黒焦げになって倒れた。その光景に二人は唖然とする。

 

「あちゃ~、いっくん怒らせちゃった。」

 

「こ、これを一夏君がやったと言うのか?」

 

柳韻は焦げ焦げになったコウモリを見ながら束に聞く。

 

「うん、二人にだけ教えるけど今のいっくんと箒ちゃん。人間じゃないの。」

 

「どういうこと?」

 

「えっとですね・・・・・・お母さんたち、気絶しないように気をつけてね。」

 

束は茂みの方を見る。

 

「いっく~ん、もう出てきていいよ~。」

 

『・・・・・・・』

 

茂みの方からズシン、ズシンと足音が聞こえる。

 

「・・・・・・」

 

「まあぁ・・・・」

 

二人は唖然と目の前に現れた者を見る。

 

『・・・・・・』

 

「この人がいっくんです。」

 

「「・・・・・・」」( ゚Д゚)( ゚Д゚)

 

束は目の前にいるダイノモードのダイノガイストに指を指しながら言った。

 

 

 




まさかの篠ノ之一家大集合。
次回はどうなりますことやら。

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