IS世界のガイスター   作:赤バンブル

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なんかに大ボスを出しておきながら出番がほぼ無いから今回は彼らの一日。

そのせいで勇者一人が犠牲になりました(まあ、ストーリーを考えるのが難しかったので仕方がなかったんですけど)。


元宇宙皇帝とボスの一日

『な、何故だっ!?何故、奴は倒れぬ!?』

 

私は驚愕していた。奴は既に戦う力は残っていないはず、なのに何故まだ戦おうとしているのだ?

 

『私はケンタたちやこの世に住むすべての生命に約束したのだ。たとえこの身は滅びても、貴様を倒すとなぁっ!!』

 

『ほざけ!!』

 

私は奴に向けて砲撃をした。奴のマスクは砕け散るが奴は私に向かって行く。

 

『行くぞ!ドライアス!!』

 

『何ィ!?』

 

奴は全身からエネルギーを発し、火の鳥の如く私へと向かってくる。一瞬、先ほど始末した雑魚二体の姿が浮かび上がったような気がした。

 

(ドライアス!)

 

(受けるがいい!)

 

「これが俺たちの、最後の力だあぁぁ―――――――――――――っっ!!」

 

奴の一撃が私の体を貫く。

 

認めぬ。

 

私が・・・・・・宇宙を次期に支配するこの私が敗れるなどと・・・・・

 

『私は敗れぬ・・・・・・敗れるわけがない・・・・・・私は宇宙皇帝・・・・ドライ・・・・・アス・・・・・なのだああぁぁ――――――――――――っ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「・・・・・・・・はあっ!?」

 

一人の青年がベッドから起き上がる。

 

「はあ、はあ、はあ・・・・・・・」

 

青年は辺りを見回す。

 

「ゆ、夢か・・・・・・」

 

青年は顔の汗を手で拭う。すると丁度スコールが食事を持って部屋を訪れた。

 

「おはよう、新しい体の方がどうかしら?」

 

「・・・・・最悪だ。まあ、女の体の時よりは気楽でいいが。」

 

青年は少し疲れたような顔で言う。

 

「あら、女性の姿としてのあなたも中々良かったわよ?」

 

「宇宙皇帝である私がいつまでも女であってたまるものか。宇宙女帝と言われて笑われるのがオチだ。」

 

青年はベッドのすぐ脇にある鏡を見ながら言う。もし、ここにあの時宿敵と共に行動していた少年たちがいたら間違いなく見間違われそうだ。

 

「よりによってファイバードが利用していたアンドロイドの体を原子分解までして組み合わせることになるとはな。」

 

「でも、DCでやるよりも成功する確率は高かったわ。現にこうして成功しているのだから。」

 

スコールは少しからかうように笑う。

 

「だが、これでもかつての私の姿まで程遠い。こうしている間にもダイノガイストの奴めが・・・・・・」

 

「焦るのは失敗の元よ。現にオータムたちも失敗しているんだから。ゆっくりやって行きましょう、“火鳥お兄ちゃん”?」

 

「メモリーバンクに残っていた奴の名前か。その呼び方はやめてくれ。」

 

「ふふ、冗談よドライアス。」

 

スコールは、笑いながらドライアスの隣に座る。

 

 

実はこの青年、ドライアス本人なのだ。

 

何故この姿になったのかというとDCによる実験を何度も重ねた(もちろん人間ではない)結果、DCでの成功率は極めて低く、成功したのはダイノガイストともう一人のみだったためこれ以上続けても意味がないという事での計画の方向転換したからだった。

 

それは、人間としての体とロボットの体を元素にまで分解して“融合”させるというものだった。合わせる素材としては丁度トレイダーから買い取ったファイバードたちの残骸の中にアンドロイドの残骸があったためそれを利用させてもらった。それがよりによってあのファイバードが使用していた体だったのだ。そのおかげで性別の変更はできたが外見はファイバードの人間態“火鳥勇太郎”と瓜二つになってしまったのだ。

 

「こうなるのだったら、スコールの言う通り復元した上に複製を完了させた後にすればよかったな・・・・・」

 

「そう言ったってもう後戻りはできないわよ。次はその姿からどうやって巨大なロボットの姿にするのか考えるから・・・・・気を落としちゃダメよ。」

 

「・・・・・・・あぁ、わかっている。」

 

ドライアスはそう言いながらモーニングコーヒーを一気に飲み干した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイスター基地

 

『えっ!?気分転換!?』

 

一方、ガイスター基地ではダイノガイストの一言で騒ぎになっていた。

 

『ここんところ基地に籠りっぱなしだからな。たまには箒と外に行ってくる。』

 

『で、ですがダイノガイスト様とお二人だけで・・・・・』

 

『何?お前たちに一日休みをくれてやると言っているのが分からんのか?』

 

ダイノガイストは目を光らせながら言う。

 

『い、いえ。何でも・・・・・・』

 

『熱血サイキョー!!』

 

『『『・・・・・・』』』

 

一人だけテレビに熱中しているサンダーガイストを見て三人は黙る。

 

『・・・・と言うわけだ。お前たち三人も自由にしていろ。』

 

ダイノガイストは、そう言うと部屋から出て行った。部屋の外では既に化粧した箒が待っていた。一見するとどこかの貴婦人に見える。

 

「一夏~まだ行かないのか?」

 

『・・・・・・お前、いくら久しぶりだからって準備早すぎだ。』

 

「だって、一夏、最近夜しか相手してくれないんだもん・・・・。」

 

箒はしょんぼりしながら言う。

 

『まあ、慌てるな。レースまでの時間もあるからな。』

 

そう言うとダイノガイストは、一夏の姿へ戻る。

 

「でも、車に乗ってレースするなんて意外だな・・・」

 

「まあ、たまにはいいと思ってな。車は束が自ら作ったオリジナルの車だ。」

 

「姉さんが作ったのか・・・・・・・・まさか、空飛ぶためのジェット噴射が付いているとかロボットに変形するとかはないよな?」

 

「まさかそれはないだろう。では行くぞ。」

 

ダイノガイストは箒の手を取りながらゆっくり歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後(^o^)

 

 

「・・・・・・・・何でこうなった?」

 

ダイノガイストは目の前の光景を見ながら思った。今日は箒とレースをしながら気分転換をするはずだった。

 

にもかかわらず、目の前ではワルターの軍団とアドベンジャー&ジェットシルバーの攻防戦。ドランとワルターはパワーストーンの奪い合いで既に現場にはいない。。

 

参加していた車は見事に大破。

 

自分の目の前ではせっかく洋服をボロボロにされたショックで泣き付いている箒。

 

何で今日に限ってこうなるのだと怒りが神経を逆立てていた。

 

「許さん・・・・・・・許さんぞおぉぉ!!!』

 

ダイノガイストは本来の姿へと戻り、空中戦を繰り広げているカスタムギア軍団を素手で葬って行く。

 

『な、なんだっ!?奴は!?』

 

スピアを構えていたジェットシルバーは思わず攻撃を中断する。そんなジェットシルバーに構わずダイノガイストは突っ込んでくる。

 

『邪魔だアァァ!!!!』

 

『うわあぁ!?』

 

ダイノガイストのパンチ一発でジェットシルバーは吹き飛ばされて行く。

 

『ジェットシルバー!?』

 

アドベンジャーは思わず彼の方へと向かうとする。

 

『貴様も消えろ!』

 

更に角から電撃光線を発射する。

 

『が、ガアァァ!?』

 

アドベンジャーは動きを封じられるとダイノガイストに顔を掴まれ上空から地面に叩きつけられてしまい、気を失う。

 

『おのれ!大事な箒との時間を台無しにしおって!全員、生かしてはおかんぞ!!』

 

ダイノガイストの怒りは収まらず、ジェットモードでドランたちの後を追った。倒れたジェットシルバーとアドベンジャーの元に蘭と簪、本音が駆けつける。

 

「アドベンジャー!」

 

「ジェットシルバー、大丈夫?」

 

『え、えぇ・・・・・・どうにか。』

 

『しかし、今のところは動けそうにないようです。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・結局、パワーストーンは一旦ワルターの手に渡ったのだが呪文を唱えようとした瞬間、ダイノガイストの体当たりによって、鈴たちの手に渡り、ワルターはその後散々ダイノガイストにやられて命からがら逃げて行った。(パワーストーンは持ち帰り、復活の呪文を唱えたら星の騎士スターシルバーが復活しました)。

 

 

 

 

「なんか、今日はあの大ボスに助けられたな。」

 

「それにしてもなんでアイツあんなに起こっていたのかしら?」

 

「まあ、終わり良ければ総て良しって言うんだし問題ないだろう。ねっ?虚さん。」

 

「そうですね、確かにあのままだったらあちら側に勇者が復活してしまう所でしたから。」

 

『なあぁ、おい。』

 

「ん?どうしたのよ、スターシルバー?」

 

『俺の出番これだけ?』

 

「うん、いつも一刀両断斬りで終わりじゃ不味いし。」

 

『そりゃあ、ないぜ・・・・・』

 

隠れ家でスターシルバーは寂しそうに言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「準備で来たわよ、ドライアス。」

 

スコールはパネルを操作しながら言う。目の前ではパワードスーツを着たドライアスとロボットモードに変形させたかつての宿敵『ファイバード』がいる。

 

おそらくファイバードはあの残骸から修復したか復元したものだろう。

 

「基本的に合体プロセスは同じだから。落ち着いてやってね。」

 

「なあ、スコール。いくら何でもファイバードでやるのは勘弁してくれないか?」

 

ドライアスは気難しい顔で言う。しかし、スコールは考え直す気はないようだ。

 

「データから作り直す必要があるからそれからだと遅いわ。それに比較的にそっちの部分はそこまで壊れていなかったんだから。一番早く修理できてよかったのよ?」

 

「しかし・・・・・」

 

「文句言わない。使えるものはちゃんと使わなくちゃ。それじゃあ行くわよ。」

 

スコールは実験を始める。

 

ドライアスは、「フォームアップ!」と叫びながらファイバードの胸部に合体する。すると、ファイバードの目が光る。

 

「どう?腕は動かせる?」

 

スコールの指示でファイ・・・・・・・ではなくドライアスは腕を動かしてみる。但し、かなりしんどい顔をしていた。

 

『うぅ・・・・・・早く元の体に戻りたい・・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイスター基地

 

『・・・・・・・・・・・』

 

ダイノガイストは戻った後、椅子に座り黙り込んでいた。

 

『・・・・なあ、ダイノガイスト様。どうしてあんなに機嫌が悪いんだ?』

 

アーマーガイストはそっと三人に聞く。

 

『お前ら知らないのか?ボスが参加していたレースの優勝トロフィーにパワーストーンが付いていて、手に入れそびれたんだ。』

 

『とろふぃー?とろろの親戚か?ご飯に合うか?』

 

『・・・・・・・と、とにかく、あのワルザック国の連中にせっかくの時間を台無しにされてあんなに機嫌を悪くして帰ってきたんだ。』

 

『そ、それってヤバいんじゃねえのか?』

 

『今日は、奥方との記念日だったからな。こっちにまで飛び火が来ない内に部屋に戻ろう・・・・』

 

四人は恐る恐る部屋を後にして行った。

 

『・・・・・・・』

 

「一夏、今日使う入浴剤決めた?」

 

『・・・・・・・ゆずは昨日やったから今日はジャスミンだ。』

 

「じゃあ、今日はいつも以上に可愛がってね♡」

 

ダイノガイストが黙っていたのは今日風呂に使う入浴剤を決めることだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回でようやくシルバーナイツ三人揃うかも。


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