これだと知花いつ揃えられるのいつの日だ?
前回までのあらすじ
どうも、織斑千秋です。
俺たち四人はドランと共に第二のパワーストーンを手に入れるべくエジプトに来たのですがパワーストーンがあると思われるピラミッドの中で罠に嵌まりまくり。
最終的にはパワーストーンの守護者を名乗るスミーンクスの問題に答えなければならなくなりました。しかも間違えれば俺たちの命が・・・・・
一方のドランも俺たちを襲った連中を疲労した体で迎え撃とうとしている。
急いでパワーストーンを手に入れなくちゃ!
『その名はアドベンジャー』(鈴の声)
ピラミッド 外
『ゴルゴ―――――ン!!』
ドランは呼ぶと同時に雷が落ち、地面を引き裂いてゴルゴンが咆哮を上げながら現れる。ゴルゴンはすぐに変形をし始める。
『とわあぁ!』
ドランもゴルゴンに向かって走り、胸部へと変形し、ゴルドランへと合体する。
『黄金合体、ゴルドラーン!!』
ゴルドランは迫りくるカスタムギア軍団と向かい合う。
『主たちが戻るまでここから先へと一歩も通さん!!』
ゴルドランはスーパー龍牙剣を引き抜き、カスタムギア軍団の真っただ中へと走って行く。
ピラミッド スミーンクスの間
一方、鈴たちはスミーンクスの問題を次々と解いていっていた。
『特撮コーナー!第五十問からは特撮関係の問題を出す!』
「これなら俺の分野だ!」
弾は得意げに言う。
『仮面〇イダーストロンガーの最終回においてそれまで登場したはずのない怪人が再生怪人に混ざっていた。その怪人は何?』
「カニ奇械人!」
ピンポーン!!
『うーむ、正解だ。超電子バイ〇マンに登場する第三勢力、バイオハンター・シルバのモデルは?』
「えっと・・・・・・人造人間キ〇イダーのハカイダーだ!」
ピンポーン!!
『では次問題。スーパー戦隊シリーズが現在呼び名になったのはどの作品から?』
「えっ!?」
一瞬、弾は固まる。
『現在扱われているスーパー戦隊シリーズの呼び名が成立したのはどの作品からだ?』
「えっと・・・・・」
「えっ?ゴ〇ンジャーからじゃないの?」
「わあぁ!?馬鹿!?」
『ブウ―――――――――!!正解は未来戦隊タ〇ムレンジャーからだ。それ以前は「戦隊」「スーパー戦隊」「超世紀全戦隊」とかなり変わっていたのだ!』
鈴のとんでもない一言で後ろの床がすべて崩れ落ち、鈴たちのすぐ後ろは暗闇に支配された。
「あわわ・・・・・・」
「何やってんだよ鈴!?」
「ごめ~ん!!うっかり・・・・」
『パワーストーンが欲しくばその命を懸けて問題に答えよと言った筈だ。』
四人は顔を合わせながら緊張する。
『さあ、次の問題に行くぞ。』
ピラミッド 外
『うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
ゴルドランは次々と現れるカスタムギアを切り刻んでいく。しかし、ザゾリガンからは次々と新しいカスタムギアたちが発進していた。
『主たちよ、早くパワーストーンを!このままではきりがない!!』
「勇者と言えど力には限界があるはず。」
ワルターはザゾリガンのモニターからゴルドランの様子を見る
「パワーストーン捜索部隊、出動致しました。」
「抜かりないな、流石はじいだ。」
実は、出動していたのはカスタムギアだけではなかった。
各機の各部に特殊部隊を共に乗せ、地上に到達するやピラミッドの中に侵入せんと送り込んでいたのだ。
既にゴルドランの後ろには捜索隊のメンバーがピラミッドを目指して移動していた。
「こちらパワーストーン捜索隊、これよりピラミッドへ突入します!」
『よし!必ずパワーストーンを手に入れてくるのだぞ!』
「はっ!」
捜索隊はピラミッドへと突入して行く。
ピラミッド スミーンクスの間
『ダイナ〇ックプロコーナー!』
「今度は、永〇先生の問題か。」
「俺は結構好きだから問題ないぜ?」
千秋は緊張した顔ながらも言う。
『永〇先生が連載したデ〇ルマン、この作品の連載で連載中だった作品の中で唯一同時に継続して連載していた作品は?』
「マ〇ンガーZ!」
ピンポーン!
『マ〇ンガーシリーズ最終作として企画され、没になったマ〇ンガーの名は?』
「ゴッドマ〇ンガー!」
ピンポーン!
『永〇先生がゲームオリジナルとしてデザインした最強のマ〇ンガーは?』
「マ〇ンカイザー!」
ピンポーン!
『では、次の問題。今何問目?』
「・・・・・・」
スミーンクスの問題に千秋は黙る。
「・・・・千秋?どうしたのよ?」
「・・・・・す、すまない・・・・・・数え忘れた・・・・・」
千秋は悔し涙を流しながら告白する。
『ブウ―――――!!正解は153問目だ。』
次は目の前が崩れてしまい、とうとう逃げ場がなくなってしまった。
ピラミッド 外
『はあ・・・・・はあ・・・・』
ゴルドランは疲労のあまりに跪いていた。視界は不安定になり、カスタムギアの軍団の数が倍以上に見える。
『いかん・・・・・目覚めてからすぐの長旅にこの敵の数・・・・・私の力も限界か・・・・いや!私は負けない!』
ゴルドランは再び立ち上がりス-パー龍牙剣を構えて突き進む。
『主たちがパワーストーンを見つけるまでは絶対に!てえりゃあぁぁぁ!!!』
デッデッデッデッ、デ~デッ、デッデッデッデッデッ!デー!(アイキャッチ)
ピラミッド スミーンクスの間
「ハア・・・・ハア・・・・・私たち・・・あと何問答えればいいんだっけ?」
「ジャスト五十問だ。」
「お、俺の頭はもうパンクしそうだ・・・・・」
「お、お兄ぃ・・・・・頑張って・・・・・」
『ここからは余程の者にしかわからないトリビアコーナーだ!』
スミーンクスは頭を使って疲れている鈴たちに容赦はしない。
『昔話の桃太郎には実は続きがある。その内容とは?』
「はあっ!?」
「も、桃太郎!?」
「そんなもの分かるわけ・・・・・」
「えっと、鬼の娘が親の命令で桃太郎を暗殺しようと試みたものの逆に桃太郎に恋心を抱いてしまい自ら命を絶ってしまった悲しいお話。」
ピンポーン!
「えっ!?蘭!?」
弾は自分の後ろで答えた蘭に驚く。
『何をやっても死なない虫がいる。その虫は?』
「クマムシ。」
ピンポーン!
『ド〇えもんには実は消されたキャラクターがいる。それは誰?』
「ガ〇ャ子。」
ピンポーン!
『日本とフランスの共同制作として・・・・・』
「ル〇ン8世。」
ピンポーン!
蘭は次々と問題を解いていく。その光景に何故か三人は感動した。
『では、今何問目?』
「そう来ると思っていたわ!」
蘭は両手を出す。どうやらさっきからずっと数えていたらしい。
「数えていたのか!」
「やるわね!」
「まあ、私だっていつまでものけ者扱いは嫌ですから!」
「流石俺の妹だぜ!」
四人は固く手を握り合う。
「この調子でパワーストーンはいただきよ!」
『で、答えは?』
「ああ、答えは・・・・・・・あっ。」
蘭は目の前の光景に唖然とする。
「ゆ、指が・・・・・」
「「「あっ・・・・・・」」」
四人は全員パーで手を上げる。
『ブウ――――――――!!!』
再び足場が崩れ、四人がやっと立っていられるぐらいのスペースになってしまった。
「「「「あわわわぁ・・・・・・」」」」
『もう、間違いは許されんぞ。』
ピラミッド 外
『・・・・・・グッ。』
ゴルドランは最後のカスタムギアを破壊すると跪いた。あれだけのカスタムギアを倒すのに大半の体力を使い果たしてしまった。しかし、上空にはまだザゾリガンが残っている。
「たった一人でカスタムギア軍団を全滅させるとは・・・・・流石はレジェンドラの勇者。だが!」
ザゾリガンのカタパルトからカスタムギアとは違う機体が発進し、ゴルドランの目の前に立ちはだかった。
『何!?』
「今のお前がこの砂漠戦用ロボットデザートロンに勝てるかな!」
ワルターが操縦するデザートロンは左手首から鞭を放ち、ゴルドランを拘束する。
『し、しまった!?』
「もう逃がしはしないぞ、ゴルドラン!喰らえ!!」
デザートロンの鞭から電流が流れ出し、ゴルドランを苦しめる。
『グオォォ!オォ!オオォ!オォォォォ!』
ピラミッド スミーンクスの間
『いよいよ最後の問題だ。覚悟はよいな?』
「お、おう・・・・」
「これに全てをかけるわよ・・・・」
「うぅ・・・・・・親父、俺に力を・・・・」
「はあぁぁぁ・・・・・」
最後の問題を目の前に四人の頭は既にパンクしそうになっていた。
『では、最後の問題。私の守っているパワーストーンに封じ込められている勇者の名前は?』
「え!?」
「マジで!?」
「ここでそんな分かるわけの無い問題出すかよ!?普通!」
四人は困った顔をする。
間違えれば待っているのは「死」。
かと言ってこのまま止まっているわけにも行かない。
「どうすればいいのよ・・・・・・」
一方の外ではゴルドランが弱っていた。
『グウゥゥ・・・・・・あ、主たちよ・・・・・・私の声が聞こえるか?』
ゴルドランはゴルドシーバー等三つのアイテムを通じて鈴たちとコンタクトを取ろうとする。その声はピラミッドの中にいる鈴たちに届いた。
『主よ、私の声が聞こえるか?』
「この声は!?」
「もしかしてゴルドランか!?」
「でもどこから・・・・」
四人は三つのアイテムから聞こえていることに気がつく。
「これ、通信機能もあったのね。」
「通信機能がある懐中電灯と双眼鏡って・・・・・」
『パ、パワーストーンは・・・・・・まだか?』
「どうしたのよ!?かなり弱っているようだけど!?」
「まさか、さっきの連中に襲われたんじゃ・・・・」
「あっちもこっちも大ピンチ・・・・・・」
「あっ、でも、ゴルドランだったら知っているかも!」
蘭は弾のゴルドスコープを借りる。
「ゴルドラン、私たちが探している勇者の名前を知っている!?」
「知っているなら教えてくれ!」
「出ないと私たちもあなたもここで終わっちゃうわよ!?」
『そ、その名は・・・・・・ア、アドベンジャー・・・・』
そう言った直後、ゴルドランの通信が途切れてしまう。
「よし!アドベンジャーか。」
「スミーンクス、答えが分かったわよ!答えはアドベンジャー!」
鈴は代表して思いっきり答える。
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
正解したと同時に崩れ落ちた床がすべて元通りに戻る。
『正解だ。全ての問題を解いたお前たちの知恵と勇気を称してこのパワーストーンを授けよう!』
スミーンクスの口が開き、眩い光が四人の元へと向かう。そして目を開いてみると蘭の手にドランの時とは違う色のパワーストーンが握られていた。
「やったぜ!第二のパワーストーンだ!」
「急いで復活させねえと!」
「そうね。蘭、復活の呪文憶えてる。」
「ええ、でもいいんですか?私が復活させても?」
「いいんだよ!お前終盤大活躍だったんだし。」
「じゃあ、行きますね!黄金の力護りし勇者よ、今こそ甦り我が前に現れ出でよ――――――――!!!」
蘭が呪文を唱えた瞬間、パワーストーンは光を発し始める。
ピラミッド 外
『ぐ、ぐう・・・・・』
ゴルドランは既に倒れていてもおかしくない状況に置かれていた。
「フフフ、そろそろ止めを・・・・・・何!?」
その直後、ゴルドランの後ろにあったピラミッドのてっぺんが崩れ落ち、中から巨大なSL機関車が飛びながら現れた。
『チェーンジッ!』
SLは変形し、ゴルドランとほぼ同じ大きさのロボットへと変形する。
『鋼鉄武装、アドベンジャー!!』
『おおう!アドベンジャー!』
ゴルドランはアドベンジャーの方を見る。
「な、なんと!あの連中がまた勇者を!?おい!パワーストーン捜索隊、何をしている!?おい、返答せい!おーい!」
ワルターはピラミッドの中に突入した捜索隊に連絡するが全く応答がない。
最も捜索隊はその後、全員気を失った状態で発見されるのだが。
アドベンジャーはゆっくりと着地する。
「うわあ・・・・・・あれが二番目の勇者か。」
「中々カッコいいじゃんか!」
「既にゴルドランぐらいの大きさがあるのね。」
鈴たち四人はピラミッドの頂上から現れ、その姿を見る。
『主よ、私に命令を!』
「よし、蘭。命令してやれよ。」
弾が蘭を見ながら言う。
「よお~し、アドベンジャー!あのロボットをやっつけて!」
蘭はデザートロンに指を指す。
「ギクッ!」
『了解!』
アドベンジャーは巨体にも似合わぬスピードで走り出すと思いっきりジャンプをし、キックでゴルドランを拘束していた鞭を切断する。
「のわあぁ~!?」
混乱したワルターは思いっきり転ぶ。
『すまぬ、アドベンジャー。』
『何のこれしき!』
「おのれ!このデザートロンを舐めるなよ!」
ワルターはデザートロンを攻撃態勢へと移行させる。
「最強パワーの人工砂嵐を受けて見よ――――――――!!!」
デザートロンの胸部から竜巻が起こり、アドベンジャーに向かって放たれる。それに対してアドベンジャーは左手を前に出す。
『フン!』
「なぬ!?」
砂嵐はアドベンジャーの片手のみで防がれてしまった。更にアドベンジャーは怯む様子もなくデザートロンに向かって歩き始めた。
「そんな!人工砂嵐のパワーに勝るなんて!」
アドベンジャーはのそのそと歩いてデザートロンの目の前まで来る。
「そんな!そんな馬鹿な~!!」
『ウオォォォォォォ!!!』
アドベンジャーは右腕でデザートロンを思いっきり殴りつける。デザートロンの人工砂嵐発生器は一瞬にして壊され、デザートロン自体も吹き飛ばされた。
「わあ~~~~!!!!」
デザートロンはかなり後方に飛ばされ倒れる。
『あとは任せたぞ、ゴルドラン!』
『心得た!』
ゴルドランはスーパー龍牙剣を引き抜く。
『スーパー龍牙剣!一刀両断斬り!!』
ゴルドランは砂漠でありながらも高速でデザートロンに向かって行く。
『とう!』
デザートロンは胴体から真っ二つに切断され、大爆発を起こす。そこからワルターの乗る小型脱出機が上空に飛び去って行く。
「おのれ!一度あらず二度までも!憶えておれよ!!」
ワルターが飛び去った後、ゴルドランは剣を鞘へ戻す。
「やったぁ!」
「アドベンジャーもすげえな!」
鈴たちはピラミッドの上から降り始める。
下ではゴルドランとアドベンジャーが固い握手をしていた。
デッデッデッデッ、デ~デッ、デッデッデッデッデッ!デー!(アイキャッチ)
帰りの道中
海の真上をSLが走り去って行く。
新たな勇者アドベンジャーには他の勇者を運搬する機能があり、戦闘で疲れたドランも今は中で休んでいる。鈴たち四人は操縦席から外の光景を眺めていた。
「・・・・・・なんか、いろいろ大変だったけど楽しかったな。」
「えっ?」
弾の一言に鈴は思わず言う。
「なんて言うか・・・・小学生のガキの頃に戻ったような気がしてさ。」
「・・・・確かにね。」
「俺も、いろんな意味で楽しめたかな?まあ、ガキの頃は家に籠りがちで二人のような感じはなかったけど。」
「でも、これからが大変になりますね。なんて言ったてパワーストーン探しもしなくちゃいけないんですから。」
「はあ、店の手伝いどうしような・・・・」
弾は頭を抱えながら考える。
「あっ!!」
「ど、どうしたんだよ千秋!?」
「千冬姉が家で寝てたことすっかり忘れてたぁ!?」
「何!?」
「そう言えば・・・・・・確か酔っぱらって寝てたような・・・・」
鈴も思い出したのかのように顔を青くする。
『どうしました?主たち?』
「アドベンジャー!急いで日本に戻ってくれ!早くしねえと千冬姉があぶねえ!」
「最悪な場合酔っぱらって全裸で外に・・・・・・」
日本 織斑宅
「う、うぅん・・・・・・」
千冬は目を擦りながら目を覚ました。時計を見ると既に夕方の時間帯だ。
「もう、こんな時間か・・・・・」
彼女は自分の下半身に触れていた右手を見る。よく見ると自分の体液でベトベトになっていた。
「・・・・また酔った勢いでやってしまったか・・・・・最低な女だな、私は。」
ベッドから起き上がり、下着を探そうとしたが部屋が自分が最後に確認していた姿とは違っていることに気がつく。
「確か缶ゴミの袋があちこちになったような・・・・・・・・それに窓を開けて寝ていなかったはずだし・・・・・千秋がやってくれたのか?」
更に気がついたことにかつて一夏が使っていた机の上に自分の着替えが丁寧置いてあった。
「千秋にしてはやけに丁寧だな・・・・まるで一夏が畳んかのように綺麗にしてある。」
彼女は服を着ようとしたが一瞬考えなおす。
「・・・・・一旦シャワーを浴びるか。」
彼女はタオルを体に巻いて下に降りて行った。
数時間後
「はあ・・・・はあ・・・・」
千秋と鈴は息を荒くしながら家の前にたどり着いた。
「千冬姉・・・・・また酔っていなければいいけど・・・・」
千秋は恐る恐る玄関を開ける。
「あれ?俺が出かける前こんなに玄関綺麗だったけ?」
千秋は自分が出かける前に比べて明らかに綺麗になった玄関を見て違和感を感じる。家のリビングでは何かがすすり泣く声が聞こえた。
「あちゃ・・・・千冬姉、また思い出し泣きしてんのかな?」
「まあ、仕方ないんじゃない?」
千秋と鈴はため息をつきながらリビングへと行く。そこには案の定、千冬がいた。
「う、うぅ・・・・・・」
「な、なんだこれ?」
千秋はよくわからないという状態だった。
リビングのテーブルに夕食が準備されていたのだ。しかも自分でも鈴が作ったものでもない。ましては千冬では絶対作れそうもない食事だった。千冬は食事を口に運びながら泣いていた。
「ち、千冬姉?」
千秋は泣いている千冬に戸惑いながらも話しかける。
「ち、千秋・・・・・・」
「ご、ゴメンね。帰ってくるの遅くなっちゃって。もしかしてあれかな?蓮さんが来て作ってくれたのかな?いや、ほんとその・・・・・明日からは俺と鈴で作るから・・・・」
「・・・・・・」
千冬は無言で千秋に持っていた食器を渡す。程々によく火が通った肉じゃがである。
「うわあぁ・・・・流石蓮さんの作った料理だな・・・見た目も十分・・・・」
「・・・・違うんだ。」
「えっ?」
「いいから食べてみてくれ。」
「?」
千秋は不思議そうに肉じゃがを一口、口へと運ぶ。
その直後彼の脳裏に電撃が走る。
「こ、これは・・・・・・」
「どうしたのよ?」
鈴も不思議そうに肉じゃがを摘まむ。
「あっ、おいしいじゃないの!流石蓮・・・・・」
「いや・・・・・これは蓮さんが作ったものじゃない。」
「えっ?」
鈴は不思議そうに千秋たちの顔を見る。千秋の顔は深刻そのものだった。
「どうしたのよ?」
「この味は・・・・・・・一夏独特の味わいなんだ。」
「へっ!?」
「それにこの部屋の綺麗な有り様・・・・・・・明らかに一夏がいなくなる前の我が家そのものの光景だ。」
「っていう事は・・・・・」
「一夏だ!きっと一夏が生きていたんだ!!」
千冬は泣きながら言う。
「でも、生きているんだったらおかしすぎないか?だって、帰ってこないじゃないか?」
千秋は千冬に疑問をぶつける。確かに生きているのなら自分たちの前にその姿を現すはずだ。
「だがこの味を出せる人間が身近にいるか?」
「う~ん~確かに。」
「だったら生きているはずだ!」
「千冬さん、肝心な事忘れてない?第一に一夏がどこに居てどうやって生きて来たのかが問題でしょ?生きていたって言うのは信じてもいいかもしれないけど・・・・・」
千冬に疑問を投げかけたとき、鈴は思わずダイノガイストの言葉を思い出した。
『・・・・・・・鈴・・・・』
「(確かにあの時間違いなく私の名前を呼んでいた。でも、相手は海賊でロボット。それに一夏だったら人を誘拐したりは・・・・・)」
「とにかくだ!私は一夏が生きていることを信じる!絶対に生きているはずだ!」
「千冬姉もいい加減目を覚ませよ!きっと三年間まともにやらなかったから一夏がやったように見えるんだって!」
「何!私の目を疑っているというのか!?」
「弟の部屋で全裸で寝ている姉貴に言われたくねえよ!早く再職しろよ!」
「うぅ・・・・・私の私生活にケチをつけるとは。行方が分からなくなった弟との思い出を地肌で感じることの何が悪い!!」
鈴が考えている中、千秋と千冬は口喧嘩を始めていた。
「・・・・・・しばらく確証ができるまでは黙っておこう。」
ガイスター基地
「う~ん、実に奇妙だね~。」
「ああ、実に奇妙だ。」
プテラガイストと束は実験台の上にあるあるものを見て首をかしげていた。
「ここまでバラバラにしたのに自力でくっ付き直すなんて・・・・束さんにとって自己修復機能がないのにここまでやるとなると実に不思議だよ・・・・・」
「まさかトレイダーが気まぐれに寄越した変な生物にエネルギーボックスを与えてこんなバカでかいハエになるとは予想外だったぜ・・・・・・・」
二人が目の前で見ているあるものそれは・・・・・・
???
とある国の宮殿
「皇帝陛下、残念ながら二人の勇者を手に入れることはできませんでした。しかし、レジェンドラの石板によって新たな事実が明らかになりました。」
王座の下でワルターは跪きながらカーネルをお供に皇帝なる人物に報告をしていた。
「勇者は死することなし。肉体の滅びし勇者は再びパワーストーンに戻り、復活の呪文によって蘇る。」
「すなわち、彼らを倒せばパワーストーンに戻ることが分かったのです。このワルター・ワルザック、必ずや八つのパワーストーンを集め、レジェンドラに秘められた超パワーを手に入れて見せます。」
「・・・・・・ワルター。」
「はっ!」
「そなたは確か例の薄汚い海賊と鉢合わせになったと言っておったな?」
「はっ!宇宙海賊ガイスター、そして、その首領ダイノガイストの姿をしかとこの目で見ました!」
皇帝はワルターの方を向かないまま話を続ける。
「・・・・・・ならば、お前に助っ人を付ける。」
「助っ人ですと?」
「つい先ほど、我が国家の傘下に入った亡国機業からその海賊のことに関して詳しい輩がおってな。奴らを殲滅するのならぜひ協力させてほしいとのことだ。」
「とおっしゃいますと?」
「近いうちにお前の所を訪ねて来る。そのとき詳しく聞くとよい。」
「はっ!必ずややり遂げてで見せます!皇帝陛下、・・・・・いえ、父上。」
ガイスター基地
「なあ、一夏。」
「うん?」
基地に戻って来たダイノガイストと箒はいつものように一緒に風呂に入っていた。
「今更思ったことなんだがあそこまでやらなくてもよかったんじゃないか?」
「・・・・気まぐれだ。」
「でも、千冬さんって普段ああいう寝方していたのか?」
「幼稚園のガキの頃は何故か三人同じ布団で寝かされていたからな。そして、何故か小学生低学年まで俺だけ一緒に寝かされていた。」
「・・・・・流石の姉さんもそこまではしなかったな。」
「要はブラコンだったからな。」
「じゃあ、私は・・・・・・・一夏一筋で♡」
「・・・・・ふん、今日の夜も長くなりそうだ。」
ダイノガイストは呆れながらも箒を受け入れた。
「次の狙いはパワーストーンだ。ISは・・・・・・・その次だ。」
次回からガイスター本格的にパワーストーン探しに介入予定。
色々混ぜすぎ注意!
ハエ?あんなもの忘れろ。