基本的にはゴルドラン第一話をベースにしていますがツッコミどころが多いので気をつけてね!
後、これ超長いので。
目覚めよ!黄金勇者!
神秘で広大な宇宙。
この中で、悪のエネルギー生命体・宇宙海賊ガイスターが、人類の宝を狙って地球に潜入した。
しかし、破壊と略奪を欲しいままにせんとするガイスター達の前に、敢然と立ちふさがるヒーローがいた。
宇宙警察エクスカイザーである。
彼は、仲間たちと共にガイスターに立ち向かい、ガイスターの首領・ダイノガイストの自決により戦いは終わりを迎えた。
だが、ダイノガイストは人間として新たな生を受け、同じ悪のエネルギー生命体・ドライアスの実験により復活する。
さらに逮捕されたガイスターのメンバーの逃亡・合流を繰り広げ宇宙海賊ガイスターは、再び活動を再開した。
これは、再び姿を現した宇宙海賊ガイスターとその世界での物語である。
???
さて、今回の「IS世界のガイスター(仮)」は、とある国のストーンサークルの遺跡から物語を始めるとしよう!
突然なりだす雷鳴。
そして、落雷が遺跡へと降り注ぐ。遺跡が光り出し、そのエネルギーは輪を描きながら吸収されて行く。
「グワァァァァ!!」
地面を引き裂き、全身黄金色の怪獣が姿を現す。
その怪獣が現れると同時に謎の戦闘機らしき飛行物体が数機、怪獣を取り囲む。
その戦闘機の更に上空を飛行している空母で指揮を執っている老人が合図を送る。
「捕獲作戦、開始!」
「了解!」
各戦闘機から怪獣に向かってワイヤーが飛ばされる。ワイヤーは怪獣の体の至る所に打ち込まれた。
「電撃ON!」
戦闘機から電流が流れ出し、怪獣は怯み始める。
「よし、そのまま捕まえるのだ!」
しかし、怪獣は暴れ出し、2機の戦闘機が衝突で撃沈してしまう。
「何ぃ!?」
さらに残りの二機を尾と腕で破壊するとどこかへと去ってしまった。老人は悔しそうにただその姿を眺めることしかできなかった。
「や、やはり皇帝陛下のご決断は早すぎたのです。まず石版の言葉に従い、パワーストーンを発見するのが先だったのです・・・・・このままでは、我らの野望は夢へと消える。」
「グワアァァァァァァ!!!」
『IS世界のガイスター(仮)』
黄金勇者ゴルドランルート
『目覚めよ!黄金勇者!』(鈴の声)
日本 織斑宅
ピンポーン!
「・・・・・・・」
日本のある一軒家。
そこで一人のポニーテールの少女がボストンバックをもって待っていた。玄関のドアが開くとまだ眠そうな少年が顔を覗かせる。
「はい・・・・・・あ?何だ鈴か。」
「何だって何よ。もうすぐ昼になるっていうのにまだ寝間着なんて・・・・」
鈴は呆れた顔で千秋を見る。
「えっと・・・・・・あ、家に上がってもいいぜ。千冬姉には夏休みの間居候していいって許可もらったし。」
「うん。」
鈴は早速中へと上がる。
凰鈴音と織斑千秋は、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校「IS学園」の生徒である。
しかし、宇宙海賊ガイスターの登場により世界は、「IS適性のある人間=ガイスターの標的になりかねない存在」と言う認識が広がり、IS学園はある意味危険な人材を送るための収容施設のような扱いになってしまっている。
彼ら二人が入学したときも当然その影響は受けており、学園内でのISの使用の制限、各イベントの中止など多くの変更があり、その分空いたスケジュールをどう埋め合わせるのかと言うのが課題になっていた。
つまり、現在のIS学園は実質普通の高校とあまり変わらない場所になっている。
ちなみに現在は7月の上旬。
予定されていた「臨海学校」が消えたため、ほぼ二カ月夏休み状態と言うわけだ。
「ほれよ、冷えた麦茶。」
「サンキュー。」
千秋は鈴を部屋に入れるとおもてなしとして冷えた麦茶を出した。鈴は早速勢いよく麦茶を飲み干す。
「ふう!やっぱり暑い夏はこれに限るわよね!」
「ああ、しかし、俺たちも得なのか損なのかよくわからねえ立場だよな。IS適性が分かっただけで学園に入学させられてISのことを教えてもらえるかと思ったら現在使用禁止って。」
「まあ、仕方ないんじゃない?なんか宇宙海賊何とかって言うのがIS強奪を始めるようになってから世間は女尊男卑から一気に逆戻りしているんだし。まあ、見た目じゃそこまで目立つわけでもないし。別に問題ないんじゃない?」
鈴はそう言うと部屋の箪笥の上に飾られている写真を手に取る。
「もう、三年ぐらい経っちゃったんだ。一夏いなくなってから・・・・・」
「まあな、もう諦めて当然なんだけど俺も千冬姉も明日になれば・・・・・ってつい思っちゃうんだよな。朝になったらアイツが台所で俺たち姉弟三人分の飯を作って『秋兄は食器洗ってくれよ!』ってさ・・・・・・・・」
「千秋・・・・・」
千秋のさびしそうな顔を見て鈴は心配する。
「・・・・・フ、あんまり考えても仕方ないか。」
「・・・・あっ!そうそう、あれ憶えてる?」
「ん?」
「ほら、私と弾、一夏の四人で小学校の時、学校の裏山にタイムカプセル埋めに行ったんじゃない!高校になったら掘り出しに行こうって言いながらさ。明日にでも弾たちと三人で掘りに行かない?」
「タイムカプセルか・・・・・・・そうだな・・・・俺は何埋めたか覚えていないし。んじゃ、弾に連絡して明日行けるかどうか聞くか!」
ガイスター基地
『・・・・・・・・・』
ダイノガイストは、黙ったまま椅子に座っていた。
「いっくん、できたよ。」
束がダイノガイストの頭に丁度はまるぐらいのヘッドギアを渡す。ダイノガイストは早速頭に嵌める。
「姉さん、これは一体何の装置なんだ?」
「いっくんがもう家に帰ることがないからね。人間としての記憶も残すために自分の脳裏の記憶を映像化させて写真やDVD・ブルーレイにして残すための装置だよ。あっ、もちろん非売品だよ!」
束が説明している傍らダイノガイストは装置を動かし始める。映像には最初ダイノガイストが二体のロボットと戦っている姿が映った。
宿敵のキングエクスカイザーとゴッドマックスだ。
そして、続いてウルトラレイカーの姿が映り、ドラゴンカイザー、グレートエクスカイザーとどんどん映し出されて行く。
『エクスカイザーめ・・・・・・』
ダイノガイストはかつての宿敵の姿を見ながらその名前をつぶやいた。やがて、ダイノガイストが太陽に堕ちて行く姿が終わると今度は一夏としての映像が次々と出てくる。但し、両親のことに関してなどの物心がつく前の記憶はない。
『・・・・・・・』
更に箒と別れたところから鈴や弾、そして兄の千秋と共に行動している姿が映った。
「一夏、この女は?」
『凰鈴音、お前と入れ違いで引っ越してきた奴だ。まあ、昔のお前と違って攻撃的ではなかったな。』
「うっ・・・・・・・」
『冗談だ。そう言えばこのときの映像を考えるとおそらくタイムカプセルを埋めた時期だな。』
「タイムカプセル?」
『うむ、この時期に高校になったら掘り出そうという話でお前と別れた夏に小学校の裏山に埋めに行ったのだ。』
「それで何を埋めたんだ?」
『それは・・・・・・憶えておらん。ただ、あそこは最後の記憶が正しければ今ぐらいの時期にマンションが建つとかの話があったからな。おそらくカプセルももう残っていないだろう。』
「そうか・・・・」
箒は少し考えると部屋を後にして行く。
『?』
ガイスター基地ミーティングルーム(TV部屋)
(テレレレン!〇〇シチュー!)
ガイスター四将は暇なのかテレビでアニメを見ていた。
『俺もド〇えもん欲しーい。』
サンダーガイストはテレビを見ながら言う。
『馬鹿か!これはアニメなんだからいるわけないだろう!』
呆れて言うプテラガイスト。そこへ蝙蝠型のロボットが飛んでくる。ダイノガイストの指令を四将に伝えるコウモリだ。
『お前ら何をしている!呑気にテレビを見ている暇があったら宝の情報を集めろ!』
『何ィ!?』
『っと、ダイノガイスト様がおっしゃっておられる。』
コウモリは、そう言うと何らかのメモリーチップをプテラガイストに渡す。
『なんだこれは?』
『ダイノガイスト様からの命令だ!このメモリーに登録されている場所に行き、宝を掘り出してこい!』
『宝?どういうことだ?』
『とにかく行って取ってこい!急いでだ!』
コウモリはそう言うと部屋から飛び去って行ってしまった。プテラガイストは仕方なくメモリーのデータを調べて場所を確認する。
『日本か。ならさっさと行った方がよさそうだな。おい、お前ら二人で行ってこい。』
プテラガイストはホーンガイストとアーマーガイストを見ながら言う。
『何ィ!俺たちが行けだと!?』
『俺は、エネルギーボックスを改良するのに忙しい。それにサンダーの奴はテレビに夢中だ。だったら、お前達しかいないだろ?』
『この野郎!自分が言われたくせに!』
『それにボスからの勅令だ。きっと相当なお宝なんだろ、だったらいいんじゃねえのか?』
『ぬっ・・・・』
ホーンガイストはしばらく黙るとプテラガイストからチップを受け取り、部屋を後にする。
『手柄をとっても後から文句言うんじゃねえぞ!』
その姿を箒がこっそりと覗き込んでいた。
???
一方、どこかしらの砂漠。
移動を続けている怪獣は、追跡して来る戦闘機を再び破壊していた。
「第4部隊、全滅しました・・・・・」
「う―――ん・・・・カスタムギアを持ってくれば・・・・」
老人は隊員の答えを聞き歯を噛みしめながら言う。
「❝ゴルゴン❞、地中に潜ります。」
「何ィ!?」
ゴルゴンと呼ばれた怪獣は地中に潜っていく。
「おのれ・・・・・至急、ソースカ平原におられる若君に連絡を!」
???
この上空を飛行しているこのサソリのような奇怪な物体。
実はこれは巨大な要塞なのだ!(間違えてもメ〇ザラックと言ってはいけません。)
「そうか、やはりパワーストーンだな。パワーストーンを手に入れなければ、我々の計画は失敗に終わる・・・・」
『仰せの通りでございます。』
先ほどの老人の通信に赤髪の青年が答える。
「だが、安心しろじい。全てはこの私が成し遂げてやる・・・・・このワルター・ワルザック王子がな。」
『さすがは若君! それでこそ、陛下の跡を継ぐお方でございます!!』
ワルターは座っているソファーのタッチパネルを操作する。すると、目の前のテーブルが中央から開き、一枚の古代文字のようなものが描かれた石板が現れる。
「我がワルザック共和国内で例の怪獣❝ゴルゴン❞とともに発見されたこのレジェンドラの石版にはこう記されていた・・・・『黄金の勇者の復活を望む者よ、地上でもっとも大きな男に尋ねよ・・・・・男の手に刺されし剣を抜かば、勇者を宿すパワーストーンを示すであろう』・・・・・とな。」
『地上でもっとも大きな男とは!?』
「フッ、それはな・・・・・・・・」
デッデッデッデッ、デ~デッ、デッデッデッデッデッ!デー!(アイキャッチ)
ガイスター基地
『ほうほう、これが銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)かいな・・・』
トレイダーは機体のデータを見ながら計算機を打っている。
『ほんじゃ、これは他のも含めて五千万でどないでっか?』
『貴様、喧嘩売っているのか!ダイノガイスト様が目を付けたお宝だぞ!3億だ!』
『せや言われてもな・・・・・・ほんじゃ、まけて一億五千万でどうや?』
ダイノガイストは黙ってトレイダーの話を聞いていた。
『貴様、何度言えば・・・・・』
『それぐらいで構わん。』
『ダイノガイスト様!?』
『ただし、何か宝の情報を教えろ。』
『へえ!?宝の話・・・・・・・せやな・・・・・・・そうや!』
トレイダーは何かを思い出したのかのように手を打つ。
『ダイノガイストはん、「レジェンドラの財宝」って知ってまっか?』
『レジェンドラの財宝?』
『ここだけの話なんやけど・・・・・』
謎の遺跡
とある奇妙な遺跡。
「ありました。」
「確かに古代の剣です!」
兵士二人は、岩をどかすとそこには古代の剣が刺されていた。
「やはりな・・・・・フッフッフ・・・・・・ハッハッハ!地上でもっとも大きな男とは、このソースカの地上絵のことだった。石版の言葉に従い、この剣を抜けばパワーストーンが手に入り、勇者が復活するのだ・・・・・」
ワルターは剣を抜こうとする。
日本
ここは日本のとある小学校の前。
そこに赤髪の兄妹らしき二人が何かを待っていた。
「おーい!」
そこへ千秋と鈴が走ってくる。
「遅いぞ、千秋。」
二人の友人・五反田弾は呆れた顔で言う。
「悪い悪い、蘭も来ていたのか。」
「ああ、一夏が昔何を埋めたのか興味があるって言ってな。」
「何よ!まるで私が変だと言っている様じゃないの!」
蘭は弾の顔を見ながら文句を言う。そんな蘭を他所に千秋たち三人は懐かしそうに学校を見る。
「懐かしいな・・・・・」
「ああ、でも本当信じられないぜ。卒業以来、俺たちがここに集まるなんてな。」
「弾、憶えてる?昔、一夏と私と三人でボブスレー作ってあの裏山から滑って大惨事になったこと。」
「あれか・・・・」
弾は少し嫌そうな顔をする。
「思い出しただけでゾッとするな。千秋の忠告聞いておけばよかったってさ、滑る途中、石にぶつかってスリップして、民家の何件かに突入して、飛んだと思ったら学校の倉庫に墜落して、後でじいちゃんと母さん、鈴の父さんと母さん、千冬さん、先生たちに殺されるのかと思うぐらい説教されて・・・・・・・」
「関係ないはずの俺も怒られたしな。」
「ま、まあ、昔の悪ガキ時代の話は置いといて(私が言ったことだけど)、さっさと行きましょう!早くしないと日が暮れるわよ!」
「そうそう、友達の付き合いだって言ってきたけどあんまり遅いと心配するからな。」
四人は学校の裏山へと向かって行った。
ソースカ平原 遺跡
「黄金の力守りし勇者よ・・・・・・今こそ甦り、我が前に現れ出でよ!! うお―――—―――っ・・・・・・ぬ、抜けん!」
ワルターは剣を抜こうとするが剣はビクともしない。
「「ワルター様!」」
二人の部下も加わって剣を引っ張る。すると剣は抜け三人は勢いよく転んでしまった。
「ぬ、抜けた・・・・・」
だが、同時に地震が起こり、遺跡にヒビが入り崩れ始める。
「わ、わあぁ!?」
ワルターたちは急いで遺跡の中から飛び出す。
しかし、外では地震の衝撃で近くの山の湖から大量の水が流れ、ワルターは遺跡ごと津波に飲み込まれてしまった。
日本
「千秋、そっちはどうだ?」
「ダメだ、ここじゃない。鈴は?」
「う~ん、こっちもハズレね・・・・・蘭は?」
「あの・・・・何で私も掘らなきゃならないんですか?」
四人はカプセルの埋めたと思われる場所を手当たり次第掘っていた。
「しかし、5年近く前に埋めたとなるとやっぱり場所が分からなくなるなあ。」
既に日が暮れ始めていた。
「仕方ねえな・・・今日の所は・・・・・」
「あったわよ!」
「「えっ!?」」
三人は鈴の方へと行く。鈴は、穴から大きめのお菓子の缶を出す。仲を開けると玩具やら手紙やら色々と入っていた。
「うわあ~!懐かしいな!」
弾はソフビ人形を取る。
「ガ〇ラのフィギュア。埋めたこと忘れて後で家中探したんだっけ。」
「私のミ〇ー、カチューシャ懐かしいわね・・・・」
「鈴さんってそんなもの付けてたんだ。」
蘭は少し面白そうに言う。
「べ、別にいいじゃないのよ!夢の国にまで突き飛ばすわよ!(一夏に選んでもらった物なんて言ったら流石にやばいし・・・・)」
「それで千秋は・・・・・」
「・・・・・」
千秋は一つのロボットの玩具を見ていた。ロボットの足の裏には「いちか」とひらがなで書いてある。
「ファイバードの玩具・・・・・」
「・・・・・小学生の頃、千冬姉が一体だけ買ってくれてさ。一夏と取り合っていたんだよ。そしたらある日、道場に持って行こうとしてさ、何に使うんだよって聞いたら『箒が欲しいって言ったから貸してくる』ってさ。それっきり、引っ越すまで帰ってこなかったんだけど・・・・・」
「あぁ・・・・・そう言えば埋めるとき、どうしてロボットの足の裏に一夏以外の名前が入っているのか気になっていたけどそう言う事だったのね・・・・なんかだれかとの相合傘みたいな感じがして疑問に感じていたけど・・・・」
鈴は何となく納得している。確かにロボットのもう一方の足の裏には「ほうき」と書いてあった。
「ん?」
そのとき蘭は掘り出された穴が赤く光っていることに気がつく。
「でも、今思えばかけがえのない宝物だよな。」
「宝物ね・・・・」
「あの~~~三人とも懐かしい話をしているのはわかるけどちょっとこっち見て。」
「「「ん?」」」
三人は蘭が指を指した穴の方を見る。
「赤く光ってる?」
「光の反射とかじゃなさそうだな・・・・」
やがて光は消える。
「もっと下に何か埋まっているってことじゃないの?」
「まさか。」
「でも、ここ昔何かが立っていたって言うから何かあるかも・・・・」
三人は穴を掘り始める。
「ちょっと、もう日が暮れるのに・・・・・」
「じゃあ、蘭は先に帰ってろ。俺、もう少し遅くなるって言ってといて。」
「もう!私も掘るわよ!」
蘭も掘るのに加わる。
ソースカ平原
「・・・・・・う、うぅ・・・・・はっ!?」
津波に呑まれて気を失っていたワルターは目を覚ました。
「パワーストーン!パワーストーンはどこだ!?どこだ!?」
『若君~!』
ワルターはあちこちを振り向いていると上空から飛行艇が降りて来た。
「カーネル!」
「若君、大変です。地上絵が・・・・・」
ワルターは、気を失っている二人の部下を飛行艇に乗せ、要塞へと戻る。要塞からモニターで見ると水が流れてしまったことで湖の底に何かが書かれているのが分かった。
「おおーっ!地上絵の隠れた部分が現れている。水の抜けた池のそこから、石版と同じ古代文字が・・・・・して、あの文字はなんと!?」
「『さっさ』『と』『あっち』『へ』でございますです。」
「『さっさ』『と』『あっち』『へ』!? 池に記された文字が『さっさと、あっちへ』・・・・・・池!?『さっさとあっちへ行け』か!ならば、あの指先の方向にパワーストーンが!❝ザゾリガン❞急速発進!さっさとあっちへ行け!!」
ザゾリガンと呼ばれた要塞は猛スピードで飛行を開始した。
日本 夜
「もう、すっかり夜になっちゃったわよ!どうするのお兄ぃ!?」
穴を掘り続けていた四人だったが気がつけば空はすっかり星の輝いている夜空となっていた。
「見つけた!」
三人は穴の中から巨大な宝石のようなものを取り出す。見た感じでは赤い掌に収まるほどの大きさだった。
「でっかいな・・・・・」
「まさか、こんなところに宝石が埋まっているなんてね。」
「でも、こんなデカい宝石なんて・・・・・」
そのとき、四人の脳裏に何者かの声が響いた。
「!?い、今のは!?」
「千秋にも聞こえたか?」
「ええ、レジェンドラの勇者って・・・」
「後、復活の呪文を唱えよって言っていました。」
四人は宝石を見る。
「・・・・俺たち、なんか変なものを見つけちまったようだな・・・・・」
千秋がそう言った矢先、何かものすごい物音が聞こえて来た。
「ん?何かすごい音が・・・・・・・って何あれ!?」
鈴が驚きながら指を指す。その先には巨大なサソリの姿をしたザゾリガンがこっちに向かって飛来していた。
一方のザゾリガンの中ではワルターが四人がパワーストーンを持っている姿を見る。
「あれだ!くそぉ!どこのどいつか知らんが、パワーストーンを横取りする気だな!?そうはさせるか!キャノンガーを出せ!」
ワルターは走っていく。
「若・・・・・・ええい!カスタムギアを出せ!若君の護衛をするのだ!」
ザゾリガンから砲撃型装備を搭載した戦闘ロボ・キャノンガーが発進する。
「パワーストーンは渡しはしないぞ!!」
キャノンガーは千秋たちの所へと向かって行く。
「ねえ、なんかやばいんじゃない?」
「俺も同感。」
「私も。」
「みんな、分かっているよな?」
四人は後ろを振り向く。
「「「「逃げるんだよォォォーーーーーッ!!!」」」」
四人は走って逃げていく。しかし、その目の前にキャノンガーが着陸する。
「まずい!別れて逃げ・・・・・」
千秋が言いかけたとき、周りに護衛として来たカスタムギア三機が着陸し、四人の退路は断たれてしまった。
「私たちどうなるの!?」
「俺だって知りたいぜ!?」
四人が怯えている中、キャノンガーの胸のコックピットが開き、ワルターが姿を現す。
「あっ、中々の男前。」
蘭は何気に言うが千秋たちは警戒する。
「そこのお子よ、大人しくそのパワーストーンを渡したまえ。」
「えっ?私のこと?」
パワーストーンらしきものを持っているのは鈴しかいない。
「えっと・・・・これよね?」
「多分。」
「・・・・・って!誰がお子よ!私はこれでも高校生よ!胸がないからって・・・・」
鈴が激怒して文句を言う直後、ワルターは四人の足元に発砲する。
「きゃあ!?」
蘭は思わず悲鳴を上げた。
「私も手荒なまねはしたくはない。さあ、パワーストーンを渡したまえ・・・・・」
「お、お前は一体何者なんだ!?」
ビビりながらも千秋は聞く。
「フフフ。名乗るほどのものだが、訳あって名乗らない・・・・さあ、大人しくそのパワーストーンを渡すのだ。」
「くそ・・・・このまま黙って渡すしかないのか?」
「でも、私たちの専用機は使用制限でプロテクトが掛かっていて今使えないのよ?」
千秋と鈴は悔しがりながら言う。
IS学園の学生の一部には専用機という通常の機体とは違うISが送られる。
鈴は中国代表候補生、千秋は男性初のIS適性を持った生徒だったため専用機が送られているのだが、現在はガイスターを狙われないようにするため起動プログラムにプロテクトがかけられてしまい展開することができない。
しかし、相手は自分たちよりも遥かに巨大なロボット。
使えたとしても相手にできるとは言い切れない。
そのときまた四人の脳裏に声が響いた。
「また聞こえやがった!」
「復活の呪文・・・・・」
「でも、誰も知らないんじゃな・・・・・」
「あの人なら知っているんじゃないんですか?」
蘭はワルターのことを見ながら言う。
「お前な・・・・そんなこと聞けるわけが・・・・」
「大丈夫、大丈夫・・・・・・」
「何をごちゃごちゃ言っているのだ!?渡すのか渡さんのか?」
蘭はパワーストーンをもってワルターの方を見る。
「あのおじさん!」
「お、おじさん!?」
「どうして大人は、私たち子供をいじめるんですか!?私たちは、何にも悪いことしてないのに・・・・・・うぅ・・・」
「へ?」
突然泣き出した蘭にワルターは思わず驚く。
「私たちは偶然、これを偶然見つけただけなんです。これがパワーストーンなんていうのも今、初めて聞いたんです・・・・・それなのに、それなのに・・・・・・どうしてこんな怖い目にあわなきゃならないの!?ひどいですよ!」
「な、何でもいいから早くそれを渡すのだ・・・・・・」
「うぅ・・・渡してもいいけど、これって一体何なんですか?」
「それは・・・・・って言えるか!」
「ふーん、本当は知らないんでしょう?」
「バ、バカ言うな。知ってるけど言わないだけだ。」
「ほんとうですかあぁ・・・・・!? 大人はすぐ嘘つくからなぁ・・・・・・」
「知っていると言っているだろう!!」
「だったら言ってくださいよ?」
「その石はパワーストーンだ!」
「それはさっき聞きました~。」
「その中には、レジェンドラの勇者が封印されてるのだ!!」
「それも知ってまあ~す。お次どうぞ。」
「勇者を復活させるには・・・・・」
「復活の呪文を唱える。」
「そうだ!!」
「じゃあ、その呪文は?」
「その呪文はこうだ!『黄金の力護りし勇者よ、今こそ甦り我が前に現れ出でよぉ!!』だぁ!!・・・・・・・・・・あ、しまった!」
「やりいぃ!」
「流石、蘭だ!名演技だったぜ!」
「まあ、一夏の前だけ化けの皮被ってただけのことはあるわね。」
「まあ、そんなことは置いといてさっさと復活させるぞ!」
「おのれ!奴らに勇者を復活させてなるものか!!」
ワルターは慌ててコックピットの中へと戻る。キャノンガーは再び動き出し四人に向けて銃撃を開始する。
「逃げろ!」
四人は、急いで走って逃げていく。
「逃がすな!」
他のカスタムギアも銃撃を開始する。四人は止まらぬ速さで走って逃げるが途中で蘭が転んでパワーストーンを落としてしまう。
「あっ!」
「蘭!」
弾は慌てて戻る。パワーストーンは鈴の足元まで転がっていき、鈴が拾う。
「どうしよう!このままだと弾たち二人が!?」
「どうったって・・・・・そもそもその石で勇者を復活させればいいんじゃねえの?」
「あっ。そうか。」
鈴は急いでパワーストーンを掲げる。
「黄金の力護りし勇者よ、今こそ甦り我が前に現れ出でよおぉぉぉぉぉ!!!!」
その瞬間、パワーストーンが光り出し、雷が落ちる。更に裏山を取り囲むように街のあちこちから石柱が現れ、エネルギーを放電し始める。
「何何何何何!?一体全体どうなっちゃてんの!?」
「これって古代遺跡とかであるストーンサークル?まさか、俺たちの街は遺跡の上に立っているとでもいうのかよ!?」
千秋の推測を他所にパワーストーンは、鈴の手から離れる。
「あっ、パワーストーンがぁ!?」
パワーストーンは輝きを増したかと思うと黄金色の車へと変化し、一体の武士のような姿のロボットへと変形した。
『黄金剣士ドラン、見参!!』
「嘘・・・・・・・」
「石がロボットになった・・・・・・」
二人以外にも蘭をおんぶして逃げている弾も口を開けて驚いていた。
「あれが、レジェンドラの勇者なのか?」
ワルターもコックピットの中からドランの姿を見る。ドランは鈴たちの目の前にゆっくりと降り立つ。
『我が名は黄金剣士ドラン。レジェンドラの勇者だ。』
「しゃ、喋った・・・・・・・」
「もう、訳が分かんない。」
ようやく追いついた弾たちも加えて四人は唖然とドランを見ていた。
『我が主よ。』
「主?もしかして・・・・・・・私たち?」
『いかにも!私を目覚めさせた君はすなわち、我が主。』
「じゃ、じゃあよ・・・・鈴の命令なら何でも聞くってことか?」
『主に忠義を尽くす。それが勇者の勤め・・・・・なんなりと命令を。』
「そ、そう。それじゃあ、命令するわ。あいつらをやっつけて!」
鈴はドランの後ろにいるワルターたちに指を指す。
「ギクッ!?」
『心得た!』
ドランは腰の鞘に納まっている刀を引き抜き、構える。
これ、本当はゴルドラン初合体までやりたかったのですがとてつもなく長くなってしまうので区切りました。
次回出たとしたら・・・・・・・・・アドベンジャーは出てきません。多分。