プロロ―グ
ここはxxxスタジアム
今日、ここで中学野球の頂点をめざす最後の試合が始まった。
頂点を目指す中学は二校
あかつき大付属中学とパワフル中学だ。
「今日はよろしくね!友沢君!」
あかつき大付属中学キャプテンの男が言う
「ああ...よろしくな...竹下。」
両選手が挨拶を始めてすぐに試合は開始した。
ここのスタジアムの観客席の殆どの者は勝つのはあかつきだと確信していた。
―それは今までのスコアを見れば一目瞭然だ。―
あかつき大付属中学がここまで三点差以上で全て勝利しているのに対してパワフル中学は準決勝は一点差など、ギリギリだからだ。
―しかし、この試合はこの観客達の予想を覆す試合となる―
四番でエ―スの友沢は、かなりキレがあるそして速いスライダ―を持っていた。そのスライダ―は、プロ野球の選手が打てるかどうかというほどだ。
あかつきの選手、そして観客達はようやく気がついた。
―パワフル高校が、今までの一点も相手に点を与えてないということに―
―9回ウラ あかつき大付属中学のベンチ―
「やばいでやんすよ!竹下君!あのエゲツないスライダ―はなかなか攻略出来ないでやんす!」
「落ち着け、矢部君。確かにスライダ―はエグい。そしてストレートやスライダ―を狙うと緩急差が凄いスローボ―ルを投げられて三振に終わるのか...これまで2安打なのも無理はないな...しかし打てていない訳じゃない。もうそろそろ慣れてきた筈だ。」
スタミナも余りなさそうだしな...
「大丈夫さ!打てない事は無いんだから皆で頑張ろう!」
「進...この回はお前からだよな?」
「うん。」
「よし!思い切り打ってこい!」
「そうだね!」
「はぁ...はぁ...はぁ... 」
あかつき大ってこんなに強いのか...そろそろ終わらせないとやばいぞ...
みんなも頑張っているんだしな...
この回はヒットを許したものの、友沢が踏ん張りなんとか無失点に切り抜けた。
「竹下、頼んだよ。」
「ああ。」
ゆっくりとマウンドに上がる。
...大丈夫だ..俺なら出きる筈だ...
(友沢からか...)
大きく振りかぶって投げた瞬間だった。
―決勝点が決まったのは―
バテバテの友沢が最後の力を振り絞って放った渾身の打球はノビて...スタンドに直撃した。
「ま...まだ終わってないでやんす!必ず次の回に取り戻すでやんす!」
矢部君が慰めてくれたものの、勢いに乗った友沢から打つのはかなり厳しい。
―結果は俺達の敗けだった―