帰ってきた幼馴染と女神たち【完結】   作:カット

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ファーストライブ回突入です。


8、ファーストライブに向けて

「1、2、3、4、5、6、7、8」

ライブ前日朝、今日も神社で練習をしている。リズム取るのって意外と難しいもんだな。

 

「ことりちゃん左手!」

「うん!」

 

踊りながらでも気になったところは注意しながらできている。よく見えてるな

 

「ふぅ〜疲れたー」

「まだ夕方の練習残ってますよ?」

「わかってるって〜」

 

朝練が終わり少し休んでいる時階段に誰かがいるのが見えた。あの髪の色は…

「あっ、真姫ちゃーん!西木野真姫ちゃーん!」

「ヴェエ⁉︎」

いや大声で呼ぶなよ…階段上ってきたけど怒ってるぞ

「大声で呼ばないで!」

「なんで?」

「恥ずかしいからよ!」

まぁ普通は大声で呼ばれたくないな。まぁ今はそれよりも

「西木野さん、穂乃果たちの歌聞いてみないか?」

「なんで私が」

「だってこれ作曲したの西木野さんじゃん!」

「だから私じゃ…」

まだ言うかよ

「まだ言いますか」

おっ、どうやら海未と同じ意見だ。まぁ口にしないだけで穂乃果やことりも同じ意見かもしれないが…

ん?穂乃果は何を?

「うふ、ふふふふふ」

ちょっ、穂乃果?それもう危ない人になってるって、というか西木野さん完全に怖がってるし⁉︎

「いやー…えぇっ」

いつの間にか西木野さんの耳にイヤホンが入れられていた。

結局聞くことになったが…あれ?ちゃんと聞こうとしてるな

「結構いい感じだと思うだ〜それじゃあ行くよ〜」

「「「μ's music start!」」」

……えっ、なにそれ俺聞いてないよ

 

 

「ねぇねぇ、この子たちじゃない?明日ライブするって子たち」

朝練が終わり登校するとある生徒に声をかけられた、リボンの色からして3年か

「そうですけど…」

「よかったらちょっとだけ踊ってみせてくれない?」

「ここでですか⁉︎」

まじかよ、こういうのって断りにくいやつだよな。あっ、でも穂乃果は断る気ないかも…

「いいですよ〜明日お友達を連れてきてくれたらさらに見せてあげますよ〜」

穂乃果のやつ、さりげなく勧誘?してやがる。一応和菓子屋の娘だし慣れてたりすんのか?

「ほんとに?やった!」

「それじゃあ最初だけ…」

「あれ?もう1人の子は?」

「「「えっ?」」」

いつの間にか海未が姿を消していた。誰にも気付かれずになんて何処かの透明少年かよ…

 

「無理です……」

屋上で海未は膝を抱えて座り込んでしまっている。

「どうして⁉︎今日までいっぱい練習してきたびゃん!」

いや穂乃果、そんな詰め寄るように言わなくても…それに多分理由は人前に出るのが慣れてないとかだと思うし

「穂乃果はいいですよ、お店の手伝いとかで人前に出ていますが私は…」

やっぱし…

 

「そういうのって慣れてないとかなり緊張するよな〜って言っても簡単に克服できるわけじゃないしな」

「さすが達也!わかってくれますか!」

なにこれ?いつもの海未じゃないぞ?

 

「でも明日のライブに向けて今まで練習してきたのにできなくなってもいいのか?」

「それは…」

「うちのお母さんが言ってたけどお客さんは野菜だと思えって…」

慣れないうちはその方がいいみたいなもんか?

 

(は〜い、みんな〜いっくよー)

海未は何かを想像してるようだが…まさか

「私に1人で歌えと…」

まさかだった。というか穂乃果やことりがいるから1人ってことはないけどな

「まぁ簡単にどうにかできる問題ではないけどさ、少しは慣れておこうぜ!」

「どうやって…」

「いい「いい方法があるよ!」

……多分俺と同じ考えだと思うが言わせてくれないのか?

 

「お願いしまーす」

秋葉原に移動してライブのチラシを配っている。

「人が多い…」

「そりゃあそうだ、そんな場所選んだんだからな」

「うぅ……」

海未のこんな一面が…

そういえば昔……まぁ今はいっか。って

「あっレアなの出ました…」

なにガチャ回してるんだ⁉︎しかもなんかレア出てるし⁉︎

仕方ないな

「場所変えるぞ!」

俺たちは場所を変えるために移動する。移動先は…

 

「ここ…ですか?」

音ノ木坂の校門のところに来た。

「ここなら音ノ木坂の生徒や先生しかいないし秋葉で一般人とかに配るよりはいいだろ?」

「それはまぁ…」

というわけでここでチラシ配りを再開する。

「おーい!」

ん?誰だ?ってこいつらか

「ヒフミか、どうした?」

「さりげなく略さないでもらえる?」

「あっ、すまんすまん」

どうやら無意識に3人略してたみたいだ。その方が呼びやすくていいだろ?まぁそれはともかく

「それより「まぁそれはともかく当日のライブ私たちも手伝うよ!」

あれ〜また言わせてもらえなかったぞ…

まぁでも

「手伝ってくれるのは助かるよ、穂乃果たちも喜ぶぞ!」

「それはよかった、ところで…海未ちゃん大丈夫?」

ヒデコにそう言われ海未の方を見るとちょうどいらないと言われたところだった。あれは1年か?

海未が突っ立ってしまったので側に行こうとしたら先に穂乃果に行かれた。

穂乃果が何かを言ったみたいでチラシ配りを再開したが何を言ったんだ?

 

「あの〜」

あっ、前に西木野さんのこと教えてもらった1年だな

「ライブ…楽しみにしています」

「ほんと?」

「では1枚と言わず全部」

「おい海未?」「海未ちゃん?」

「冗談です…」

「「あはは」」

ことりと1年は苦笑いするしかなかった。

 

ある程度チラシを配り下校する生徒がいなくなってきたから軽く練習をしてから穂乃果の家に移動することになった。

穂乃果と海未は先に行き、俺とことりは衣装を取りに行った。

 

衣装を持って穂乃果の家に向かっている

「ごめんね?たっくんに持ってもらっちゃって」

「気にすんなって、こういう時は男の俺に任せろって!」

「おぉ〜意外と頼りになる〜」

「意外とは余計だろ」

「えへへ♪」

 

軽い冗談を言いながら歩いていると穂乃果の家に着いたので部屋に上がった

 

「「お待たせ〜」」

「たっちゃんが持ってるのって…」

「衣装だ!」

早速持ってきた衣装を取り出そう……としたのだがここはことりに任せた

 

「可愛い〜♪」

ことりが衣装を取り出しそれを見た穂乃果が可愛いと口にしたが…あれ?たしかスカート丈のこと何か言ってたような……

 

「ことり…そのスカート丈は……」

「あっ」

おいまさか作っちまえばみたいな感じの強硬手段に⁉︎

「言ったはずですよね?最低でも膝下までじゃないと履かないと!」

「でも今から作り直すのは…」

「そうだよ海未ちゃん」

「そういう手で出るのは卑怯です!私は制服で出ます!」

まぁたしかにそういう手は卑怯かもしれないが…

「海未の言いたいことはわかるけどさ、でも穂乃果たちはライブを成功させたかったんだよ。だよな?」

「たっちゃんの言う通りだよ、絶対成功させたかったんだもん歌もステップも覚えてここまでずっと頑張ってきたんだもん!4人でやってきてよかったって思いたいんだもん!」

そう言って窓を開け

「思いたいのーーーーー!」

と叫んだ。いや近所迷惑だから!

 

「何をしているんですか!」

まぁ当然そうなるな。けど今は…

「それは私も同じかな。4人でライブを成功させたい!」

「ことり…」

「俺も同じかな、俺は実際に歌って踊るわけじゃないけどさ。お前たちのサポートをやって最高のライブにしたいんだよ!」

「達也…」

「もぅ…いつもいつもずるいです」

まぁたしかにずるいかもな、でも最高のライブにしたいってことは本心だから変えるつもりはない

 

「わかりました」

「海未ちゃん……だーい好き!」

穂乃果は抱きついた。ほんと嬉しそうだな。そして俺たちは神社に行った

 

「明日のライブ成功しますように!いや、大成功しますように!」

「緊張しませんように…」

「みんなが楽しんでくれますように!」

3人それぞれ願いを口にした。そして俺も…

「最高のライブになりますように!」

普段はこういうこと言わないがこんな時くらいはいいかなと口にした。

「よろしくお願いしまーす!」

 

「明日か…楽しみだな!」

3人は手を繋いで夜空に輝く星を見ている。

「お前たちなら大丈夫だ!」

後ろから3人の背中を見つめる。

 

明日のライブに向け4人の想いを1つにした。

成功させてぇな

 




次回はついにファーストライブです。

オリジナル要素も入れるかも

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