帰ってきた幼馴染と女神たち【完結】   作:カット

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劇場版編2話目です


65、ワクワクする理由

「う、う〜ん…なんかいつもと…そっか、ホテルで寝てるんだっけな。3人は……まだ寝てるな」

 

 

最初このハネムーン仕様の部屋は、穂乃果と達也の2人きりだった。

 

しかしホテル側のミスで、急遽絵里とにこも同じ部屋に泊まることになった。

 

 

「穂乃果の寝顔…やっぱり可愛いな。もちろん寝顔だけが可愛いわけじゃないけど。

 

キス…しちゃうか」

 

 

寝てる穂乃果の顔を覗き込むと、達也は少しずつ顔を近づけていった。穂乃果はまだ寝てると思っている。

 

 

「(キスされたら起きようかな)」

 

 

しかし穂乃果は起きていた。独り言が聞こえたから寝てるフリをしている。

 

そして穂乃果の唇に、達也の唇が重なった。

少しの間重ねていた後、そっと離した。

 

 

「他の人もいる状況でするのドキドキするな」

 

「そうだね」

 

「穂乃果もか………ん?」

 

寝ていると思った穂乃果から声が聞こえたけど…もしかして起きてた?

 

「えへへ、おはようたっちゃん!キスする前から起きてたよ」

 

マジか、というか頬を赤らめて言うなよな。もっとしたくなる。

 

「そっか、じゃあもう一回していいか?」

「もちろん//」

 

 

今度は穂乃果も起き上がった状態で2人の顔が近づいていく。そして

 

 

チュッ

 

 

再び2人の唇が重なった。だが…

 

 

「ちょっと…」

 

「にこ!?」

「なんでにこちゃんが家にいるの!?」

 

「あんたの家じゃないからよ!朝っぱらから何してるのよ!?」

 

えっ、穂乃果まさか自分の家だと思ってたの?そんなことないよな?

 

「だってしたかったんだもん…」

 

「それなら私たちが見えないところでやればいいでしょ!?絵里からも何か言ってやって!」

 

絵里にも言われるのかよ!?というか寝たフリ?それとも起きてる?

 

「お祖母様」

 

寝てるみたいだな。

 

「お祖母様だって」

「絵里ってこう見えて」

「甘えん坊なんだね」

 

よしっ、上手く話をそらせた!ナイスだ絵里!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

みんなが集まると絵里がムスッとしていた。

 

穂乃果とにこがとても良い笑顔で絵里を見ていたからだと思うが、朝の絵里の寝言が原因だろう。

 

「大都会の中にこんな公園があるなんて、素敵!」

 

「いつまでそうしてるのよ〜」

 

ことりは大都会の中にこういった公園があることに感動していて、真姫はすでに準備できている様子だ。

 

というかやる気満々だな。それと1人怪しい行動してるやつが…

 

柱?みたいのに隠れて怖い顔で左右を見ている。

 

「おい海未、そんなことしてたらお前が捕まるぞ」

 

「大丈夫だよ?」

 

「信じても…よろしいのですね?」

 

まっ、慎重になることは悪くはない。でも海未のだと海未が怪しいことしてるみたいだ。

 

みたいだっていうか何も知らない人からしたらそう見えるだろうな。

 

「それじゃあしゅっぱーつ!」

 

「凛ちゃん元気やね」

 

「さっ、俺たちも行こうぜ」

 

相変わらず凛は元気だな。

 

 

凛を追いかけるように残りのメンバーも走り出す。

公園内を走っていると現地の人が挨拶してきて、海未は少し戸惑いながらもちゃんと挨拶を返した。

 

 

広場らしきところまで来てやった凛に追いつけた。

 

「凛速いな」

 

「達也くんもさすが男子にゃ!同じタイミングで走り出してたら負けてたにゃ〜」

 

あれ?いつから勝負に?違うよな?

 

「疲れた〜」

 

「お疲れ様」

 

みんなも到着したみたいだ。その中で穂乃果は後ろから抱きついてきた。

 

そのため……何がとは言わないが柔らかい感触が背中に当たっていた。

 

「見て〜!こんなところに大きなステージ!」

 

「ほんとだ、ここでライブとかするのかもな」

 

「上ってみない?」

 

ステージなのかわからないがみんなで上ることにした。

 

「なんか落ち着く〜」

 

「落ち着くのはみんなと一緒だからやない?」

 

「そうかも」

 

「ねぇ、一曲…踊ってみない?」

 

真姫から提案が出るとはな。

 

「凛ちゃん!」

 

「リードは任せるにゃ!」

 

なら一回降りるか、と思ったその時

 

「Hello」

 

と声が聞こえた。おそらく現地の人だろう。穂乃果が対応してるけど無理だろ…

 

案の定全然対応しようとしたその時、希が受け答えしていた。

 

少しの間話していたら3人は去っていった。

 

「「せっかく来たんだ(や)から楽しんでいって…だって」」

 

「だって」

 

何て言っていたか気になったみんなに教えると、希とタイミングが被った。

 

「希ちゃん凄いにゃ!」

 

「たっちゃんもわかったなんて凄いよ!」

 

「ちゃんと寝てないで勉強してるからな」

 

「あはは……」

 

授業中寝てる穂乃果は苦笑いするしかない。

 

「でも海外も悪くないやろ?」

 

「もちろん注意は必要だけど」

 

「そうかもしれませんね」

 

「まぁ海未くらいの警戒心は持っててもおかしくないさ。さっきみたいな怖い顔つきや怪しく思われる行動はよくないけど」

 

「うっ…」

 

海未の海外への敵対心…みたいなものは減ったと思う。

 

「よ〜し!じゃあ練習しっかりやって、町を見に行くぞー!」

 

この場所で海外初の練習が始まった。時々見てる人もいたが…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「大きいにゃ〜」

 

練習を終えて町を散策中。今は自由の女神像の前に来ている。

 

「撮って撮って〜」

 

穂乃果が女神像と同じポーズで撮って欲しいと言うから花陽が持ってるカメラで撮った。

 

当然俺の携帯でも撮ったぞ。

 

「たっちゃんも一緒に!」

「俺も!?」

 

「じゃあ達也くんの携帯でウチが撮ってあげる」

 

そう言うことなら希に携帯を渡して撮ってもらった。

 

その後いろいろな所に言って昼食はレストランにした。

 

やっぱり量は多いし、ことりは巨大なチーズケーキを前に喜んでいる。よく体型維持できるな。

 

 

その後とある店のファッションコーナーに向かい、穂乃果と海未がことりの選んだ服を来ている。

 

「変わった服だね〜」

 

「こんな恥ずかしい服…」

 

「ハラショー!」

 

「さすがμ'sの衣装担当ね、よく似合ってるわ」

 

真姫の言う通りよく似合ってる。

 

「そう?たっちゃんは……どう思う?」

 

「文句なしに似合ってるぞ!さすが俺の彼女だ!」

 

「えへへ//」

 

この後ことりや希に揶揄われ、俺も穂乃果も顔を赤くした。

 

そしてとあるビルの屋上にいる。そこから全員で夜景を見ている。

 

「綺麗だな」

 

「さすが世界の中心やね」

 

「ライブの時もこんな景色を使えたらいいんだけど」

 

「なんかどこもいい場所で困っちゃうね」

 

「そうですね…最初は見知らぬ土地でやるのは心配でしたが」

 

「そっか」

 

みんなが次々と言っていると凛が何かに気付いたみたいだ。

 

「凛?」

 

「この町にワクワクする理由がわかったんだよ!

ここって秋葉に似ているんだよ!」

 

「秋葉に?」

 

「そう!楽しいことが一杯で〜次々と新しいことに変化していく」

 

なるほどな、それで普段と同じように過ごせたのかもな

 

「実は私も同じこと思ってた。凛ちゃんもなんだね!」

 

「うん!」

 

「言われてみればそうかもな」

 

「なんでも吸収してどんどん変わっていく」

 

「だからどんな場所でもμ'sらしいライブができるっておもったのかな」

 

この街は秋葉と同じ。そう思うとライブも成功させられそうだな。

 

 

その後別の場所を歩いていたが雨が降って来た。雨宿りがてらとあるレストランに夕食を済ませようとしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うっ、うぅ……」

 

「花陽?」

 

夕食を済ませようと思った店の中で泣いている。

 

「花陽どうした?」

 

「気分悪いの?」

「それともホームシック?」

 

絵里と希、2人の質問には両方とも首を横に振った。

 

「………くまい」

「くまい?」

 

くまい?はっ、もしかして花陽

 

「白米が食べたいです!!」

 

やっぱりか!?

 

「こっちに来てからと言うもの、朝も昼も夜もパンパンパンパン!白米が全然ありません!」

 

「でも昨日の付け合わせでライスが…」

「おい海未…それを花陽に言うのは」

 

「白米は付け合わせじゃありません!!」

 

思った通り花陽の説教?が始まり、花陽の白米に対する愛が改めてよくわかった瞬間だった。

 

 

その後真姫が知っているお店に行って、花陽は無事に白米を食べることができ満足した。あとはホテルに帰るだけだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

駅につき

 

「あれ?お金足りないのかな?」

 

「どうした?」

 

「なんか入れなくて、多分お金足りないとかだと思うからチャージしてくる」

 

「わかった。みんな……ってもう行ってる!?俺が待ってるから早く行ってこい」

 

「うん、ごめんね」

 

う〜ん、穂乃果だけ特別金を使ったってことはなかったと思うけどな。というか穂乃果の声ここまで聞こえるって…

 

来た来た

 

「急ぐぞ!」

「うん!」

 

穂乃果も改札を通ることで急いで階段を降りる。乗るべき電車も停まってるみたいで、急いだためギリギリ乗れた。

 

「間に合った…」

 

「穂乃果が反対側に行ってます!?」

「穂乃果ちゃんそっち逆!?」

「えっ!?」

 

海未とことりに言われ慌てて振り返ると、穂乃果は反対側の電車に飛び込んでいた。

鼻を押さえているところを見ると、駆け込んだ時に鼻を打ったのだろう…

 

「穂乃果!?いって!?」

 

 

1人にしないように乗ろうとした時、両方の電車のドアが閉まってしまった。

 

達也はその時、思いっきりドアに顔をぶつけてしまった。

 

穂乃果は何駅乗っていたか覚えていたのか、行きに停まった数と同じ数の駅で電車を降りた。

 

だが……そこで初めて逸れたことに気が付いた。

 

 

 

 




英会話の部分は打つの面倒なので省略してます

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