帰ってきた幼馴染と女神たち【完結】   作:カット

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ついに2期編最終回です。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。


63、卒業式…そしてその先の舞台へ!

「さてと、行くか」

 

今日は音ノ木坂の卒業式、生徒会の手伝いとして少し早めに登校する。

 

本来はこの時間だとちょっと早いくらいだ。

 

準備できてるかわからない穂乃果の所へ行くためちょっと早めにな。

 

「それじゃあ行くけど美希は?」

 

「穂乃果ちゃんの家に行ったわよ?雪穂ちゃんや亜里沙ちゃんと一緒に制服着てみるみたい」

 

「なるほどな、それじゃあ行って来ます」

「行ってらっしゃい」

 

母さんの話によると制服を着てみるらしいし、穂乃果の家に行くついでに見てみるか。

 

「おはようございます桐穂さん」

 

「あら達也くん、おはよう。いつもごめんね?」

 

「いえいえ、慣れちゃってますから」

 

それを慣れるのはどうなんだろう…

 

「入っていいわよ?それに美希ちゃんも来てるし」

 

「ありがとうございます」

 

普通簡単に入っていいって言うか?

 

まぁ迎えに来ることはよくあるし仕方ないか。

 

「できたできたできたできたでーきたー!できたよ!」

 

「何が?」

 

「送辞だよ!やっとできた〜」

 

さ、騒がしいな。入った途端上から駆け降りておそらく3人がいるであろう部屋に入って……って今送辞できたのかよ!?

 

俺も同じ部屋に入ろうとしたら穂乃果が出てきてそのまま学校に向かってしまった。

 

「あれ?俺がいたこと気が付かなかったのか?」

 

「あっ、お兄ちゃん!」

「達兄!」

「達也さん!」

 

「おはよう美希、雪穂、亜里沙ちゃん、3人とも制服似合ってるじゃん!」

 

「えへへ、お兄ちゃんに言われるの照れちゃうね」

 

「嬉しいです!」

 

「私も嬉しいけど…お姉ちゃん達兄いることに気付いてないんじゃ…」

 

「た、多分な…」

 

彼女に気が付かれないなんて悲しいな…

 

 

ドタバタバタ!ガラッ!

 

 

ん?穂乃果?

 

「言い忘れてた!3人とも制服すっごく似合ってるよ!ファイトだよ!」

 

それを言いに戻ってきたのか。騒がしいことには変わりないな。

 

「あれ!?たっちゃんがいる!?」

 

「「「…………」

 

「さぁて、今日は帰って寝込むか」

 

「わわわっ、送辞できたこと嬉しくて…ごめん‼︎」

 

「というかお姉ちゃん、送辞できるの遅くない?」

 

「お姉ちゃんは答辞だけど、たしか事前に先生にチェックしてもらってたような……」

 

雪穂、亜里沙、そこは思っても言ってはいけないぞ。

 

「あはは…気にしない気にしない」

 

「気にしろ!?」

 

「というか達兄、行かなくていいの?遅れたら海未さんに……」

 

そうだったそうだった、まぁ今からでも充分間に合う。

 

「そんじゃ穂乃果、そろそろ行くぞ」

 

「うん!行ってきまーす」

 

 

卒業式の日でも騒がしい高坂家での出来事だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃんおはよう!」

「3人ともおはよっ」

「「「おはよう!」」」

 

学校に着くとちょうど花陽たちに会った。あれ?俺らもしかして来るの遅くなってる感じ?

 

「他のみんなは?」

 

「私たちも今来たところだよ」

「あっ、でもにこちゃんならあそこにいるにゃ!」

「ほんとだ!」

 

4人走っていったけど…あれ似てるけどにこじゃないよな?

後ろ姿しか見えないけど身長も服装もどう見ても違うだろ…

 

「にこちゃん…じゃない!?」

 

「普通に考えてにこなら制服だろ」

 

「たしかに…」

 

のんびり近付いて行ったら案の定驚いていた。こころちゃんたちとも挨拶したらちょうどにこがやって来た。来たんだけど…

 

「ママ〜何してるのよ〜早くきてよ〜!見せたいものがあるんだから〜ねぇママ〜」

 

親の前だとこうなるの?というか絶対俺たちがいることに気付いてないな。

 

「にこ…ちゃん?」

 

「はっ!?……おはよう」

 

うん、今更冷静になっても遅いな。

 

「それじゃあ穂乃果行くぞ!」

「うん!」

 

そう言ってにこの家族と1年生、穂乃果と一緒に歩くことになったけど……穂乃果以外ついてくる必要なくね?俺と穂乃果は生徒会室行くんだし…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おはよう、ちょっと遅くなっちまったか?」

 

「おはようたっくん」

 

「おはようございます達也、そうですね、もう少し早く来て欲しかったですが…まぁ良いでしょう、それより穂乃果は一緒じゃないのですか?」

 

「えっ?一緒に……あれ?」

 

いない。いつの間にいなくなったんだ?

 

「さっきまで一緒にいたのですか?」

 

「そうなんだけど…多分部室かもな、1年とにことにこの家族に会ったし、それににこがにこの母さんに見せたいものあるって言ってたからな」

 

「なるほど…生徒会の方には来ずに…」

「あはは…」

 

あ〜あ、これは海未を怒らせたな。

 

「ごめん遅くなっちゃった!?」

 

少ししたら穂乃果が入って来た。当然海未は怒ったけど、ことりが卒業式なんだからということでその場を収めた。

 

「というかたっちゃん酷いよ!行くなら行くって言ってくれないと!」

 

「いや言ったろ?」

 

「部室に行くって思ったじゃん!」

 

あっれ〜そう捉えちゃう?

 

「ちなみに達也は何と言ったのですか?」

 

「にこと会った時そろそろ生徒会の方にって思ったから、それじゃあ穂乃果行くぞ!って言ったんだが…」

 

「達也…ちゃんと生徒会室にと言わないと穂乃果はわからないということを理解しておかないと…」

 

「それもそうか」

 

「それじゃあ私がバカみたいじゃん!?」

 

「バカなんです!」

 

最後のやり取りを聞いて俺とことりが同時にクスクスと笑いだした。

 

「たっちゃん?」

「ことりもどうしたのですか?

 

笑いだした理由は簡単だ。

 

「このやり取り懐かしくてさ」

 

「まだμ'sが6人だった頃にあったな〜って思って」

 

「そういえばあったね」

 

「たしか雨弱くなって外出て少ししたら強くなった時ですね」

 

いや〜懐かしいな、あの時は言うこと聞いてくれないこと多かったな。

 

懐かしんでいたがそろそろ準備しないといけないため、4人で体育館に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それで送辞はできたのですか?」

 

「うん!」

 

「できたの今日の朝みたいだけどな…」

 

「あはは…穂乃果ちゃんらしいね」

 

「全く…達也が付いていながら…」

 

いやいや、俺は全く手伝ってないぞ?やる時はやるのが穂乃果だし

 

「バッチリだよ!ポケットにあるから見てみてよ」

 

ことりが穂乃果のポケットから取り出すと3人で覗き込んだ。

 

マジか…

 

「穂乃果ちゃんらしいね!」

 

「みんな協力してね!」

 

「じゃあ真姫たちにも言いに行かないとな」

 

送辞の内容を今知ったから伝えに……会った時に言っとけばよかったんじゃね?

 

「そっちはたっちゃんにお願いしちゃっていいかな?」

 

「任せとけ、それじゃあ行ってくる」

 

3人から離れ1年の教室に向かった。穂乃果らしいけどああいう送辞っていいのかな?

考えながら歩いていたら教室に着いた。

 

「えっと……いたいた、真姫〜花陽〜凛〜」

 

「あれ?」

「どうしたの?」

「今準備中じゃ…」

 

まぁ当然の反応かな。

 

「ちょっと3人にお願いがあってさ、送辞のことなんだけど……」

 

送辞のことを3人に伝えたら引き受けてくれた。

特に真姫の協力は絶対必要だったからよかったよ。

 

 

「あれ?穂乃果?」

 

「たっちゃん!?」

 

体育館に戻ろうとしたら穂乃果が生徒会室のドアを開けるところだった。

 

どうやら去年の卒業式の記録を取りに来たらしい。

 

「「あれ?絵里(ちゃん)?」」

 

一緒に生徒会室に入ったら絵里がいたため驚いた。

まぁ絵里も生徒会をやってたわけだし足が向いたんだろう。

 

「どうしたの?希ちゃん探してたよ?」

 

希と会ったのか。

 

「別に用があったわけじゃないんだけど…何となく足が向いちゃってね」

 

「元会長だからな、それでだろ」

 

「そうね、式の準備は万全?」

 

「う〜ん…万全とは言えないけど〜任せて!」

 

そこ万全って言えないんかい!

 

「素敵な式にするから!」

 

「時間までには万全の状態にしとくから安心しとけ!」

 

「2人が言うなら安心ね」

 

「えへへ」

 

う〜ん…なんかあんのか?聞くのが手っ取り早いか

 

「何か心配事でもあるのか?」

 

「そういうわけじゃないけど…昨日アルバム見て生徒会長の頃のことを思い出してね。

 

私あの頃何かに追われてる感じで全然余裕がなくて、意地ばかりはって、振り返ってみると私、みんなに助けてもらってばかりだったなって」

 

なるほどな〜

 

「廃校をなんとかしようとして、自分のやりたいことを素直に言えなかったくらいだもんな」

 

「もぅ〜そのことは言わなくていいの」

 

「ははっ、でも助けてもらえる人がいる。それはきっと大切なことなんだと思うぞ。なんでもかんでも1人でできる人なんていやしないさ」

 

「たしかにそうね」

 

すると突然穂乃果が絵里に抱きついた。ほんと突然に…

 

「穂乃果!?」

 

「絵里ちゃん…私たちがラブライブの最終予選に間に合わなかったかもしれない時、こんな風に受け止めてくれたよね、私たちも同じだよ。

 

生徒会長になって、ここにいて、絵里ちゃんたちが残していったものをたくさん見た。この学校を愛してること、そして、みんなを大事にしてること」

 

たしかにな、俺も手伝いで来てたからよくわかる。

 

すると穂乃果は絵里を見つめながら続けた。

 

「絵里ちゃんの想いがこの部屋にたくさんつまっていたから、私は生徒会長を続けられたんだと思う。本当にありがとう」

 

そう言って穂乃果と絵里は握手していた。

 

「もう、式の前に泣かさないでよ」

 

「そうだぞ穂乃果、式の時にいっぱい泣いてもらわないといけなくなるぞ」

 

「えへへ、じゃあそろそろ行くね。たっちゃんも」

 

「そうだな、準備も手伝わないとな」

 

「達也!」

 

「なんだ?」

 

「これからみんなのことお願いね。それと、穂乃果といつまでも幸せにね!」

 

「おう!」

 

呼び止められたと思ったらそれを言われるか。言われるまでもないな。

 

生徒会室を出たら希がいたが、また後でというきで穂乃果と体育館に向かった。

 

それから時間になり、卒業式が始まって穂乃果が送辞を言うところまで順調に進んできた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「送辞!在校生代表高坂穂乃果」

 

穂乃果が壇上に上がり送辞を始めた。堂々としてるな。

 

「先輩方、ご卒業おめでとうございます。

実は昨日まで、ここで何を話すかずっと悩んでいました」

 

実際には今日の朝までだと思うけどな。

 

「どうしても今想ってる気持ちや、届けたい気持ちが言葉にならなくて、何度書き直しても上手く行かなくて、それで気付いたんです。私、そういうのが苦手だって!」

 

はっきり言ったな。それに少し笑いも起こった。送辞ってこういうものだっけ?

 

「子供の頃から言葉より先に行動しちゃう方で、時々周りに迷惑をかけて、自分を上手く表現することが苦手で、不器用で……

 

そんな時、歌に出会いました!歌は気持ちを素直に伝えられます。歌うことでみんなと同じ気持ちになります。歌うことで心が通じ合えます。

私はそんな歌が大好きです。歌うことが大好きです!

 

先輩、皆様方への感謝の気持ちと、これからの活躍を御祈りし、これを送ります」

 

この言葉を言った後ピアノに真姫が座り弾き始める。

それと同時に穂乃果が歌い始める。

 

「愛してるばんざ〜い♪ここでよかった〜私たちの今がここにある〜♪

愛してるばんざ〜い♪はじまったばかり〜明日もよろしくね♪まだ〜ゴールじゃな〜い♪」

 

「さぁ!」

 

伴奏を弾いている真姫が言うと、スポットライトが海未、ことり、俺の3人に当たる。

 

「「「大好きだばんざ〜い♪負けない勇気〜♪私たちは今を楽しもう〜♪」」」

 

そして次に花陽と凛に当たり歌いだす

 

「「大好きだばんざ〜い♪がんば〜れる〜から〜♪昨日に手を振って〜♪ほら〜前向いて〜♪」

 

穂乃果→海未&ことり&俺→花陽&凛と歌って行く。

 

そして

 

「ねぇ!みんな一緒に!」

 

『ラ〜ラ〜ラ♪ララララララララ♪ラララ♪ラララ♪ララララララ〜ラ♪

ラ〜ラ〜ラ♪ラララララララ〜♪ラララララララララララ〜♪ラララララララララララ〜♪』

 

穂乃果の合図でみんなが歌いだす送辞となった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「すっごいにゃ〜ほとんど空っぽにゃ」

 

卒業式が終わり部室に行くと棚がほとんど空っぽになっていた。

どうやら朝部室に来た時、にこの母さんに言われたらしい。

 

「じゃあここにあったのって、本当ににこちゃんの私物だったってこと?」

 

「1つの棚空くって凄いな」

 

「違うわよ!私が特別に貸し出してたの!」

 

「貸し出しって…」

 

「物は言い様だにゃ」

 

そんな言い方で誤魔化すつもりなのかよ。

 

「でもここに何もなくなっちゃったら少し寂しくなっちゃうね」

 

「アイドル研究部なんだし、次の部長が何か資料になるもの持ってくればいいのよ」

 

「次の部長?決めてなくね?」

 

「そういえばそうね」

 

「というかスクールアイドル部じゃなくてアイドル研究部だったこと忘れてたにゃ」

 

凛よ、それは俺もだが言う必要ないだろ。

 

「花陽、頼んだわよ!」

 

「えっ……えぇぇぇっ!?」

 

にこが指名したのは花陽だ。3年がいなくなった後、アイドルに1番詳しいのは花陽だ。

 

それに穂乃果と海未とことりは生徒会。だから1年にやってもらうしかない。

 

「無理無理無理!ダレカタスケテー」

 

久しぶりに聞いたなそれ。

 

「凛だってリーダーやったんだから大丈夫にゃ!」

 

「そうよ、1番適任じゃない」

 

「で、でも…」

 

たしかに適任だな。

 

「大丈夫だって、部長だからって何も1人で全部決めることないんだからさ」

 

「達也くん…」

 

というかにこは部長らしいことってあまりやってなかった気がするし…

 

「達也の言う通り大丈夫よ。こんなにたくさん、助けてくれる仲間がいるんだから」

 

そういえば真面目な時はすごく良い事を言うのがにこだったな。

 

「にこちゃん…うん!」

 

次の部長は花陽に決まり、花陽の指名で副部長は真姫に決まった。

 

次の代は部長か花陽、副部長が真姫、リーダーが凛となった。

 

「それじゃあ…私たちそろそろ行くわね」

 

「え!?もう行っちゃうの!?」

 

「せっかくだし校舎を回ろうと思ってね」

 

「じゃあ私たちも行くよ、だって…」

 

あっ、この流れは…

 

「この10人でっていうのもこれで最後なんだし…」

 

やっぱり…

 

穂乃果はいつ気付くかな?みんなが見ていることに…

 

「あれ?」

 

「言ったにゃー!」

 

「最後って言った人はジュース奢りなんだろ?」

 

「あぁー!?」

 

自分で言ったルールに引っかかるとはな、とりあえず運ぶのは手伝ってやるか。

 

中庭に移動してみんなでジュースを飲んでいる。

 

「穂乃果の奢りのジュースはおっいしいっな〜♪」

 

うわ〜めっちゃ明るい声。反対に穂乃果はめっちゃ暗い声で「どういたしまして」って言ってるよ。

 

「そういえば最近パン食べてないわね」

 

「うん、ラブライブもあったし我慢してたんだよ」

 

「それでも結局ダイエットしましたけどね」

 

そういえば言ってたな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

全員で校舎を回ることになって最初に来たのは…

 

「久しぶり〜」

 

アルパカ小屋だ。ことりが白アルパカに抱きついている。

 

茶色のアルパカは何故か絵里を睨んでいる。なんで?

 

「でも随分太ったにゃ〜」

 

「言われてみれば…」

 

「待って!?」

 

真姫はどうしたんだ?

 

「これは…赤ちゃん!?」

 

『えぇっ!?』

 

白アルパカがドヤ顔した!?というかてっきり白アルパカがメスだと思ってたぞ!?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次に来たのは講堂だ。ここではファーストライブと復活ライブの2回、ライブに使った場所だ。

 

「久しぶりに立つとやっぱり広……くない?」

 

「そう思うのは私たちが成長したからだと思います」

 

海未の言う通りだ。この1年色々あった。ファーストライブの観客は今のμ'sメンバーとヒデコとフミコとミカだけ。

 

それが夏休み前には満員になって、最後にはラブライブにも出場して優勝したんだからな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次はとある桜の木の下

 

10人みんなで手を繋いで横になっている。

 

「最初に10人揃って歌った時もこんな青空やった。そう思ってたんやろ?」

 

「えぇ」

 

「ウチもや」

 

絵里と希の会話が聞こえてきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

最後に来たのはやっぱり屋上。ここから始まったんだよな。

 

「やっぱり最後はここね」

 

「うん!」

 

みんな考えてることは同じだな。

 

「考えてみれば、練習場所がなくてここにしたんですよね」

 

「毎日ここに集まって」

 

「毎日練習した」

 

「出来ないことをみんなで克服して」

 

「ふざけたり笑ったり」

 

「全部ここだった」

 

「ここが1番俺たちみんなの思い出が詰まってる」

 

「そうだ!」

 

穂乃果?

 

バケツに水汲んできて…モップ持ってきて…何をするんだ?

 

「見てて!でーい!」

 

そのまま大きく【μ's】と書いた。

 

「μ's…」

 

「でもこの天気だからすぐ消えちゃうわよ?」

 

「それでいいんだよ……それで」

 

 

『ありがとうございました!!』

 

穂乃果が書いた文字に向かって、みんな一斉に頭を下げお礼を言う。

 

俺たちを引き合わせてくれたμ'sに対して…ありったけのありがとうという気持ちを…

 

頭をあげるとみんな順番に屋上をあとにする。

 

最後に俺と穂乃果も屋上の出入り口に立つ。

 

「よく頑張ったな穂乃果」

 

優しく撫でながら言う。

 

「うん!たっちゃんや海未ちゃん、ことりちゃん、みんながいてくれたからだよ」

 

そう、穂乃果の言う通りみんなが……

 

穂乃果、海未、ことり、花陽、凛、真姫、にこ、希、絵里

 

個性が違うみんなが1つになれたからここまでやれた。

 

「やり遂げたよ。最後まで」

 

穂乃果と俺も屋上を後にし、昇降口前に待っていたみんなのところに行った。

 

 

「それじゃあ行くわね」

 

にこ、希、絵里の3人を見送っていると花陽の携帯がなった。

 

「何よこんな時に…」

 

「ごめん……えっ、えぇぇっ!?」

 

「「どうした(の)!?」」

 

「た、大変です!ここじゃ言えません!一度部室に戻りましょう!」

 

『えぇー!?』

 

俺と穂乃果の腕を掴んで走り出す。というかこんな力あんのかよ!?

 

みんなは走りながら何かを言っている。でもついてきてはいる。

 

どうやら俺たちの終わりは今日じゃなさそうだ。

 




とうとう2期まで終わりました。

前書きにも書きましたが、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

ハーメルンでの執筆は今回の作品が初めてでした。
そのため感想や評価をしてくれたり、お気に入りをしてくれたり、嬉しく思っています。

次回からは劇場版編へとなり、何話になるかわかりません。

劇場版編が終わったら日を空けてAqoursの話を書くつもりです。タイトルはまだ未定ですが、今後ともよろしくお願いします

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