帰ってきた幼馴染と女神たち【完結】   作:カット

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最後ちょっとしたオリジナル要素入れました。


55、みんなの大好きを届けて

前回

 

ついに最終予選当日を迎えたμ's。穂乃果たち2年生は学校説明会のために音ノ木坂へ。

しかし、雪のため開始時間が1時間遅れとなり、さらに交通機関も動かなくなった。

そのため、達也たちは走って会場まで行くこととなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

現在昇降口の出入り口に達也、穂乃果、海未、ことりの4人がいる。

 

走って行く前に階段を降りるまでは危険だからゆっくり歩いて、降りてからは転ばないように気を付けて走っていくというのとを話してたからた。

 

「しっかしかなり積もってるな」

 

「たっちゃんたちが折角雪かきしてたのに…」

 

少しの間雪かきをしていなかっただけでかなり積もっている。しかし止まっている時間がないため歩き出す。すると風が強くなって歩くのが困難になってきた。

 

「くっ、これはキツイな…穂乃果!海未!ことり!お前らは俺の後ろについて少しでも風を凌げ!」

 

「でも!?」

「いいから!」

 

少しでも穂乃果たちには風を凌いでもらおうと達也が前に出て歩いている。

 

さらに風が強くなって達也でさえ歩くのが困難となり、音ノ木坂の校門を出た所で立ち止まってしまった。

 

4人は諦めるわけにはいかないと思っていたが少しの間動けなかった。すると風も雪も弱くなって視界がよくなるとそこには……

 

「これは…」

「一体…」

「たっくん何か知ってるの?」

 

達也を除いた穂乃果たちが驚いた理由は、道にも積もってるはずの雪が両端に寄せられていたからだ。

 

「みんなのおかげだ」

「みんな?」

 

達也の言葉に穂乃果が疑問に思い聞くと「遅いよ!」という声が聞こえた。

 

そこにいたのはヒデコ、フミコ、ミカの3人がいて、階段上にはスノーブーツが置かれていた。

 

「達也くんには言ったけど音ノ木坂のみんなに声かけたら集まったくれたよ」

 

「みんなが…」

 

達也は知っていた。音ノ木坂のみんながこれをやってくれていたことを。だから走っていくと言ったのだった。

 

「みんなおかしいよ…こんな…こんな大変なこと…」

 

「それだけお前たちのこと応援したいし大切なんだよ。行こう!」

 

「うん!行こう!たっちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん、音ノ木坂のみんなが作ってくれた道を」

「ええ!」

「うん!」

「おう!」

 

「いっけー!」という声を背中に受けながら会場までの道を走り出す。

 

会場までの道は音ノ木坂の生徒がいる。「転ばないで!」や「この先左!」と達也たちが走っていくのをサポートしてくれる。

 

会場前まで来ると先に着いていた6人が並んで立っていた。

 

「みんな待ってくれてるな!」

 

「みんな〜」

「穂乃果!」

 

穂乃果が叫ぶと絵里が一歩前に出て手を広げていた。

 

「絵里ちゃーん!」

 

持っていた傘やカバンを放り投げ泣きながら絵里に飛びつき、絵里はしっかりと受け止めた。

穂乃果の放り投げた傘やカバンは達也がしっかり拾っていた。

 

「寒かったよ〜!怖かったよ〜!これでおしまいなんて嫌だったんだよ〜!みんなで結果を残せるのはこれで最後だし、こんなに頑張ったのに何も残らないなんて悲しいよ〜!だからぁ…」

 

「穂乃果…ありがと」

 

泣きながらも穂乃果は吐き出すように言った。そして他のメンバーも感動のあまり泣いている。

 

「みんな!泣きたい気持ちは分かるけどまだ早いぞ!泣くなら本戦出場決めてからだ!」

 

「たっちゃん…そうだね!準備しよっ!」

 

ライブの準備をするために用意された楽屋に移動しようとしたその時、後ろから走ってきた音ノ木坂の生徒がやってきた。

 

「みんなにお礼しないとね」

 

「うん!みんな!今日は本当にありがとう!私たち精一杯頑張ります!今の気持ちをありのままに!大好きを大好きなまま大好きって歌います!絶対ライブ成功させるね!」

 

そういうと達也を残しみんなはライブの用意をしに行った。

 

「みんな本当にありがとな!今のあいつらなら絶対ライブを大成功させられる!見ていってくれ!」

 

「そのつもり!あと私たち3人はいつも通り手伝うよ!断っても無駄だからね!」

 

「止めても無駄そうだな。でも助かる、いつもありがとな!」

 

音響などの準備をある程度やったらヒデコたちに任せて達也はμ'sのところに移動し始めた。

 

その途中で

 

「間に合ったみたいね」

「ツバサさん」

 

A-RISEの3人に会った。

 

「いや〜なんとか間に合ったよ」

 

「絵里さんたちに聞いて心配してたのよ?また大事な時にμ'sと勝負できないと思ってね」

 

「それは悪かったけど…俺たちのこと心配してる余裕ないと思うぞ?」

 

「言うな。それほど良いライブになるということだな」

 

「俺は確信してるんだよ。今日は今までのライブの中で最高なライブになるって!だからA-RISEも俺たちの心配してる余裕ないと思うぜ」

 

達也は宣戦布告に近いようなことを言ってA-RISEの前から立ち去った。

 

そしてそのまま誰とも会うことなくμ'sの楽屋へと着いた。

 

ドアをノックして「どうぞ」と聞こえたから達也は中に入った。

 

「みんな、準備は大丈夫か?」

 

「できてるよ!」

「音ノ木坂の生徒に助けられました。ですから今度は…」

「私たちが最高のライブをしてお返しをしよ!」

 

大丈夫そうだな。まっ、聞くまでもなかったか。

 

「よしっ!そろそろ時間だ!」

 

「うん!それじゃあみんな!行こう!

 

1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「10!」

 

『μ's!music START!』

 

ライブ前のいつものコールをしてステージへ向かい達也は音響の方へ向かった。

 

 

「みなさんこんにちは!これから歌う曲は、今日のこの日のために新しく作った曲です。たくさんのありがとうを歌にして作りました!応援してくれた人、助けていた人がいたおかげで私たちは今!ここに立っていられます!だからこれは!みんなで作った曲です!」

 

穂乃果の挨拶が終わり、ステージ上で9人は手を繋いでいる。

 

(学校が大好きで)

(音楽が大好きで)

(アイドルが大好きで)

(踊るのが大好きで)

(メンバーが大好きで)

(この毎日が大好きで)

(頑張るのが大好きで)

(歌うことが大好きで)

(μ'sが大好きだから)

 

9人それぞれが大好きという気持ちを抱いて今、達也を含めた10人が言葉を出し合って作った曲『Snow halation』が流れ出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うぅ…緊張する〜」

 

全グループが歌い終わり、投票結果を集計している。本戦に進めるのは4グループのうち1グループだけだ。

 

「大丈夫、精一杯やっただろ?」

「うん…」

「だったらもう信じて待つしかないだろ?俺が側にいるからさ」

 

結果発表の前にμ'sのメンバーは緊張している。その中でも特に穂乃果が緊張しているようだ。

 

「ありがと…たっちゃん」

 

「お待たせしました!集計が終わったのでラブライブ本戦出場グループを発表します!スクリーンをご覧ください!」

 

どうやらスクリーンに本戦出場グループが映し出されるみたいだ。

 

μ'sのメンバーは達也が穂乃果の手を握っていて、他の8人は両手を合わせて祈っている。

 

そして発表が始まった。

 

「ラブライブ本戦出場グループは!

 

音ノ木坂学院のμ'sです!」

 

運営の発表と共にスクリーンに本戦出場グループが映し出された。

スクリーンには音ノ木坂学院μ'sと映し出されていた。

 

『やったー!!』

 

本戦出場を決めたμ'sのメンバーは、嬉しさから全員その場で抱きしめあっていたのだった。

 




2期9話まで終わりました。
次回以降ですが…

まず穂乃果ちゃんの誕生日回作成(時系列は夏)

その後は1話(2話になるかもしれないけど)オリジナル回でクリスマスパーティーを入れる予定です。
達也と穂乃果ちゃんのクリスマスプレゼントの交換で何を交換するか決まっていません。
何かいい案があれば感想欄にお願いします。

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