帰ってきた幼馴染と女神たち【完結】   作:カット

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前回の続きです。


34、夏の出来事(後編)

前回は…

 

夏休みに入り最初の週末、2日間練習が休みになったため海にやってきたμ'sのメンバー。

ビーチバレーをして達也が相手チームの揺れる胸に目が行って戦力にならなかった。

「男なんだし仕方ないだろ!」

海未と凛に制裁されていた達也の代わりにジュースを買いに行っていた穂乃果と花陽に事件が!

花陽はなんとか逃げることができたが穂乃果が連れていかれてしまい、それを知った達也が助けようと走り出したのだった…

 

 

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達也side

 

「くそっ、どこだ穂乃果!」

 

花陽から聞いて穂乃果のことを探しているが見つからない。早くしないと…

 

「すみませんこの辺で……そうですか、急にすみませんでした……」

 

近くにいた人に聞いているが見つからない…2人の男と穂乃果だけなら見つかりやすいと思ったが……

 

聞き続けていると駐車場の方に向かうのを見たと聞き、その人に簡単になってしまったがお礼を言って駐車場に走り出した。

 

「いやっ!離して!」

 

穂乃果の声…どこだ……いたっ!

 

「穂乃果ーーーっ!」

叫びながら近付いていった。

 

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穂乃果side

 

「離してっ!離してってば!」

 

2人の男の人に連れていかれてるけど怖いよ…

 

1人でさえ男の人に力で勝てないのに2人なんて……

 

でも花陽ちゃんを逃がせたことはよかったかな……

 

「そんな暴れるなって、今からお兄さんたちと楽しいことするんだからさ〜」

 

「そうそう、きっと君も気持ちよくなれるよ〜」

 

いやっ…まさかだけど私が思った通りのことじゃないよね!?誰か助けてよ…

 

「は〜い到着〜」

 

車?うそうそうそっ!?嫌だよ……

 

「いやっ!離してっ!」

 

助けてよたっちゃん……

 

「穂乃果ーーーっ!」

 

来てくれた……

 

「助けてたっちゃん!」

 

やっぱり助けに来てくれた…

 

 

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「なんだお前は?」

 

見た通りチャラいな、こいつらが穂乃果を……気付かないうちにギリッと歯を食いしばっていた。

 

「お前らこそなんなんだよ…」

 

「たっちゃん助けて!」

 

「俺たちはこの子と遊ぶだけなんだから関係ないやつはどっかいってな」

 

ふざけたこと言いやがって…関係ない?そりゃあお前たちだろうが

 

「そいつと遊ぶ?なに俺の彼女を勝手に連れていってんだこのやろう!」

 

「ぐっ⁉︎」

 

穂乃果を掴んでいた男に向かっていきなり殴りかかって穂乃果を連れ戻すことができた。

 

「穂乃果大丈夫か!?」

 

「うん、なんとか…」

 

さてと、あとはこの2人をどうするかだな…

 

「こいつ……ぶっ殺す!」

 

「ひっ!?」

 

「大丈夫だ穂乃果!」

 

殴られた男が刃物を取り出して俺たちの方に向けて穂乃果は怖がった。

震えてるため1人で逃がすの危なそうだから逃げろなんて言えなかった。

 

なら仕方ない…止めるしかないか

 

「それじゃあとりあえず動けなくしてその子と楽しむ様子を見ておいてもらおうか、くらいな!」

 

刃物を持った男が突っ込んできたがスキだらけだったため鳩尾を一発殴ってその後もう1人の男の方に投げ飛ばした。

 

「お兄さんたちさ〜これ以上俺の彼女狙うなら容赦しないけどどうする?」

 

「「すすすすみませんでしたー!!」」

 

睨みつけたらそのまま逃げて行っちまった。ほんとは警察に突き出したかったけどな……

 

「穂乃果大丈夫か?」

 

「うん……うんっ……ありがと……」

 

そう言って穂乃果は俺に抱きついてきて泣いてしまった。

よかった…ほんも無事でよかった…そんな思いを込めて穂乃果を抱きしめて頭を撫でていた。

 

 

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無事に穂乃果も助け出せてみんながいるところに戻っているところだ。

 

「たっちゃん…迷惑かけてごめんね?」

 

「アホか!」

 

「いたっ!?」

 

痛がっているが馬鹿なこと言ってきたので軽くチョップしただけなんだが…

 

「迷惑だなんて思ってないって、俺が勝手に動いただけなんだからさ」

 

「ふふっ、でも嬉しかったな〜あんなこと言ってくれて」

 

「あんなこと?」

 

なんか言ったっけ?

 

「2回もその…俺の彼女って言ってくれたじゃん///」

 

「なっ///」

 

そ、そう言えばそんなことを…

 

「いやだってそう言えば簡単に離してくれると思ったんだよ//」

 

「じゃあ私が好きだから言ってくれたんじゃないんだね……」

 

ちょっ!?なんでそんな顔すんだよ!?

 

「そ、そういうわけじゃないけど…//ほらっ、早くみんなのとこ行くぞ」

 

「わっ///ちょっ!?」

 

穂乃果が慌てた理由は俺が手を繋いで走り出したからだろうが俺は気にしない。

つーか俺も恥ずかしいが…

 

みんなのところに戻ると…

 

『穂乃果(ちゃん)!』

みんなが心配した表情で待っていてくれていた。

 

「心配かけてごめんね…?」

 

「無事でよかったです!」

「うん、ほんとよかったよ穂乃果ちゃん!」

 

海未とことりが穂乃果に抱きつき泣いていた。

 

そして…

 

「穂乃果ちゃん……」

 

「花陽ちゃん!怪我なかった?」

 

「うん…穂乃果…ちゃんは?」

 

自分だけ逃がせてもらったんだ。不安になるのもわかる。

 

「大丈夫!危なかったけどたっちゃんが助けてくれたから!ありがとねたっちゃん!」

 

「おう…ってくっつくな〜」

 

みんなに怪我はないことを伝えそのまま腕に抱きついてきたけど…くっつく必要はないだろ!?つーかうん…柔らかいな

 

 

嫌な思い出で終わるのが嫌だったため、その後俺たちは夜まで遊び花火もしたのだった…

 

 

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花火も終わり少し離れたところで穂乃果は海を眺めていた。

 

「1人で海眺めてどうかしたか?」

 

「たっちゃん…」

 

みんなは今日泊まるホテルに戻る準備をしているのに1人だけ海を眺めていて気になった。

そのため声をかけてそのまま隣に座った。

 

「今日みんなに心配かけちゃったなって…」

 

あれは穂乃果のせいじゃない。それに花陽を逃がせていたんだ。穂乃果を責めることはできない。

つーかナンパの2人組みを責めるべきだ。

 

「そりゃあ心配するさ、仮に穂乃果じゃなくて他の人だったとしてもな」

 

「うん…それは私もだけどさ……それなのに私…心配かけちゃったことよりも別のこと考えちゃってるんだよ…」

 

「別のこと?」

 

「うん…たっちゃんあの時「俺の彼女」って言ってくれたでしょ?」

 

「あ、あぁ//」

 

ちょっ、改めて言われると恥ずかしいんだが…

 

「それで…他の人にも同じこと言うのかなって思っちゃって…酷いよね…みんなに心配かけちゃったのに…心配かけて悪いって気持ちより今のことの気持ちの方が大きいんだよ…」

 

なるほどな…これは俺にも悪い部分あるな…

 

「そっか…でもさ、みんなに心配かけて悪かったって気持ちはあるんだろ?」

 

「当たり前だよ!思わな…「ならいいじゃねぇか」…えっ?」

 

「心配かけて悪かったって気持ちないのに考えてたらさすがに怒るけどそうじゃない。ちゃんと悪かったって……う〜ん、まぁ悪いのはあのチンピラたちだけど心配かけて悪かったって思ってるならいいと思うぞ?」

 

「たっちゃん…」

 

「つーか俺も悪かったな、穂乃果は俺の彼女でもないのに俺の彼女なんて言っちまってさ」

 

「嫌じゃなかったからいいよ!むしろ嬉しかったよ///」

 

「えっ?」

 

今嬉しかったって言ったよな?まじ?ほんとなら嬉しいけど//

 

「それと…多分穂乃果の時にしか言わなかったと思うぞ?」

 

「……えっ?」

 

(うそっ!?それって///)

 

「海未やことりの時は大切な親友、他の人だったら大切な友達…いや、あの場合はダチって言ってたかもしれない…でも彼女って言うのは穂乃果だけだよ」

 

「な、なんで……?」

 

やっべ〜なんかすっごく恥ずかしいこと言ってる気がする//

でもここまで来て何も言わないわけにもいかないよな。

 

男なら覚悟を決めろ!

 

「俺は穂乃果が好きだからだ!///」

 

「…………………えっ!?ほん……と?」

 

言っちまった…でも前からいつか伝えたいって思ってた。

それが今になっただけだ。

 

 

「さすがにこんな時に嘘を言うかよ、本心だよ。

俺は前から穂乃果のことが好きだったんだ。ちょっとした仕草でも海未やことりの時はなんとも思わなくても、穂乃果の時だけドキッってすることもたくさんあった。お前の笑顔を守りたいって思った。いつまでも一緒にお前といたいってこともな。

これだけじゃないけど、前から思ってたこの気持ちが好きって気が付いたのは最近だ。前からこの気持ちはなんだろって思ってただけで…」

 

「たっちゃん…//」

 

「俺は穂乃果のことが好きだ。だから…俺の彼女になってくれ!」

 

だいぶ恥ずかしいことを言ってしまった気がする。でも…穂乃果と付き合いたいって気持ちは不器用でも伝えたつもりだ。あとはなんて答えてくれるかだ…

 

「たっちゃん…私も…たっちゃんのこと好きだよ//」

 

えっ…聞き間違えじゃ…ないよな?

 

「ほん…とか?」

 

「こんな時に嘘言うわけないでしょ?ほんとだよ///

私もね、たっちゃんのこと好きだよ。好きって気持ちに気付いたのはたっちゃんより前だと思うけどね。でも言い出せなかった……言い出せないうちに学園祭みたいなことが起きちゃって…それでその時にね、こんな私じゃたっちゃん嫌だよねって思ったこともあったんだ〜」

 

「あの時はライブのことばっか頭にあったよな〜」

 

「あはは…それで酷いことも言っちゃったし…でもね、海未ちゃんとことりちゃんに「私たちのどちらかが達也をもらってしまいますよ?」って言われてね…2人も大切な親友なのにたっちゃんと付き合うところ想像したら嫌だった…

何も伝えてないのに諦めるのは嫌だなって思い直せたの」

 

そんなこと思ってたのか…つーか俺より前に気持ちに気付いてたってことはそう言った仕草とかあったのか?

もしあったなら気付いてなかった俺ってかなり鈍感?

 

「だからね…えっと…お願いします//」

 

OKもらえたみたいだな…やべっ、みんなのライブの時よりはるかに緊張するな…

 

「穂乃果…」

「たっちゃん…」

 

海風に吹かれながら徐々に俺たち2人の顔の距離が近付いていく。穂乃果の目も閉じていきあと少しで…というところで

 

「穂乃果ー!達也ー!いつまで外にいるつもりですか?」

「みんな待ってるよー」

 

海未とことりが呼びに来た声が聞こえ慌てて顔を離した……あとちょっとだったのになとか思っていたり…

 

「ま、待たせるの悪いし行くか」

 

「そうだね」

 

立って穂乃果に手を差し伸べ穂乃果もその手を取ってくれた。

 

そのまま立ち上がり手を繋いで歩こうとしたら繋いだ手を離して腕を組んできた。

 

改めてこういうことされると地味に恥ずかしかったり…穂乃果も赤くなってるし同じことを思ってくれてると信じよう。

 

「穂乃果…さっきの続きはまた今度な」

 

と言ったら穂乃果の顔が赤くなったのは可愛かった。

 

そしてそれを見ていた海未とことりは俺たちが想いを伝えあったんだと理解しおめでとうと言ってくれた。他のみんなには冷やかされたが……

 

 




どこかで達也と穂乃果を恋人にしようと思ってたのですがここにしてみました。

多分次回もオリジナルの話になります

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