その日、彼は守ることを思い出した 『ブラックトリガーと紅茶と共に』   作:mimin

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迅と悠真

~三雲の家の前~

 

三雲がどこかへ行く。

 

「あのメガネボーイが、ネイバーとつながってるの?見かけによらないねぇ。」

 

三輪と米屋が話している。

 

「よぉ、こんなところで何してんだ?」

「げ…紅茶バカ!」

「守谷…」

 

三輪が守谷を睨む。

 

「…防衛任務だ。たまたま、ここにいただけだ。」

「そーかそーか。」

 

そこに一人の男が現れる。

 

「ぼんち揚げ、食う?」

「迅さん!」

「守谷もいたのか。三輪隊の二人は、今日の午後から大仕事があるから、基地に戻っとけよ。はいこれ、命令書。」

 

迅は命令書を渡す。

 

「よし、守谷行くか!」

「はい!」

「じゃあなー」

 

迅と守谷は歩き出す。

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~数分後~

 

「修。おはよう。」

「メガネ君。おはようー。」

「お、おはようございます!」

 

迅は歩き続ける。

 

「この先に、イレギュラーゲートの原因を知る人物がいる。」

「修がよく知ってる人だよ。」

「まさか…」

「なに?守谷、もう知ってんの?」

「まぁ、大体はね。」

 

にやにやする守谷。

 

~最初に修と米屋が出会った場所~

 

「ここは…」

「お、覚えてるか?」

「そりゃあ…」

 

そこには、遊真がいた。

 

「空閑?」

「やっぱり、遊真か。」

「修、それに守谷先輩。それと?」

「俺は、迅悠一。よろしく!」

「そうか、あんたが噂の迅さんか。」

「お前ちっちゃいなぁ。」

「俺は空閑遊真。背は低いけど、15歳だ。」

「空閑遊真。遊真ね…お前、向こうの世界から来たのか。」

「さっすが、迅さん。よくわかったね。」

 

遊真は遠ざかる。

 

「待て待て、そういうあれじゃない。」

「そうだ、遊真。迅さんは俺と似たタイプだ。」

「俺は、近界民にいいやつもいることも知っている。俺のサイドエフェクトがそう言ったから聞いてみただけだ。」

「ほぉ。」

「迅さんのサイドエフェクトって…?」

「俺には、未来が見えるんだ。少し先の未来が。」

「未来!?」

「昨日、メガネ君がこの場所で、誰かと会ってる未来が見えたんだ。」

「空閑!原因を突き止めたのか!?」

「うん、ついさっき。犯人はこいつだった。」

「なんだそいつは!トリオン兵?」

「そこからは、私が話そう。」

 

黒い浮遊している機械のようなものが出てきた。

 

「私はレプリカ。遊真のお目付け役だ。」

「おぉ、これはどうも。初めまして。」

 

そこから、レプリカがこのトリオン兵について話し始めた。

これは、偵察用のトリオン兵で『ラッド』ということ。

ゲート発生させる原因だということ。

町に広がっているということ。

 

「いやぁ、めちゃくちゃ助かった。ここからはボーダーの仕事だ。」

「ですね。」

「よし、守谷急ぐぞ!」

 

迅の言葉を、聞き流しながらトリガーを起動し黒い服に身を包む。

 

「じゃあな、修、遊真。」

「おう、またな。守谷先輩、迅さん。」

 

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~本部~

 

「よし、じゃあ俺は伝えてくる。」

「お願いしますー!」

 

迅は、早歩きで行った。

 

「あれ、守谷じゃん。何してんの?」

「よう、米屋。ここから、忙しくなるぞー。」

「はぁ?いま、任務から帰ってきたばかりなんだけどー。」

「グダグダ言うなー。そのうち全隊員に出動命令が出るから覚悟しとけよー。」

「まじかよー。」

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数分後、すぐにそれは本当になった。

そして、昼夜かけてラッドの駆除が行われた。

何とか駆除できたものの…

 

「つ、疲れたぁぁぁぁぁ!」

「何言ってんだ、米屋。」

「お前はよー、ブラックトリガー使って本部から狙い撃ちだもんな…」

「ふっふっふっ。」

「ずりぃ。」

「まぁ、そう言うなって。ピーチティー飲むか?」

「いらねーよ。紅茶バカ。」

「槍バカには、言われたくねーよ。」

 

そんな会話をしていたら。迅が現れた。

 

「迅さん。お久しぶりです。」

「よぉ、米屋。それに紅茶バカ。」

「迅さんまで…」

 

米屋は笑い、守谷は落ち込んでいる。

 

「まあまあ、朗報だぞ守谷。」

「…?」

「メガネ君を、B級に上がらせる。」

「本当ですか!迅さん!」

「あぁ、本当だ。じゃ、詳しいことはまた今度ー。」

 

迅は、会議室のほうへ歩いて行った。

 

『近界民。ここから、どうなるのか…。ボーダーが、簡単に見逃してくれるとは、思えないしな…』

 

「おい、聞いてんのか?」

「あ、わりぃ。聞いてなかった。そう言えば、今、A級の人たちって遠征に行ってるんだよな?」

「急にどうした?そうだけど。」

「…」

 

『A級が帰って来たら隠しきれないかもな…。』

 

「あ、俺この後三輪隊で話あるから、行くわ。」

「お、おう。」

 

米屋は、そのまま歩いていった。

 

「あ、いたいた。」

「熊谷?久しぶりだな。」

「うん。久しぶり。」

「俺に何か用でも?」

「そうそう、明日空いてる。」

「空いてるけど…。ま、まさかお前」

「何考えてるかわからないけど、否定だけはしとくわ。」

「なんだ…」

「明日、訓練に付き合ってくれない?」

「俺に?ま、いいけど…。志岐はどうすんだよ?」

「なんとかなるでしょ。別に初めましてじゃないんだし。」

「そっか。わかった。いいよ、明日はちょうど非番だしね。」

「そっか。サンキュー。じゃあ、明日待ってるわ。」

「おう。」

 

『那須隊。何度も一緒に防衛任務をしたことがある。隊長の那須は、俺と同じタイプの、シューターで、B級にしてはかなり筋がいい。変化弾(バイパー)の弾道をリアルタイムで引けるのは、出水と那須と守谷くらいだ。合成弾を、教えたらできるかもな…。』

 

そんなことを、考えながら家へと向かう。

 

「明日も、楽しそうだな…。」

 

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~会議室~

「まさか、ブラックトリガーとは…。」

「なぜ、今までこんな大事なことを黙っていたのかね?」

「そりゃあ、黙っていたらもっとややこしくなってたでしょ。」

「むぅ…」

「それに、近界民は修と仲がいい。仲間にすれば、大きな戦力になると思いますけど?」

「確かに、ブラックトリガーは大きな戦力だ。…ブラックトリガーにはブラックトリガーだ。迅、お前に近界民の始末とブラックトリガーの確保を命じる。」

 

修が迅の横顔を見つめる。

 

「会議は終わりだ。わかったら、すぐに取り掛かれ。」

「それは出来ません。」

「何…?」

「どういうことだね。」

「俺は玉狛支部の人間です。林道支部長を通してください。」

「結局は同じことだろうが。」

「林道支部長、命令したまえ。」

「やれやれ、支部長命令だ。迅、ブラックトリガーをとらえてこい。」

「はい。」

「ただし、『やり方はお前に任せる』」

「了解、支部長(ボス)。実力派エリート、迅。支部長命令により任務を遂行します。」

 

城戸は、林道を睨む。

 

「ご心配なく。うちの隊員は優秀だから。」

「行くか、メガネ君。」

「はい!」

 

唐沢さんが、口を開く。

 

「君の友人は何が目的なんだ。それが分かれば交渉しやすい。」

「目的…。そういえば父親の知り合いがボーダーにいて、会いに来たと言ってました。」

「知り合い?誰のことだ…?」

「名前は、わからないのですが…」

「曖昧すぎて何にもわからん。」

「その父親の名前は?いや、君の友人本人の名前でもいい。」

「父親の名前はわかりませんが、本人の名前は…『空閑遊真』です。」

「空閑!」

「空閑?」

「空閑…。空閑だと?」

 

半分の人間が反応した。

 

「その父親の名は、空閑、空閑有吾か?」

「空閑、何者ですか?」

「有吾さんは、旧ボーダーの創設期のメンバーだ。」

「三雲君、その子の父親は今どこに?聞いてないか?」

「…亡くなったと聞いてます。」

「そうか。しかし、そういうことならこれ以上部隊を繰り出す必要はないな。有吾さんの子と争う理由などない。」

「まだ、確認できたわけではない。」

「迅、三雲君。つなぎを頼むぞ。」

「はい!」

「それでは、進展があったら報告するように。」

 

会議室から、退室する二人。




読んでくださり、ありがとうございます!

次回は、那須隊と守谷です。
ついに、ブラックトリガーの性質が判明するかもしれません。

感想等、待ってます!


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