その日、彼は守ることを思い出した 『ブラックトリガーと紅茶と共に』 作:mimin
「さて、現場に向かいますかね。」
いつもの、トリガーと魔法瓶を手に家を出る。
『トリガー起動!』
昨日とは、違い白を基調とした服に身を包む。
「現場まではこっちのほうが早いな…」
守谷は、キューブ状のトリオンを出す。そして、その上に『乗った』
「さ、行くか。」
そのまま、現場へ向かう。
______________________________________________________
~現場~
「よっと。」
静かに降りる。そして、トリガーを解除した。
「これは、ひどいな…」
トリオン兵が空を飛んでいる。
「あれは…新型か?」
近くに三雲の姿を見つける。
「三雲!あいつはなんだ?」
「…守谷先輩!」
「空閑はどうした?まさかトリガーを使ってないよな?」
「それは…とにかく、あれと木虎が戦ってます!行ってください!」
「木虎が?わかった、ここは任せたぞ三雲!」
「はい!」
『トリガー起動!』
黒い服に身を包む。
「よし、行くか…」
『グラスホッパー』
守谷は、板のようなものを使い、反射して空中を上がっていく。
「あっちか。」
トリオン兵のほうへ、上手く移動していく。
「よし追いついた。」
木虎は、背中の上に乗っていた。周りには柱のようなものが立っている。
「ってほとんど、倒してんじゃん。」
守谷は、背中の上に飛び乗る。
「止まって!止まって!」
「何やってんの?」
「守谷先輩、こいつ自爆する気です!どうにかこの柱を…!」
「…わかった。木虎、シールドちゃんと貼っとけよ…」
両手にキューブ状のものを出す。
「合成弾!」
「ご名答。」
『徹甲弾(ギムレット)』
キューブは、一つ一つの柱を破壊していく。
「木虎、降りるぞ!」
「…はい!」
背中から飛び降りる二人。
「最後に一発!」
『メテオラ』
トリオン兵は、粉々になった。
「ケガしてないか?木虎?」
「…はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
「守谷先輩すごいな。粉々だ。」
「おぉ、遊真もいたのか。」
「おう、最初からいたぞ。」
「ってか、あっち見てみろよ。」
そこには、修がいた。
「君のおかげだ!」
「本当に助かった!」
「…いえ僕は当たり前のことをしただけですから。」
木虎は不満そうな顔をする。
「…そんなに市民相手にポイント稼ぎ?」
「あっ、彼女です!近界民を倒したのは!」
「そうなのか!」
「嵐山隊の木虎じゃん!さすがA級隊員だ!」
「ほらな、言っただろ。お前とじゃ勝負にならないよ。見ているものも違うからな。」
「木虎、一般人からこういわれてるぞ。」
「…確かにただのC級隊員じゃなさそうね。」
「でも結構お前もすごいな。あの魚倒したんだもんな。」
「違う。倒したのは、守谷先輩。私は止められなかった…」
「それは、違うだろ。倒したのは、木虎だ。俺は、そのサポートをしただけだ。お前はすごいよ。」
「も、守谷先輩!?何を言ってるんですか!」
「だって、事実だろ?」
その時町の住民から、怒りの声が上がる。
「何が助かっただ!うちの店は壊されちまったんだぞ!」
「ボーダーは何をしているんだ!」
木虎は、修の前に立つ。
「近界民による、新手の攻撃です。損害の補償に関する話はまた後々に発表があります。」
木虎が、住民たちを避難させている。
「イレギュラーゲートを、なくさないとな…」
「守谷先輩…」
「とりあえず、本部に行こう。俺もついていく。」
「ありがとうございます。」
______________________________________________________________
~本部~
木虎がトリガーを使い、ドアを開ける。
「ほう、トリガーがカギになっているのか。」
「そうよ、ここからはボーダー隊員しか入れないわ。」
「じゃ、俺はここまでだな。何かあったら、連絡くれ。」
「わかった。」
「じゃあな、遊真。」
「おう、守谷先輩。」
エレベーターで下に降りる。
「さっきの戦闘中、ほかの場所でもゲートが開いたそうよ。」
「そうか、被害が広がらなきゃいいけど。」
「大丈夫だ、修。ボーダー隊員は優秀だ。」
「…はい。」
~とびらの前~
「じゃあ、ここからは、俺に任せとけ。木虎。」
「はい。お願いします。」
「…お願いします。」
「大丈夫だ。修。心配するな。」
とびらの中に入る。二人。
「守谷、三雲修を連れてきました。」
「守谷もいたのか。ちょうどいい、座ってくれ。迅が来たら始める。」
「…迅さんが!」
~数分後~
「迅悠一。お召しにより参上しました。」
三雲が顔を見る。
「あれ、守谷もいたのか。…で君は?」
「三雲修です。」
「三雲君ね。」
「揃ったな。それでは本題に入る。イレギュラーゲートについてだ。」
「待ってください。まだ三雲君の処罰について、決定していない。」
「結論?クビだよクビ。重大な隊務規定違反だ。」
「真似されたら困りますからねぇ。」
「馬鹿が見つかった。処分する。それだけの話だ。」
「おぉ。すごい言われようだな。」
「待ってください。三雲君は、二度人を助けている。むしろB級に上げるべきじゃ。ありませんか?」
「私も守谷の意見に賛成だ。木虎が、三雲君の働きは大きいと報告している。」
三雲は、驚く。
「へぇ、あの木虎が。」
迅も反応する。
「嵐山隊によると、トリオン兵を一人で倒している。これだけの働きができるのは貴重だ。」
「本部長の言うことには、一理あるが、ボーダーのルールを守れない人間は、わたしの組織に必要ない。三雲君、もし今日と同じようなことが起きたらどうする?」
「それは…目の前で人が襲われていたら助けに行くと思います。」
「ほらみろ、まるで反省しとらん、クビで決まりだ。」
「三雲君の話はもういいでしょう。」
根付さんが、イレギュラーゲートについて、話しはじめた。
「…これだけの被害が出ると、三門市を去る人も増えるでしょう。損害補償金だって…ねぇ、唐沢さん?」
「金はいってくれれば集めてきますよ。しかし、これほどだとスポンサーも離れますね…」
「そんなことはわかってる。しかし開発員総出でも原因がつかめんのだ。今はトリオン障壁でゲートを強制封鎖しておるが、それも46時間だけだ。」
「…んでお前が呼ばれたわけだ。できるか?」
「イレギュラーゲートの原因を見つければいいんでしょ?その代わりと言っちゃぁなんですが、彼の処分を俺らに任せてもらえませんか?」
「どういうことだ。」
「彼がかかわっているのか?」
「はい、俺のサイドエフェクトがそう言ってます。」
「でも、守谷はなぜ?」
「守谷もかかわっているからです。」
「いいだろう。好きにやれ。解散だ。」
迅が席を立ち、三雲に話しかける。
「さて、よろしく頼むぞメガネ君。」
「遊真にもよろしくな。修。」
「はい!」
迅が鬼怒田や根付などと話している。
「あれは、迅さんに任せておいていいか…」
守谷は、部屋を出る。
「さて、家に帰って寝ますかね…」
~会議室~
「三雲君。一つ聞いていいか?」
「はい。」
「昨日、近界民が倒れていたんだが、その付近に君の同級生がいた。もしかして、あれは君がやったのか?」
「い、いえ。あれは守谷先輩に助けてもらいました。」
「…そうか。ありがとう。原因が分かってよかった。」
「はい。では、失礼します。」
三雲がドアを出る。
「…釣れませんでした。あの不良たちによると、三雲のほかに、小さくて強いやつがいたそうです。C級の訓練用トリガーであれを倒せるのは少しおかしいと思ったのですが…
」
「近界民と接触している可能性があるのか…。よし、三輪隊で三雲を見張れ。」
「はい。」
三輪は、唇を噛む。
「守谷め…何を考えているんだ!」
読んでくださり、ありがとうございます!
紛らわしいですが、
黒の服→ノーマルトリガー
白の服→ブラックトリガー
です!
なぜこうなのかも、そのうち…?
感想等待ってます!