その日、彼は守ることを思い出した 『ブラックトリガーと紅茶と共に』   作:mimin

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三雲と守谷

「さて、現場に向かいますかね。」

 

いつもの、トリガーと魔法瓶を手に家を出る。

 

『トリガー起動!』

 

昨日とは、違い白を基調とした服に身を包む。

 

「現場まではこっちのほうが早いな…」

 

守谷は、キューブ状のトリオンを出す。そして、その上に『乗った』

 

「さ、行くか。」

 

そのまま、現場へ向かう。

 

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~現場~

 

「よっと。」

 

静かに降りる。そして、トリガーを解除した。

 

「これは、ひどいな…」

 

トリオン兵が空を飛んでいる。

 

「あれは…新型か?」

 

近くに三雲の姿を見つける。

 

「三雲!あいつはなんだ?」

「…守谷先輩!」

「空閑はどうした?まさかトリガーを使ってないよな?」

「それは…とにかく、あれと木虎が戦ってます!行ってください!」

「木虎が?わかった、ここは任せたぞ三雲!」

「はい!」

 

『トリガー起動!』

 

黒い服に身を包む。

 

「よし、行くか…」

 

『グラスホッパー』

 

守谷は、板のようなものを使い、反射して空中を上がっていく。

 

「あっちか。」

 

トリオン兵のほうへ、上手く移動していく。

 

「よし追いついた。」

 

木虎は、背中の上に乗っていた。周りには柱のようなものが立っている。

 

「ってほとんど、倒してんじゃん。」

 

守谷は、背中の上に飛び乗る。

 

「止まって!止まって!」

「何やってんの?」

「守谷先輩、こいつ自爆する気です!どうにかこの柱を…!」

「…わかった。木虎、シールドちゃんと貼っとけよ…」

 

両手にキューブ状のものを出す。

 

「合成弾!」

「ご名答。」

 

『徹甲弾(ギムレット)』

 

キューブは、一つ一つの柱を破壊していく。

 

「木虎、降りるぞ!」

「…はい!」

 

背中から飛び降りる二人。

 

「最後に一発!」

 

『メテオラ』

 

トリオン兵は、粉々になった。

 

「ケガしてないか?木虎?」

「…はい、大丈夫です。ありがとうございます。」

「守谷先輩すごいな。粉々だ。」

「おぉ、遊真もいたのか。」

「おう、最初からいたぞ。」

「ってか、あっち見てみろよ。」

 

そこには、修がいた。

 

「君のおかげだ!」

「本当に助かった!」

「…いえ僕は当たり前のことをしただけですから。」

 

木虎は不満そうな顔をする。

 

「…そんなに市民相手にポイント稼ぎ?」

「あっ、彼女です!近界民を倒したのは!」

「そうなのか!」

「嵐山隊の木虎じゃん!さすがA級隊員だ!」

「ほらな、言っただろ。お前とじゃ勝負にならないよ。見ているものも違うからな。」

「木虎、一般人からこういわれてるぞ。」

「…確かにただのC級隊員じゃなさそうね。」

「でも結構お前もすごいな。あの魚倒したんだもんな。」

「違う。倒したのは、守谷先輩。私は止められなかった…」

「それは、違うだろ。倒したのは、木虎だ。俺は、そのサポートをしただけだ。お前はすごいよ。」

「も、守谷先輩!?何を言ってるんですか!」

「だって、事実だろ?」

 

その時町の住民から、怒りの声が上がる。

 

「何が助かっただ!うちの店は壊されちまったんだぞ!」

「ボーダーは何をしているんだ!」

 

木虎は、修の前に立つ。

 

「近界民による、新手の攻撃です。損害の補償に関する話はまた後々に発表があります。」

 

木虎が、住民たちを避難させている。

 

「イレギュラーゲートを、なくさないとな…」

「守谷先輩…」

「とりあえず、本部に行こう。俺もついていく。」

「ありがとうございます。」

 

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~本部~

 

木虎がトリガーを使い、ドアを開ける。

 

「ほう、トリガーがカギになっているのか。」

「そうよ、ここからはボーダー隊員しか入れないわ。」

「じゃ、俺はここまでだな。何かあったら、連絡くれ。」

「わかった。」

「じゃあな、遊真。」

「おう、守谷先輩。」

 

エレベーターで下に降りる。

 

「さっきの戦闘中、ほかの場所でもゲートが開いたそうよ。」

「そうか、被害が広がらなきゃいいけど。」

「大丈夫だ、修。ボーダー隊員は優秀だ。」

「…はい。」

 

~とびらの前~

 

「じゃあ、ここからは、俺に任せとけ。木虎。」

「はい。お願いします。」

「…お願いします。」

「大丈夫だ。修。心配するな。」

 

とびらの中に入る。二人。

 

「守谷、三雲修を連れてきました。」

「守谷もいたのか。ちょうどいい、座ってくれ。迅が来たら始める。」

「…迅さんが!」

 

~数分後~

 

「迅悠一。お召しにより参上しました。」

 

三雲が顔を見る。

 

「あれ、守谷もいたのか。…で君は?」

「三雲修です。」

「三雲君ね。」

 

「揃ったな。それでは本題に入る。イレギュラーゲートについてだ。」

「待ってください。まだ三雲君の処罰について、決定していない。」

「結論?クビだよクビ。重大な隊務規定違反だ。」

「真似されたら困りますからねぇ。」

「馬鹿が見つかった。処分する。それだけの話だ。」

「おぉ。すごい言われようだな。」

「待ってください。三雲君は、二度人を助けている。むしろB級に上げるべきじゃ。ありませんか?」

「私も守谷の意見に賛成だ。木虎が、三雲君の働きは大きいと報告している。」

 

三雲は、驚く。

 

「へぇ、あの木虎が。」

 

迅も反応する。

 

「嵐山隊によると、トリオン兵を一人で倒している。これだけの働きができるのは貴重だ。」

「本部長の言うことには、一理あるが、ボーダーのルールを守れない人間は、わたしの組織に必要ない。三雲君、もし今日と同じようなことが起きたらどうする?」

「それは…目の前で人が襲われていたら助けに行くと思います。」

「ほらみろ、まるで反省しとらん、クビで決まりだ。」

「三雲君の話はもういいでしょう。」

 

根付さんが、イレギュラーゲートについて、話しはじめた。

 

「…これだけの被害が出ると、三門市を去る人も増えるでしょう。損害補償金だって…ねぇ、唐沢さん?」

「金はいってくれれば集めてきますよ。しかし、これほどだとスポンサーも離れますね…」

「そんなことはわかってる。しかし開発員総出でも原因がつかめんのだ。今はトリオン障壁でゲートを強制封鎖しておるが、それも46時間だけだ。」

「…んでお前が呼ばれたわけだ。できるか?」

「イレギュラーゲートの原因を見つければいいんでしょ?その代わりと言っちゃぁなんですが、彼の処分を俺らに任せてもらえませんか?」

「どういうことだ。」

「彼がかかわっているのか?」

「はい、俺のサイドエフェクトがそう言ってます。」

「でも、守谷はなぜ?」

「守谷もかかわっているからです。」

「いいだろう。好きにやれ。解散だ。」

 

迅が席を立ち、三雲に話しかける。

 

「さて、よろしく頼むぞメガネ君。」

「遊真にもよろしくな。修。」

「はい!」

 

迅が鬼怒田や根付などと話している。

 

「あれは、迅さんに任せておいていいか…」

 

守谷は、部屋を出る。

 

「さて、家に帰って寝ますかね…」

 

~会議室~

 

「三雲君。一つ聞いていいか?」

「はい。」

「昨日、近界民が倒れていたんだが、その付近に君の同級生がいた。もしかして、あれは君がやったのか?」

「い、いえ。あれは守谷先輩に助けてもらいました。」

「…そうか。ありがとう。原因が分かってよかった。」

「はい。では、失礼します。」

 

三雲がドアを出る。

 

「…釣れませんでした。あの不良たちによると、三雲のほかに、小さくて強いやつがいたそうです。C級の訓練用トリガーであれを倒せるのは少しおかしいと思ったのですが…

「近界民と接触している可能性があるのか…。よし、三輪隊で三雲を見張れ。」

「はい。」

 

三輪は、唇を噛む。

 

「守谷め…何を考えているんだ!」




読んでくださり、ありがとうございます!

紛らわしいですが、
黒の服→ノーマルトリガー
白の服→ブラックトリガー
です!
なぜこうなのかも、そのうち…?

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