機動戦士ガンダム 「堕落の反逆者達へ~」   作:ヅダ神様

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ソロモンの戦い 後編

「予備で出るぞ!、武装はコイツと同じ奴を積んでくれ!。それとシールドとユニットはつけなぬていい!、またガンダムみたいな化け物と出くわした時に邪魔になる!」

ファルシオンの格納庫にて、ゲルググから出てきた私は、整備班庁に今自分が出て北ゲルググを親指で指しつつそう命令し、整備兵から手渡された経口補水液を一気に飲みほす

 

「大佐、ビスコッティ大尉が至急ブリッジに来て欲しいとの事です」

と、整備兵の1人が私にそう言ってくる。私は整備兵の肩を叩きながら

 

「じゃあお前が代わりに出といてくれ」

といって、予備機の方に向かって床を蹴って飛ぶ。整備兵はた、大佐ぁ!?。と素っ頓狂な声を上げて私を止めようと手を伸ばすも、届く事は無くそのまま私は予備機のゲルググに乗り込み、カタパルトデッキへ向かって機体を歩かせる。整備兵はそのまま手すりにもたれかかりながら

 

「どうしよう…ビスコッティ大尉に殺されちゃう…」

と、情けない声を出しつつ。私が出撃して行く様子を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 連邦軍の新兵器によりソロモン防衛隊はその戦力の過半を喪失、指揮系統は崩壊した。これを受けドズル中将はソロモンの放棄と残存戦力のア・バオア・クーへの撤退を決定。ドズル中将自らビグ・ザムに乗り込み、撤退する味方の時間を稼ぐために連邦軍主力に対して特攻を開始。これに私を含む一部のMS隊が追従した

 

 

「くそっ!、数が多すぎる…!?、うわぁぁぁああああああああああ!?」

GMに群がられたザクが撃破され、パイロットの断末魔の悲鳴が回線越しにこちらに伝わってくる。私は舌打ちしながら

 

「とにかくバラバラになるな!、最低でも3機以上のエレメントを組んでドズル閣下を掩護するんだ!」

群がるGMを両手に持ったビームマシンガンで迎撃しつつ、ビグ・ザムの側面にまわりこもうとするMSや、体当たりを敢行して来る敵艦を他のMSと共に迎撃してドズル閣下を掩護する中、連邦軍の主力艦隊がビグ・ザムに対して砲撃を始め、敵味方共にビグ・ザムの周囲に近づけなくなる。が

 

「ガハハハハッ!、このビグ・ザム、長距離ビームなどどうと言う事は無い!。…道連れに一人でも多く、地獄に引きずり込んでくれるわ!!」

そこから先はビグ・ザムによる蹂躙が始まった。艦砲による攻撃はまるで効果が無く、私を始めとしたMSに守られ接近する事も出来ず。ビグ・ザムのメガ粒子砲によりティアンム指揮下の第2連合艦隊は成す術も無く一隻、また一隻と沈められていった。そしてティアンムの座乗艦であるタイタンもドズル閣下の手により沈められ、指揮系統は崩壊、連邦軍は半ば潰走状態となりながら、それでも健気にビグ・ザムに攻撃を続ける

 

「ハ~ハッハッハッハッハッ!、観たか連邦め!、ビグ・ザムが量産の暁には連邦など、あっという間に叩いて見せるわ!」

連邦艦隊の残骸の中で高笑いするドズル。その時俺らはこのまま行けば連邦を撤退まで追い込めるのではないか。ソロモンを守れるのではないか。そんな楽観的な期待を抱いていた私たちを、現実に連れ戻す凶報が、回線に飛び込んできた

 

「が、ガンダムだ!。ガンダムがこっちに来てるぞ!?」

直後、見方がの反応が3つ、ほとんど同タイミングで消え。新たにソロモンの方角から4機の敵の反応が急速にこちらに接近してくる。振り返ればガンダムを筆頭に戦闘機が1機と支援機が2機。それが味方を蹴散らしながらこちらに突き進んでくる。私は楽観的な思考に陥りかけていた自分を罵りながら

 

「ガンダムは俺が抑える。お前らは支援機と戦闘機を止めろ!!。ドズル閣下をなんとしてでも御守りするんだ!!」

と、残った味方に指示しつつ。

左手のビームマシンガンを臀部のアタッチメントに装着し、左の二の腕下から取り出したビームサーベルを構え、右手のビームマシンガンを乱射しつつガンダムに突貫する。振り上げたビームサーベルをガンダムへと振り下ろし、ガンダムも背中のランドセルから左手で抜き取ったビームサーベルで防ぎ、空いた右腕でビームマシンガンをガンダムの左腕に放とうとしたのをガンダムはシールドを腕に叩き付けて逸らさせる

 

「チッ!」

一旦距離を取るためにガンダムを蹴飛ばし、体勢が崩れた隙を狙ってビームマシンガンを放つ。それをガンダムは全速力で飛ぶkと出足に掠らせる程度にとどめる

 

「バケモンかよ!?」

どんなスーツ来たらあんな急加速のGに耐えられるんだ!?。と続けながらビームマシンガンを放つも、ガンダムはまるでどこで打たれるのかが分かっているかのように楽々と此方の射撃を回避し、そのままシールドを構えてこちらに突っ込んでくる

 

「一直線なら!」

ビームマシンガンを腰だめで構えた直後、ガンダムが投擲したビームサーベルがビームマシンガンに突き刺さる

 

「んなにぃ!?」

素っ頓狂な声を上げつつガンダムへビームマシンガンを投げつける。直後、ビームマシンガンが爆発し、爆炎の中からガンダムのシールドが投げ込まれる。私は右手にもビームサーベルを持ちつつそれを回避し、続けざまに両手にサーベルを構えたガンダムが左手のサーベルで突きを放ってくるのを右手のサーベルを受け止め、続けざまに胴体を狙って放たれた右手のサーベルの横薙ぎの一撃を左手のサーベルで上から叩き付けるようにして防ぎ、更にガンダムの体勢をやや前のめりに崩す

 

「取る!」

そのままガンダムの左手のサーベルを押しのけるようにして弾き、逆手に持ち替えたサーベルをダガーのように構えて振り下ろそうとしたところで敵の戦闘機のミサイルのバルカン砲が振り上げた私の右腕を穴だらけにして飛び去って行く。その瞬間を逃さずガンダムが体勢を立て直しつつゲルググのどてっぱらを全力で蹴り上げる。衝撃で機体にガンダムの足裏の形がはっきりと出来る程に凹み。そのままコクピット内をシェイク去れたかのごとき勢いで振り回されつつ私は吹き飛ばされる

 

「ぬぐぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!?」

オートパイロットが作動し、機体を停止させる。私はヘルメットのバイザーを上げる事も出来ずにいのなかの物をすべて吐き出しながら。震える手で何とかバイザーを上げてヘルメット内に溜まった吐瀉物をコクピットの中に出すと。再びバイザーを閉めて、とにかく気を落ち着かせようと深呼吸を取ろうとするも、喘息のように荒い呼吸のまま指一つ動かす事の出来ない私にガンダムは追撃をかけようとするも戦闘機に呼び止められたらしく。そのままビグ・ザムの方へ飛んで行く

 

「ぐぅ…おぇ…」

嘔吐きながらも何とか操縦桿を握った私は震える手で機体の破損状況をチェックし、まだ戦闘が可能であることを把握すると同時にドズルを助ける為にビグ・ザムの方へと飛ぶ

 

「ど、ドズル閣下…」

友軍反応を頼りにドズルを探す中。ようやくドズルを見つける事ができた。が、私がドズル閣下を見つけた時には、既に敵の戦闘機がビグ・ザムの対空ミサイルを潜り抜け、底面のスラスターに向かって特攻する直前だった

 

「ドズル閣下!?」

そのまま戦闘機はビグ・ザムに体当たりし、凄まじい爆炎がビグ・ザムを押し上げる。反射的にドズルの名を叫びながらビグ・ザムの元へ向かうも、ガンダムが両手に構えたビームサーベルを頭上に構え、ビグ・ザムの頭部目掛けて振り下ろしていた

 

「ドズル閣下ァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

凄まじいスパークと共にビグ・ザムの頭部にサーベルの刀身が3分の2ほども切りこまれ。そのまま止めとばかりに両手で逆手にサーベルを構え。突き刺そうとしたガンダムへ残る左腕に構えたビームマシンガンを乱射しつつ、そのまま体当たりする勢いでガンダムへ突っ込む。ガンダムはビグ・ザムへ止めをさせないままビグ・ザムからジャンプし。私はビグ・ザムとガンダムとの間に飛び込むみ、そのままガンダムへ穴だらけになった右腕で殴りかかり、ガンダムは左手に持ち替えたビームサーベルで右腕を肘のあたりから綺麗に切り飛ばし、私の体勢が大きく右側に仰け反るように崩れ。その隙を逃さず両手にしっかりと握ったサーベルを私へと突き出す

 

「…(ニッ」

そのタイミングでガンダムの頭にビームマシンガンを撃ちつつ期待の右側のバーニアを全て使って回避行動を取り、胸ではなく右肩にサーベルが命中する。そのままガンダムを蹴り飛ばし。ビームマシンガンをガンダムへ向け

 

「下れ、お互い此処で死にたくはないだろう?」

と、南極条約で定められた救難チャンネルを開いてガンダムに呼びかける。それを聞いたガンダムは後退し。私はビグ・ザムへ向かって飛ぶ。見れば生き残りのリックドムとザクが護衛をしながら、一機のザクのパイロットがコクピットからドズルを連れ出すところだった

 

「閣下!、ご無事でしたか」

バーニアでドズルを飛ばさないように気を付けつつビグ・ザムの側に機体を止まらせる。ドズルは私の方へと顔を向けながら

 

「貴官のおかげで命拾いが出来た。礼を言う」

と、感謝の言葉を送るドズルに

 

「ジオン軍人として当然のことをしたまでです」

と、ビームマシンガンをその場に置いて、ゲルググの残る右腕で敬礼し、私は続けて

 

「早く逃げましょう。今ならまだ連邦の指揮系統が回復していないはずですから、後退中の友軍と合流できるはずです」

と、進言し、ドズルも頷き

 

「そうだな、急ぐとするか」

と、ため息交じりに言いつつザクのパイロットに先導され、そのままザクに乗り込み。私を先頭に左右にリック・ドムがつく形でドズルの乗るザクを掩護しつつ。ア・バオア・クー方面へ後退を始めた味方への合流を図るのであった


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