ゆっくり更新のはずが結構ハイペースに書いている気がするんだ。
まぁ、書ける時に書くんだからしょうがないね。
さぁ、今回はちょっと中途半端に終わってる気がしますけど、一応これは前編、次回が後編的な感じで予定してます。収められなかったんや。
さて、一応注意書きを読んだ上で 許せるっ‼ って方のみご覧ください。
それでは本編です。
さて、いきなりなんだが。俺、鷹崎仁。
食事処始めました。正確には始めますなんだけどさ。
いきなりなんだけどこのたび色々あって、食事処を開店する事となった。
正直自分でもビックリしている。でもこうやって立派な店が出来ている。
色んな協力があってできた自慢の店。これ良い店にするも悪い店になるも俺次第。
正直怖い気もするがかなりワクワクしている。
初営業までまだ時間があるから、開店するまでをちょっと振り返ってみようと思う。
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~~2週間前~~
伊吹さん達と飲んでてしばらく。
さて、気が付くとかなりの時間が経っていたようだ。気がついたら寝てしまってたみたいだ。
陽の沈みとかは地底奥深くだから見えないからイマイチ時間はわからないが、多分朝頃のはず。
両サイドに美人系の姉さんみたいな鬼とかわいい系の小さい鬼が。
男としては大変嬉しいシチュエーションではあるのだが、こんなことに縁のない人生だったので心臓に悪い。
うん、駄目だ。こっそり抜けよう。
あとトイレ行きたい。酒は飲み過ぎたせいかな。が、二日酔いの気配はない。
よかった、頭痛とか吐き気とかに襲われるのは嫌だからね。
うーん今までないくらい飲んだなぁ。なのに二日酔いみたいなことはないなんて、不思議だなぁ。
トイレを済ませたら、2人とも起きていた。2人とも二日酔いの気配はなさそうだ。さす鬼。
「おや?起こしてしまいましたか?おはようございます」
「ううん、普通に起きたよ。おはよう、仁」
「あぁ、うん、おはようございます。伊吹さん。部屋の隅で蹲ってる星熊さんはどうしたんですか?」
「んー、別に気にしなくていいと思うよー」
「そうですか?風邪とかひいたんじゃ大変だと思うんですけど?」
「あぁ、そんなんじゃないから大丈夫」
「それならいいんですけど」
「それよりもお前これからどうするんだ?暮らしのメドとかついてないんだろ?」
「まぁ、適当にうろついて、なんかいい感じにしますよ」
「いや、それで何とかなるってもんじゃ・・・」
「大丈夫ですよ。昨日だって伊吹さんみたいな方々に会えたんですから何とかなりますって」
「まぁ、好きにしなよ。困ったことがあったら協力するよ。だいたい夜になったらどっかで飲んでるからさ」
「ありがとうございます。申し訳ないんですけど俺、先に行きますね。代金いくらでした?」
「あー、いいよ。お前が気に入ったから今回は歓迎としてごちそうするよ」
「いや、でも悪いですし払いますよ」
「だったらまた私達と飲んでくれればいいよ」
「そうですか?じゃごちそうになります。それじゃ申し訳ないですけど、行きますね。星熊さんもまた飲みましょう。じゃ、お先に失礼します」
ガラガラガラ
っと出たは良いもののどうしようか?
伊吹さんに言われた通りアテなんてない。水橋さんの家に置いてきてしまった荷物は取りに行きたいが正直戻りづらい。財布と大切なお守りはあるから何とかなるんだろうけど、あの鞄の中に大事なもんいっぱいあるんだよなぁ。スマホとか飴とかヘッドホンとか。
とりあえず家だ。寝床がないと困る。
ここら辺に空き家とかないだろうか?ちょっとうろついて探してみようか。
~~15分後~~
あった。
食品や日用品を買い込むのにも困らず、外食に行くにも困らず、キレイな風呂とトイレもある最高の物件が‼
さらにもともと飯屋でもやっていたのか、調理環境はかなり整っていた。ちょっと表通りからは外れているから店としては厳しい立地かもしれない。
中を見ると、少しホコリ溜まったりしてるし空き家なんだろう。ちょっと1人には広すぎ居る気がしないでもないが、ここかなり良いし買えないかなぁ。
「うーん誰に頼めば買えるんだろうか?」
「お兄さん困ってるの~?」
と隣に薄く緑がかった癖のある灰色のセミロングに緑の瞳、鴉羽色の帽子に、薄い黄色のリボンをつけている少女がいた。何この世界、美女とか可愛い娘しかいないの?
この子からどこ行けばいいか聞けないかな?知っている可能性が低いかもしれないけど聞いてみるか。
「おぉ、困ってるぞ~。お嬢ちゃん、どこに行ったらこのおうち買えるかわかるか?」
「わかんない‼あと私は古明地こいしって言うんだよ。よろしくね‼」
「そうかこいしちゃんか。俺は鷹崎仁だ。わかんないかー、そっか。ありがとうね。お礼に飴をあげよう」
「わ~い、ありがとう‼困ってるなら地霊殿にいるお姉ちゃんに聞けばいいと思うよ?」
地霊殿か。そういえば、水橋さんも言ってたな。
「その地霊殿に行けば何とかなるのかな?」
「そうだよ‼お姉ちゃんはすごいんだよ。お姉ちゃんの知り合いだって言えば地底では誰も逆らわないんだから‼」
「ほー、そりゃすごいな。それなら確かに何とかなりそうだ。じゃ、その地霊殿の行き方を教えてくれるかな?」
「いいよ、案内してあげる。私もちょうど帰る所だったし」
「そうか。じゃあ、よろしく頼む」
「うん‼よろしくね、仁お兄ちゃん」
うわー、こんな可愛い笑顔で自然に手を握って一緒に歩くとか・・・。
なんていい子なんだ‼お姉ちゃんもきっと可愛かったりするんだろうな~。
「ところで仁お兄ちゃんは何で地底にいるの?」
「う~ん、強いて言うなら風に流されて・・・かな」
「ふ~ん、なんかよくわかんないけど大変だったんだね」
「あぁ、そうだな大変だったな。ま、ここ良いところだし楽しいからいいけどね」
「そう言ってくれると嬉しいよ。人間はまだ妖怪とか怖いみたいで基本的にここにはいないからね」
「まぁ、そうだろうなぁ。そのうち何とかなるさ」
「そうだね。お兄ちゃんみたいな人だっているもんね‼」
「俺はちょっと特殊な部類に入るから何とも言えない気がするけどなぁ」
「そうだね。私と仁お兄ちゃんは似てるところがあるから変わってるみたいだね‼」
「ほぉ、似てるところがあるのか。じゃあ、こんな大人になったらだめだぞ~」
「うん‼わかった‼仁お兄ちゃんみたいにならないように生きてくよ‼」
自分で言っといてなんだが、こんなに無邪気にそんな事言われるとちょっとクるものがある。
無意識に言ってるんだろうけどさ。まぁそんな事は気にしないんだけど。
それからこいしちゃんの案内により、なんとか無事に地霊殿に着いた。
寄り道をしてしまい途中から一緒に似んでたりしてたらかなりの時間がかかってしまった。が地底を探検できたという事で良しとしよう。うん、そうだね、プロテインだね。
「と~ちゃ~く。ここが地霊殿だよ‼」
「結構歩いたな。こいしちゃん疲れてない?」
「これくらい大丈夫だよ。お兄ちゃんの方が疲れてそうだけど?」
「うん、俺は疲れた。普段こんなに運動しないからね」
「ダメだよ~。ちゃんと運動しないと」
「気が向いたらするよ。そういえばお姉ちゃんの名前は?」
「さとりって言うんだよ。さ、中に入ろう」
「いや、よく考えたら、いきなりはまずいんじゃないか?」
「大丈夫だよ。私が案内したんだもん。でもいっぱいペット居るから気を付けてね」
犬とか多いのかなーなんて思ってたけどそれとは次元が違った。
犬どころじゃない。普通にペットとして飼われている動物から、猛獣と呼ばれる動物から、ハシビロコウみたいな珍しい動物までいる。ここ動物園の間違いじゃねーの。
「はい、ここがお姉ちゃんの部屋だよ。ちゃんとノックして入るんだよ」
「もちろん、こいしちゃんも一緒に入るんだろ?」
「うん。でもちょっとしたいことあるから入っちゃっていいよ」
「そうか。それじゃ行かせてもらおう」
コンコンコン
『はい、どうぞ』
ガチャ
「失礼しまーす。古明地さとりさんはいらっしゃいませんか?」
「え?はい、私がその古明地さとりですけどどちら様でしょうか?」
古明地さとりさんはボブに深紅の瞳、フリルの多くついたゆったりとした水色の服装をしていて、下は膝くらいまでのピンクのセミロングスカート、1番の特徴はコードやらなんやらの中で目立つ赤い目だろう。
うーん、敵意と言うか警戒心むき出しだなー。まぁ見ず知らずの男がいきなり訪ねてきたらそうなるよね。
それよりも
「こいしちゃん。お姉ちゃんの後ろにコソコソして何やってるの?」
「えっ?こいし?」
「あちゃー、何で言っちゃうのっ仁お兄ちゃん!せっかく驚かせようとしたのに~」
「それはすまなかったな。俺は空気が読めない事ても定評あってな。わざとではないとはいえすまん」
「しょうがないな~。飴くれたら許してあげる」
「あぁ、はい。おいしいだろ、この飴。俺も大好きなんだ」
「あの・・・、あなたはどなた?っというかこいしが見えてたんですか⁉」
「え?最初から俺と一緒に入ってきてたじゃないですか?」
「にゅふふ~、やっぱりお兄ちゃんは私と似てるんだね~」
「ちょっと失礼します。・・・・・やっぱり。あなた何者ですか?何の御用でこちらに?」
「いや、見るからにそんなに警戒度あげなくても。俺はちょっと空き家を手に入れたくて困ってたらここに案内されただけの外の世界の人間ですよ?」
「そうだよ、お姉ちゃん。仁お兄ちゃんは何もしてないでしょ?」
「でも・・・、私が心を読めないなんて・・・」
「え?なに?心読まれちゃうの?」
「そうだよ?お姉ちゃんは覚の妖怪なんだから心を読む程度の能力があるんだよ」
「で、さとりさんは俺の心を読もうとしたと」
「ごめんなさい。こいしの言葉が気になった物ですから、つい。不快な思いをさせてしまったでしょう?」
「いや?別に何とも。つーか、心が読めなかったか~。せっかくの自分の心を知る良い機会だったのかもしれないのにな~」
「え?あなた心を読まれたいの?」
「ん~、それはどうだろう?でもそーゆーのあってもいいと思うよ。そんな事よりあの覚の妖怪なんだろ‼ぜひいろいろと聞きたい事があるんだが‼良いかな‼」
「え、えぇ、それは構わないけれど、私のこと知ってるの?嫌じゃないの?怖くないの?」
「もちろん知っているさ‼覚の妖怪の元ネタは岐阜は美濃・飛騨って言ってもわからないかもしれないけど、まぁそこに住むとされる全身毛むくじゃらで人の心を読む妖怪だね。人間の心を読んで驚かしたり食べようとするって言い伝えがあったりするな。一方で基本的には無害で、中には人間と共存していたという伝承もあるくらいだ。むしろ無意識に行動する人間を恐れるような話もあったはず。伐採した竹の爆ぜる音で驚いて逃げたなんて話もあったはずだ‼それに心を読めるってのは人間の憧れる能力の1つだろ。 何で怖がったりする必要があるの?何もしてきてないのに」
「そんなに良い物じゃないわ。それに心を読まれそうになったりしたのに嫌じゃないの?」
「いいじゃないか!実に面白そうで‼自分の知らない思いを知れるかもしれないかもしれないのに何を怖がる要素があるか!昔っから俺の大好きな妖怪の1人だよ‼さぁ、話を聞かせてくれ‼」
「わかりました‼わかりましたから、落ち着いてください‼」
「はっ‼申し訳ない、俺としたことが取り乱したみたいだ。じゃあ、聞かせてもらってもいいだろうか?」
「その前に私から1つ聞かせて。貴方は私が本当に嫌だったりしないの?私はこの地底の妖怪からも嫌われているような嫌われ者よ?」
「嫌われ者か・・・。ま、俺も似たようなもんだしな。それにもし心を読まれたとしても心を読まれるのが嫌だ=さとり・・・じゃない、さとりさんが嫌いではないしな。困ったなぁとは思ったりするかもしれないけど、俺は今のとこさとりさんが嫌じゃないし嫌いでもない。むしろ大好きな妖怪に会えて嬉しく思うくらいだ」
「そ、そうなのね・・・。それならいいのだけど・・・・」
「うふふふ~、良かったねお姉ちゃん」
「こ、こいし‼」
「さぁ、いろいろ聞かせてもらおうか」
セリフが完全に悪役ソレだよなぁ。
~~1時間後~~
「いやー、満足満足。この世界は伝承の主役本人からいろいろ聞けるって言うのがいいなぁ」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「え、えぇ、大丈夫よ、こいし。少し疲れただけだから」
「あ、それはすまなかった。嬉しくてつい加減を考えてなかったな」
「いいえ、あなたとの会話は心が読めなくても私の好きな気持ちが伝わってきましたから、大丈夫ですよ。…………それに私も楽しかったし嬉しかったですし」
「そうか、ならよかった」
「ねぇねぇ、仁お兄ちゃん何しに来たか忘れてない?」
「ん?何だっけか?・・・・・・あーーーーー忘れてたぁ‼」
「もう、仁お兄ちゃん忘れちゃいけないでしょ~。寝るとこないんでしょ?」
「え⁉それはどういうことですか、仁さん?」
「あぁ、あのですね。
~~青年説明中~~
と言う訳なんです。」
「なるほどそういう事でしたか。でも今日はもう夜ですので明日の朝からの方がいいでしょうね」
「え?もう夜?あれ?俺こいしちゃんとどれくらいの時間に会った?」
「えっ~とね、だいたい12時くらいかな。」
「嘘だろ!?今何時⁉」
「そうねだいたいね~、19時30分だよ‼」
「まじか‼」
そのネタ幻想入りしてた事に驚いたのと、時間に驚きのダブルパンチだわ‼
「じゃあ、明日また来ますね。すいません今日はいきなり訪ねちゃって」
「え~、仁お兄ちゃん帰っちゃうの~?」
「まぁな、明日でも大丈夫だろうし今日は帰るよ」
「今晩の宿はされるのかしら?」
「う~ん、てきーとにどっかに泊まるか、昨日みたいに星熊さん達と朝まで飲むか・・・・」
「うわぁ、鬼と一緒に朝まで飲むとかお兄ちゃんほんとに人間?」
「うん、人間だけど。こっちに来てからなんかお酒でも強くなったのかな」
「変なの~。ね、お姉ちゃん私仁お兄ちゃんとお話したい。泊めてあげてもいいでしょ~」
「いや、こいしちゃんそれはいけない。大丈夫、明日になったらまた来るよ」
正直、女しかいない家に男一人とか気を遣うわ。
気を遣わせても申し訳ないし今日はとっとと帰ることにしよう。
「いえ、もう今日はここに泊まっていくといいですよ」
「いや、でも流石にいきなり来ておいて悪いしな。遠慮しておくよ」
「いえでもせっかく来てくださいましたし、こいしもこう言ってるので嫌でなければぜひ」
「しかし、家族水入らずの時間と言うのは大事だろう。そこに俺が入るのもな・・・・」
俺はいろいろあってそれが苦であったけど、普通は楽しかったり、好きでなくともそこまで苦でもないはずだ。
少なくとも俺が知っている他人の家はそんな感じだった。
「あの・・・・・私ももう少しお話したいから泊まってほしい・・・・・ではダメですか?」
「ダメじゃありません。ぜひよろしくお願いします‼」
はっ‼さとりさんの顔を赤らめながらの上目遣いの破壊力が強くて即答してしまった。
「それでは私は部屋の準備をさせます。今日はゆっくりしていってくださいね」
「よかったね‼仁お兄ちゃん‼」
「あぁ、2人ともありがとう。それじゃ今日は泊まらせてもらうよ。でもタダで泊めてもらうのは気が引けるから1つ働かせてくれないか?」
「そんなこと気にしなくてもいいのに。ね、おねーちゃん」
「そうですよ仁さん。私たちの我儘もあってここに居てもらう事になったんですからお気になさらずゆっくりしてくれたらいいんですよ?」
「いやぁ、それじゃ俺に気が済まないんでね。かといって出来る事はたいしてないんだけど、今晩のご飯は俺が用意するって言うのでどうかな?一応腕には自信があるから不味い物を出すつもりはないから安心してくれ」
「お兄ちゃんお料理できるのー‼すごいね、お兄ちゃんの料理食べてみたい‼」
「仁さんの手料理ですか・・・・・。私も食べてみたいですね。ではぜひよろしくお願いします」
「よし‼じゃあ、時間も時間だからさっそく作ろうと思うんだけど、何人分作ればいいかな?」
「えーと、仁お兄ちゃんを含めて5人分でいいと思うよ‼」
「はい、5人分あれば今日は大丈夫ですね。調理場にある物は何でも使って構いませんので、楽しみにしていますね」
「これは気合入れて美味しい物を作らないといけないね」
こうして俺は地霊殿で宿泊し、お礼を兼ねての料理を振る舞う事になった。ま、俺が鍋振りたかったのもあるんだけどさ。
こう上手く助けられるなんて、思いもよらなかったな。
もしかしたら運命の出会いだったのかなぁ。ま、もし運命なんてものがあるなら・・・だけどな。
はい、最後まで読んで頂きありがとうございます。
ノリと勢いだけで始めたお話ももう4回目になります。
大まかな流れは決めているのですが突発的に書きたくなったことがあればそっちにふらついたりもするので暖かい目で見ていただければ幸いです。
少しでも楽しんで貰えるようゆっくりですが頑張っていきますので、良ければ応援よろしくお願いします。
・・・・・出来るだけ後編っぽい次話は早めに投稿できるように頑張ります。