東方与太噺   作:ノリさん

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はい、待ってる人はいないとは思うがお待たせ‼

気がついたらお気に入りが2つもついてました。大変嬉しかったので1人でテンションあげてました。

さて今回は少し、真面目もしくは暗めのパートがございますので、そんなん嫌やって方はやめておく事をお勧めします。

さて、結構大切な気がしないでもない本編をどうぞ。


此の男変人につき

食事も終わり、片付けも終えて話すネタもなくなり無言で向かい合いながら茶をすすっていたんだが、非常に気まずい。

女との会話の広げ方とか困った時のフォローの仕方なんて知らないからなおの事困った。

こんなんだったら亮の奴の話ちゃんと聞いとくべきだったか?そんなこと頼んでもないのに喋ってた気がする。

 

ま、俺の気になった事聞くか。

 

「時に水橋さん、聞きたい事があるんだがよろしいか?」

「改まって何よ?」

「ここってか幻想郷って妖怪とかいっぱいいるんだよな?」

「そうね。そこら辺にいっぱいいるわよ」

「みたいだね。で、ここから本題。水橋さんって妖怪とかその類?」

「そうだって言ったらどうする?」

「それってそうですよって言ってるようなもんだと思うんだが。ってかどうもしない。聞く事が変わるだけかな」

「そういう事よ。で、何が聞きたいのかしら?」

「水橋さんは何の妖怪なんだ?」

「そもそも妖怪じゃないわね。橋姫って知ってるかしら?」

「知ってるぞ」

「知らなくてとうぜ・・・・え?」

「いや、知ってるって」

「なんで知ってるの?そんなに有名ではないと思うのだけど?」

「それは俺が賢い奴だから・・・ってそんな目で睨まないで。ちゃんと話しますよ。昔から民間伝承とかそんな感じなのが好きなんですよ」

「じゃ、橋姫について説明してみなさい!」

 

何でそんなに上から挑戦させてあげる的な感じで言われているのか。

大した知識はないと思われているんだろうか?確かにちょっとしか知らないけどさ。

 

「え~、俺の知ってる事なんてたかが知れてるとは思いますけどそれじゃ。橋姫とは、橋を守る女神のことで悪霊や外敵を防ぐために橋の袂に祀られていた男女二神や人柱や水神信仰などが習合したものって考えられてますね。地方によって伝承は様々で性質も多少異なるっていうのは大体どの民間伝承もそうなんですけどね。って話し戻しますね。その中でも最も有名なのが宇治の橋姫で、ざっくり言うと他の女に夫を奪われた女が憎悪と殺意のあまりに宇治川に身を浸して、生きながらに鬼になり恨みを晴らしたという伝説ですね。丑の刻参りの原型も宇治の橋姫って話もあるみたいですね。個人的には橋姫の中だったら宇治が一番好きですね」

「ふーん、よく知ってるのね」

 

なんかにやけながら赤い顔してそらしてるけど、何かあったんだろうか?ってあぁ、そりゃそうか

 

「自分の事を他人に詳しく語られるって恥ずかしいですよね。すいません、もう少し気の利いた言い方出来なくて」

「いやそれは私から聞いたんだから良いのだけど、なんで宇治の橋姫が好きなのかしら?」

「いや、だっていろいろ気になるじゃないですか。面白いし」

「は?」

 

え?なんかまずい事言ったか?

 

「水橋さん?なんかメッチャ殺気的なものが出てる気がするんですけど・・・」

「良いから続けなさい」

「あっ、はい。まず、鬼になるまでがもう面白いじゃないですか。神様も無茶ぶりすんなーって。フツーに考えて無理だろって。かと思いきやそれ達成して本当に鬼になっちゃってるじゃないですか。お前どんだけ嫉妬してんだよって」

「最後の言葉はそれでいいかしら?」

「ま、待て、話せばわかる。決して馬鹿にしている訳じゃないんだ」

「へぇ、どう言い訳するか聞いてあげるわ」

「うん、言い訳ではなんだけども。面白いと思ったのは事実なので」

「問答無用‼」

 

やばい‼余計なこと言っちゃったっぽい‼

こういう時は逃げるに限る‼

 

「お邪魔しましたっ‼」「待ちなさい‼」

 

 

 

 

****

 

 

 

 

いやもう、こんなに思いっきり走ったのは久しぶりだね。

自分で思ている以上に速く走れた気がするけど何でだろう。必死だったから思わぬ力が出たみたいだなぁ。

 

走りまくった結果、よくわからんとこに来た。人を襲う妖怪とかもいるらしいから、遭遇しなかったのは幸運だったかもしれない。

見た感じ元の世界の飲み屋街みたいな感じだ。

ちらほら酔った鬼みたいな感しのやら、店からどんちゃん騒ぎの声が聞こえてる。

 

「はぁ、死ぬかと思った。とりあえず気配はないし大丈夫だろ」

 

周りを見渡しても殺気らしきものはないのでとりあえず落ち着くことにする。

思いっきり走ったのと、遠慮して晩御飯の分量を少なめにしたせいか少し腹も減った。

ついでにこの世界の店の食事にも興味がある。

で、この場所は偶然にも飲み屋街に近い。

 

「と、なったらやる事は1つだよな」

外食をする‼未知の世界で未知の店に行く。美味いか不味いかはわからないが、それを含めて心が躍る‼

意気揚々と行こうとしたその時、人とぶつかってしまった。ってなんか肩付近に刺さった気がする。

 

ん?人?なんか角が見えるんだけど気のせい?

 

 

「いたた、あんた危ないじゃないか。しっかり前向いて歩きな」

「あぁ、すいません。そのきれいな赤い角に傷は付きませんでしたか?」

「なっ、あ、あぁ大丈夫だよ。問題ない」

「ね~、勇儀。顔赤くしてるとこ悪いんだけど早く次の店行こうよ~。ってお前人間か。ここに、ましてやこんな時間に人間がいるなんて珍しいね。何かあったの?」

「えぇ、まぁ、大雑把に言うと命の恩人に命を狙われることになったので全力で逃げたらここに。でちょっと腹減ったからどこかで美味い物でも食べようかな・・・って感じですかね」

「えぇ、なにそれ。ちょっと面白いね。まぁ、ここで会ったのも何かの縁てことで、一緒に飲みに行こうよ‼」

「ふむ、こういうのも旅の醍醐味かな。御二人が良いならぜひ」

「私は良いよ。で、勇儀は?」

「え?あぁ、私も構わないよ。むしろ歓迎するよ」

「ほほぉん、へぇ、ふぅん」

「な、なんだい萃香。そんなニヤニヤして」

「いやー、べっつにー。何でもないよー」

「じゃ、歓迎されてるみたいだから参加します。ここらは詳しくないので店は御二人に任せます。出来たら美味しいものが食べられる店で」

「まっかせなさい‼」

「じゃ、ここに詳しい鬼の私たちに任せな」

「あ、そう言えば自己紹介がまだでしたね。俺は鷹崎仁って言います。好きなように呼んでください」

「私は伊吹萃香だよ。よろしくね、仁」

「私は星熊勇儀だよ。よろしく、仁」

 

 

この世界での新たな知人が出来た、伊吹さんと星熊さん。俺からしたら結構うれしい出来事だった。

 

 

*********

 

で、案内されたのがうなぎ屋だった。知り合いの店で味も間違いないとのことだったので俺の期待値はかなり高かったのだか、それ以上の美味しさだった。様々な話をしながら飲む酒と肴は良い物だ。

 

うなぎの味を語りたいが、それよりも大きな問題が起こっていた。

 

今はかなりの酒の量を鬼の二人が飲んでいるせいでお店の女の人(かなり綺麗)が涙目になっていたが等の2人は止まる気配がない。

まぁ、鬼だけあって酒には強いんだろうし問題ないんだろうけど。

あんたら自前の酒飲みながら店の酒飲むとかマジカヨ。

ちなみに俺は星熊さん達の酒をさらに水で薄めた物を飲んでいる。

人間には強すぎるんだとか。少し興味はあるがやめておこう。

 

と思ってたら急に伊吹さん達から

 

「さぁ、私たちにアンタの話を聞かせな‼」

「そうだそうだ~。私たち鬼の事はたくさん話したんだからそっちも話せ~」

 

と話を振られた。さて困ったな。

 

「はぁ、構わないですけどそんなに面白い話でもないですよ?」

「話せ~。何でもいいから話せ~」

「そうだ。私達だけ話してお前が話さないのはずるいじゃないか」

 

うん、確かに鬼の事とか、いろいろ聞いたけどさ。

じゃあ、この世界に来手今に至るまでの話でもするか。

 

「じゃあ、この世界に来てからのお話でもしましょうか?それじゃあさっそく

 

 

~~~~青年説明中~~~~~

 

 

と、まぁこんなとこですかね」

「はっはっははは、あんたそりゃあのパルスィも怒るわ」

「いやでも、聞かれた事に答えようとしたらですよ?まだ話しきってないのに」

「いーや、あんたが悪い。もう少し言い方があったろうに」

「こんな話し方しか知らないですからね。難しいですね」

「でも何て言おうとしてたの?」

「え?あぁ、それはですね。橋姫伝説を初めて読んだのが12歳くらいの頃だったんですよ。で、読んだ俺は面白いと思うと同時に羨ましかったんです。橋姫になった女も橋姫に妬まれた男も。女にはそこまで妬めるほど好きな人が、男にはそこまで妬まれるほど愛されて。素敵な人たちで素晴らしい伝説だなって思ってたんですよ。ちょっと俺はいろいろあって恋愛感情とか手の届かないと思ってる感情の1つなんです。だからそこまでさせる感情が気になてきになってしょうがないんですよ、今でも。だから、偶然素敵な人だなって思える人が助けてくれて。助けてくれた水橋さんは橋姫で。水橋さんがとても素敵な人に感じたのは間違いないなかったんだなって思って嬉しくなっちゃったんですよね」

「おぉ、結構文としてはめちゃくちゃだけど良い事言ってるね‼」

「そうですか?だといいんですけどね」

「いいねぇ、あんた嘘はついてないし面白いし最高じゃないか‼私はアンタが好きだよ‼」

 

星熊さんが思い切り背中をたたいてきた。

鬼の力だからフツーに痛い。

 

 

「星熊さん痛いです。って鬼ってこんな気さくだったんですね」

「そうだよ?もっと怖いと思ってた?」

「そうですね。俺の世界じゃ鬼って空想の怖い生物そのものって感じでしたから」

 

泣いた赤鬼とかこぶとり爺さんの鬼とか例外もあるけどな。

 

「あ~、まぁ、確か私たち鬼は力とか人より強かったりするからねぇ。しょうがないさね」

「ま、こうやって楽しく飲めるなら気が楽でいです。あ、安心してください。酒で潰して首は落としませんよ」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

あー、やっちゃったかー。

鬼だからこそ通じる酒のジョークのつもりだったがまずかったか。

 

 

「あぁすいません。同族が討たれた話のネタは不謹慎でした。すいません」

「あぁ、いや。別に気にしなくていいんだよ。本当にあった話さね」

「そうそう。あの時のお酒はとってもおいしかったしね」

「あ、そうなんですか。二人黙ってたから何と言うか地雷踏んじゃったのかと不安になりましたよ」

「いや、単純に驚いただけさ。そんな古い話良く知ってるなって」

「そうそう、それってかなり前の話だよね~」

「鬼と言ったら酒呑童子の話は有名じゃないですかね?」

「そうかな?」「そうなのかい?」

「いや知らないですけどね」

「「どっちだよ⁉」」

「いやぁ、俺の場合は昔から物語とか大好きだったから知ってた感じですかね。ま、さっきも言いましたけど鬼と言ったら酒呑童子の話は外せないでしょう」

「ほほぅ、お前はやっぱり面白いなー。なんでお前はここに来たんだよ?」

「いや、気が付いたら空から落ちてきた感じで何でって言われてもなんとも言えないですね」

「いや、空からって・・・・。飛べないんだろ?アンタ良く生きてるね」

「いやー、奇跡でも起きましたかね~」

「そうかそうか、まぁ飲みな」

「あ、ありがとうございます。この酒うまいんですけど結構強いですね」

「そりゃ、鬼~のお酒は良いお酒~って言うからね」

「ははははは、伊吹さんそれじゃ答えになってないですよ~」

 

それにそのリズムに合わせるならパンツが正解だ。それにその歌も結構古いと思う。

ま、そんな野暮な事は言わないが。

 

「そういえばアンタ鬼の私たちを見ても驚きもしなかったね。なんでだい?」

「あぁ、それはここがそういう世界だからっての知ってましたからね」

「いやぁ、それだけじゃないような気がするな~」

「ありゃあ、バレましたか」

「鬼に嘘は通じないんですよ~だ」

「嘘はついてませんけどね。まぁ、ちょっと長いし暗いですしおすすめしませんよ?」

「私は聞いてみたいねぇ。萃香は?」

「うん、私も興味あるかな。多少長くても暗くてもいいから話してよ」

「それじゃ。自分語りは恥ずかしい気もしますが、ここで一つお話ししましょう」

 

 

******

 

さて、あの世界に居た頃は小学校中学校高校といじめられっ子だったんですよ。

いじめって何かですか?あー、そうですね。同じ寺子屋にいる人間の仲間であるはずの人々から迫害を受けるって感じですかねぇ。

え?信じられない?本当ことですよ。

 

で、親に相談しても解決しない。教師に相談してもいじめてるグループにえらいとこの息子が数人いるから何も行動してくれやしない。で、小学校の始まってすぐの段階でもう親ですら信じずに自分1人でいたんですよね。

 

随分と空っぽな生き方をしていました。

あぁ、学校は行ってましたよ。おかげで皆勤賞です。

 

で、中学2年のころでしたかね。いじめられっ子の俺に話してくるような女がいましてね。そいつが中3の時に死んじゃったんですよ。

 

死んじゃった奴ね、いま思えば大層いい奴だったんですけど、いじめられて誰も信じれなくなってしまってた俺はそいつの事拒絶しまくってたんですよね。

 

いじめられてる俺に関わると自分がいじめられるのわかってて俺に冷たく拒絶したり無視されても何回も話しかけてくれたんですよ。

 

ま、いろいろすっ飛ばしますけど、そいつ死んだ知らせが学校に入った前日にそいつと今までにないくらい大喧嘩しちゃったんですよ。いや、喧嘩じゃないな。アレは俺が一方的に酷い事言っただけですからね。

 

その原因は簡単に言うとイライラしたからですかね。もうすぐ卒業だね。とかさみしくなるね。とか言ってきたんです。

心にもない事言いやがってって思っちゃったんですよ。酷い男ですよね。

で、色々限界だった俺は堰を切ったかのように酷い事言いまくったんですよ。

 

で、そいつは俺の罵詈雑言を泣きながら黙ってたんですよ。

で、最後に俺が「お前がいても、何も変わらん。むしろ気分が悪くなる。失せろ」って言っちゃったんですよ。

本当にひどいですね。

 

まぁ、その時のそいつの顔がまぁ、涙も流さず絶望したみたいな顔してて。

何故かその時は俺もそいつの顔見たらやばいことしたって思って。でなんか俺まで哀しくなってきて。

 

そいつを置いて逃げるように帰ったんですよ。

 

そしたらそいつが次の日死んじゃって。俺のせいかもしれないし偶々なのかもしれない。

でも、もし俺のせいだったら?そう思ったら怖くて怖くて。

 

で学校が終わって、気が付いたら行きつけ?のよく遊びに行ったりお参りしに行ってた近所の神社で後悔しながら声を殺して泣いてたんですよ。

何であんな言っちゃったんだろうって。完全に後の祭りなんですけどね。

 

そんなときに自分の事を神様って言ってきた2人の女がいたんですよ。

 

1人は赤い服着た女。その当時かなり年上っぽく感じたんで今の俺くらいの年齢ですかね。

もう1人は小さい女。変な帽子かぶってたんですよ。頭に目玉乗ってるやつ。

 

本当に余裕のなかった俺は藁にも縋る思いで、見ず知らずの2人になぜかあらかた話しちゃったんですよね。

でもその2人はどうもしなかった。お前自身問題だと言わんばかりに。慰めもしなかったし、責めもしなかった。

 

俺も神様なんてそんなもんだなってわかってたんでしょうね。

だけどその二人はそんな俺に「いつも参拝ありがとう。辛くなったらまたいつでも来なよ」って言ってくれたんですよ。

 

それだけで救われました。

こんな俺でも受け入れてくれている人?や場所があるんだって思えたから。

 

それ以降はその2人と雑談したり、赤い服の女は軍神だとか言ったんで稽古付けてもらったり。

その時から好きだったし得意だったんで、料理とかお菓子作って持ってって飲み食いしたり。

途中から緑の髪した女の子も増えたんですよね。

 

長い間、その面子で仲良く幸せに過ごせていたと思うんですよね。

いじめはあった。自分自身の空っぽさは埋まらないままだった。

けれどもそれでもいいと思えた。それでも幸せだと笑っていられるくらい。

 

でも、俺が高校3年生の受験の合格発表の日。

 

 

前日も心配で神社で愚痴ってたんですよ。

「大丈夫だよ」とか言ってくれて。嬉しくなって。

 

明日結果報告しに来るよって言ったら、みんな少し暗い顔したように見えたけど。

一瞬の事だったんであまり気にしてなかったんですよ。

 

次の日、無事に合格していた。

 

今まで3人が応援してくれたのもあって頑張れた。お守りをくれたことで心強かった。

 

で、それぞれのお気に入りのお菓子をお礼がてら買って、いつも通り神社に行ったんですよ。

 

そしたら、昨日合ったはずの神社が跡形もなくなくなったんですよ。

 

でも近所の人間は神社があった事すら覚えていない。

 

あぁ、また独りかってなって。泣きはしなかったですけどね。

それならまた元に戻って、1人で居ればいいだけだ。大学では当たり障りなく行けばいい。

 

せっかくのお菓子はもったいないんで3人分を1人で跡形もなくなったその土地で、食べて。

あの時は一気に甘い物を食ったせいかとても胸がつらかったですね~。

 

まぁ、長々と面白くもない話をしちゃいましたけど、こんな不思議体験しちゃったんでそういった類の事ではもう驚かないんですよねって事です。

 

 

*****

 

「っとまぁ、そんな感じですかね」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

だろうなぁ。俺が相手の立場でもこうなるわ。

でもこんなこと今まで話したことはなかった。親にも誰にも。

きっと、別世界に来たってのと、美味しずぎる酒のせいだろう。

 

「あ~、だから前置きしたじゃないですか。暗いし長いって」

「うん、そりゃそうだけどさ。思ってたより人間にしては辛い話かなって」

「あんたはなんでそんなに・・・あっけらかんと面白い話してるように話せるんだい?」

「え?だって過去の話でしょ。別に話すのは苦でも何でもないですし。せっかく話すなら面白おかしく俺だけのネタにした方が面白いでしょ」

「う~ん、普通はしないと思うけどなぁ」

「でしょうね。でも俺は変な奴ですから」

「自分で言っちゃうあたり清々しいよねぇ」

「アンタはその神社の人の名前は覚えているのかい?」

「もちろん。俺にとって大切な人たちですから。なんて呼んでたかは覚えてますよ。それにまだその時のお守りも持ってますしね」

「注連縄に白蛇と蛙・・・なにこれ?」

「白蛇と蛙はあってますよ。なんでも2人の神様の象徴らしいです。なにこれって言ったのは制作者本人曰くロボットの顔だそうです。ミスマッチにもほどがありますけど、好きですし大切なものですよ」

「そうかい。なぁ萃香・・・」

「まぁ、そうだろうね、勇儀」

「何ですか?2人して。もしかして会った事あります?」

「多分ね。せっかくだし名前聞いてみていも良い?」

「ええ、構いませんよ。えっと、八坂さん、洩矢さん、東風谷さんであってると思います」

「ふーん。ちなみに聞くけど、そいつらにまた会いたいかい?」

「会いたくないと言えば噓になりますけどね。やっぱり会いたくはないですね。今の俺を見たらきっとがっかりさせちゃうでしょうから」

「・・・・そっか。ま、そんな事もあるよね。さ、お前も飲んだ飲んだ‼」

「伊吹さん⁉俺人間なんですけど⁉それ鬼用じゃ⁉」

「そんな事は知るかー‼飲め飲めー‼」

「あぁ、ちょっとこぼれる!飲みます飲みますから落ち着いてください‼」

「萃香の奴、無邪気に人間とこんなに飲めるのが楽しいからってはしゃいじゃって・・・。ま、私も似たようなもんか」

 

 

 

覆水盆に返らず。

俺にもいつか覆水を盆に返すような奇跡が起こったりするんだろうか。

っと、いけないいけない。湿っぽいのは好きじゃないんだ。今夜は飲みまくって楽しむぞー‼




はい、最後までお読みいただきありがとうございます。
いや~、1週間以内に投稿できて良かった~。

今回は割と仁君の根幹にかかわってくる大切な所であります。
結構悩んで書いたところではありますが、すいませんね。変な感じになっちゃって。

さて、このキャラを出して欲しい等のリクエストもお待ちしておりますので遠慮なくコメント等よろしくお願いします。採用するかはわかりませんが迷った時には優先的に出そうかなと思いますので良ければよろしくお願いします。


面白い、この話が好きと思っていただければありがたいです。

最後にちょっとした謝辞を。
お気に入りしてくださった皆さん、改めて本当にありがとうございます。
そのひと手間のおかげでとても元気づけられました。
これからも楽しんで頂けるよう頑張っていきますので引き続きの応援よろしくお願いします。

さて、次はいつ投稿されるかはわかりませんができるだけ早く投稿したいと思います。また会えることをお祈りしつつ、皆さんさようならさようなら。

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