東方与太噺   作:ノリさん

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シングルヘール、シングルヘール、鈴はならない。
どーもおひさしぶりでございます、ノリさんです。

こちら、UA2000記念のアンケートで投票で決まった閑話の前編のような物です。
クリスマスイブギリギリで投稿だよ。
予定なんてないよ、生きていくだけだよ。


長々書いてもあれなので、久々の俺のお噺お楽しみ頂ければ幸いです



閑話 俺と秘封と廃校の秘密 調

「この事件の犯人は      だよ」

 

何でこんな事になってるんだろうなぁ。

 

 

***********

 

 

故郷からだいぶ離れた大学に行くことにした俺は引っ越しを終え、家具家電の設置から荷開きを終わらせ買い出しも終えて明日から大学に行くことになっていた。

地元で少しの間独り暮らしを始めていたから慣れている。

地元から引っ越すのは分かっていたので荷開きは必要な物最低限以外出してなかったし手間取る事もなかった。

 

大学では当たり障りなくいこう。

付かず離れず差しさわりない人を演じて。それは今までと同じか。

 

 

 

はぁ、寝よう。俺は、これから、何もなく生きるんだ。

 

 

 

 

*******

 

 

 

大学に着いたのは良いけど早かったかな。

仕方ない。幸い大学側ににカフェがあるから、そこで時間をつぶすか。

 

 

 

 

~大学側のカフェ~

 

 

マスター一人でやってる昔ながらのこじんまりとした店だった。

古いラジカセが置いてあり、店主が可愛らしい緑のマスコットのストラップを眺めていた。

この時間にお客が来るのが珍しいからか、最初は慌てていたけど落ち着いて席に案内する姿がとても映えるマスターだ。

さっそくカウンターに座り、コーヒーと自家製のチーズケーキを注文した。

嬉しい誤算だったのは、ここコーヒーとケーキは美味かったって所だ。

 

コーヒーしっかりとえぐみや渋みとでも言えばいいのかわからないが、余計な雑味もない旨味しか感じないほどのレベル。

このチーズケーキはベイクドチーズケーキだったが、少し燻したのか、ほんのりスモークの雰囲気の感じられる。

しっかりとして濃厚な味で美味い。コーヒーと合わせてだとなお美味い。

・・・・・・・甘いもんは当分要らないとは思ってたけどこれなら本当に美味しいと思えるし良いかな。

 

 

「お客さん、随分美味そうに食べてくれますね」

「マスターの腕がいいからね」

「嬉しい事言ってくれますね。あんまり見慣れない顔ですけどもしかしてそこの大学に入る人です?」

「えぇ、これからここは通うのでよろしくお願いします」

「えぇ、お客さん大きいし、顔ももう覚えましたよ。ところで大丈夫ですか?」

「ん?」

「時間結構ギリギリだと思いますよ」

「あ、やべ。これ代金です」

「はい、ちょうど。また来てくださいね」

「はい!」

 

 

あぁ、ゆっくりし過ぎたなぁ。もっと味わって食べたかったな。

あ、終わったらまた行こう。まぁ、偶には連続で外食もいいだろう。

 

 

 

***********

 

 

~一カ月後~

 

 

学校にも生活にもなんやかんやと適当に過ごしつつ、部活に入ったりしてちぼちと過ごした。

暇になったら現地の伝承になぞって仏閣を回ったり、この地区の都市伝説の廃校の幽霊とやらにつながりそうなものを探したりしながら暮らしている時、合コンとやらに誘われていた。

 

「断る」

「仁さぁ。良いじゃないか合コン行くくらい」

 

 

合コンに誘ってくるこいつは大町亮。

顔良し、性格良し、成績良しの三コンボでモテない訳がないこいつは俺の数少ない友人だ。

出会いは先輩に女絡みでからまれてたところを目撃してしまいなんやかんやあって、先輩を撃退したらなんか話しかけてくるようになった。その後ナンパされてる女二人も助けたような気がするけど俺の大学生活は平穏にだな・・・って話が逸れてしまったな。

そんな出会いをしたからか面倒事を持ってくる事も多い関係と言った感じだ。

 

 

「いや、俺部活あるし。なくても他にすることあるから」

「頼むよ。女子側からお前に興味あるから呼んでくれって言われてるらいいからさ~」

「つーか亮よ。お前今までそう言うの断って来てたじゃねーか。なんでいきなり参加する事にしたんだよ」

「さすがに何度も断ってるからそろそろ一回くらいは行っとかないといけない流れになってな」

「お前のような男女ともに人気のあるやつは大変だな。でもそれだけじゃないだろ」

「まぁ、今回珍しくあの二人が参加するっているから試しにね」

「あの二人って誰だかわからないけどさ。俺呼べって言ってるのって誰だよ」

「さぁ?でもお前呼べなかったら今回はなしって話だから結構お前人気あるんじゃ?」

「馬鹿言え。俺は基本的に授業以外女と関わってないぞ」

「お前そんな悲しい生活してたのかよ」

「いや、そんな事はないと思うぞ。実際部活とかで忙しかったしな」

「とにかくさ。な?出てくれよ」

「断る。俺別に出る必要ないし」

「合コン代出すからさ」

「それでも断る」

「わかった。合コン代に一回あの喫茶店のコーヒーとチーズケーキも付ける」

「・・・・・・しょうがねぇなぁ。わかったよ、行ってやるよ。でも呼んでる女が可愛くなかったらショックだなぁ」

「そう言うの気にするんだな」

「まぁ、それも男だからな。で、いつやるんだ?」

「今夜」

「今夜⁉」

 

まーたこいつ面倒事持ってきたよ。

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

~ 居酒屋 ~

 

 

俺の部活が終わり、そこから始めるのがOK。と言う大学生らしい時間制限のなさを発揮しつつ合コンとやらが始まった訳だが、もちろん俺が洒落た格好を居ている訳もなく。

席に座った時にかけられた第一声が

 

「お~、ワイシャツにジーパンか。シンプルだねぇ」

「君が亮の言ってた鷹崎君か。初めまして、俺は中島浩太。こっちの服の感想言ったのが鷲谷鉄平」

「鷲谷鉄平だ‼よろしくな‼」

「あぁ、よろしく」

「いや~~~亮のおかげでいつもの飲み会にならなくて済んだぜ」

「?」

「あぁ、今日のメンバーが僕、鉄平、亮、そして仁君。女子は俺たちの幼馴染の女子二人にゲスト二人だからさ。君が来ないとゲストも来ないていうから結局いつもの面子で飲み会になったって所さ」

「そうそう。だから亮が説得してくれて助かったぜ‼」

「ええ?聞いてないよそんなの⁉」

「言ってないからな。だっていつもの飲み会なら今回はパスって言われそうだたしね」

「ところで俺を呼んだ女って誰だ?」

「え?聞いてないのか?」

「あの二人って言ってたけど、どの二人かわからないかならなぁ」

「あぁ、そうだったのか。それはね」

 

「おっ待たせ~、男子諸君‼連れて来たわよ」

「ちょっと遅れたかな?」

「おぉ、おせーよ愛海。こっちは待ちくたびれたぜ」

「お疲れ様。愛海に真奈美。で、ゲストのお二人もようこそ。好きな所座って」

「お邪魔します。じゃあ、ここにしようかな」

「そうね。彼の前に座っておきましょうか」

 

おいおい、男女で向かい合う形と聞いたけどまさか町で百人に聞いたら百人が美人と答えるような容姿の女のどちらかが俺を呼んだのか?

でもどちらも見覚えないしな。う~ん、緊張するよりも何だか不気味だなぁ。

 

「さぁ、ぼちぼち飲みましょうかね」

「「「「「「「「乾杯‼」」」」」」」」

 

考えてもわかんないし、とりあえず奢りみたいなもんだから好きなように飲み食いしますか。

 

 

 

***********

 

 

 

~ 仁の部屋 ~

 

結局なんかなんもなく終わって結構遅い時間に帰宅した。酒は未成年なので飲んではいないが腹いっぱい食ったので満足した。それに俺の気になってた事について分かったことがあった。それだけでかなりの収穫だ。

けどなんか気持ちは悪いなぁ。結局誰が俺を呼んでいて、何の用があったのかわからないままだ。

 

 

明日、亮を問い詰める事にしよう。

正直慣れない場に言ったせいで疲れたし、少し眠い。

でも、課題は終わってるから調べた廃校の事についてまとめよう。調べられる事は調べられたしな。

さ、パソコン開いて・・・・・・・

 

ピンポーン

 

「?なんか注文したの届くなんて予定はなかったけどな」

 

家賃は安いが、しっかりインターフォンはついてるから安心!

さぁ、いったい誰だこんな俺の家にくるなんて。

 

・・・・・・はぁ。意外って言うかなと言うか、あり得ないはずの人たちがいるんだけど。

 

「はいはい、部屋間違えてますよ」

『そんなはずはないわ』

「いや、間違ってますよ」

『ここは鷹崎仁君の部屋であってるはずよ』

「いえ、それは合ってるけど、、俺の部屋に貴方たちが来るのが間違ってるというか・・・・・・・」

『いいえ、貴方に用事があるからここに来たの。ちなみにこの娘は私の付きそいだから』

『夜分遅くにすいません』

「いえ、お構いなく。それで何の用ですかね?」

『このまま外でお話しを続けさせる気かしら』

「う~ん。まぁ、いっか。今開けます」

 

はぁ、やっぱ亮は面倒事持ってくるなぁ。

チーズケーキ二個にしてやる。

 

ガチャ

 

「はい、どうぞ」

「お邪魔するわ」

「お邪魔します」

 

何だかなぁ。俺の部屋に女が入るなんて思ってもなかったなぁ。

でもや大して話した覚えのない女が部屋にいるのはなんか不気味だ。

招く予定のないお客だけど一応茶は出す。何故って俺は紳士だからね。

紳士は嘘だな。そんな大層なモンじゃない。

 

 

「はい、お茶。で何の用だ?」

「思ったより綺麗ね。男の一人暮らしってもっと汚い物だと思ってたわ」

「その・・・・・・ごめんなさい。悪気も悪意もないの」

「だろうね。むしろそれだけ気を遣えるならこんな時間に男の家には来ないだろうからね」

「あらお褒め頂きありがとう」

「皮肉です」

「知ってるわ」

「・・・・二人って実は仲がいい?」

「いや、今日話したのが初めてだな」

「そうね。今まで大学で見かけたくらいだもの」

「その割には結構仲良く話してるね~」

「そんな事ないわよ、メリー。私にいきなり皮肉を飛ばしてくるような男よ?」

「皮肉を飛ばされないような女だったら、こんな夜遅い時間にまともに話したこともない男の部屋に乗り込んできたりはしないよなぁ」

「本当にごめんね。明日授業とかあるでしょ?ほら、もう帰ろうよ」

「いいえ、思い立ったが吉日よ。そんなに帰りたいなら帰ってもいいわよ。私は帰らないから」

「でも・・・・・」

「あぁ、まぁ、そりゃ怪しい男の家に友達置いていけないよな」

「えぇっと、その、ごめんなさい」

「そこは否定せずに謝るのね・・・」

「友達思いのいい友人じゃないか」

「ええそうね。貴方にはいないでしょうけど」

「・・・・・・まぁ、そうだな。俺にはいねぇよ」

「ごめんなさい。悪い事言ったわ」

「なんだ急に謝って、気持ち悪いな」

「気持ち悪いって何よ‼そりゃ私だってあんな顔されると謝りはするわよ‼」

「そんな顔ってどんな顔だよ。元々の顔立ちは確かによくないけどな」

「そうじゃなくて。なんだかとても悲しそうな顔してたからだと思うよ。蓮子にしては珍しく気を遣って謝ったよね~」

「ちょっと、それだと私が普段気を遣えてないみたいじゃない」

「だって・・・」

 

なんか見た目はどっちも綺麗系だけど、こう・・・・・・話すとなんか気さくな奴らみたいだな。

 

「まぁ、いいや。で、本題に入る前に聞きたいのは、君達の名前知らないんだけど?」

「えっ⁉連呼の事はともかく私の事はわからない?」

「すまん、記憶にない」

「えっと、私はマエリベリー・ハーン。以前講義の時に2人でチーム組んでプレゼン発表したんだけど・・・・」

「そう言えばそんな事もあったような・・・・・。ちょっと待っててくれ」

 

パソコンの中の学校の課題などのデータが入っているファイルを見る。

この段階でプレゼンした授業なんて二つほどしかないから・・・・。

確かにあったな。パワポの表紙に名前打ち込んでたわ~。忘れてた。でもこんな娘と組んでたら少しは何か覚えてても良いんだけどな・・・・・。

 

「あ、そうか」

「思い出してくれた?」

「あぁ、アレだ、パソコン修理に出して作業できないから俺が全部パワポ作った子だ」

「あ、あははは・・・・・」

「変な覚え方されたわね、メリー」

「大丈夫だ、君も大概変な奴で覚えたから。ってかメリー?」

「この子のあだ名みたいなものよ。失礼な事言われたけど、また話が逸れるから今回は我慢しておくわ」

「で、君の名前は?」

「私は宇佐見蓮子よ。で、さっそく本題なんだけど、貴方この地域で都市伝説化している廃校の幽霊について調べているでしょう?」

「まぁ、そうだな。で、それがどうした?」

「私達もそれについて調べていたんだけど、正直手詰まりになっちゃてね。貴方の調べた情報を聞きたいのよ」

「それだけ?」

「ええ、それだけ」

「そうか・・・・。君は本当に変わってるなぁ」

 

正直、普通の女だったらこんな事してないと思う。

良く言えば、まぁ、行動力があるって事だな。

 

 

「よく言われるわ。で、何が分かってるのかしら?」

「言うと思う?それに俺が調べられてるのは一般的に記事になった事だけだよ。その廃校舎は6年前までは実際に中学校として使われていたけど5年前に合併して使われなくなりました。それからと言うものの夜忍び込んだりしたら泣き声とか声とか聞えて誰も近づかない」

「それは知ってるわ。他には?」

「そうだなぁ。あの学校じゃ一回人が死んだって事があるらしいな地元の新聞にも載ってたな。いくつかの記事では他殺とか書いてあったけど、結局事故扱いで処理されてお終い。それ以降誰にも触れられなくなり、残ったのはぼろっちい校舎と変に膨らんだ怪談もどき。俺が分かっているのはそんくらいって感じかな」

「そうなのね・・・。で、他には?」

「他にはって?」

「何となくそれだけじゃないような気がしてね。って言うのも噂の廃校舎に大きい人影が土を掘ってるって言う噂を聞こえてね」

「で、その事調べてるのは俺くらいだから近付いて、わざわざ夜遅くに乗り込んできたと」

「ごめんなさい。蓮子がどうしても行くって聞かないから」

「君も大変だな。え~~っとマエリベリーさん?」

「呼びにくかったら呼びやすく好きなように呼んで構わないから」

「じゃあ、マリーさん」

「それでいいよ」

「で、何を見つけたの?」

「それを話す必要ある?」

「何ですって?」

「いや、だってもう俺の持ってる情報はほとんど渡した訳だし、そもそも俺にメリットがないよね。俺しか持って情報があったとしても、こっちに利益がない限りは渡す義理もないでしょ」

「こっちにはこっちにしかない情報はあるわよ。だからそれを聞きたかったら言いなさい」

「ちょっと!蓮子‼

「それは強盗と変わらんやり口だなぁ」

「欲しい物は何としても手に入れるのよ」

「ますます強盗感が増したな・・・・。ここまで清々しいと言ってしまいそうだけど、今度から交渉するならもっと上手な方法を考えたほうが良い。それじゃ、引き出せる情報も引き出せないよ」

「じゃあ、どうすればいいのよ」

「そうだなぁ。俺は持ってる情報のほとんどを出したんだ。そっちの持ってる情報を全部出したらいいんじゃないかな」

「そうだとしたら貴方から情報を貰えないかもしれないじゃない」

「あのさぁ。俺と、君の立場分かってる?」

「?」

「君は欲しい情報を集めに来ただけかもしれないけど、俺はいきなり知らない人が常識のない時間に家に押しかけてくるわ、こっちの苦労して得た情報をいきなり寄越せと言って来たり、そんな状態ではいそうですかって情報渡すと思うか?」

「・・・・・・・・・」

「それに俺は眠いし疲れたし、悪いけど今日は帰って貰っていいかな」

「う、うん、そうするね。いきなりごめんね」

「・・・・私、貴方の事嫌いだわ」

「う~ん、美人さんにそう言われるとなかなかと堪えるねぇ」

「そう言うところが・・・・」

「ごめん、今すぐ帰るから。ほら行くよ、蓮子」

「いーやまだ言い足りないわ」

「蓮子。行くよ」

 

うわっ、こわっ。

 

「わかったわよ・・・・・。絶対私達だけで真相を掴んでやるんだから」

「お好きにどーぞ。俺は誰かと競ってるつもりはないから、何でもいいよ」

 

あ~、マリーさんに引きずられる様に帰ってゆく・・・・・・。

・・・・・よし帰ったな。さてと・・・・、なんか変に目が冴えてきちゃったから、まとめますか。

 

確かに噂の廃校舎の土を掘っていたのは俺だ。

とある日の深夜に廃校舎に探検しに行った時、なんかある木の下でぼんやりとした白い光源のような物があって、その部分の土だけなんか草が生えてないと言うか、他と比べて違和感があったので掘ってみたら一冊のノートが出て来た。

俺は心霊スポットとか怖くて行けないタイプだ。だって幽霊とか殴って退治できる訳じゃないから普通に怖い。

 

まぁ、その話は置いといて。ノートは噂のもとになった死んだ女の子の物だと言う事が分かった。

ノートの中は日記のような物だった。学校の事が中心ではあったが、なかなか面白かった。

 

元々、人に話しかけたりするのが苦手なタイプであったようだが、とある仲良しグループと関わりを持てたようで嬉しかったことが生き生きと書いてあった。

 

しかし、彼女はその集団に夢を見過ぎていたようだ。

・・・・でも彼女は彼らに綺麗であってほしいと願ったのだろう。

その彼女の行動が彼女に悲劇を起こした。

綺麗であって欲しかった人達は、汚れていて。

汚れていたと思っている人間が純粋であったのだろうか。

 

だとしたら悲しいと言うか・・・・・・・皮肉なものだ。

 

 

でも、この謎の全貌を俺が想像して補完するには、決定的な物が足りない。彼女らが仲間と書いていた人達がいったい誰なのか。これが分かればなんかわかるような気がする。

 

どうやって調べたらいいかなぁ。

新聞とかあさるのはもうないと思うぐらいやったし、もう廃校舎はほとんど探したしなぁ。

 

 

正直彼女の持っていると言っていた情報は気になった。

でも、ちょっと疲れたのもあって俺も言い過ぎたかなぁ。

なんかなぁ、女に対して苦手意識でもあるんだろうか?いや、まさかなぁ。

はー、やめやめ。寝よう。こういう時は寝るに限る。

 

 

 

**********

 

 

~二日後~

 

 

あれから数日たったが一向に進展がない。おまけに亮は学校に来ていない。

もうここいらで終わりかなぁ。

まぁ、確証がないってだけだし、俺が勝手にこうじゃないかって満足する分には良いかな。

 

はぁ、やっぱこの間は言い過ぎたかなぁ。・・・・ちょっと過剰に女に反応し過ぎたかもしれない。

 

ってなんで俺はあの二人のこと気になってるんだ。俺自身の事が訳わからん。

それは置いといて、謝ろうにも目立つ二人だろうからなぁ。大して仲良くないのにわざわざ話しかけてあんまり注目されたくないなぁ。

 

 

講義も終わったしいつもの喫茶店にでも行ってケーキとコーヒーを。

 

 

カランコロンカラン

 

「マスターいつものお願い」

「やぁ、仁君。君にお客さんだよ」

「え?」

「こんにちは」

「マエリベリーさん・・・」

「隣に座って。私もここによく来るの。お話しましょ?」

「あ、あぁ、それじゃお邪魔します」

「いつものってなんかお酒でも頼むみたい」

「あぁ、いや、コーヒーとチーズケーキだよ?」

「わかってるよ。・・・・・・・どうかした?」

「この間は言い過ぎた。すまなかった」

「あ、気にしてたの?むしろこっちが謝らないといけないのに、優しいのね」

「いや、悪いと思ったから謝っただけだ。連れのの子にも言っといてくれ」

「わかったよ。私から言っておく」

「すまないな」

「それは良いけど、今日は私から話したい事があったら、待ってたの」

「俺に用って何だ?」

「あのね、蓮子って向こう見ずだし、いきなり行動起こして巻き込んでくるし、本当に訳わからない事したりもするせいで、大学じゃ浮いちゃってるの。だけどね、偶に気を遣ったり、優しかったりするいい娘なの。だからね、貴方がもし嫌じゃなかったら仲良くして欲しいの」

「いや、俺の事嫌がってるんじゃないのか。散々な物言いしちゃったしさ」

「蓮子が他の人とあんなに楽しそうに話してる所なかなかないよ。それに帰ってる時も絶対引き出してやるって意気込んでたもの。あんなに特定の人物に関心持ったの始めて見たかも」

「それはそれは、まぁ、何と言うか光栄なような面倒なような」

「って言いつつ嫌とは言わないんだね」

「まぁ、そっちの持っている情報に興味があるしね」

「それじゃあね。蓮子説得してあげようか?」

「良いのか?」

「いいよ。じゃ、連絡先交換しない?」

「じゃ・・・・・、これで良いか?」

「・・・・・・うんこれで交換できたね。そうそう、説得する代わりにね・・・」

「メリー‼ってなんでアンタがいるのよ‼」

「たまたまだ。ここは俺のお気に入りでね」

「ふん!行くわよメリー。いい情報が得られそうよ‼」

「じゃあ、よろしくね仁君」

「行くわよ‼メリー‼」

「あぁ・・・・・」

 

カランコロンカラン

 

 

「お待たせしました。モテる男はつらいねぇ」

「えぇ、この会話で何からモテを感じ取れって言うのさ」

「経験を積んだら分かる。それが有意義な人生ってもんさ」

「そんな事よりも、俺はこの店のケーキの皿を積み上げる方が有意義な気がするね」

「はぁ、やれやれ」

 

マスターが携帯触りながら話すねんて珍しいな。まぁ、いっか。

あ、メリーさんお金払ってないんじゃ?

・・・・・・変わりに払っておくか。

 

 

***********

 

 

 

~大学~

 

情報ねぇ。気になるなぁ。

 

いい情報って何だろう?すっごい気になる。

ここらでいいかって思ってたのになぁ。こう中途半端になる時になって湧き出ると困るんだよなぁ。

 

・・・・・今日、接触してみるか。面倒だけど、あの二人を探すかな。

 

 

しかし、彼女たちは学校には来ていなかった。

 

 

 

 

 




毎度のことながら、最後までお読み頂きありがとうございます。

リアルの生活が忙しくなり更新が遅くなってしまいまして申し訳ありません。
今後この様な事もあるかもしれませんが、気長に待っていただけるとありがたいです

さて、今回はUA2000達成記念の閑話です。
今までのお噺を読んで来ているとおっ?っと思う表現がいくつかある様な気がします。・・・・・するよ?俺はね?
そういった点も探しながら楽しみつつ、後編のような物を楽しみに待っていただけると嬉しいです。

いつもと違った形のお噺で書くのに苦労はしていますが何とか〆るつもりなので、どういった結末を迎えるかお楽しみに?
・・・・・・正直こういったお噺書くのは初めてだから面白いとか良いって思って頂けるかめちゃくちゃ不安ではあるんですが・・・・・・。

さぁ、今回は短いですけどここまでで筆を置きたいと思います。
と言う訳で、次のお噺でお会いしましょう。さようならさようなら。

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