東方与太噺   作:ノリさん

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どうも、タイトルのセンスがおかしいのかな?と思い始めったノリさんでございます。
今回のタイトルを見て誰をメインにしたいのかわかった貴方は察しの良い人だと思う。

結構ハイペースで投稿していますが本来こんなペースで書けるつもりじゃなかったんだ・・・。


今回はかなり軽く読めるお噺じゃないかなと思います。
・・・・まぁ相変わらずの文字数ではありますが・・・・・、そこはご容赦を。
ネット小説の割にはかなり文章量が多いと友人からは言われているのですが・・・・。
書きたいように書いていたら気が付いたらこんな文字数に・・・・。
これでも削っている方なんです。ほんとですよ?

そんな感じではありますけどさっそく本編へどうぞ!



呼んでるあの娘はセクシーライダー

目の前に顔は見えないけどド〇ク〇6のかみさまみたいなおっさんがいる。

 

「おお、仁よ‼死んでしまうとは情けない‼」

 

それほんとに言うんだなぁ。ってか俺死んだの?

 

「神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと・・・」

 

おい、それは作品が違うぞ‼つーかお前神じゃないのかよ‼かみさまみたいな見た目してるのに!?じゃあお前誰だよ!?

 

「いや君の居る世界の方にむしろ神様いっぱいいるからね?最近神様もやたら増えちゃってさぁ。インフレ進んじゃったのよ。儂、神様から神様のお使いに格下げになったんだよねぇ」

 

神様も大変なんだなぁ。頑張れよ、応援してるぜ。

 

「あぁ、うん。まぁ、もうよっぽどのことの事がない限り神様に戻れないんだけどさ・・・。あ、もう起きるみたいだね。死んでないから安心して。ちょっと言ってみたかっただけなんだよね~。もう女に蹴られて気絶する様な事しちゃだめだよ~」

 

あぁ、はい、お疲れ様ですって気分で人をヒヤッとさせるな‼

誰なの?ねぇ、結局お前なんなの!?ちょとぉぉぉぉぉ!それだけは気になるから教えてくれぇぇぇぇぇぇ‼

 

 

 

 

******

 

 

 

 

「はっ!」」

 

ここは・・・・俺の店兼家の俺の部屋だね。

 

えっと昨日は・・・藍さんに蹴られて落ちたんだっけ?

大変、顔と後頭部が痛いですね。蹴られてどっかで頭もぶつけたんだろう。

無事朝日を拝めたことに感謝。時刻は7時か。いつもよりはゆっくりだな。

 

さて、休みだけど何しようかな。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・予定がなんもねぇ」

 

元の世界じゃ、休日なんて課題に使ってばっかだったなー。

課題が終わっても次の課題。やらなきゃいけない課題をもらった週の内に終わらせたら先を見越しての課題の準備。やる課題が無くなったら、やった課題に確認及び修正。で、ちょっと心に余裕があったら音楽流しながら大学とかネットで借りたり買ったりした本を読んでたくらいだ。

家から出てないし、基本課題してばっかだったな。

俺って面白みのない人間なのかなぁ。

 

いや、そんな事はない。ゲームだってするしカラオケ開店直後からフリータイムギリギリまで計10時間、歌い続けたりもする‼・・・・基本1人だけどな・・・・。そして部屋から基本出てない。

 

まだ見知らぬことの多いこの世界でそんな俺が休みに何かなんてする予定がある訳ないか。

せいぜい鈴奈庵に行って本借りて、それ読んだりするくらいか。

 

とりあえず布団から起きよう。そうしよう。

 

「あ~、顔いてぇ。結構ガチで蹴ったんだなぁ。ってなんか枕元に紙が置いてある」

 

手紙か?どれどれ。

 

『お元気かしら?貴方がこの手紙を読んでいるという事は生きているって事よおめでとう。

 反応を見てみたいけどそうはいかないから残念よね。

 よく眠れたのなら良いけど具合が悪ければ無理しない事よ。

 上手くその場を収めようと思ったけど予想外の結果になったから、お詫びの品を置いて行くわ。

 

 P.S. 全然見透かされた事は気にしてないから。

    ええ、蹴られた時ちょっとスカッとしたなんて思ってないから。

    あ、ちゃんとお魚もこの手紙も頭は取るものよ。  

                          幻想郷の可愛い系代表 八雲 紫より』

 

なんだこれ?

色々ツッコミどころがあるけど、やっぱ最初のツッコミはもう決まってる。

 

「アンタ、どっちかて言ったら綺麗系とか美人系な気がするんだけどな」

 

見た目に関していえばアンタは綺麗系とかだろうに。大人の色気って言うの?なんかそんな感じ。

可愛いって言うのはさとりさんとかこいしちゃんとかそこら辺じゃね?

まずここに突っ込む俺がおかしい?

 

「最後のP.S.の文もくだらなさすぎだろ・・・・・。子供でもすぐわかりそうだぞ」

 

うーんそこんとこは可愛げがあるって感じだな。つーかむしろ子供っぽい所があるって感じだな。

そして、俺が蹴られてスカッとしたとか書いてる辺り少しは気にしているんだろう。

 

「でもお詫びの品ってなんだ?枕元には何もないし・・・。もしかして店の方か?」

 

俺の部屋にしているところとは扉ひとつなのですぐに行ける。

 

ガラガラガラ

 

「はぁ、とんでもない目に合ったぜ。ありがたくお詫びの品とやらを頂きますかね」

「とんでもない目に合ったのはこちらの方だ、バカ者」

 

そこには可愛らしいエプロンを着けて、お味噌汁の味見のためか小皿に口を付けながら振り返る藍さんが。

もう一方の手におたまを持っているのがポイント高いと思う。何のポイントかは言わなくても分かると思う。

 

「はい、おやすみなさ~い」

 

 

ガラガラガラ

 

 

何なの?何事?俺死ぬの?

何で起きて俺の調理場見たら、エプロンつけて朝ごはん作ってる藍さんが!?

新婚みたいですね‼まさに狐の嫁入りってか。こんな可愛い嫁さん出来たら毎日幸せだろうね。

はっはっはっはっ、これは夢だよ。

 

 

ガラガラガラ

 

 

「ふぅ、朝からとんでもない物を見ちまったぜ。すげぇ夢だったなぁ」

「貴様は何をしているんだ?人の顔を見ていきなり扉を閉めるなんて。寝ぼけているのか?」

「は~い、おやすみなさい!」

 

 

ガラガラガラ

 

 

布団に籠ってもう1回寝る事にした。

なんでだろう?ラノベとか読んでていいなって思ってたシチュエーションなのに実際起こると怖い。

何が起こっているのか理解が追い付かないから怖い。なぁにこれぇ。次元が違うとこんなに印象変わるんだねぇ。

ハイもう1回寝ようそうしたらなんか解決してるよね・・・

 

「起きろバカ者‼」

「はい!すいませんでした!」

 

部屋に入って布団剥いできましたよ。なんて強引な狐なんだ。

 

「おはようございます。なんで藍さんが俺の調理場で朝ごはんを?」

「おはようございます。その・・・・紫様に言われて・・・」

「あぁ、なるほど。藍さんお手製の朝ごはんがお詫びの品と言う訳ですか」

「そういう事だ。その・・・昨日はやり過ぎたと思っている。すまなかった」

「あぁ、こちらこそ色々すいませんでした。まぁこんな奴なんでそれでもよかったら仲良くしてやってください」

「・・・う、うん。とりあえず朝ごはんが冷めてしまうから行こうか」

「はい、楽しみです」

 

あぁ、藍さんってこんな感じなのか。

 

「ホントに良い嫁さんになりそうな人だなぁ」

「何を言っているんだ貴様は‼」

「藍さんこそ何してんですか!?」

 

裏拳かましてきやがった。危なかったぞ‼

 

「それは貴様が変な事を言うからだ‼」

「正直な感想だからいいじゃないですか‼」

「何だと!?」

「1回目見た時に、新婚みたいだなぁ。これが正しく狐の嫁入りってかって思っちゃうくらい良い光景だったんですよ‼」

「なななななんて恥ずかしい事を朝から考えているんだ‼」

「思っちゃったもんはしょうがないですね。むしろ朝の光景だったからこそって感じだったし。なるほど・・・・、紫さんはそこも計算して・・・・」

「紫様が!?」

 

俺の思考を読むとはすごい頭が良いんだな。もしくは俺の考えがわかり易いのか。

ありがとう紫さん。俺はアンタにでけぇもん貰っちゃったな。

今度鶏ハムでも送ろう。お歳暮ではないがハム送って喜ばない人はベジタリアンとかぐらいしか知らない。

 

「ささ、あんまり話しているとごはんが冷めるからここら辺にしようか」

「誰のせいだと思っているんだ・・・」

 

と文句を言いつつもごはんの用意をしてくれているあたりほんとにいい嫁さんになると思う。

 

「あまり手の凝った物は作れなかったが、食べてくれ」

 

並んだ献立はごはん、豆腐とわかめの味噌汁、焼き鮭、身に覚えのない漬物、ほうれん草の胡麻和え、味付け海苔の6品だ。あとお茶。派手さはないかもしれないがいい感じの朝食だ。

ちょっと自信なさげに言う辺り可愛い。ちょっとしっかりしている時とのギャップってやつか。

 

「いや大丈夫だ。流石によっぽどじゃない限り不味いなんて言わないからさ」

「う、うん、そうか。他人に食べさせる事なんてそうないからな。ちょっと変に気を遣ってしまってな」

「あぁ、わかる。慣れないとそうなるよな。・・・・うん、味噌汁もしっかり出汁からとってて美味しいよ」

「そうかそうか。よかったよかった。まぁ、味見はしていたから美味しくないなんて事はないと思ってはいた」

 

不安そうな表情から褒められて安心して嬉しくなった物を隠そうとして強く出る所可愛いよね。

こんなにコロコロ表情を変えるなんてな。ちょっとは心を開いてくれたのかな?

 

「ところで藍さんは食べないの?」

「私は食べたから気にしないでいい。お替りもあるぞ」

 

その笑顔がとてもまぶしくて、直視できなかった。ので、食べ進めることにした。

やっぱり俺が作る味噌汁や胡麻和えとは違う感じがして。やっぱり個性って出るものだなぁなんて思って。

 

そもそも誰かに朝ご飯を作ってもらう事なんてどれくらいぶりだろう。

誰かと共に過ごす朝なんて久しぶりだ。基本部活の合宿とかも断ってきたからな。

そう思うとちょっと微笑ましい気持ちになった。

 

「悪い、ごはんと味噌汁と漬物と胡麻和えのお替りお願いします」

「お替りだな。朝からお替りがしっかりできるくらい健啖なのは良い事だ。ちょっと待っててくれ」

 

あぁ、なんかいいなぁ、こういうの。

 

 

ガラガラガラガラ

 

 

ってあれ?店の扉開いてたんだ。

こんな時間に来るとしたらさとりさんとか地底の人かな?まぁ、定休日決めてるから来てもおかしくはないし。

 

「お休みと聞いてちょっとお邪魔するぞい」

「ぶぶぅぅぅぅ!んふっ‼」

 

あ、意外過ぎてお茶吹いちゃった。って前とは違ってしっぽが見えてる。

 

「ふぉっふぉっふぉ、面白いりあくしょんじゃのう。・・・って朝から嫌な物を見てしまったぞい」

「何をやっているんだ貴様は・・・ってお前は!?」

「何で狐がこんな朝からここにおるんじゃ?」

「あれ?知り合い?」

「まぁ、知っているとは知っているがのぅ。まったくなんでお前さんが居るんじゃ」

「こちらは紫様の命令があってここに居る。お前に文句を言われる筋合いはない」

「そうかそうか。相変わらずお前さんは主様が主体のようじゃのぅ」

「そういうお前は寺に居場所でも無くてここにでも来たのか?」

 

おぉ、一触即発とはこの事か・・・・・。あぁ、美味しい朝ごはんだなぁ。

 

「なんじゃ儂とて、てっきりお前さんが主に捨てられてここに居るのかと思ったぞい」

「何だと‼貴様言っていい事と悪い事があるぞ‼」

「それはお前さんにも言える事じゃ。自分の言った事思い出してみるといい」

「表に出ろ。覚悟はできているな」

「負け戦に挑むとは良い度胸じゃのう」

 

あーあ、2人が俺に後ろ姿見せて玄関から出ていこうとしてるよ。

弾幕ごっことやらが始まるのかな?正直店の前でやられるのはちょっと困るなぁ。

 

ご馳走様でした。ふぅ、後は熱いお茶でも入れて一服するかな。

さてその前にやらなっきゃいけない事がある。

 

「 後ろの正面だぁあれ 」

 

 

 

******

 

 

 

「やっぱり、食後は熱いお茶だな」

 

ひと仕事した後だとさらにおいしい。

 

さっきちょっと暴れそうだった2人は俺の後ろの普段使っていない個室スペースでノビてますよ。

ノビびているって言っても、俺は紳士だからこんなことで暴力は振るわないし、もちろんエロい事もしていない。

 

ただちょっとモフっただけだ。後ろに立って尻尾をモフモフっとね。

俺は猫とか犬とかモフるのは好きだし、マッサージも良く家でさせられていたのでそういった類の事は得意だ。

 

見ろよ・・・、この2人の気持ちよさそうな顔を・・・・。さっきまで一触即発だったんだぜ・・・・。

ってなんか死亡フラグ回収しちゃった後みたいでで縁起悪いなぁ。

1杯目が飲み終わったし、2杯目を淹れる前に・・・・・

 

 

「さて、おふたりさん。落ち着いたか?まだやるってんならこっちも諦めて貰えるまでやらせて貰うぞ」

「い・・・や・・・・、もう・・・・しない・・・・」

「う、うむ・・・・ふぅ・・・・・もう・・・どうでもよくなったぞい・・・・・・」

 

万事解決。ミッションコンプリート。メガ〇ポリスは日本晴れ。

しかし、気持ちよかったな。2人とも毛質は違ったけどそれぞれ良いしっぽだった。

機会があれば是非またモフらせて頂きたい。

 

「2人ともお茶が入ったからこっちに座りなよ」

「うん、その・・・またも手間をかけさせてしまって、すまなかった」

「いやぁ、朝起きて間もなくあまり頭が働いてなかったとはいえすまんかったのぅ」

「ま、収まったので良いですよ。役得だったのでお気になさらず」

 

今日はホントに良いことが多いな。 

いやぁ、善行の積み重ねかな。良きかな良きかな。

 

「ところでマミゾウさんは何でこんなに朝早くからここへ?何か御用時でも?」

「おぉそうじゃった。お前さんに用事があったのを忘れておった」

「気をつけろ、こいつは何か面倒事でも持ってきたに違いない」

「うるさい狐じゃのぅ。お前さんよ、狐の朝ごはんを食べて異変はないか?何を盛っとるかわからんぞい」

「はい2人ともまた言い争い始めそうになるのはやめてくれ。間にいる俺が気まずい」

「う、うむ、そうじゃのお前さんに迷惑をかける訳にはいかんからの」

「それは私も同じだ。お詫びでいるのに迷惑をかけるなんて」

「で、何の用事があったんですか?わざわざ休みの日を狙ってきたんですから時間のかかるものですか?」

「まぁ、そうじゃな。お前さんに会いたいと言っている人がおってのぅ。その本人の代理で来れないか聞きに来たんじゃよ」

「要は使いっ走りなだけじゃないか」

「うるさいぞ狐。で、どうじゃ?急で悪いんじゃが来れんかのぅ?」

「構いませんよ。今日はたいして予定も何も無かったですし、外に出るのも悪くないでしょう」

「おぉ!そうかそうか‼」

「それじゃ行くとするかの。いやぁ、良かったぞい」

「今からですか⁉それはちょっと急ですよ・・・。そうですね。色々準備したいんで午後からでいいですか?」

「なんで本人が会いに来ないんだ?わざわざ仁を出向かせるなんて・・・」

「忙しい人なんじゃからしょうがなかろう」

「でも俺に会いたいって面白い方ですね。どこにでも居るような奴なのに」

「あぁ、まぁ、それもそうじゃのう・・・。って儂が話した事も影響しておるんじゃろうけど」

「おい、なんだか怪しいぞ。本当に大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫に決まっておろう。何じゃ、狐。なぜお前が仁の事をそんなに気にする?」

「はいはい、で、どんな人なんですか?女の人?美人?」

「まぁ、女で美人じゃの」

「性格は?」

「まぁ、礼儀正しく、おっとりとしていて僧侶兼魔法使いって感じじゃな。博愛主義者と言う言葉がっぴったりな感じかのぅ」

「なるほど・・・・・。そんな高貴そうな人にお呼ばれするとはね・・・」

 

これは、モテ期が来たか?

いやぁ、そんな事はないってわかってるんですけど、綺麗な人が俺の呼んでいるって考えるとなんかニヤけちゃうよね。男の(さが)だから仕方がないね。

 

「貴様、鼻の下が伸びているぞ」

「いやぁ、そうか?まぁ、美人さんにお呼ばれしてるんじゃそうなっても男としてはしょうがないよね」

「お前さん、今の状況忘れとらんかの?」

「え?何ですか?藍さんとマミゾウさんが喧嘩しないように間に入ってお話しているだけじゃないですか?」

 

ま、こんな美人2人に挟まれているんだから間違いなく役得ではあるけれどね。

あっちじゃとても考えられない事ではある。はー、偶然とはいえ幻想郷に来てよかったー。

 

「なるほどのぅ、わかっておってその反応か」

「そうかそうか、それだけ、ときたか貴様は大層なご身分だな」

「え?なんか2人とも怒ってる?」

「怒ってないぞい」

「そうだ、なぜおまえに怒らないといけない」

「おふたりともしっぽが逆立ってますよ」

「「何っ⁉」」

「嘘です」

「ぐっ、姑息な・・・」

「むぅ、やりおるのぅ」

「そんなとこ見なくても、露骨に言葉尻が強くなったし眉も吊り上がったしそれって何かした不機嫌になった時の特徴じゃないですか」

「えぇい、気が付かなくてよい所にだけ気が付くのぅ、お前さんは」

「まったくだ、こいつはなんだかいろいろと抜けているぞ」

「えぇ、なんかよくわからんけどメッチャ非難されてるぅ。で、なんで急に不機嫌に?」

「自分で考えろ。私はもう役目も果たしたし返るぞっ」

「狐と被るのは癪じゃが、儂も帰る。一応午後になったら迎えに来るからの」

「えぇ、ちょっとなんで不機嫌に・・・・「「自分で考えろっ」」・・・・はい」

 

 

ガラガラガラピシャ‼

 

 

・・・・何なんだぁ。女ってよくわからねぇ。

 

 

 

*******

 

 

 

13時。約束通りならもうじき迎えが来る頃だろう。

 

さて、人にお招きされたのに何も持って行かないって言うの俺の中では礼儀に反するので甘味を持っていくことにした。僧侶って言ってたけどこれなら大丈夫なはず。う~ん、気配りできる俺っていい奴だなぁ。

 

さて後はマミゾウさんが来るのを待つだけなんだけど、朝の一件はよくわからん。

俺なりに考えてはみたんだがどれも今回のケースに当てはまらない可能性が高いのでわからない。

今まで見てきた男女間のトラブルのケースはいくらでも見てきたが、あくまでカップルとかそういった感情を持ち合わせていた場合の事である。

うーん、よく観察はしてたつもりなんだけどなぁ。まだまだ感情におけるケースで分かっていない物が多いんだなって事を実感した。女は特にホントよくわからん。

 

「お茶でも飲んで一服しますか」

 

ってなんか玄関先に人の気配がするな。

 

ガラガラガラ

 

「ってマミゾウさん?何やってるんですか?」

「やぁ。朝の事があってちょっと入りにくくてのぅ」

「あぁ、気にしないでください。俺がまだ知らない事が多いんだなって学んだ位ですから。俺、まったく気にしてないんで、マミゾウさんも気にしないでください」

 

うん、気遣いのできるいい男の言葉だな。これが神対応とでも言えばいいかな。

 

「むぅ・・・、まったく気にされないのも癪なんじゃが・・・・」

「⁇何か言いました?」

「いいや、何も。用意はできとるかの?」

「はい、ばっちりです。行きましょうか」

「それじゃ案内するぞい。ってなんじゃその手荷物は?」

「美味しい手土産ってとこです。他人の家に行くのに何も持って行かないのも失礼でしょ」

「呼び出したのはこっちなんじゃから、そんな事気にしなくてよいのに。ふぉっふぉっふぉ、変な所で真面目で気配りが出来るんじゃのぅ。もうちと儂にも向けて欲しいぞい」

「それならいつもしてるから大丈夫ですね‼」

「・・・それはどうかの?さて行くとするか」

「?案内よろしくお願いします」

 

まぁちょっと最後の言葉は気になったけどまぁいっか。

さて今日はどんな人に会えるのかな?

 

 

 

********

 

 

 

~道中~

 

「意外と歩きますねぇ」

「まぁ、そうじゃな。それ、もう少しじゃから頑張れ」

「はぁ、歩くのは良いですけどよく汗かきませんね・・・」

 

俺はもともと汗っかきなのもあるが、熱さとも相まってかなりの汗が出ているというのに。

 

「まぁ、これくらいで汗をかいておってものぅ。とはいえ特に今日は暑いから汗をかくのは無理もないぞい」

「まぁ、水分補給してますから大丈夫ですけどね」

「さっきから何を飲んでおるんじゃ?」

「梅ジャムを溶かした梅ジュースですよ。塩分とか糖分とか摂れるので水飲むよりはかなり熱中症対策にもなるのでおススメです」

「なんだか美味しそうじゃのぅ」

「俺の口付けた奴で良ければ飲んでみます?まだあるんで気にしないで飲んで良いですよ」

「う、うむ、それじゃ頂くとするかの。・・・・・うん、確かにこれは美味いし汗で抜ける塩分の補給にもなってよいのぅ」

「でしょ。ははは、良い飲みっぷりですね」

「思わず飲み切ってしまった・・・。もう少しで着くとはとはいえ悪い事をしたのぉ」

「気にしないでくださいよ。まだあるって言ったじゃないですか」

「いやもうこれは空じゃぞ?」

「いやもう1本持ってきてるので・・・」

「なんでそれを渡さんのじゃ‼」

「あ、それもそうですね。俺の口付けたのなんかを飲むより、もう着くんでしたらこっちを渡しても良かったのか」

「っ‼そうなんじゃが、そうじゃない。全く・・・・・・・。お前さんと話しているとペースが狂うのぅ」

「ま、そこを含めて俺との会話は楽しんでください・・・ってなんかお寺が見えて来ましたよ?」

「ん、あそこが目的地じゃ。ほれ、もう着くからそれをよこさんか」

「わかりましたよ、どうぞ」

「と言った所で到着じゃ。ここは命蓮寺と言う寺院じゃよ。お前さんを呼んだ住職を呼び行くからそこで待っておれ」

「わかりました~」

 

と言ってマミゾウさんが中にはいていったので入り口付近で待つことにする。正直色々見て回りたいけどね。

なんか賑わってる所だなって言う印象。妖怪も人も入り混じっているけど険悪な雰囲気はないし、前に霖之助が言っていた妖怪は人間の敵って言うルールが嘘みたいだ。

 

ドルルルルルルルル

 

「って何だこの音?」

 

あっちの世界でよく聞いた音だな。・・・・バイクだ‼この音バイクの音じゃないか‼

でもこの世界に車とかバイクとかってなかったような・・・・。

ってなんか近くなってるのかな?音が大きくなってきたような・・・・・。

 

この音だと大型かな。いいよなー、俺も大型の免許欲しいんだよなー。ハー〇ーダ〇ッドソ〇とか乗り回したい。

と思っていたら目の前で止まった。

 

「あらようこそ、命蓮寺へ。今日はわざわざ来ていただきありがとうございます」

「え?あ?はぁ」

 

何と言う事でしょう。やけに扇情的にライダースーツを着こなす美人さんが。

ちょっと扇情的過ぎて俺のような男には直視できませんね、はい。

 

「なんじゃ、外におったのか?」

「あら、マミゾウさん。すいません。ちょっとお迎えに行った方が言いかと思って出てたんですけど着いていらっしゃったんですね」

「マミゾウさん、この方はどちら様?」

「あぁ、そういえば説明してなかったのぅ。お前さんに会いたがっていたここの住職じゃよ」

「初めまして、命蓮寺住職の聖白蓮と申します。以後お見知りおきを」

「あぁ、こちらこそ初めまして。鷹崎仁と申します。えーと、今日は呼んで頂きありがとうございます?」

「ふふっ、そう硬くならずに。さて、ここで立ち話も良いですが中に入りましょうか」

「そうですね」

 

さて命蓮寺住職聖白蓮。

俺の最初の印象はライダースーツを扇情的に着こなしてこんな大型バイク乗り回してる人が住職なんてほんとに面白いなぁって感想だった。

けどそんな印象があっという間に変わるのは想像に難くないだろう。だって、この寺の住職って事はそこに立てるだけの力があるって事だからな。

 

さて、そんな人が俺を呼びだしてまでの話とは何だろうか?これはちょっと気を引き締めていかないとな。




いつも通りではありますが、最後までお読みいただきありがとうございます。

タイトルの段階ではちゃんと白蓮様がメインの回になるはずだったんですよ。
でも書いてみたらあら不思議。あっという間に狐と狸がメインの回に。
どうしてこうなった・・・・・・?

鈴奈庵6巻を読んで紫さんとマミゾウさんへの熱量が上がってしまい前置きのつもりだった部分が今回のメインになってしまった・・・。反省も後悔もしていない。可愛いと思って貰えたらそれでいいんだ‼

そしてうちの藍様は堅物のイメージから相当変わってしまったなぁ。
もうちょっと固くするつもりだったんだけど、どうしてこうなったんだろう。
まぁ、俺の中では可愛いから良し‼

一応、紫さんと藍さんとマミゾウさんの可愛さの方向性は違うようにしているつもりなので、違いがわかって貰えかつ可愛いと感じてもらえたら幸いです。

そして紫様の置き手紙のP.S.の最後の一文の 頭はとる物よ はお解りいただけましたか?え~簡単に解説すると手紙本文の一文ごとの頭の文字を取ってください。感じの所はひらがなにするとわかり易いと思います。そうして頭を取って繋げると寝覚めにふさわしい言葉が浮かんでくるはずです‼こういった小ネタも挟んでやっております、ノリさんです‼

さていつもの宣伝。
活動報告でアンケ-ト的な事をやっているんで、もし興味があれば是非‼
そしてTwitterもやっているので興味があればそちらも是非。

そんな感じで次回はちゃんと白蓮様メインの回にするから‼今回はたまたまちょっと寄り道が寄り道じゃなくなっただけだから‼

と言う訳で、次回でお会いしましょう!さようなら‼

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