ニコニコ動画で天体の回転についてという動画を見て思いつきました。
「ははははは!やはり、やはりそうか!!我は滅ぶか。そうかそうか!はははははは!しかし、我が復讐は成し遂げた!モリアーティよ、よくぞこの同盟にここまで付き合ってくれた!永きに渡る同盟はここで終焉としよう!」
魔神柱バアルは笑う。笑う。笑う。
計画の成功に歓喜する。
「ああ、さらばだ。魔神バアルよ。お互いに無為と知りながら、全てを捧げた者よ!記憶を消すことに同意して、憎き人間に成り下がるという屈辱にすら耐えて復讐を望んだ者よ!さようなら、魔神柱。さよなら、バアル!」
モリアーティも笑う。笑う。笑う。
計画の成功に歓喜する。
生前、遂ぞ勝つことができなかった世界一の名探偵、シャーロック・ホームズに計画によって勝つことができたのだ。
「ああ、我らは同類であろうさ!モリアーティ!藤丸立花!お前は私は直接殺すことができなかった!お前の力が我らを上回った。それは認めよう。そして、それに憤怒、恥辱、屈辱、侮辱。それらを感じよう!しかし、我が復讐はここになった!藤丸立花!お前はここで死ぬ!必ずだ!お前は、ここで。死ぬ!」
バアルは高らかに宣言する。藤丸立花はここで死ぬ。
しかし、バアルはもう死にたいで残るはモリアーティ一人。
カルデア側にはセイバーオルタ、そして真名が不明だが、ここまで付き合ってくれた新宿のキャスターがいる。
藤丸立花の方があからさまに優位なのだ。
ここで藤丸立花が死ぬ要素など殆ど皆無と言っても過言ではないだろう。
「なんだって…?何を言ってるんだ、バアル!」
「ハハハハハハハハハハハハハハッ!ハハハハハハハ!」
バアルが高笑いを上げながら消えていく。
しかし、藤丸には何も起こらない。
アレはバアルの負け惜しみであったのだろうか。藤丸がそう考えている間にセイバーオルタがモリアーティに剣を向ける。
「貴様もここで終わりだ、モリアーティ」
「終わり?私がか?。確かに私もここで終わりだ。しかし、お前達も終わりだよ。この惑星も、だ」
「……ッ!?」
「な!?新宿の上空に隕石の反応が突然現れた!?これは。この構成は、ベンヌだ…!」
ダヴィンチちゃんは焦ったようにまくし立てる。
「だ、だが、新宿上空は常にシバで観測していたはずだよ!これでは、まるで空間転移でもしたみたいじゃないか…!」
「この世界には様々な物語が渦巻いている。文豪シェイクスピアのリア王、マクベス。中国の無頼漢供の物語。狼王の物語。首無し亡霊騎士の物語────。そして、私とホームズの物語もそうだ。しかし、重要なのはとある物語で、ザミエルの魔弾は7発中、6発は確実に必中であるが、7発目は悪魔が操作するのだよ。そして、ザミエルの大切な物を奪い、絶望させる。分かるかね?この物語において7発目の魔弾は重要な意味を持つ。そして、死神にも等しい力をも持っている。そして、悪魔は必ず7発目を打たねばならない。ここまで言えばわかるだろう?」
「ま、まさか…!」
「7発目が、ベンヌということか…!これは僕にも予想外だ…伝承などは専門外だから盲点だったな…!」
新宿のキャスターとマシュの驚愕を横目にモリアーティは続ける。
「そういうことだ。そして、私の死が確定した時点で、隕石は近くに空間転移する。私が死んだら7発目は撃てないからね」
「だ、だけど、それならモリアーティの思い通りにならないはずです……!……あ、まさか。あなたという人は…!」
「マシュ?」
マシュの様子に疑問を抱いたのか藤丸がマシュを心配するように問いかける。
「先輩…この人はあなたを命をかけて守ろうとするまで──大切なものにしたのです!記憶を消すという賭けをしてまで!」
「そう、私は6発の魔弾では隕石を弾丸とする強制力がないことに気づいた。ならば7発目を使うしかない。しかし、私には大切なものというものがない。ならば記憶を失って共に危機を潜り抜ける、冒険をするという賭けに出るしかなかった。この賭けは危険な賭けだった。バアルにも記憶を失ってもらい、私を善のモリアーティと認識して、全力で始末しに来てもらわなければいけなかったからだ。彼は極めて低い確率だと理解した上で、この計画に賛同した。突出した才能もないくせに7つの特異点を攻略し、遂には時間神殿すら攻略したマスター、藤丸立花君を殺すにはこれしかない、と」
「モリアーティ君の計画が成功すれば、魔弾は必ずタワーに届くから、いくら藤丸君でもどうしようもないだろうから、ということだな」
モリアーティは続ける。
「君たちの心は、人間性は美しい。善と呼ばれるに相応しいものだ。だからこそ、君たちは悪に強く、善に弱い。これは仕方のないことだ。毒を持って毒を制す。薬を持って薬を制す。そういうことなのだよ」
「外道めが…!」
セイバーオルタがモリアーティのあまりの外道畜生ぶりに嫌悪の表情を見せる。しかし、モリアーティはまったく応えた様子を見せずにまた、続ける。
「ああ、そうとも。外道だとも。何故なら私は犯罪界のナポレオン!ジェームズ・モリアーティだ!さて、隕石がバレルに装填されるまで、あと五分。ホームズが来ない限り、私の計算に狂いはない。私の勝ちだ」
勝ち誇ったモリアーティに新宿のキャスターは告げる。
「なるほど。では。僕の宝具がそれを防げるということも想定済みかな。数学者」
「何…?防げるだと…?確かに君、キャスターの真名と宝具は私にも推測できなかった。しかし、戦闘能力から見るに大した宝具を持っていないはずだ、キャスター!」
モリアーティの動揺に新宿のキャスターは勝ちを確信したのか、高笑いを上げる。
「フフフ…アハハハハハハ!流石のモリアーティ教授も僕の戦闘能力からこれは推測できないだろうしね。さあ、真名の開帳だ!我が名は彗星の観測者、偉大なる天文学者エドモンド・ハレー!そして、我が宝具の名称は神域の天上の巨大彗星!──
新宿のキャスター、エドモンド・ハレーは高らかに宝具の真名を叫ぶ。
すると──カルデアの計測器に巨大な隕石──かの有名なハレー彗星の反応がベンヌの斜めうしろから検出されたのだ。
「こ、これはハレー彗星だ…!ハレー彗星がベンヌの斜めうしろに落ちて来ている!」
「な、ハレー彗星だと‥まさか、戦闘時にどこからか飛んで来ていた石のかけらはハレー彗星のかけらだとでもいうのか…!」
ハレーは自慢げに説明する。
「僕の宝具、神域彗星はハレー彗星を召喚、自在に操る宝具だ。魔力の消費が激しいという欠点はあるが──たかがベンヌ程度、完全破壊すら可能だよ!」
〜詳細〜
クラス:キャスター
真名:エドモンド・ハレー
属性:中立、悪
属性:星
性別:男
身長:
体重:
筋力E: 耐久E: 敏捷:D 魔力:B 幸運:B 宝具:EX
クラス別スキル:陣地作成D 道具作成-
固有スキル:
天賦の叡智A
*並ぶ者なき天性の叡智を持つ者のスキル。モンスーンの研究や恒星の固有運動の発見など様々な研究成果を成し遂げた彼は並ぶ者なき天性の叡智を持っている。
星の開拓者EX
*ハレーはハレー彗星の到来を予言し、そして的中させた。
それまで神の領域であった宇宙という天上の世界を人間の領域にまで引きずり下ろしたハレーは、まさに星の開拓者である。
南天星表EX
*南半球から見える300以上の恒星についての記録。
宝具:
神域彗星(ハレー)
*ランクEX
*レンジ0〜99
*最大補足1000人
*対城宝具
*神の領域であった天上の世界を解き明かし、世界で初めて周期彗星であるハレー彗星を予言し的中させたという逸話の具現化。真名解放前から彗星の欠片を何処からか到来させて攻撃でき、真名解放するとハレー彗星そのものを召喚、落とすことができる。
プロフィール:
真名エドモンド・ハレー。
17世紀頃、イギリスで天文学、物理学、数学、気象学など様々な分野で活躍した才多き学者。
恒星の観測、ハレー彗星、年金、モンスーン、月、重力、金星、惑星の固有運動など様々な研究成果を成し遂げている。
彼は自然科学の父アイザニック・ニュートンを支援してプリンキピアの出版費を出すなどしているが、もし、彼が居なかったらニュートンの論文は発表されずに科学文明の革命に遅れが出ていたかもしれない。
「僕は戻ってきたこの星を見ることができない。だが、この予言を残したイギリス人がいたことを忘れるな」