遊戯王の世界に生まれたのですがどうすればいいのでしょう? 作:火影みみみ
新テーマに新たなトリックスター。
聖杯関連の背景など胸が躍りますね!
漫画版Arc-Vも面白い展開になってますし、今後が楽しみです。
……まあ、マスターガイド発売はずっと先なんですけどね。
◤月◤日
【朝】
十歳になりました。優華です。
最初にハートランドシティに行ったのがもう四年近く前ということに驚きつつ、それまでにあったいろいろな出来事を振り返ったりしてみる今日この頃。
思えばいろいろなことがありました。
精霊と出会い、ミエルと出会い、ハートランドシティに迷い込み、瑠璃ちゃんと出会い、遊矢君や柚子ちゃんと出会ったり……。
様々な出会いと発見を繰り返し、今日にいたることの感慨深さと言ったらそれはもう日記には記すことはできないと思う。
だからね、たぶんすっかり腑抜けていたと思うんだ、私。
四年間という時間、それがハートランドシティに迷い込んだこの異様さをすっかり日常の一コマとして受け入れてしまっていた。
だからね、今朝起きて扉を開けた時、すごい驚きました。
……なんで扉開けたらスラム街に繋がってるん?
【昼】
扉を開ければそこはスラムなどという超常現象。
若干混乱したものの、四年前と似たようなものだと思い探索を開始。
それで分かったことと言えば、ここは私の知らない場所らしいということくらい。
活気あふれるとまではいかないものの、ある程度の人はいるようで。
適当に物陰に隠れつつ、街の人たちの様子を観察する。
けれど、なんというかこう。
ハートランドシティと比べると、覇気がない、いや、元気がないように思える。
なんだろうこの違和感。
あとどうやらここは『シティ』と呼ばれているらしい。
そして、ここにはシンクロ召喚が存在していることがわかった。(たぶんシンクロ担当
ハートランドシティのことがあったからネオドミノシティ辺りでも行けるのかと思っていた私のわくわくを返してほしい。
今、この日記は適度にこのスラムを探索してる途中で、いったん家に帰って書いている。
次は夜になると思う。
【夜】
今日の調査終了。
結果としてはちょっと嫌なことが分かった。
昼から夜の探索は変装してやってみた。(そのための一時帰宅
個々の雰囲気が異様だったのも気になったし、嫌な予感がしたから。
目元を隠し、髪型も帽子で隠し、服装もいつものおしゃれではなく、目立たたないものに変える。
そうして出てみれば、……なんともまあここはひどいところだった。
まず格差社会がひどい。
シティのトップスと呼ばれている人口1%の人たちが資産の99%を独占し、その他の人間はスラム街に住むことを強制されるとかすごいディストピア。
あと噂によればセキュリティと呼ばれる警察っぽい組織につかまると収容所に入れられるらしい。
所々にちりばめられた5D's要素はうれしいけれど、さすがにこの状況では楽しめない。
さすがに動きすぎたので今日は早々に寝ることにする。
◤月►日
【朝】
まさか寝て起きても景色がそのままとは思わなかったよ。
ふとカレンダーを見てみれば連休を記す赤い日付……。
ああ、なるほどね。連休だったからまだまだ遊べるドン!ということですかそうですか。(orz
……幸いにも予定はなかったので今日も探索にあてることにする。
【夜】
今日も一日が終わる。
今日の探索結果といえば年に一度フレンドシップカップという大会があるらしいということと、その大会にでた人のうち、負けた人は帰ってきてはいないということ。
あとシンクロ召喚があるからということか、アクセルシンクロで有名なライディングデュエルも健在。
地下では違法デュエルが行われ、道路ではあのデュエル優先の迷惑システムが通常通り機能している。(今日もあったけど、結局負けてセキュリティに連行されていった。
ライディングデュエルがあることはうれしいけれど、そこでふと気が付いた。
ワタシ十歳じゃん……、年齢と身長が全然足りないじゃん……。
一応探してはみたけれど、デュエルボードはなかった。(やっぱりネオドミノじゃないからかな?
確か遊星が十八歳でアキが十六歳、龍亞龍可が十一歳だったはず。
それで双子はDホイールに乗ってなかったはずだから(アニメ)……、ちょっと厳しいかなあ。
◤月◢日
連休三日目、ある程度調べが付いたのでここからは趣味に走ることにする。
それで、今日分かったことは三つ。
一つ、ライディングデュエルについて。
5D'sではシンクロ召喚はすごい昔からあって、それと共にライディングデュエルもあったと思われる。(初代とGXにはなかったけど。
しかし、こちらでのライディングデュエルの歴史は浅く、トップスに不満を持ったコモンズの人々が始めたことがきっかけらしい。(シグナーなんてなかった。
またこちらのデュエルもリアルソリッドビジョンを使用しているため、事故が起こりやすいとのこと。(というか大丈夫? 死人とか出たりしない?
私もいつかはライディングデュエルをする予定なので、それまでにテクニックと知識を蓄えておきたいところ。
二つ、もはや恒例のカード拾い。
昨日と一昨日もいくつか拾ったけれど、今回は力を入れて探した。
結果? 結構拾うことができた。
知らないシリーズだと竜星と不知火、知っているものだとあのジャンクやシンクロン、ウォリアーなどのシリーズ。(これで遊星ファンデッキ作れるかな?
あとカードが落ちてることに疑問はないけど、もうちょっとカードを大切にしてほしいと思う。
三つ、D・ホイールについて。
ライディングデュエルには必要不可欠なこのバイク。
普通なら完成品を買い、説明書や専門誌などで整備の方法とかを学ぶべきなのだけれども、そんなものこんなスラムにはない。
トップスの所にならばあるのかもしれないけれど、この街の住人ですらない私に買えるとは思えない。(そんなお金もない
Q、つまり? A、頑張って作ってね♡
というのは冗談で、正直この点に関しては手詰まり感がすごい。
知識方面はいずれは学ぶべきなのだけれども、さすがに自作まではできない。
一からパーツを揃えて、作り方調べて組み立てる。
これだけでも一体何年かかることやら……。
◤月◆日
連休最終日。
たぶんおそらくきっと明日には帰れるはず。
かなり刺激的な四日間だったけれど、今思い返せばすごく楽しかったように思う。
特に今日はあちこち動きまわってすごく疲れた。
さすがにそこら辺をふらふらするのももったいないと思ったので、思い切ってシティの地下にあるという怪しい施設に潜入してみることにした。
伝説の傭兵のように段ボールをかぶって潜入……できたら面白かったけれど、さすがに怪しまれるのでそれはなし。
かわりに自分が気づかれにくくなる魔法を影霊衣の大魔導士にかけてもらい、それっぽい人の後ろをついていく。
監視カメラには十分に気を付けて、廊下の端から端をそそくさと、もしくはカサカサと壁に張り付くようにスニーキング。
怪しげな地下へのエレベーターに同伴させてもらい、ついたところは労働施設。
右を見ても労働者左を見ても労働者。しかもみんな明らかに強制労働させられているご様子。(後ろにかなり屈強な監視員が見張ってたし
どうかしようかと一瞬考えたものの、今助けても社会自体が変わらない限りまだまだ同じことが続くのは目に見えてたし、正直全員助けられる実力も余裕もない。
なので少しの申し訳なさを感じつつ、彼らのことは放置。
まあ、運が良かったり囚人のように期限が決まっているのならいつかは出られると思う。(たぶんおそらくきっとメイビー
そこでどうでなら何か使えるものはないかとあちこち漁ってみたところ、結構ジャンクパーツが多いけれど、中には使えそうなものがいくつか混じっているのがわかった。
ただ、私にはどう使えばいいのかわからないので放置。(そしてなぜかここにも落ちている遊戯王カード。どこかから紛れ込んだのだろうか?
D・ホイールでも捨ててないかな?と都合がいいことを考えつつ、あちこち動き回っていたのですが、どうもここに面白そうなものはないことがわかっただけでした。
仕方ないので家路につこうとしていた帰り道の途中、急に警報が鳴り響いたかと思うと警備員に囲まれる私。
……魔法の効果、切れてんじゃん。
そこからは全力で逃げました。
私の持っている技術とカードのすべてを導入して夜のシティを駆け巡りました。
アトラに糸を張ってもらって追手をからめとったり、源竜星-ボウテンコウに乗って飛び去ったり、もう一度魔法かけ直してもらったりと全力で、もう全力で逃げ回りました。
そして追手をまいたと確信して、さらに念のために回り道を使って家に帰る私。
汗を流し、夕食を食べて、体力が尽きる寸前で日記を書いている。
明日、舞網に戻っていると信じつつ、今日はお休みなさい。