FE覚醒~誓いの剣と精霊の弓~ 作:言語嫌い
前回の投稿から、もうすぐ2ヶ月が経とうとしている言語嫌いです。
いろいろと紆余曲折を得た結果、とりあえず、完成したので投稿します。
今回の話は前回の外伝の続き。原作でいう、外伝の3、4の話です。ついでに言うと、外伝3の要素は皆無。そして、原作要素は投げ捨てるもの……という内容です。
本編にはあまり関係ないため、読みたいと思われた方はどうぞ。
それは、何気ない日常――――
「ねえ、レナート。今、あなたは幸せ?」
そう、どこか不安げに尋ねてきた彼女に俺は答えられなかった。
だから、気付かれたのだろう。それ故に、決意してしまったんだろう。その結果、彼女はいつの間にか俺の手の届かないところに行ってしまっていた。
だが、今なら、はっきりと答えを返せる。今の俺は――
「きっと、幸せじゃない」
なぜ、気付けなかったのか。なぜ、もっとあいつのことを気にかけてやれなかったのか。なぜ、あいつに何も返してやらなかったのか。そんな後悔ばかりが俺の胸の中を駆け巡り、堂々巡りの末に、きまって最後に思い出すのは、彼女の太陽のような笑顔ではなく、最後に見せた、泣くのをこらえて必死に作り上げた張りぼての笑顔だった。
「俺は、また、失うのか?」
月明かりの下、隣でおだやかに眠る彼女を横目につぶやく。少し前まで当たり前のようにあふれていた彼女の安らいだ顔。これを見ることができるのは、この時を除いて他にはなくなってしまった。しかし、これさえも、すこし間違えていれば、見ることもかなわなかっただろう。
「気付いていたはずだっだ。だが、ごまかしたのは俺だ」
そう、気付いていたはずだった。いや、気付かないわけがなかったんだ。これはこいつのことじゃない。俺自身のことだから。だけど、俺はそれを認めることが出来なかった。それに、認めずともこいつは俺を受け入れてくれていた。だから俺はそれに甘えていたんだ。
その結果が、これか……
「今となっては、伝えることすら叶わないだろうな」
彼女が最後にしたお願いという名の決意。俺はその寂しげな笑顔の下にあったそれに気付かなかった。そのお願いが終わるその時まで、ずっと。もし、なんて言いだしたらきりがない。けど、思わずにはいられなかった。
「嫌な、空だな」
ふと、見上げた空は暗く、雲に隠れた月は見えそうになかった。
――――ウィンダ、もう俺は求めてはいない。望んでもいないんだ。だから、お前が騎士である必要なんてもう無い。俺の望みは変わってしまったのだから……
【言えない想い ~Departures~】
戦場を鋭い叫び声がつらぬく。
「危ない、カルマ!!」
その光景を目にした瞬間、私は血の気が引いていくのを感じた。
「レナート!!」
頭の中が真っ白になって
呼んじゃいけないはずの彼の本名を叫んで
気が付いたら
私の体は彼を突き飛ばしていた。
「っ、ぁあ……」
そして、私は自分に待ち受ける運命を悟った。だから、重力に従い崩れゆく体をなんとか彼の方に向け、最後の言葉を紡ぐ。そう、どうせ最後なのだから、彼に自分の本当を伝えたかった。
「ごめ、ん、ね――レナート……
私はあなたと会えて、幸せだったよ――
鈍い衝撃が体全体を襲った。視界の端で、何かを叫びながら前へと駆けていくレナートが目に映った。届かなかったのかな? それとも、彼にとって、私なんてどうでもよかったのかな? そんな、わからないけど、わかりきっていた事実が胸の中に重くのしかかってきた。でも、次第に薄れゆく意識の中、そんなことどうでもよくなってきた。
「……ろうな…………お…………を……」
だから、私はこう答えた。
「わ、たしも、だ、よ……」
最後に感じたのは、あの日手にしたやわらかな温もりと確かな命の鼓動だった。
「カルマ様」
「ああ、屍兵だな」
「どうされますか?」
私は前方を徘徊する屍兵を見つけると、彼に指示を仰ぐ。個人的にはあれらは排除しておいてしまいたい。今夜、宿をとる村の近辺に不安要素を残しておきたくはなかったから。それに、彼にとって守るものは少ない方がいい。
「倒してしまおう。今回の要件の最中に乱入されても困るからな」
「わかりました」
「俺が援護する。あまり離れるなよ」
「はい」
念を押すように傍にいることを命じた彼の言葉に私は心の中で苦笑する。そのようなことを言わずとも、私があなたの側から離れることなんてないのに。だって――
「私はあなたの騎士です。あなたの傍にいて、あなたを守ることが私の役目です」
――――――行くぞ
彼はそう言うと杖を構えなおし、屍兵めがけて魔法を放った。感情を押し殺したように全くの無表情から放たれた光は、どこか冷たく、いつにも増して鋭かった。
屍兵との戦いはいつかの日に聞いた言葉と同じ言葉から始まった。でも、私の顔も冷たく凍ったままで、胸を指す痛みは増していくばかり。あの時よりもずっと、ずっと強固な関係で結ばれているのに。
「っ! 〈ウィンド〉!!」
全てを吹き飛ばすように叫びながら唱えた風魔法は、私と周囲の雪を巻き上げながら前方へと突き進む。
白く染まった視界の先に見えたのは死してなお動き続ける亡者の群れと、黒い粉塵にのまれつつある自分の槍だった。
―――― ねえ、苦しいよ……レナート ――――
本当に届けたい思いは知られたくない想い。漏れ出た言葉は雪の様に溶けて消えた。
「久しぶりね、カルマ。元気にしてた?」
「ああ、まあな」
「相変わらずね。そんなんじゃ、寄ってくる人も逃げちゃうわよ? 現に、あなたは司祭だっていうのに、護衛の一つも……って、あれ?」
「カーム、こいつが今回の手紙の差出人のアンナだ」
「そうでしたか。よろしくお願いします。私はカーム。彼の騎士です」
屍兵の討伐を終えた私たちはそのまま村へと向かった。そして、村が目視できるところまで来たとき、私たちと同じように屍兵を倒していた女性――手紙の差出人と合流した。彼女の名はアンナ。彼が言っていたとおりなら、行商人として世界各地を旅しているらしい。
「へ? って、え!? え、あ、あれぇ?」
けど、なにやら、彼女にとって想定外のことが起きたらしく、今は完全に固まってしまっている。ためしに目の前に手をかざしてみるも、動きはない。どうしましょう? と彼の方を見ると、彼は見なかったことにして村に入るつもりらしく、彼女に背を向けていた。まあ、彼が放置しても問題ないと判断したのなら私もそれに従うまで――――と、思っていたのだが、後ろから、ものすごい勢いで件の行商人、アンナが駆け抜け、彼の行く手を阻んだ。
「すこし、待ちなさい」
「どうした? 話なら、宿に着いてからするはずだろ?」
突然のアンナの行動に彼は不思議そうに首をかしげた。もちろん私も何がしたいのか、さっぱりわかってないので、彼と同様に首をかしげながら、小走りで彼に駆け寄る。そんな私たちに、彼女はとびっきり大きな爆弾を投下した。
「それとこれとは別。あなた、騎士なんて連れて無かったし、邪魔になるから仲間はいらないんじゃなかったの?」
「……記憶にないな」
……その間はなんなのかすごく気になる。そして、アンナは騙せても、私は絶対に騙されない。その顔は絶対自分の言ったことを覚えている。
「カルマ、できればその話を私も詳しく聞きたい。あなたが許してくれるのならば」
でも、私はこれでも彼の騎士。これまでのように、彼に無茶を言うわけにはいかない。だから、お願いする。あまり変わってないけど、仕方ない。だって、とても気になるから。だいぶ下手に出た言い方をしたせいか、アンナの彼を見る視線の温度が急激に下がった。
「何とも従順な人を見つけたものね。あなた、彼女に何をしたのかしら? 事と次第によっては、ただじゃおかないわよ」
腰の剣に手をかけながら彼女は彼に迫る。それに対し彼はため息とともに、軽く目を閉じると、杖を振り上げ彼女の頭を小突く。
「いたっ! 何するのよ!」
「とりあえず誤解を解いておこうと思ってな。彼女は自分から騎士になると言った。俺が勧めたわけでもなければ、強制したわけでもない」
「ふ~ん」
話しは以上だとでも言いたいのか、いぶかしげに自分を見るアンナを放置して彼はそのまま村へと向かう。
「カルマ。それだと、なんで彼女と一緒に行動してたのかの説明がつかないわよ? さすがに、出会ってすぐ騎士になりたいって言ってきたわけじゃないんでしょ?」
「……はい。私が彼の騎士になったのは、とある村へと移住したのがきっかけです。それまでは特に理由もなく、彼の傍にいました」
「あ……、べ、別に、そんな自分を卑下しなくてもいいのよ? 責めているわけじゃないんだから」
どうなの? とこちらへ問いかけてきた彼女に素直に答えると、何故かカルマからはうっすらと怒気が漏れ、それに充てられたのか彼女はあたふたと慌てはじめた。
何か気に障る事でもしたのかな? そんなとりとめもないことに意識を割いている間も彼からの無言の圧力が消えることはなく、結果、宿に着くまでアンナさんがカルマに怯え続けることとなった。もちろん、周囲からの目は痛かったけど、気にしたら負けだってわかってるから気にしない。
「え~、その、あの、と、とりあえず、今回の依頼について手短に話すからね」
「そうだな」
未だカルマと目を合わせられない彼女はどもりながらも何とか今回の目的の話を切り出した。さすがに彼も仕事にまで私情を持ち込む気は無いらしく、常の状態に戻り彼女に話を促す。
「手紙にも書いていたけど、ここら一帯の賊が戦争で国が動けないのをいいことにのさばりはじめてね。道行人から通行料だとか言って、金品を巻き上げるようになったの。数もあるし、何よりトップが強いから、地方の役人程度じゃ手が付けられない状態。治安も悪くなるし、何より商人が寄り付かないからここの人たちの生活が危ういわ」
「それで、賊退治を手伝えと」
「まあ、要するにそういうことね」
「そうか。それで、向こうの人数は?」
「ざっと、30人くらいじゃない?」
「こちらは?」
「3人ね。私と、カルマと、そこのカームさん」
「ほう……3人、か」
「ええ、3人よ」
冷や汗を垂らしながらも不敵に笑うアンナに対し、再び無言の圧力と共に睨みつけるカルマ。まさに一触即発と言える雰囲気を最初に崩したのは、意外なことに仕掛けてきたアンナの方だった。まあ、そうなると思ってましたけど。
「さ、さすがに策がないわけじゃないのよ? もともとあなたと二人で殴りこむ予定だったし」
「無策なら、聞かなかったことにして帰る予定だったんだがな」
「あ、あはは。まあ、策っていっても簡単なのよね。ただ、彼らに酔っぱらってもらって、そこをカルマの魔法で、ズゴンとかまして、難を逃れたのを適当に制圧していくつもり。彼らは力があっても、賢いわけじゃないらしいわ。多くの賊と同じように」
「それで、その酒はどうするんだ?」
「明日、仲間がこの村に持ってくる酒を彼らに渡して、しっかりと酔ってもらうわ。大丈夫、賊なんて単純だから手に入れた夜には宴会騒ぎになってるわよ。なにせこの一帯じゃあ、彼らにかなうものなんて今はいないのだもの」
アンナの言う方法なら確かにこの人数でも制圧可能でしょう。彼の光魔法の威力は凄まじいですし、室内で逃げ場のない状況でくらえば倒せずとも、深手を負わせることは可能。まあ、なんにせよ、私のすることに変化はありません。
「それもそうだな。カーム、こんなことになってしまったが、共に戦ってくれるか?」
こちらを見てそう尋ねてくる彼に、私はいつものように答えた。
「先ほども申しました。私はあなたの騎士です。あなたの傍にいて、あなたを守るのが私の役目です」
「そう、だったな」
「…………」
歯切れの悪い彼の返事と、どこか悲しそうに私たちを見るアンナの様子が不思議で、納得いかなかった。その後、悪い雰囲気を払拭するかのようにアンナが親睦を深めましょう! とやたら元気に私たちを引っ張って食堂へと移動することにより、この件は一応の終わりを見せた。
私は彼女の言っていることが理解できず、問い返す。
「……なにか、おかしいでしょうか?」
「おかしいわよ!!」
「そう、なのか? 旅に出てからはいつものことだが」
「二人旅ならそうだけど、今の男女比を考えなさい! 男はカルマだけで、女は私とカームがいる。どう考えても、私とカームさんが一緒になるべきでしょう! そのために二つも部屋を借りたのに! なのに、なんで――――」
部屋の中で、アンナがふるふると体を震わし、怒りをあらわにしている。対する私たちは何がいけないのかわからず、二人そろって首をかしげる。そんな様子を見て、ついにキレたのか、彼女は爆発した。
「なんであんたたちが一つの部屋で寝るのよ! おかしいでしょ!」
どこが、おかしいのだろうか? 騎士が主の傍にいることに何かおかしな所でも――――などと考えていると、こちらをしっかりと見据えながら、彼女は言う。
「同じ部屋に必要もないのに男女が一緒になるのがおかしいって言ってるのよ!」
肩で息をしながらこちらを見る彼女に対し、私たちは何をそこまで必死になっているのかがわからず、二人同時に顔を見合わせ、首をかしげる。
「まだ疑問があるっていうの!?」
「そもそも、部屋も一つしかとらないものと思っていたのだが」
「二つ取るに決まってるじゃない!」
「私も一つだと思っていたので、今日はカルマ様と共に就寝させてもらおうかと思っていました。そうすれば、あなたもベッドを使えますし、カルマ様が遠慮する必要もないので」
「なんで、そうな……」
「やはり、そう考えていたか。だが、そこは私が床で寝ればいい話だと思うが」
「いや、少し待ちな……」
「いけません。主が床で寝るのに騎士が布団を使うなど、考えられません。それに、カルマ様ならそのように言うと思っていたので、妥協案として考えたのが先ほどのものです」
「妥協も何もそれがおかし……」
「そうか、まあ、俺が彼女と同じ布団で寝るわけにもいかないし、妥当なところか。とはいえ、今回は二つ部屋があるようだから、互いに布団で眠れるだろう。お前も変に気をまわさずにしっかりと休むといい」
「はい。そうさせてもらいます。それでは、私たちは隣の部屋に行きますので、ゆっくりと休んでください」
「アンナ。あまり夜更かしせずにしっかりと体を休めろ。それでは、また明日」
「…………ええ、おやすみ、二人とも」
「行きましょう、カルマ」
「ああ」
自然な流れで会話を終えた私たちは、脱力し机に突っ伏す彼女をそのままに部屋を移動して隣の部屋で就寝の準備をする。もといた村からここまではなかなか距離もあり、その道中は基本野宿だったため、今日はよく眠れそうだ。念のため、光の結界も張ってあるので万が一ということもないだろうし。
「おやすみなさい、レナート」
「ああ、おやすみ、ウィンダ」
いつものやり取りのはずなのに、とても久々な感じがしたというその意味から目を逸らしながら、私の意識は眠りへと落ちていった。
翌日の夜。すべてのことは計画通りに運び、賊はアジトの一室で宴会をしており、数人の見張りを除くと、アジトは完全に無防備な状態だった。
「なんというか、ここまで計画通りだと拍子抜けするわね。まあ、楽な方がいいけど」
そんな風にどこか呆れ交じりに話す彼女だが、その表情にはわずかながら安堵が見え隠れする。彼女によれば、ここのボスも今はその一室で酒を飲んでいるらしいので絶好のチャンスのようだ。
「まあ、頼んだわよ、カルマ」
手早く見張りを倒した私たちは先ほど見た中の様子に苦笑しながらも、後を彼に任せる。彼は静かにうなずくと、呪文の詠唱を始める。
そして――――
「〈アルジローレ〉」
静かに紡がれた言霊と共に、上空から光が降り注ぎ、その一室の中を照らし、焼き尽くす。
「さて、後は残党狩りね」
「カーム」
「行きましょう、カルマ」
「ああ」
「そういうのは、帰ってから私のいないところでやってほしいわね! いくわよ、カーム、カルマ!!」
彼女の言葉にうなずくと、私たちは未だ混乱している賊の中へと突っ込んだ。
そして、これが、私が彼と駆け抜けた最後の戦いになった。
――――――――――――――
戦いはこちらが押していた。最初の攻撃で賊の大半が壊滅。残ったものも決して小さくない傷を負い、また、突然の奇襲により、アジトの中は大混乱になっていた。しかし、敵もさるもので、難を逃れたボスが声を上げて手下をまとめ、こちらへと迫ってきていた。
そんな中、俺は二人によって開けた道をたどり、一気にボスへと肉薄する。そして、目の前にいるこの賊のボスに向けて俺は一撃で仕留めるために、溜めていた魔力を使い魔法を行使する。
「ディヴァイン!!」
放たれた光魔法はそのまま敵に激突し、破裂した。その影響で巻き起こった粉塵を軽く払うと、踵を返し、彼女のもとへと向かう。
正直、油断していたのだろう。
本来なら、確実に仕留めるまでは敵から意識を逸らすことなどありはしなかったというのに。だがその時、柄にもなく俺は焦ってしまった。ウィンダが敵に囲まれているのを見て、あの程度なら問題ないと知りつつも、それでも、どこかで、心配だったんだ。あいつがまた、トラウマを思いだしてしまうんじゃないかと。
そして、敵から目を離したその一瞬のすきが命取りとなった。
「これでおしまいだよ。神父様」
その声に振り替えると、目の前の粉塵が急に晴れる。粉塵を突き破り、出てきた賊は魔法によるダメージは受けているものの、まだ意識はしっかりとしており、戦闘に支障が出ている様子はなかった。
「危ない、カルマ!!」
遠くから注意を促すアンナの言葉もすでに意味をなさない。
俺は今更ながらに、悔やむ。何故、宴会の場にいて、高位の光魔法を受けたこいつが戦闘を行えていたことに疑問を持たなかったのかと。何故、そこから魔法に対する耐性を強化している可能性を考えなかったのか、と。
「……っ!!」
賊の手に握られているのは、敵をより殺しやすくするために作られた威力よりも技を重視した斧――キラーアクス。振り下ろされた刃は寸分たがわず俺の体へと吸い込まれ、その命を刈り取っていく
「レナート!!」
――――はずだった。
俺の体は刃が通り過ぎる寸前に横からの力によって飛ばされ、地面へと倒れこむ。
そして、
そんな俺の目の前でカームは……
「あ………………ごめ、ん、ね――レナート……」
俺の代わりに鋭き刃をその身に受けて――――
崩れ落ちるその体から大量の血を流し――――
俺の方を見て、哀しく微笑みながら――――
「今まで、あり、が、と…………」
どこか満足したような笑顔で、礼を言いながら――――
その横たえた体からすべての力を抜いた……
「…………っ――――――――――――――」
直後、世界は白く染まった。
さて、一応、レナートとウィンダによる extra story は残すところ後一話です。
ですが、先に本編の間章をはさむかもしれません。ものすごく今更ですが、間章と言う形をとってますが、おまけではなく、原作の章と章の間に起こったことを(作者の妄想で)補足するといったものです。外伝と違い、本編にしっかり関わるのでとばさないでください。最初の間章に書くべきですね、この説明。
それでは、次回(間章でないなら)、
『Last extra story
告白 ~To my dearest~
【あなたにおくるアイの歌 ~I’m Yours~】』
お楽しみに……
ぱ、パクリじゃな――と必死に言い訳する作者でした。そうです、思いつかなかっただけなんです……タイトルが