魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~ 作:Aura
~Side ジャンヌ~
あの後散々講義と言う名のイジメにあってぐったりとした気分のボクは気分転換と時計を見た際にそろそろ夕食の時間帯なのを思い出して食材を買いに近所のスーパーまで出かけることにした。
ジャ「そういえばさっきの講義で初めて知ったんだけどボクが今まで何気なく生活してたここって
そう、ボクが何気なく暮らしていた町が実は物語の主人公の町(ジャンヌが知っているのは主人公がどこに住んでてどういう世界なのかだけなので主人公の名前やその他の細かいことは一切知らないようにわざと
ラ『まあまあ、そのうちきっとマスターの事ですから無自覚のうちに主人公を助ける&ニコポ・ナデポ特典がないのにハーレム築くのも時間の問題だと思うので諦めてください♪ それに転生者+テンプレ+マスターの容姿なら確実に男女問わずに堕ちることは間違いないので諦めた方が楽しめるかと存じますよ?』
ジャ「どうしてそんなにいい顔で(顔ないけど)楽しそうにフラグ建てるの!? しかもそれ、メタ発言とか言うんじゃなかったっけ! それと容姿については触れないでください。全部自重を知らないあの人達が行けないのです」
一通り
今までオーディンさんたちが何かしていたみたいで特に自分でも自分の容姿など気にもしなかったのだけれど....あの日以来その認識阻害か何かが溶けてしまって、現在の私の容姿は思わず自分でも見惚れてしまうほどになってしまったのでした。
白銀の腰まで届く髪を少し垂れ眼ぽいけどエメラルドのように澄んだ瞳。桜色の小さな唇。処女雪のようなきめ細かくも白い肌と同年代にしては小柄な方なせいで精巧な西洋人形の様にしか見えない顔立ちと体格を白いワンピースで身を包み、ただでさえ目立つのに過剰な加護の影響で人工的な光の下なら問題ないのだけれど、日光や月光を浴びると七色の光を放ってしまって神秘的なまでに目立つ。
(再会できたことも色々と
脳裏によぎる、こちらにいい笑顔でサムズアップする神々に対して心の中で叫んでしまったボクは悪くないはず。
ラ『正直、マスターの容姿はデバイスであるはずの
そう、流石と言うか傍迷惑と言うか伊達に神々の加護ではないせいで認識阻害を最大でかけてもせいぜいが光を放たないようにするのを抑えることと外で紅蓮の聖女と話していても不思議に思われない事しか出来ないらしく、しかも処理能力(元が宝具の魔改造デバイスだからこの程度で済んでいる)を3割・封印やリミッターに5割裂かれている影響でセットアップや複雑な魔法は使用できないもはや不具合レベルの事が起きている。
ジャ「と、とりあえずいつまでも道の真ん中で頭を抱えてたら変な子だと思われちゃうから現実逃避でしかないけれどさっさと買い物を済ませちゃおう」
ラ『(変な子どころかその容姿のせいで頭を抱えてても周りは見惚れているのでその認識は間違っている事を教えない方が面白そうなので教えるのはやめておきましょう)」
紅蓮の聖女がこっそりと悪巧みをしていることに気がつかずに近所の公園までやってきたジャンヌは何気なく公園の入り口で足を止める。
ジャ(なんだか寂しそうで辛くて、苦しんでいる子の気配がする)
ジャンヌは様々な経験と現在コントロールが不安定(酷い時には文字通り目の色が変わってしまう)な魔眼の影響でふとしたきっかけで様々な人の想いや感情を読み取ったり、気配を察することが出来てしまう事がある。
ジャ(こっちの方だよね?)
気配のする方向に歩みを進め、公園の中に入るとブランコに座って一人寂しく涙を流す同い年くらいで茶髪のツインテールの少女を見つける。
ジャ(なんだか放っておいたらこの子は孤独になって何時かきっとボクの様に無茶をしてしまう気がする)
ラ『(流石マスター♪ いきなり主人公とエンカウントです♪と言いたいところですがどういう物語か知っていてもこの少女はなんだか危ういですね。何時壊れても正直可笑しくないレベルですが果たしてマスターはこのマスターに似た少女を助けることができるでしょうか?)』
その少女の事を放っておけなかったボクはゆっくりと少女の前に行く。
ジャ「ねぇ、どうして貴女はそんなに寂しそうに泣いているの?」
ボクは自分と重なって見えた少女に思わず声をかけてしまう。これがこの物語の主人公と自分の運命を決める、決定的な出会いだという事を知らずに...。
~Side Out~
~Side なのは~
今日も私は公園で一人泣いていたの。
お父さんが大怪我をして入院してしまってからはお母さんはお店で凄く忙しそうに毎日一生懸命に働いていて、お兄ちゃんとお姉ちゃんも学校と鍛錬とお店のお手伝いで邪魔したら行けないし、いい子にしてればお父さんは帰ってくるってお母さんが言ってたから私は友達と遊んでくるって嘘をついて今日も日が暮れるまで公園のブランコに座っていたの。
な(どうして私ばっかりこんなに辛くて寂しい思いをしないといけないの? どうして皆、私に気がついての? どうしてお父さんは入院してしまったの? 私はいらない子なの?)
そう考え始めたらどんどん涙が溢れて来ちゃってぐるぐると嫌な考えが頭の中を回っていた時に俯いてた私の前に影が現れたの。
ジャ「ねぇ、どうして貴女は寂しそうに泣いているの?」
突然聞こえた綺麗な女の子の声に俯いてた頭をあげるとこちらを心配そうに見る私と同じくらいの子が見ていたの。
突然声をかけられたことにもびっくりしたけれど、綺麗な色の髪が風に揺られて宝石みたいな綺麗な目で心配そうにこちらを見るその子がとても綺麗で思わず見惚れてしまったの。
な(凄く...綺麗...なの)
見惚れて顔をあげただけで何も言わない私にその子は柔らかい微笑みを浮かべながら...。
ジャ「大丈夫ですよ。 貴女が何に悩んで涙を流しているのか分かりませんけどボクが傍に居て、慰めてあげるから我慢せずに好きなだけ泣いてすっきりすると良いです」
そっと優しく私の頭を抱き締めながら頭を撫でてくれたの。
な(なんだか凄く安心出来て、お母さんに抱き締められた時みたいに胸のうちから温かい物が溢れてくるの)
突然抱き締められたことには驚いたけれど安心した私は抱き締められながら気が付けば大声で沢山泣いてしまったの。
今まで胸のうちに溜め込んだものが一気にあふれ出して、どんどん涙が出てくるけれど不思議と涙を流すたびに嫌なものがなくなって行くのがわかるの。
それから私はどれくらい泣いてしまったか分からないけどその間泣きやむまで抱き締めながら頭を撫でてくれた事に凄く恥ずかしくなって顔が熱くなるけれど不思議と嫌じゃなかったの。
ジャ「泣きやんだみたいね。 もう、大丈夫ですか?」
な「うぅ...大丈夫なの//」
私の返事に嬉しそうな笑顔を浮かべるその子を見ていると恥ずかしさより安心感の心地よい感覚に私は元気が出てきて久しぶりにちゃんと笑えた気がするの♪
~Side Out~
~Side ジャンヌ~
な「うぅ...大丈夫なの//」
顔を赤くして恥ずかしかったのか照れながらも可愛らしい笑みを見せてくれたことに僕も自然と笑顔になる。
ジャ「それじゃあ今更な気がするけれど自己紹介しますね? ボクの名前はジャンヌ・
見た目と名前のせいで初対面の人には大体海外の人だと思われるのでこの辺はしっかりとしておかないと相手が困っちゃうんだよねぇ。
な「わ、私は高町なのはって言うの// なのはって呼んでほしいの! それとさっきは慰めてくれてありがとうなの//」
ジャ<なのはさんは大分楽になったみたいだけれど根本的な部分が解決できてないのと思ったよりも根深いせいで負の感情が少し抑えられただけみたいだからせっかく知り会えたから何とかしてあげられればしてあげたいんだけど....>
ラ<マスターに出来ない事は殆どありませんのでマスターがやりたい事をやればいいと思います。(実際なのはさんの問題は解決できるレベルの物ですし、ここで助ければほぼ確実にフラグが建つと思うので是非とも解決して欲しいですね♪)>
ジャ「(今、嫌な予感がしたけど多分気のせいだよね?)それでなのはさんはどうしてこんなところで一人で泣いていたんですか?」
な「それは....」
なのはさんの話をまとめるとどうやらお父さんが事故で入院していてお母さんはお店の切り盛り、お兄ちゃんにお姉ちゃんもその手伝いで忙しいからなのはさんはいい子で居なきゃいけないと安心させる為に嘘をついてまで一人で公園で泣いていたらしい。
ジャ「ん~....確かに我慢することは偉いと思います。けれど何事も程々にしないでやりすぎてしまったらそれは良い子とは言えない事なんですよ?」
な「ッ!? で、でも私が良い子にしてればお父さんは帰ってくるの!! そうすれば皆、私にも気がついてくれるはずなの!! だから私は...私は...」
きっとなのはさんは今まで必死に我慢してきたことを全て否定されて居るように思って居るはず。
(そうじゃなきゃさっきまで可愛らしい笑顔を浮かべていた顔をあんなに辛そうに歪めないもんね。それにトールさんとの誓いを守るなら今、目の前の少女を見捨てることは私に託してくれたトールさんの意志を汚すことになるから....)
ジャ「それじゃあもしもボクがなのはさんのお父さんを助けることが出来たのならもう、我慢せずに今まで貯めていたモノや伝えたかったことをなのはさんの家族の人達に伝えられますか?」
な「そ、そんなこと出来るはずないの!! だってお父さんはずっと目をさm...」
ジャ「ボクはもしもと言いましたよ? 強引で期待させてしまうだけかもしれないけれど出来る出来ないじゃなくてもしも出来たのなら?って事を聞いているんです」
なるべく刺激しないように微笑みかけながら優しく語り掛け、そっと落ち着かせるように頭を撫でる。
な「も、もしも...もしも...お父さんを助けてくれたらちゃんと伝えるって約束するの! だ、だから...お父さんを...た...助けてくださいッ!!」
なのはさんの必死に涙を流しながらも救いの手を求める姿にボクは手を差し伸べようと決意する。
ボクに目の前の私とは違ってまだ、家族が居いる。
それに....こんなに小さいに甘えたいのを我慢して少しでも頑張っている家族に精一杯自分に出来ることをしようと頑張っている子が助けを求めている。
ボクには力があってその力で絆はあってもボクにはなくなってしまったけれど家族が居るのだからボクは助けてあげたい。
ジャ「それじゃあボクがその願いを叶えてあげます。だからボクをなのはさんのお父さんの所に連れて行ってくれませんか?」
ボクは微笑みながら少女に救いの手を差し伸べる。
きっとこの出会いと言う絆はボクに何かを教え、導いてくれる予感とともに家族思いの少女と手を取り合って勝手の世界での私/僕と同じように...。
この世界でのボクの初めの一歩目を.....。
~Side Out~
かつて止まりし英雄の運命の歯車がかみ合い、止まっていた時間が動き出す。
小さな少女の願いをかなえる為にかつて沢山の人を救いし者は再び歩み出す。
少女の願いを叶えるために燃え上がる希望の炎は果たして暗闇を歩く少女の道先を照らす希望の光となるのか?
次回、魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~「希望の光と再起の炎なの!」
ジャ「リリカルマジカル頑張ります!//」
ラ『可愛いですよ♪ マスター♪(ニヤニヤ)」
ジャ「お約束だからと言われたからやってみたけど絶対に私を辱めたかっただけだよね!!//」
ラ『それでは次回もよろしくお願い致します♪』
ジャ「露骨に話逸らして逃げた!?」