魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~ 作:Aura
今回はオリジナルの設定等が多数出てきますので苦手な方は申し訳ありませんがご遠慮よろしくお願いします!
プロローグ~世界の悪意に満ちた修正力~
~Side オーディン~
「.....やってしもうたわい」
どーやらわし等は大切な恩人であり家族であるダルキアンを人間の欲望と悪意によって失ったのにも関わらずあれ程までに必死にダルキアンに忠告されていたのにもかかわらず、最後まで人間を恨まなかったダルキアンの為に最後のチャンスと何れ更生すると甘い希望を信じきっていたせいで発見が遅れ、ついには世界の要である世界樹を崩壊させられてしまった。
「どうだ!! 愚かな神々と巨人族よ!! これこそが我ら人間こそが至高であり神々をも従えるべき種族なのだと何よりの証明である!!」
「そうだそうだ!! 俺たちは神々や巨人族の助けを借りずとも魔法のみならず死者を生きかえらせることにも成功した!」
「そして崩壊した世界樹を使い、今度は無限の魔力と永遠の寿命を手に入れ、我らこそが神を超える至高の存在となるのだ!!」
崩壊した世界樹の傍に集まった人間たちが何かを喚き散らしているがそんな事はこの際どうでもよい。
「好きかって言ってくれるじゃねぇか! あぁ!!」
「流石に僕も頭に来たよ。君たちゴミ屑があのダルキアンと同じ種族だなんて彼に対する冒涜意外何物でもない!」
「....そうじゃな。あやつらが苦しんでいた時に精一杯努力し、倒れそうになりながらも助け、それでも自分の力が足りなければ当時戦争状態だった我ら神々と巨人族の戦争の開戦間際の真っただ中に現れ「その戦争お待ちください!今、神々と巨人族が争っている間に貴女方を信仰する人間族が危機に瀕しております! このままではいずれは信仰するものが居なくなり、信仰するものが居なくなってしまっては戦争も出来ないはずです! なので僕に出来ることならなんでも致します! 人間一人のちっぽけな命では対価にはなりえないかもしれませんがもう、僕には貴女方偉大なる神々と巨人族の皆さまに縋るしか何も出来ない状況になっております! なので何卒..何卒..お力を御貸しください!」などと常識はずれな事をやり、その結果我らはあやつを気に入って対価に我らの暇つぶしの玩具にしたのであったな」
「あぁ...だけど彼奴は俺たちの面白半分で吹っ掛けた試練を悉くクリアし、誰にもなしえなかったフェンリルを従え、我ら神々と巨人族のみならず亜人種たちや精霊達との橋渡しを成功させやがりやがったからな!」
「あれにはトリックスターである僕ですら想像出来なかったよ! 子であるはずのフェンリルやヘルやヨルムンガンドを愛することが出来ずに僕は捨ててしまったけれど彼は自ら彼らに歩み寄って僕達家族の絆を取り戻してくれただけじゃなくて親友であったはずのバルドルを危うく恨みで殺すところだったのに彼は僕の目を覚まし、バルドルの悪夢を解決し、バルドルの兄弟であるホズの盲目すらも治して見せた!」
「そのおかげで一番のネックだったものを率先してバルドルとノルンの女神達と協力して消滅しつつある並行世界の復元と消えてしまった未来や過去を可能な限り休みなく復旧させてくれておるわい」
「バルドルは特にダルキアンを気に入っていたというよりも神なのに崇拝していたからね! 生まれてから全くと言って良い程怒らなかった彼が人間に裏切られて殺されてしまった時の人間たちへの激怒は肝を冷やしたよ」
「全く...我らはダルキアンに返しきれぬ恩や借りばかり積み重なって結局返すどころか恩を徒で返すような愚かな真似をしてしもうて情けないったらないわい!!」
「なぁ..オーディンの爺さんよ。もう、良いんじゃねぇか? 俺たちは十分人間たちに可能な限り尽くしてきたが今度という今度は我慢の限界だ!! 奴等は世界に選ばれた者気取りで
「そうだね。何が科学と魔法の究極の極致
「しかもその魔導に必要なリンカーコアだったか? あれはあいつが数多くの試練と様々な者達との絆によって生まれた信頼と奇跡の結晶なんだ! それを人工的に生み出すために奴らは散々苦しい時に助けて貰ったくせにダルキアンを計画に邪魔だからと騙して見せしめに殺しただけじゃなくその死体を隅々まで調べ上げて紛い物を作りだしたってだと言うじゃねぇか!! そんなクソみてぇな最低最悪な醜い欲望と悪意が服を着て歩いているような奴等なんだよ!!」
「わかっておるわい!! わしとてその真実を聞かされた時にあんまりの悔しさと憎さで全ての人間を根絶やしにしようと何度も思ったがダルキアンの愛したこの美しき世界と人の善意を信じる想いを守る為に我慢したんじゃ!! だが...もう...限界じゃ! このままこやつ等が並行世界や次元世界へと飛び出せばそれだけで他の様々な世界が悪意と欲望で汚されてしまう!」
わしは悔しくて悔しくて握った拳から爪が食い込み、血が流れようとも握り続け、歯を食いしばり、この胸に渦巻くドロドロとした黒い物を必死に吐き出すまいと堪える。
「わしだって辛く、苦しく、悔しくて仕方ないのじゃ!! 大切な家族一人守れずに何が主神じゃと自分を責め続けておる! 一刻も早く諸悪の根源を消し去りたいと心が訴えて居るわ! だが、まだその時でない! 修復と復旧さえ終われば後は奴等を虚数空間へとこの世界諸共我らの命が尽きようと道ずれにして終わらせてくれるわ!」
トールもロキも俯き、歯を食いしばって涙を流しておる。
それにここにいないだけで今なお、あやつらがこれ以上何かをやらかさないようにする為に必死で押さえつけておる者達や虚数空間へと堕とす為の術式作成している者達やバルドルとノルンの女神たちもこの話の内容が念話で聞こえたのだろう、通信の向こうから必死に涙を堪える声やダルキアンの名を叫ぶ者やむせび泣く者達の声が聞こえてくるわい。
これだけ多くの者達に慕われ、愛されていたおぬしが何故、わしのような爺より先に死ななければならなかったのじゃ!
<オ、オーディン様、大変です!>
<おぉ! バルドル、そんなに慌ててどうしたんじゃ?>
<そ、それが何者かの干渉かは現在不明ですがダルキアン様が転生した世界の歴史と未来の一部が修正も復旧も復元も出来ません!!>
<な、なんじゃと!!>
<復元できなかった未来は転生したダルキアンのご両親の未来です! そして歴史はブリテンのアーサー王の物語に登場するアーサー王本人が消えてしまったことで円卓の物語が成立せずに消滅! しかし赤き龍は健在なせいで変に歴史が混ざり合い、古代ベルカと後に呼ばれるベルカの世界と旧アーサー王物語の世界の一部が混ざり合ってしまいベルカの地に赤き龍と聖剣に加えて転生したダルキアンが既に突如現れた時空の裂け目に飲まれて転移してしまいました!!>
<な、なんということじゃ!!>
<バルドル!! それはどうにか出来ないのかい? 確か転生した彼女はまだ、前々世も前世の記憶も思い出していないどころか力の封印を解いていない! それに僕達の分を渡し終えていない! そんな状態で万が一赤き龍の前に転移されたりなんてしてしまったら....>
<わかってる!! 何とかしようと頑張ったけれど一切の干渉が出来ずに既に彼女は選定の剣の前に転移されてしまったんだ!!>
<オ、オーディン様!! 緊急の通信失礼するの! スクルドなの!>
<そんなに慌ててどうしたんじゃ!>
<最悪なの! 彼女の世界以外は修正が終わって一通り作業が終わってスクルドには出来ることがないから心配で彼女の未来を視てみたんだけれど選定の剣に触れたら彼女は...ジャンヌが死んじゃうのぉぉぉ!!>
<な、なんじゃと!!>
<うぐっ...ジャンヌ...は...
<な、なんということじゃ。世界はそう迄してあの誰よりも心を痛め、様々な苦痛を味わい、何度も裏切られようとも優しき想いを忘れる事なく、不屈の魂を持って、真の絆を紡ぎ続けた真の英雄を消し去りたいのか!!>
<.....どうやら世界はこの神話の歴史を大きく変え、ノルンの三柱の負の預言を何度も覆し、運命をも自らつかみ取り、ねじ伏せ続けたせいで世界は世界のバグとして徹底的に潰すために人間の負の感情を煽ってダルキアンを死に追いやっただけじゃなく二度と復活出来ないようにと魂をも消滅させるつもりなんじゃないかと本気で歌が痛くなるよ!?>
<<<.......>>>
そうじゃな....きっと...そうなんじゃろうな。
わし等があやつに背負わせてしまった物はそれ程までに罪深く、わし等が本来なら背負わなければいけなかったものを全て背負わせてしまったわし等の罪じゃな。
<...主神であるわしが祈るのも可笑しいかもしれぬが...どうか....どうか...あの心優しき我らが英雄が選定の剣に触れず、触れても今一度だけ何度も何度も運命を捻じ曲げた奇跡と神秘の申し子の力とは言わぬからこの際なんだも良い。 我らの英雄が幸せになってくれれば思い残すことはない!! ダルキアンに救われ、導かれし同胞諸君!! 我らが英雄の為に祈ろうではないか!! あやつが選定の剣に触れることが避けられないならその剣が「こうであって欲しい」と言う願いの結晶ならばその剣に選ばれ、今一度英雄となる未来を願うおうではないか!!>
<<<うぉぉぉぉ!! ダルキアン、ダルキアン、ダルキアン!!!!>>>
わしは急遽選定の剣の丘で今だに転移のショックで眠り続けるジャンヌの映像をスクリーンで人間共以外の全ての同胞たちに見える様に映し出す。
――何時だってわし等が思いつかない様な事をしてきたお主じゃ....。
きっと今度も我らをあっと驚く事をやらかしてくれるんじゃろ?
お主は我ら様々な種族を一つに束ねたわし等自慢の英雄なんじゃ。
選定の剣とやらが王を選定する為の物だと言うのならば.....――
<我らが心から慕い、憧れ、尊敬し、人間以外の数多くの種族がわし等神々や精霊や巨人族よりも崇拝する者が圧倒的に多い真の英雄であり誰よりも王に相応しく、
<<<我らが王に誰よりも幸福を!! 誰よりも最高の運命を!!>>>
さぁ!! 世界よ!!
これが我らが英雄が紡いだ絆じゃ!!
貴様の様のど下手くそうな出来の悪さに失笑すら漏れない駄作である不幸な物語をたった一人で抗い、最後は数多くの仲間や友や家族の力を束ねて最高な形で作った幸福な物語へとえられた程度で折角の物語を全てぶち壊しにし、最悪の方法で死に追いやり、それでも心が折れなかったあやつを今度は無知な今の内に消滅させにくる最低な貴様に果たして運命は応えるのか楽しみじゃわい!!
ジャンヌ・
この過去最大の試練を乗り切り、悪意の塊である世界の意志すらも捻じ曲げることが出来たのならばお主は未来永劫並ぶ物の存在しない最高の王となれるだろう。
わしは誰よりも痛みを理解できるお主こそが王に相応しいと自信を持って胸を張り、声を大にして高らかに宣言で切るほど信じておる。
だから何の力も持たず、誰の助けも借りることが出来ない今の状況をひっくり返し、
そんなお主の姿が何度想像しても思い浮かぶのじゃ。
だからそれ程心配はしておらんよ。
だが、今度の人生は一人で何でもかんでも背負わずに周りを頼って共に歩んでいくんじゃよ?
~Side Out~
まず初めにこの物語はジャンヌが3歳頃に起こった物語です。
次回はこの物語の続きを投稿した後に本編をなるべく早く投稿できるようにしたいと思って居ますのでよろしくお願いします!