魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~ 作:Aura
今回の話は前回書いた通り、1.5章の番外編となります。
自重しなくて良いと言われたジャンヌが肉体に精神を引っ張られていることに気がつかずに次から次へとやらかす内容になっていますので温かい眼で見てあげてください。
~Side ジャンヌ~
ボクが目覚めを覚まし、フェルとの再会から数か月が過ぎました。
目覚めた後はなのはを含めた高町家の人たちに泣かれ、すずかに強く抱き締められ、涙目のアリサにビンタされてと心配させてしまったからしょうがないんだけれどアリサのビンタは精神的に痛かったなぁ。
それからフェルの事を改めて紹介し、皆が復活のお祝いの準備をしてくれている間にレイとラピュセが居なくなっている間のデバイスとかどうするかの話し合いでフェルがまさかの生体ユニゾンデバイスになっていることが判明したのは物凄く驚いたよ!?
まあ、おかげでラピュセが居ない間は10分の1程度でしか魔力変換資質を扱えないらしいけれど十分すぎるから問題ないと判断し、レイから聖域を作って良いって許可を貰った話を聞いたボクは種とか苗木とかどうしようかと悩んでいると...
『あっ! それならノルンの中に結構入ってたよ?』
「スコル&ハティの中にも沢山入ってる」
と、またまたオーディンさんがやらかしていたことが判明し、頭を思わず抱えてしまったボクは悪くないと思う!!
そして現在小学校は夏休み?とか言うので長期のお休みになるらしくボク目覚めた次の日から計画していた聖域を作ろうと裏山に来ていて、良い感じに開けた場所を見つけたので...
「それじゃあフェル、初ユニゾン行くよ?」
「わん! 頑張る!」
「「ユニゾンイン」」
『『Unison In』』
アームドデバイスのスコル&ハティから無機質な機械音声が同時に流れるとボクとフェルが一つになり、緑銀の髪は白銀へと変わり、邪魔にならないように純白のリボンでポニーで纏められ、月光色のラインが入った純白のロングコートに黒のショートパンツ姿で邪魔にならないようにコートは半袖になっている代わりに肘付近まである右手に太陽のようなオレンジ色のラインが入った美しい満月の様な青白い篭手とグリーブを装備した近接格闘型の騎士甲冑ぽいけど...
「....やっぱり耳と尻尾は生えるんだね」
『おぉ~♪ お姉ちゃん、可愛い♪』
そう、やっぱりというか予想通りと言うか白銀の髪と同じ狼耳と尻尾が生えていて落ち着かないんだよねぇ。
『それと右目がエメラルド色からサファイア色に変わってるよ?』
「あ~....物凄く色んな意味で目立ちそうだね」(遠い目)
『ご主人はフェルと同じ耳や尻尾とか眼は嫌?』
「そんな事ないよ! ただ、人前だと凄く目立ちそうってだけだから!」
『フェルはご主人とお揃いで嬉しいよ?//』
ここ最近人の姿になれるようになって人としての感情を持ち、女の子になった影響かフェルがちょっとしたことでも寂しがったり、甘えてきたりして来るせいで最近はスイッチが入りっぱなしになるくらい可愛くて辛いよ!!
コッホン...す、少し暴走気味になっちゃったけれどとりあえずまずはノルンとスコル&ハティの中に入っているモノの確認の為に一旦全部を出したんだけれど....
「ン~...アレレ~オカシイナ~。見間違えだよね!? そうだと言ってよ!?フェル、レイ!!」
『......あたしも流石にこれはないと思うけれど現実だよ?』
『.......あれはどう見ても多分世界樹の苗木と黄金林檎の苗木』
そう、何故か入っていたモノの中にぱっと見ただの苗木なのにその正体を知っているボクらからすると理解不能な代物が出てきたのです!!
『い、一応世界樹はお姉ちゃんとリンクしているみたいでノルンの3柱が居なくてもちゃんと安定しているみたいだから』(震え声)
『そ、それに黄金林檎の育て方や管理方法はイズン様からご主人は教えられていたから大丈夫なはずだよ?』(震え声)
世界樹は本来ノルンの3柱の女神たちが管理する言わば魔力を無限に製造する機関のような物でその他にも過去・現在・未来を行き来したり、調べることが出来たりと色々な可能性の塊なのだけれどそれには世界樹が認め、世界樹の管理者となってパスを繋げないと扱うことも出来ずに世界樹は枯れてしまう。
そして黄金林檎も特殊な管理方法が必要なはずだけれどボクはダルキアンの時にイズンさんとは親友だった為に様々な管理や育て方のレクチャーをされ、木を1本任された事も過去にあったし、その際に見つけたボクなりの育て方があるから問題ないと言えば問題ないんだけれど...
「黄金林檎に関しては薬の材料にしたり、お酒にしたりすれば特に問題はないけれど流石に世界樹は問題がありすぎる気がする!!」
なんせ世界樹が無事に育ってしまった場合は無限に魔力を作りだし、過去・現在・未来を見渡すことが出来てしまうだけじゃなく、世界樹の余りある魔力から生み出される精霊や妖精がこの世界に溢れるわけで....
『まあ、聖域作って世界樹が育ったら異空間に世界樹は映して疑似世界を作ればいいと思うよ?』
『それに忍は自重しなくて良いって言ってた』
「そういえばそうだったねぇ♪ つまり目の前にまだまだ広がる特殊なハーブや薬草とかを栽培したり、前にうっかりやらかして怒られちゃってその後改良できなかった万能の神水(前にちょこっと出てきたあの湖の水)とかに折角あるんだから世界樹の葉と樹液と黄金林檎の果汁を加えて混ぜ混ぜしたものを湖にしちゃっても良いって事だよね!?」(キラキラ)
『『(あっ...これ、後々やらかすパターン(だ)!)』』
こうしてボクは自重しなくて良いらしいからユニゾンしたフェルと共に魔法で大きな穴をあけて湖を作り、水が汚れないようにひっそりと作っておいた浄化装置を収めたパパッとみ神殿を出来上がった湖の中央に建て、折角なので湖畔を彩るようにハーブや薬草やお花を植えるまでは良かったんだけれど...
「どうしてこうなったのかな? こんなの絶対におかしいよ!?」
『まさか植えたばかりの世界樹と黄金林檎の苗木に魔力を注いだだけで.....』
『.....黄金林檎の木は既に立派に育ち切って、世界樹は流石にまだ、30%ほどだけれどそれでもここまで育つのは流石におかしい』
何故か世界樹と黄金林檎の苗木を植え、魔力を出来心で注いでみたら一気に成長し、黄金林檎の方は既に一般的な林檎の木と同じくらいに成長して実までつけているし、世界樹も推定数百年越えの木並の大きさにまで育ってしまいました。(虚ろ目)
「もうどうにでもな~れ☆」
『『お姉ちゃん(ご主人)が余りの事態に発狂した(ちゃった)!?』』
等々ボクの正気度が0になったみたいで気がついたら少し自重して湖に建てたインテリア的な物でしかなかったはずの神殿がガッツリ中に研究施設や住居スペースとかが出来上がっているし、浄化装置もグレードアップしすぎて水が空の色を反射し、水が青く見えてしまうレベルの透明感となり、世界樹を起点に作り上げた術式は裏山全体を一気に聖域化するレベルの物が出来上がっていました。
「.......自重しなくても良いとは言われたけれど流石にこれはやりすぎだと思うんだ!?」
『そう言いながらもエリクサーを生成し、それを湖に垂れ流して湖の水の効能を格段に上げている今の状況で今更だよね?』
『....その他にもご主人はその前にも様々なお薬作るし、黄金林檎の性質も湖の効能と錬金術で混ぜ合わせていたよ?』
「はい! 正直やりすぎました! 反省も後悔もしているけれどきっと何とかなると信じたいです!」
どうやらボクは他にも色々とやらかしていたみたいで不幸中の幸いだったのが裏山全体に認識阻害と魔力遮断の結界を施せたから多分外から見ただけじゃただの山にしか見えないだろうし、魔力のまの字も感じることが出来ないレベルのモノを作り上げていたようでとりあえず一安心。
「と、とりあえず今日は帰ろ?」
『...はぁ...怒られるときは一緒に怒られてあげるよ』
『ご主人を止められなかったフェルにも責任がある』
「二人ともありがとうね♪」
とりあえず色々と問題しかないけれど当面はきっとバレないだろうから現実から目を逸らして色々とやれることをやっていこうと決め、裏山から家へと帰宅するのです!!
この時に色々と自重を投げ捨ててやらかしてしまったけれど....この事が後々あんな形で役に立つとは思って居なかったのです。
~Side Out~
今回の話で空白期編は終わりとなります!
次回からは原作がついにスタートしますがぶっ飛んだバグキャラと言って良いレベルのジャンヌが居る時点で全うに進む気がしません(確信)
それでは記念すべき原作開始の次回予告です!
両親と兄姉と片思いの想い人に囲まれ平凡とは少し違いながらも楽しく過ぎしていた小学三年生、高町なのは。
しかしその日に見た不思議な夢をきっかけに高町なのはは魔法の世界へと足を踏み込む。
そしてこれから先に訪れるであろう辛い未来を視てしまったジャンヌは少女の支える為に決意を固め、何れ人々の間で語り継がれる王としての運命の道へと歩みを進める。
次回、魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~
『それは不思議な出会いと決意なの?』
な「次回もリリカルマジカル頑張ります!」
ジャ「まあ、ボクが居る限りなのはが辛い思いをすることはそうそうないんだけどね!」(メタ発言)
な「そ、それはそうだとは思うけれど...(それよりもジャンヌちゃんは次から次に色んな女の子と仲良くなるからどうにかしないとなの!!)」
レ『意外となのはちゃんは余裕だよねぇ』
フェ『ご主人が居るから余程の事がない限り問題ないせい』
レ『だよねぇ。まあ、そのせいで後々後悔しないと良いけれどねぇ』