魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~   作:Aura

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また、気がついたらUA4000超えているのを見て驚きました! ありがとうございます!

それと話は変わりますが今回の話には暴力表現が一部含まれております。

そしてなのは・すずか・アリサファンの皆様には予め謝罪させて頂きます。

不快にしてしまう事が今回は含まれていますので苦手な方はご遠慮してくださると幸いです。

それでは本編の方を始めさせて頂きます。


学園生活と黄昏の目覚めなの!

~Side ジャンヌ~

 

あの色んな意味で衝撃的な入学式から1年がたち、現在ボクは小学2年生になりました。

 

この一年の間に初めての委員会(鍛錬とかで怪我したりするから自然と身に着いた応急手当技術を生かして保険委員)活動をしてみたり、運動ではすずかと張り合ったり、勉学ではアリサとテストの点数で賭け(勝つと一日アリサを好きなだけ撫でられて、負けると最近趣味で桃子お母さんに教わっているお菓子をあげる)をしたりととても楽しく過ごしてたんだけれど....

 

ジャ「毎回思うんだけれどボクとなのは・すずか・アリサの4人で聖祥四大美少女なのはまあ、100歩譲って良いとしても何故にボクだけ[白百合の君]とか言われてるの? 意味わかんないよ!」

 

な「にゃはは...(保険委員として怪我する子が居るとそっとさり気なく治療して優しく保健室まで連れて行く姿が(聖祥の制服の色的に)白衣の天使とか呼ばれてるなんて言ったらますます荒れそうなの)」

 

す「ジャ、ジャンヌちゃん、落ち着いて...(物語に出てくるお姫様みたいな容姿と綺麗な緑銀の髪に聖祥の白い制服が合わさって百合の花の様って話が表では出ているけれど...)」

 

ア「そうよ! 今更言っても仕方がないでしょ!(実際には上級性の一部が読んでいるらしい百〇姫って漫画に出てくるような感じであたしたちがジャンヌを取り合っているからなんて...)」

 

す・な・ア(((絶対に言えない(の)(わ)!)))

 

ジャ「ぐぬぬ....解せない」

 

こんな感じでいつの間にか変な二つ名がついてしまったりで物凄く(精神的に)大変なんだよね。

 

そしてボクたち4人は同じバスの最後尾で4人仲良く並んで新学期を迎える学校へと登校してるんだけど....

 

ジャ「こうなったら昨日なのはにやったらぴくぴくしてた新技をアリサかすずかにやっちゃおうかなぁ」(ボソ)

 

な「そ、それはダメなの!!// あ、あれをこんな所でやられちゃったらすすかちゃんもアリサちゃんも黒歴史確定なの!//」

 

ア「ちょ、ちょっと!! 今、物凄く不穏な事をなのはから聞いた気がしたわよ!!」

 

す「なのはちゃん、昨日どんな事されたの?」

 

な「そ、それが....」

 

ボクの事(席順は左からボク・すずか・なのは・アリサでなのは達は毎日三人の間で決められた順番で何故かボクの隣に座るようにしているらしい)を抜きにこそこそと話し始める。

 

(なんか仲良し三人娘にハブられてる気がするけれど気にしたら負けかな? 負けだよねぇ)

 

す「ふ、ふぇぇぇ!?//」

 

ア「な、なのははよく無事だったわね!?// もしかして例のスイッチが入ってたのかしら?//」

 

な「そうみたいなの// 例のスイッチが入ってるジャンヌちゃんは色んな意味で凄いのに最近は開き直ってノリノリになってるから達が悪いの//」

 

ア「そ、それは...ご愁傷様」

 

す「あ、あはは...。でも、その...実際はどうだったのかな?//」

 

な「にゃ!// うぅ~...最近ますます撫でテクが上がってる気がするの//」

 

ア「もしかしてなのはが最近猫にしか見えないのってジャンヌのせいじゃないの?」

 

な・す「「た、確かにそうかも(なの)」」

 

なんかハブられて寂しいから丁度隣にいるすずかをそっとお膝の上のせて....

 

な「そういえば気が付くと何時の間にかジャンヌちゃんのお膝の上に乗せられてて撫でられてる事があるの//」

 

ア「なにそれ! う、羨ましくはないけれど気がついたら膝の上で撫でられてるって逃げられないじゃない!//」

 

ジャ「それってこんな風に?」

 

ちゃっかり自然な感じで会話に参戦しながら優しく、すずかに対して絶妙な力加減で頭を撫でる。

 

す「そうそう! こんな感じでいつの間にか捕まっていて...ふにゃ~♪」

 

ア・な「「い、何時の間にか自然に会話に参加しながらすずか(ちゃん)が捕まってる(の)!?」」

 

ジャ「因みにすずかの弱点は頭のてっぺんよりも少しおでこよりの辺りと顎の下なんだよ?」(ナデナデ)

 

す「~~~~//」

 

ア・な「そ、それ以上はすずか(ちゃん)が死んじゃう(の)!?」」

 

1年間ずっと変わらなかった平和な日常をボクは少し騒がしくも楽しいこの生活が何事もなく続くと朝までは思って居たけれど...。

 

~Side Out~

 

~Side ???~

 

悪意は何時だってボクの大切な物を傷つける。

 

だからもう、ボクは我慢するのをやめた。

 

悪意ある人でもきっと自分が許す心さえあれば改心してくれると信じていたけれどそれは幻想なんだよね?

 

そしてそういう人に限って一度許すと善意ある人を傷つけ続ける。

 

だから今までのボクは悪意があろうと助けようと思って居たけれど....区別は付けないといけないんだよね?

 

じゃないと力があるのに使う事を躊躇ってそのつけが大切な人に牙を剥くのだから...。

 

そう、今まさに目の前で男たちに殴られ、心に傷を負ってしまったボクの大切な友人たちの様に....。

 

~回想~

 

始業式の為いつもより早く学校が終わり、なのは達3人組と塾に向かって居る時にそれは突然起こってしまった。

 

いつもなら常に携帯しているはずのラピュセ・レイ・ノルンを春休み中に試作で作った小型のオートメンテナンスの機械に入れ、今までしてなかった分のメンテをする為に置いてきてしまい、更に常日頃から何が起こっても良いように適度に警戒していなさいと士郎お父さんに言われていたのにもかかわらずボクは警戒心を解いてしまっていた。

 

その結果突然後ろからやってきた黒塗りの車から降りて来た黒塗りの男たちに背後からボク達は羽交い締めにされ、何とかなのは達だけでも助けようとしたけれど薬によって思うように身体が動かず、朦朧とする意識の中で最後に見たのは怯えながら涙を目に浮かべたなのは達の姿だった。

 

もしもこの時、多少無理をしてでも制御が甘く、下手したら犯人たちを殺しかねないけれど魔法を使って居たらこんな事にはならなかったかもしれないと後々後悔することも忘れ、薄れる意識の中でこの時のボクは前の様に何とかなると甘い考えで意識を失ってしまったのです。

 

~回想終了~

 

そして漸く薬が抜け、少女が目を覚ますとまず目に飛び飛び込んできたのは10人を超える黒服の厭らしい笑みを浮かべた男たちと狂気を孕んだ目をしたリーダーの様な男が苛立ち気な表情を隠さずに何かを叫んだアリサの右頬を殴り、その光景にアリサの名前を叫んだなのはの髪を掴んで涙を流しながら「やめてぇぇ!」と悲痛な表情で必死に叫ぶすずかに「お前のような化物が何食わぬ顔で人間様に近寄った結果なんだよ!」と狂気的な笑みを浮かべながら後ろの黒服たちとすずかの叫ぶ姿を嘲笑う光景だった。

 

そして物語は冒頭に戻り誰よりも優しかった少女に悪意の牙を剥ける。

 

しかし男たちは誰も気がつかなかった。

 

世の中には逆鱗に触れてはいけない者がおり、そしてその者の逆鱗である家族や友人を傷つけてしまったことを。

 

そして愚かにも男たちはその者の大切な物を土足で踏みにじってしまった。

 

喧嘩を売るべき相手を間違えてしまった。

 

恐らく世界で最も悪意を嫌悪する少女に自分たちの欲望と歪んだ正義感と言う名の悪意の牙を向けてしまった事で誰よりも優しかった少女に決意させてしまう。

 

少女が自分の中で決めた()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と...。

 

そして少女の強固な決意と後悔と共に今、男たちと少女たちのいる世界は黄昏色に染まる。

 

後に誰もが認める【悪しき者には圧倒的な力では向かう事を許さず、理不尽に虐げられた者を助け、謂れなき暴力で苦しむ者や不治の病に倒れてしまった者救い、悪意ある者以外には差別することなく慈愛の心を持って接する】一人の王の物語の舞台が幕が上がる。

 

しかしその事を知らない男たちは今だに傷つけ、虐げ、暴言を浴びせる快楽に溺れ続ける。

 

既に自分たちの物語の終焉が近づいていることにも気がつかず、背後から刻一刻と歩み寄る小さき死神の足音に...。

 

?『思ったよりも早く目覚めてしまったのですね。ですが....きっとこの時の事は覚えていないのでしょう。でも、この時が貴女が王としての一歩を踏み出そうとした始まりであることには変わりはありません。だから今だ目覚めるどころか囚われの身で意識のみで肝心な時に傍にいられない私を主様は許してくれますか?』

 

~Side Out~

 

~Side ジャンヌ~

 

ボクの中で確かな決意と共に激しい憎悪と怒りで普段抑え込んでいる魔力がまるで産声を上げるかの様に溢れ出し、世界を黄昏色へと染めていく。

 

(いつもの魔力と違って色も違うし何よりも温かみが一切なく、どこまでも寂しく、孤独な感じがする)

 

そう、いつもの魔力の色は緑銀でどこか温かみがあり、全てを包み込むような感じがするのに対して黄昏色の今の魔力とは真逆な感じになっている。

 

(魔力光の色が変わったせいかどうかわからないけれどなんだか思考がクリアだし、何故かさっきまでと違い()()()姿()()()()()()()()()()()が次に何をしようとするのかが手に取るように分かる)

 

それよりも今は一刻も早くやつ等を止めないと...。

 

ジャ「それ以上ボクの大切な人達に触れる事は許さない!」

 

そしていつの間にか縄が切れていたのでボクは誘拐犯たちにばれないように背後に忍び寄ると全員を対象にした正三角形の魔法陣を発動させ、誘拐犯たちを血の様な深紅の鎖で拘束し、一か所に集めた。

 

~Side Out~

 

~Side アリサ~

 

殴られたせいで少し意識が朦朧とする中であたしは自分の無力さを恨んでいた。

 

あたしが幾ら親友のすずかを馬鹿にされたからとは言え、カッとなって誘拐犯たちに怒鳴り、挑発してしまったせいであたしは殴られ、なのはも髪を掴まれてしまってますますすずかを誘拐犯たちは追いつめる。

 

(どうしてあたしはジャンヌにすぐにカッとなる事を注意されていたのに我慢できなかったのよ!!)

 

ジャンヌと知り合ってから今日までの1年間で数え切れない程にあたしはカッとなる癖を注意されて来たのにあたしは素直に聞くのがなんだか嫌でいつも適当に返事をし続けて改善しようとしてこなかった。

 

(しっかりと注意を聞いておけばよかったと今ほど後悔したことはないわ。もしも...もしも助かるのならあたしは何だってするから...だからせめて大切な親友のなのはとすずかを誰か助けて!!)

 

最悪の事態にを引き起こしてしまったあたしは悔しさで唇を噛みしめ、何とか薄れる意識の中で他の二人に被害が少なくて済むようにキッと睨み、こっちに注意を向けるけれど身体が震え、視界が涙でぼやけてしまう。

 

(もう! なんでこんな目に合わないといけないのよ! こんな時にジャンヌならどうするのかしら?)

 

私を囲む誘拐犯たちのせいで見えないあたしのもう一人の友人は常日頃は若干天然が入っているけれどいざって時は何かをやってくれる人なのをあたしたちは良く知っている。

 

(だからまだ、なのはもすずかも我慢出来ているのよね)

 

誘拐犯たちに気がつかれないようにチラッとなのはとすずかの方を見ると二人はまだ、目に力が宿っているのを見て安心する。

 

(それにあたしが時間を稼げればそのうち士郎さん達が助けに来てくれるはずだから...)

 

声が震えないように犯人たちに再び挑発したせいで縛られたまま床に転ばされ、お腹を蹴られてしまった痛みで一瞬息が止まり、意識が遠のくけれど...

 

(ここで頑張らないとなのはやすずかが今度はやられちゃう。あたしのせいでこんな酷い目に合っているんだもん、あたしが何とかしないと!!)

 

何とか気合で意識を失わないよう頑張り、誘拐犯を睨みつけるが...

 

(あっ...やっぱり無理かもしれないわね)

 

ついにキレたのか懐からナイフを取り出し、あたしに向かって振り下ろされる瞬間がゆっくりとスローモーションに見え、楽しかった思い出が脳裏を過り始めたところで...

 

ジャ「それ以上ボクの大好きな人達に触れる事は許さない!」

 

突然の親友の声と共に誘拐犯たちは一人残らず地面に突然現れた正三角形の魔法陣から伸びる深紅の鎖で身動きを封じられ、一か所に集められる。

 

(全く、こんな場面でさっきまで寝ていたくせに命を救われただけじゃなく、大好きなんて言われちゃったら好きになっちゃうじゃない//)

 

誘拐犯たちを一か所に縛り上げ、普段の表情とは打って変わってどこまでも真剣な表情と鋭い目つきで犯人たちを睨む親友の姿を最後に安心したあたしは意識を手放した。

 

~Side Out~

 

~Side ジャンヌ~

 

ボクは誘拐犯たちが逃げられないように一か所に鎖で縛って纏め、なのは達の方を見るとその光景に言葉を失い、頭の中が真っ白になりかける。

 

なのはとすずかは殴られたのか少し頬が腫れる程度(程度なんて本当は言えないけれど)で済んでいるからまだ、マシな方でアリサは右の頬を何度も殴られ、口の中を切ったのか口の端から血を流し、床に転ばされたまま目を閉じていることから相当酷い目に合わされたのがなのはとすずかが泣きながら必死に呼びかけている姿を見て嫌でも理解させられる。

 

な「ジャンヌちゃん!! こ、このままじゃアリサちゃんが死んじゃうの!!」

 

す「お願いジャンヌちゃん!! アリサちゃんは私たちが殴られないように私たちを庇って...」

 

ジャ「....デバイスがないから応急処置しか出来ないけれど何とかしてみるね」

 

二人が縛られたままだけれど今は先にアリサの怪我の手当てをしないとこのままだと本当に死んでしまうかもしれない...

 

そう思った時ボクを中心に緑銀の魔力がアリサだけじゃなくなのはやすずかにも集まって傷を癒していく。

 

その光景に安堵と共にまずは意識を失ってしまっているアリサを倉庫の端の方に連れ、その後なのはとすずかの縄を解いてから同じように連れて行き...

 

ジャ「三人共ごめんね。ボクが攫われそうになったあの時にボクが力を使って居ればこんな事にはならなかったはずなのに...もっと早く起きれていればアリサはここまでなることもなかったはずなのに...本当にごめんね。」

 

す・な「そ、そんなことないよ(の)!」

 

と、二人がボクを気遣ってくれているけれどそろそろボクは我慢の限界で二人がまだ、色々と言ってくれているけれど既に音が聞こえなくなっているボクには届くことがなく、二人を魔法で眠らせた後に三人が寝ている場所に念の為にプロテクションをかけてから誘拐犯たちへと向き直り―――そこでボクの意識は途切れた。

 

 

 

 

そして再び目が覚めると一面血の海が広がっているのに死体は一切なく、士郎お父さんに涙ながらに抱き締められ、その温もりに安心したボクは今度こそ完全に意識を失い、深い眠りへとついた。

 

~Side Out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




魔力光:黄昏

今回の事件をきっかけに目覚めたジャンヌ本来の魔力変換資質:黄昏をフルで扱う事が出来る魔力光。

今回は暴走した為に誘拐犯は肉片一つなく消滅してしまったが本来はこのような使い方は出来ないのだが一時的に魔力のリミッターが全部外れ、有り余る魔力と激怒した感情が黄昏色の炎となって灰すら残さず燃やし尽くしてしまった。

まずは改めて謝罪させて頂きます。

そして少ししか描写はありませんでしたがアリサのこの悔しい想いは後々のすずかと共に何かが起こるかもしれませんので楽しみに待っていただけると幸いです。

それでは次回予告です。

黄昏が目覚め、決意を新たに固めたジャンヌ。

しかし事件があった日から2週間もの間眠り続けてしまう。

今回の事件で相当無理をさせてしまったと悩むなのは・すずか・アリサにラピュセがある提案をする。

次回、魔法少女リリカルなのは~絆紡ぎし神王となりしもの~

『眠り姫と恩返しなの!』

?『次回もリリカルマジカル頑張らせて頂きますね♪』

レ・ラ『結局出番なかった!?』

?『あまり気にしない方が良いと思いますよ?』

レ・ラ『そして貴女は誰(ですか)!』

?『それは内緒です♪』

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