「ではもう一つ書いたのだが良いか」
そう言って材木座君は私にラノベを渡してくれた。
ということは私は出ていないのかしら、ちょっと残念ね。でもお義母さんが出てくるのは初めてよね。
お義母さんには何度も助けてもらった。八幡が倒れた時、私のことを気にかけてくれ泊まりに呼んでくれ、八幡のベッドで寝るのを許してくれたときは恥ずかしかったけれど、ベッドに入ると八幡の匂いに包まれて心が安らいだわ。
布団に入った時は泣いてしまったけれど八幡が倒れた後、熟睡なんて出来なかったのに、その時は深い眠りにつけたのだから。翌日は遅くまで寝てしまい、ご迷惑をかけてしまったのだけれど、お義父さんもお義母さんも私の顔を見て喜んでくれていたわ。
自分では分からなかったけれど、前日まではずっと悲痛な表情をしていたらしく凄くご心配をお掛けしていたみたい。でもその日からは健気に立ち振る舞おうとしていたと後で教えてくれていた。
そしてそれ以降、何度も八幡のベッドで寝させてもらえた。
お義父さんも私に気を使ってくれて、わざわざ八幡の布団を病院から運んで交換してくれていたのだから。
お義父さんに八幡の匂いが薄れていないか確認された時は顔から火が出るほど恥ずかしかったけれど、お義父さんとお義母さんが私に向けてくれた好意は今でも忘れられないわ。
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(ここから材木座の小説)
今日は八幡と小町の三者面談か。休みを取っているので久しぶりにのんびり出来るわ。確か面談時間は八幡が3時からで小町が4時だったよね。
こういう時、二人とも一緒の高校に行ってくれて助かるわ、会社を休むのも一日で済むから。
私は車で総武高校まで向かっていき八幡の教室に歩いて行った。まだ2時過ぎで早く着き過ぎたけど待っていればいいかな。確か八幡のクラスは3Fと言っていたはず。案内板が置かれていて、それに従って私は3Fの教室に移動していった。
はぁ、八幡の進路については心配してないけど、毎回言われるんだよね。一人で居るとか誰とも仲良くしていないとか。あの子ももうちょっと皆と合わせるってことしてくれれば良いんだけど、誰に似たのか一人で居る方が気楽とか言ってて友達もいないみたいだし。
私は憂鬱な気分になりながら、八幡のクラスに向かっていった。
教室の前には椅子が置いてあり、何人かの生徒と保護者が座っているわね、私の前に面談を行う人たちだろう。八幡はどこかに行っているのか、まだいないわね。時間も早いし椅子に座って待たせてもらいましょうか。
私は椅子に座って周りを見渡していた。頭を金髪に染めた縦ロールの女子生徒。赤毛の髪の毛をショートカットにしている女の子。ピンク掛かった茶髪に染めて髪の毛を団子にしている女子生徒が何か話している。あのお団子頭の子、たしか結衣ちゃんだったかな。
私がそう考えていると、その女子生徒と目が合ったのだけど、いきなり立ち上がりこちらに歩いて来ていた。
「ヒッk、は、八幡君のお母さんですよね。お久しぶりです、由比ヶ浜結衣です」
「結衣ちゃん、久しぶり。また遊びに来てね」
「はい。お義母さんは八幡君と一緒じゃないんですか」
..何だか違う意味で言われたような気がするけど勘違いだよね。でもこの子は本当に可愛い顔してるわ、胸も大きいし羨ましいわね、八幡は触ったことあるのかしら。私もあの胸に顔を埋めたい..って私は何を考えているのよ。
「うん三時からでさ。早く来過ぎたからここで待たせてもらっているの」
「結衣。こちらの方は」
「あ、優美子。八幡君のお母さんだよ」
結衣ちゃんがそう言うと、優美子ちゃんって子と赤毛のショートカットの子が、いきなり身だしなみを気にしながら私の前まで移動してきた。
「は、初めまして、お義母さん。あーs、私、三浦優美子と言います。八幡君とクラスメイトで何時もお世話になっています」
優美子ちゃんも何か違う気が...でも綺麗な子ね。綺麗に金髪に染めているけど、とてもよく似合っているし顔も綺麗。八幡はこの子とも仲良くしているのかしら。多分、八幡の事だから話すことはないのでしょうけど。そう言えば八幡のベッドの下にギャル物が有ったわね。その中の子が優美子ちゃんに似ているような気がするけど...
「う、うちも挨拶させてください、お義母さん。相模南って言います。うちも八幡君と一緒のクラスでお世話になっています」
また違う意味を含んでた気がするけど、この子も可愛い子ね。ショートカットも似合ってるしピアスを開けてるけど、整った顔しててとても可愛いわ。でも八幡はこの子とも仲が良いのかしら、想像つかないわね。結衣ちゃんは一緒の部活だから話すことはあるのだろうけど、三人でやっていると言っていたから、後は雪乃ちゃんだよね。
優美子ちゃんも南ちゃんも私の前でほんのり顔を赤くしているけど、まさかね。こんなかわいい子達が八幡のことを気に掛けているってことはないわよね。
「優美子ちゃんに南ちゃんね、こちらこそ息子のことをよろしくね」
「「はい」」
「でも八幡遅いわね、何しているのかしら」
「あ、多分。自販機に行ってコーヒー飲んでると思います」
「ああ、あの甘ったるいコーヒーね」
「う、うちまだだから八幡君の事、呼んできますね」
南ちゃんはそう言うと私が断る前に颯爽と駆け出してしまっていた、別に良いのに。八幡は放っておいても勝手に来るでしょうから。
「あ、あのどうして結衣のこと知ってるんですか」
「うん?ああ、結衣ちゃんと雪乃ちゃんは何度か家に泊りに来ているのよ。あとこの間は沙希ちゃんが来てくれてたよ」
「...はい?」
あ、不味ったかな。優美子ちゃんが結衣ちゃんを睨みつけてて、結衣ちゃんは隣で顔を背けて頭のお団子をクシクシしている。
「...結衣、どういうことだし」
「いやぁ、あはは」
「優美子ちゃん、皆は私と小町の所に泊りに来ているの。疚しいことなんてないわよ」
「..で、ではあーしも泊りに行っても良いですか。お義母さんの所に」
うん?また何か違うような...でもここで優美子ちゃんだけ駄目なんて言えないし幾らでも泊りに来てもらっても良いんだけど、八幡が居るのに良いのかしら。もしかして優美子ちゃんは八幡の事...
「ご両親の許可が出れば良いよ。ちゃんと八幡が居ることも伝えてね」
私達が話していると、男女のカップルが廊下をこちらに向かってくるわね。...って、思ったら八幡が南ちゃんに手を引かれてるけど、どうして手を繋ぎあってるの。南ちゃんは顔を真っ赤にしてるけど、嬉しそうに繋いだ手を振って歩いてきて何だか小学生みたい。でも南ちゃんも八幡の事良く思ってくれてるのかな。でも八幡は今でもボッチって自分の事言っているから、まさかね。
南ちゃんのお母さんはニコニコしているけど良いのかしら。娘さんがこんな目つきの悪い男と手を繋いでいるなんて、小町がそんなことしようものなら私なら駆け出して問い詰めそうだけど。
八幡は私達の所に来るまでに手を離していたけど、南ちゃんは残念そうな顔してる。それってやっぱりそう言う事よね。
「八幡、何処に行っていたのよ」
「母ちゃん、まだ早いだろ」
「早く来過ぎてね、あんたも座っていなさいよ」
「ああ、分かったよ」
八幡を座らせ私は立ち上がると結衣ちゃんと優美子ちゃん、南ちゃんのお母さんたちに挨拶をしていた。皆良い人達ね、でも八幡が娘さん達にご迷惑を掛けてなければ良いのだけど。
私達が話していると、前の人が終わって出てきたわね。あらこの子も綺麗ね。黒髪で眼鏡を掛けてて清楚な感じ。でも私達の方を見て顔をほんのり赤くしだしたけど、まさかね...
私がそんなことを考えていると、由比ヶ浜さんが呼ばれて教室に入っていった。結衣ちゃんも勉強頑張っているって言ってたんで、第一志望行けるといいけど。
「も、もしかして八幡君のお義母さんですか」
また違う意味で言われた気がする..でもこんなに可愛い子達にお母さんって言われるのも何だか嬉しいわ。
「ええ、八幡が何時もご迷惑をお掛けしています」
「そ、そんなことないです。私の方が八幡君に御迷惑ばかりかけて居て申し訳ありません。私海老名姫菜って言います。よろしくお願いします、お義母さん」
「こちらこそよろしくね、姫菜ちゃん」
こんなかわいい子ももしかして八幡を...でも一緒のクラスの女の子を4人も侍らかしているの。八幡のどこにそんな甲斐性があるのよ。
私がそんなことを考えていると、私達の次の人が廊下を歩いてきたけど、あれは沙希ちゃんね。そういえば沙希ちゃんも一緒のクラスって言っていたわ。って言うことは一緒のクラスに5人...
「沙希ちゃん、こんにちは」
「お、お義母さん。こ、こんにちはです//」
沙希ちゃんには何度もお母さんって言われたから慣れてるけど、何か違う意味も含んでそうなのよね。私達は挨拶をし、お母さん達と話していると、優美子ちゃんが沙希ちゃんに何か聞いているわね。
「沙希、ヒキオの所に泊りにいったんだよね」
「ああ、雪乃と結衣の三人で泊まらせてもらったよ」
「え!?なにそれ、うち知らないんだけど」
「わ、私も知らない...どういうことハチ」
「いや、俺の所に泊りに来てるわけじゃなくて母ちゃんと小町のとこに来てんだよ」
「ふーん。じゃあ、お義母さんが良いって言ってくれたら私も行けるんだね」
「うちも行くから」
「私も行くよ、ハチ」
そう言うと、優美子ちゃんと南ちゃん、姫菜ちゃんが私達の方に近寄ってきた。
「お、お義母さん。私達も泊りに行って良いですか」
「姫菜、御迷惑になるでしょ」
「南も家で何もしないし御迷惑になるから駄目よ」
「優美子もそうだし、あんた料理も出来ないし」
「な!?あ、あーしもお風呂ぐらい洗えるし!!」
「うち、料理できるのでお義母さんの味付け教えてください!!」
「そうだよ、お母さん。私料理できるからお義母さんの手伝いしたいし!!何だったらお義母さんの背中流させてもらいますから//」
知らない娘さんに背中流してもらうって...ちょっと良いわね。小町とも最近一緒にお風呂入ってないから、姫菜ちゃんと洗いあってもいいかも。
「でも駄目よ、お母さんと八幡君に気を使わせるでしょ。姫菜、我慢しなさい」
「部屋の掃除も洗濯も出来るから!!」
「南も駄目よ、勉強しないから外泊禁止してるでしょ」
「勉強会でのお泊りなら良いでしょ!!最近皆のおかげでうちの成績上がってんだから良いじゃん!!」
南ちゃんも一緒に勉強会しているのね、結衣ちゃんや沙希ちゃんも雪乃ちゃんに教えて貰っているって言っていて、皆成績が上がっているのね、雪乃ちゃんも教えるのが楽しいと言っていたから、皆で仲良くしているのね。
「優美子も比企谷さんの奥様にご迷惑だから我慢するし」
「ご、御迷惑ですか、お義母さん」
「ううん、うちは来ていただいても良いわよ。でも私と小町の居る時ね」
「お義母さんも良いって言ってくれてるし!!」
「じゃあ、パパに相談するし」
「え!?パパには黙っておけばいいじゃん!!」
「それでバレたら比企谷さん家に迷惑掛かるし。パパだと乗り込んで行って八幡君を殴っちゃうかもしれないし」
「うぅ」
娘さん達が私達と話していると、教室の扉が開き先生が出て来ていた。なんだか怒っているようにも見えるけど、何か有ったのかな。
「あのう、もうちょっと静かにしてもらえますか。今、面談しているので」
「「「すみません」」」
うぅ怒られてしまった。私達が悪いんだよね。ちょっとは自重しないと。
「ねえ沙希。あんた比企谷さん家に泊りに行ったの」
「う、うん。小町が居るからね」
「..へぇ。じゃあ今度はお礼に小町ちゃんを家に誘って来ていただいたら」
「大志が居るから駄目だろ」
「じゃあ八幡君と小町ちゃん二人来てもらって泊って貰えばいいでしょ」
「は、は、八幡を家に泊める//お母さんが良いならお礼もしたいし京華も喜ぶから...は、八幡どう//」
「...は?何がだ?」
何で八幡は携帯を弄ってんのよ。せっかく沙希ちゃんが勇気を出して誘ってくれたのに何で愚息は聞いてないの。沙希ちゃんも呆れてて、もういい。って言っているよ。
でも何よ、この状況。本当に八幡ってモテてるの...小町に確認しないといけないわね。
私達は先生に怒られたのも有って、その後は静かにしていた。優美子ちゃんと南ちゃんが私達の前に面談を受けていよいよ私達の番になった。
「成績に関して文系は元々良かったし、今は理数系も頑張っているようだから国立も狙えますよ。比企谷はどう考えているんだ」
「..先生、でも文系に絞った方が良いですよね。その方が合格率も上がりますから」
「将来何をしたいか目標は決まってるのか。決めていて文系の方が有利ならそちらを目指すべきだとは思うが」
「..それはまだですけど」
良かった。八幡のことだから専業主夫って言うと思ったけど、流石にこの場ではそんなこと言わないわよね。でも国立か、八幡が何をしたいのか決まってなくて、国立でも問題ないならそっちも視野に入れておくべきね。
陽乃ちゃんと雪乃ちゃんにもお礼を言わないと。そういえば何で家庭教師してくれているのかしら、もしかして二人も...
進路の話は大体終わり、今のままでも問題なさそうってことで安心できた。後、私は気になっていたことを先生に聞いていた。
「先生、八幡って学校ではどうでしょうか」
「私は三年になってからの比企谷君しか知りませんが、皆と仲良く出来ていると思ってますよ」
「そうなんですか、去年までそんなこと聞いたことなかったので」
「男子で友達が何人かいますし、女子生徒なんて綺麗な子ばかりって職員室でも有名ですよ。比企谷ハーレムって呼ばれてますからね」
「はぁ!?」
「せ、先生!!何言ってんですか」
「わが校の綺麗どころ全て掻っ攫っていますからね。年下生徒会長やOBも何人かいるようですし海浜総合にも居たよな。皆、妬んだり羨ましがっていますよ」
「..ハーレムですか」
「ええ、そう言えば先ほど騒いでいたのも皆ハーレム要員でしたね。...失礼、私がそんなこと言っては駄目ですね。だがな比企谷、せめて授業中は自粛してくれ。他の先生から何とかしてくれと言われたぞ」
「..先生、俺はそんなの作った覚えはないですよ」
「ハーレム、ハーレム...」
私は先ほどまで話していたことなど全て頭から飛んでしまい、ハーレムという言葉が頭にこびりついていた。
その後、小町の面談にも出たけど、内容何てほとんど覚えていない。ただ小町の担任も八幡の授業を受け持っているらしく、そこでも沙希ちゃんとイチャイチャしているってことを言われたのを覚えている。
小町も先生と一緒になって言っていたけど、小町はブラコンが酷いから私から見たらあんたもハーレム要員よ。
どうやって家まで帰って来たんだろう、良かった車で事故を起こさなくて。ソファーに腰掛けると一気に力が抜けてしまった。大体ハーレムって何よ。陽乃ちゃん、雪乃ちゃん、結衣ちゃん、沙希ちゃん、優美子ちゃん、南ちゃん、姫菜ちゃん、名前は知らないけど年下生徒会長ちゃん、小町。後、海浜総合に居るっていう子。私が知らないだけで他にもいるんじゃないの、どうなってんのよ?
「八幡、話があるんだけど」
私は八幡の部屋に入っていくと、八幡はベッドに寝転がってラノベを読んでいた。はあ、私の心配をよそに何でこの子はこんなに寛いでいるの。大体お嫁さんは一人しか認められてないんだから、八幡がはっきりしなさいよね。
「八幡、何よハーレムって。大体あんたが」キャッ
私は詰め寄るためベッドに座り直した八幡に近寄って行ったけど、床に置いてあった鞄に躓いてしまった。
「母ちゃん!!」
八幡が私を支えてくれようとして、身体に手を回してくれてたんだけど、そのまま倒れこんでしまったので、八幡の腕は私の背中に回した形で、私はベッドに仰向けに倒れこんでしまい、八幡は私を抱くように覆いかぶさっていた。そしてお互いの顔が滅茶苦茶近くなってしまうぐらい接近して見つめ合っていた。
八幡は顔が真っ赤になりだしたけど、私も八幡とこんなに顔を近づけたのはいつ以来だろう。は、恥ずかしい//私も段々赤面していくのが感じられる。
「か、母ちゃん//だ、大丈夫か」
「う、うん。八幡//」
ガチャッ
「お兄ちゃん、ラノベ貸し...て」
「「こ、小町!?」」
「お、お、お母さんもお兄ちゃんのハーレム要員だったぁああああ!!」
「こ、これは違うのよ!!小町!!」
私がそう言っている間に、小町は部屋を飛び出していった。誤解を解かないと!!
私は小町を追いかけるために身体を起こしたんだけど、八幡は私の背に腕を取られてて身体を動かせずにいたので、私の唇は八幡の唇に触れてしまった。
「ご、ごめん//八幡//」
「か、母ちゃん//」
私は恥ずかしくなって八幡の横から抜け出し部屋を飛び出したけど、扉の前に蹲ってしまった。顔が赤くなっているのが引かない。でもどうして私もハーレム要員なのよ//八幡は私の実の息子なのよ、それなのになんで私もこんなにドキドキしているの//八幡が赤ちゃんの時、何時もキスしていたでしょ。
...でも久しぶりにキスだけでこんなにドキドキしたな//こんな気持ちいつ以来だろう。実の息子との許されない関係、背徳感が有ってちょっといいかも//
私は顔を真っ赤にしているのを見られたくなくて、小町の誤解を解くこともなくリビングに降りて行った。今日は八幡が喜んでくれるご飯を作ろうかな。久しぶりに学生の時みたいな感情を思い出させてくれたから。私は八幡が美味しいって言ってくれるのを期待してご飯の準備を始めていた。
(ここまで材木座の小説)
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「「「...」」」
「..な、なんで俺が母ちゃんとキ、キスしてんだよ//...って材木座が居ない!?」
そう言えば途中で材木座君が出て行ったわね、お手洗いに行ったと思ったのだけれど。
「材木なら途中で出てったし...雪乃、結衣。あんたらヒキオん家に泊りにいったん?」
「こ、これは中二のラノベだよ..」
「だってあーしの読んだラノベ、後書きって書いてあって
『我を泊まらせてくれなかった報いだ。皆に責められるがよい。』って書いてあるし」
材木座君は何てことを...私が読んだのには書いてないのに、優美子さん達が読んだラノベには、後書きが書いてあるわ。
誤魔化しても仕方がないわね。この後、八幡が責められるかもしれないけれど。
「...ええ、私は御両親から何時でも来て良いと言われているのよ」
「う、うん。この間はゆきのんとサキサキの三人でお邪魔したよ」
「じゃあ、あーしも行きたいし」
「私も泊りに行きたい、ハチ」
「うちも一緒に行く!!今日金曜日だし皆で行こうよ」
この間の沙希さんもそうだけれど、段々八幡のお家に泊りに行く人が増えて行くわ。もし間違いがあったらどうするのよ、私であれば受け入れられるけれど。..八幡が断ってくれないかしら。
「と、泊り何て止めてくれ、何時も俺の理性が持たないんだよ」
「雪乃と結衣と沙希が良くて、あーし達は駄目なんだ...ごめん、ワガママ言って...」うぅ
「ハチに嫌がられるんだ...そうだよね、BLなんて誰も受け入れてくれないから..迷惑だよね、私がここに居るのも..」うぅ
「うちも嫌われてるんだ...まだ色々と許してくれてないんだ...当たり前だよね。うちは八..比企谷君に酷いことしたんだから。ごめん、何時も馴れ馴れしくして、ごめんなさい...」うぅ
「だあぁぁぁ、分かったよ。どうか泊りに来てください。お願いします!!」
「うん、ヒキオがそう言うならお邪魔するし」
「お願いされたらしょうがないよね」
「うちも行くから」
「はぁ、...では私も伺うわ。お義母さんと小町さんには私から連絡しておくわね」
「...あたしも行きたいけど、明日朝から用事があるんで今回は駄目だよ」
「ま、まて。4人何て泊まれないぞ、そんなに布団無いだろ」
「大丈夫よ、八幡のお家には普段使っていない布団が4セットあるのだから。この間も小町さんを入れて四人で3つの敷布団で問題なかったでしょ。小町さんを入れて5人でも大丈夫よ」
「..なんで俺が知らない布団の数なんて知ってるんだよ」
「お義母さんに教えて貰ったのよ、置いてある場所も把握しているわ」
でもどうしてこんなことになっているのよ、今日は金曜日なので私一人で泊まりに行って八幡に気持ちを伝えて仲を進展させようと思っていたのに。
「どうせならさっきのラノベの話、レンタルで借りてハチの部屋で皆で見ようよ」
「何で俺の部屋なんだよ、リビングで良いだろ」
「ご両親がテレビ見てたら悪いし」
「うん、それが良いね。じゃあ用意もあるから今日は帰ろうよ」
「そうね、では少し早いけれど、今日はこれで終わりにしましょうか」
はぁ、今日も私一人で泊りには行けないのね。もし皆が明日の土曜日に帰るのなら、もう一泊して行こうかしら。