私は昨日の夜、八幡にメールを送って朝部室に来てくれるようにお願いしていたわ。どうしても修学旅行のことをもう一度、謝りたかったから。最近は部室でも二人きりになることがないので中々謝れず、日にちだけが過ぎていくため八幡を呼び出す形になってしまったわね。
私は自分の気持ちを伝えたい。今まで告白されたことは何度もあるけれど、自分の気持ちを伝えるのは初めてだわ。考えるだけで足が震えてしまう、逃げ出してしまいたい。私に告白した異性もそうだったのかしら。それなら彼らのことを少しは見直すべきかもしれないわ。
私がそう考えていると八幡が来てくれたわ。彼の顔を見たとたん、また足が震えだして心臓の鼓動が早くなっていくのが分かる。
「お、おはよう、八幡。来てくれてありがとう」
「うす」
「ごめんなさい、今日は呼び出してしまって」
「いいんだが、何かあったのか」
私は八幡が座っている前に移動するため、立ち上がったのだけれど足が震えてしまう。彼の近くに近寄っていくたびに緊張で座り込んでしまいたかったけれど、何とか八幡の前まで歩いて行けたわ。
八幡に拒否されたら。私は今までにないぐらい身体が震えてくるのが分かる。でも私の想いを伝えたい。私の想いを知ってもらいたい。私はゆっくり話し始めたわ。
「...修学旅行で八幡に任せると言ったのに、あなたのことを否定してしまって、本当にごめんなさい」
「その話は済んだだろ。今ではこうやって仲良く出来ているんだ、それでいいだろ」
「いいえ。私はあの時、なぜあなたのことを否定したか自分でも分からなかったの。でも暫くして気づいたわ。...わ、わた しは..わ、私は八幡のことが好きだということを。...だから嘘告白でも八幡が他の女性に告白するのを見たくなかったの」
あの時はどうして八幡を拒絶してしまったのか自分でも分からなかったわ。いくら戸部君の依頼があったからと言っても、あそこまでする必要はなかったはず。そしてあの時私は何も考えられず、八幡の行動だけを否定してしまったわ。
「...え!?お、あ、ありがとう。..雪乃の気持ちは凄く嬉しい。....でもすまん..今、俺は何て返せばいいのか分からない」
「..返事はまだ要らないわ。ただ私の気持ちを知っておいてほしかったの。八幡の周りには魅力的な女性が沢山いるわ。彼女たちにも私は負けるつもりはない。あなたと二人で本物を探したい、私があなたの本物になりたいから」
「雪乃...」
「あの時、私は自分の溢れてきた感情を理解できずに、あなたを裏切ってしまったわ。それについては幾ら謝罪しても許してもらえないかもしれない。虫のいいことを言っていると思うわ。けれど、もう一度、..私を信じてほしいの」
私は涙が溢れてきたけれど、涙をぬぐうこともせず八幡に自分の気持ちを伝えたわ。八幡も涙を溜めて私から目を離さずにいてくれている。
「..俺は二人に否定された時、喪失感が襲ってきて何も考えられなかった。..二人なら何も言わなくても信じてもらえるんじゃないかと、勝手に期待していた。...でも....俺も信じたい。信じてほしい」
「だからあなたも私には抱え込まないで話してほしいの。..そして私のことを選んでほしい」
「..皆を..雪乃を信じたい。でも信じてもらえなかったら、また拒絶されたら。心のどこかで裏切られるだろって思っている自分が居るんだ。....怖いんだ。..皆を..雪乃を信じて裏切られたら。それなら最初から一人でいれば裏切られないから..」
「..あなたが私を信じてくれる日まで待つわ。私は..雪ノ下雪乃は比企谷八幡を愛してます。八幡を信じます」
私がそういうと八幡は立ち上がろうとして、でも膝から崩れて膝立ちになってしまったのだけれど、私の腰に両手を回して抱き寄せてくれたわ。
「..ごめん、雪乃。...このまま居させてくれ」
八幡はそういうと私のお腹に顔を埋めて声を出して泣き出してしまったわ。私は八幡が愛おしく、自分の涙も拭かずに八幡の頭に両手を回して私のお腹に引き寄せて二人で泣き続けていたわ。
チャイムが鳴ってHRが始まったようだけれど今は行けないわね。私達は泣き止んだのだけれど、目元は真っ赤だから。
「..ありがとうな、雪乃//」
八幡はそう言って私のお腹から顔を離してきたので、私は彼の顎に手を掛けて上を向かせ、顔を近づけて唇を合わせた。
「好きよ八幡//あなたからの返答を本当は欲しいのだけれど、今は出来ないわよね。..でも私を選んでもらえるって信じてるから」
「雪乃//」
「二人とも目が赤いから授業に出れないわね。一限目は部室に居ましょ」
「そうだな」
「では読書でもしてましょうか」
そう言って八幡は何時もの席に座ったので私は隣の席について、八幡の肩に頭を乗せたわ。
「ゆ、雪乃//近いから」
「私は自分の好意を伝えたわ。好きな人に寄り添いたいと思うことは悪いのかしら」
「い、いや良いんだけど//」
八幡は本が読みにくそうだったけど、顔を赤くして私が寄り添っていることには何も言わなかったわ。
「ねえ八幡」
「どうした」
「あなたからの返事はまだ貰っていないのだけれど、私はこれから皆の前でも好意を示していくわね」
「..恥ずかしいし、噂になるぞ」
「噂と言っても私は八幡が好きなのだから良いわよ」
「俺が良くないんだが..」
「私と噂になるのはイヤ?」
「..そうでなくてだな。はぁ、まあ俺なんて今まで陰口叩かれまくったから今更だけどな」
私達は部室で時間を潰し一限目が終わる前に教室に行くため、部室を出て歩き出したのだけれど、私は八幡の手を取り繋いだわ。八幡は離してくれって言ってきたのだけれど、小町さんから聞いていた上目遣いでお願いすると、渋々了承してくれたわ。
「な、なあ。このまま教室に向かうのか」
「ええ、八幡は私のものって教えてあげないと。ふふ」
「いや、それは可笑しいでしょ」
一限目の終了のチャイムが鳴るまえに3Jの教室前まで付いたのだけれど、この手を離さないといけないのよね。名残惜しいけれど私は手を離したわ。
「ありがとう八幡。また部室でね」
「ああ」
そう言って、八幡は軽く手を挙げてくれた。私は笑顔で胸の前に手を持っていき手を振り返したわ。
八幡は照れながら足早に自分のクラスに向かっていったわね。本当なら手をずっと握って居たかったのだけれど、私も照れてしまってまだ皆の前では恥ずかしいわ。
でも何時かはお互いが離すことのないように、ずっと寄り添っていたいわね。
放課後、私が部室で紅茶の用意をしていると、八幡が最初に来てくれたわ。いつも通り挨拶してくれたのだけれど、八幡は顔が赤くなっているわね。私も一緒で顔が熱いわ。
「な、なあ、雪乃。俺の席がないんだけど...虐め?」
「何を言っているのかしら。あなたの席はこっちよ」
私はそういうと八幡の手をとり私の隣に座らせたわ。
「なあ、何でここなんだ」
「良いでしょ、私は好きな人と一緒に居たいもの//」
「..//」
私と八幡が隣り合って座っていると、結衣たちが来たわ。今日は小町さん以外来たようね。でも八幡と私が隣り合って座っているのをみると睨んできたのだけれど。
「...ねえ、ゆきのん。どうしてヒッキーがそこに座っているの?あたしの席は?」
「結衣は私の隣でどうかしら」
「やだよ、あたしもヒッキーの隣に座る!!」
結衣はそう言って八幡の横に椅子を持ってきたわ。凄い近いわね、私も席を移動して八幡にピッタリくっ付いたわ。
「ねえ、あんたたちズルくない?あーし達は?」
「どうしてかしら、私達は奉仕部の部員だから集まっても良いと思うのだけれど。あなた達は部員でないのだから、机を挟んで用意してある椅子に座ってくれるかしら」
「雪乃先輩、私もですか」
「そうよ、いろはさんも部員ではないのだから」
「なあ雪乃。席は今まで通りで良いんじゃないか」
「朝、言ったでしょ。..私は好きな人の隣に居たいのよ」
「「「「「「!?」」」」」」
コンコン
ちょうど材木座君が来たようね、私が入室を促すと入ってきたのだけれど、扉を開けた瞬間に怯えだしたわ。私以外の女性から睨まれているのだから。
「..き、今日は帰らせてもらいましゅ」
「駄目よ、材木座君。今日は勉強会を止めてあなたのラノベを読む日なのだから」
「ゆきのん、それよりあたし聞きたいことあるんだけど」
「いいえ、今は部活の時間よ。材木座君のラノベは奉仕部で受けているのだからそちらを優先するわ。もし私の意向に従えないのであれば、部室から出て行って貰えるかしら」
「「「「「「ッ!!」」」」」」
「では材木座君、ラノベを見せて貰えるかしら」
「ひ、ひゃい!!」
私はラノベの内容を確認したけれど、どうして八幡と他の人のラブコメを読まないと行けないのかしら。でも奉仕部で受けたから仕方ないわね。
**************************
(ここから材木座の小説)
「八幡。今日は欠席なんだ...」
私は空席になっている右隣りを見つめて独り言を言っていた。5限目は世界史の授業で教科書を見せてもらおうと思ってワザと忘れてきたのに、これだと見せてもらえないな。
HRで先生から八幡が風邪をひいて、今日は欠席だと伝えられたけど、大丈夫なんだろうか。
お昼ご飯も最近は奉仕部の部室で食べてるけど、皆が集まっていても八幡が居ないと美味しく感じられないな。私はお昼を食べ終わると用事があるからと言って部室を後にした。
「大志、小町はどこに居る?」
私は一年生の教室を訪れて、弟の大志を呼びだしていた。
「ねえちゃん、いきなりどうしたんだよ」
「良いから、小町呼んで」
「..分かったよ」
大志に小町を呼んでもらい、私は八幡の容態を聞いていた。
「沙希さん。お兄ちゃんなら大丈夫ですよ」
「...それならいいんけど」
「でも、人恋しくなってるかもしれませんね。...沙希さん。小町は今日、友達と遊ぶ予定で帰りが遅くなりそうなんですよ」
小町はいきなり含みのある笑顔を浮かべながら、ポケットから鍵を取り出していた。
「沙希さんがお兄ちゃんを見てくれれば、小町はゆっくり遊べるんですけどねぇ」ニヤッ
「..こ、小町がゆっくり遊びたいだろうから、わ、私が様子を見てくるよ」
「姉ちゃん、けーちゃんの迎えはどうすんだよ」
「た、大志。今日はお願いするから」
「..姉ちゃん。お兄さんとしっぽりしたいんだな。久しぶりに朝帰りでも良いよ」ニヤッ
「な、なに言ってんだよ!!心配だから見に行くだけだから!!」
私はテンパってつい大きな声を出してしまっていた。一年生がこちらを見て声を潜めている。そんなことお構いなしに小町が余計なことを言い出した。
「はい、はーい。では沙希御姉ちゃん。お兄ちゃんをお願いします。食べちゃっていいですよ」ニヒヒヒ
「姉ちゃん。俺はまだ叔父になりたくないからな」ヘヘヘ
私は顔を真っ赤にしながら大志を殴り小町から鍵を受け取ると、一年生のクラスから逃げるように立ち去っていた。
3Fに戻り、帰る支度をしていると皆がお昼を食べ終わったようで、教室に戻ってきた。
「あれ、サキサキ。今日は帰るの」
「体調悪いん?ヒキオの風邪移ったんじゃない?」
「大丈夫?サキサキ」
「自転車気を付けてね、沙希ちゃん」
皆が心配してくれてるけど、私は正直に話すことが出来ずに教室を後にして、自転車で八幡の家まで走っていった。
玄関前についてインターフォンを押そうと思ったけど、中々手が出ない。どうしよう?でもこのまま家に入らないのもなんだし、小町に鍵を借りたんだから良いよね入っても。
小町の許可は貰ったし、もしかしたら八幡が動けなくて困ってるかもしれないから。私は自分にそう言い聞かせて玄関の扉を開けていた。
「は、八幡。大丈夫?」
私は八幡の部屋の扉をノックしたけど、返事は帰ってこなかった。ゆっくり扉を開けて、部屋を覗くと八幡は寝ているようで布団が盛り上がっていた。
「は、入るよ」
部屋に入っていったけど、八幡は寝ていて私には気づかなかった。顔を覗き込むと、顔には汗が浮かび上がっていた。唸っているわけではないし苦しそうでもないけど、汗を拭いてあげた方が良いな。
私はお風呂に行って桶に水を汲み、タオルを用意して八幡の部屋に持って行った。顔の汗を拭いて、私のハンカチを水に浸し額においた。
「しまったな、途中で色々買ってくればよかった」
そう考えたけど、今から買いに行く気にはなれない。もし体調が悪化したら。私は小町にメールをしてアイスノンの場所やジュースを貰ってもいいか確認しておいた。
「は、八幡。ちょっと身体触らせてもらうよ」
私はそういうと、布団の中に手を入れて八幡の身体に触れていた。..凄い熱い。布団の中は八幡の汗で蒸れていた。でも着替えさせるのは八幡が起きてからの方が良いよね。
私は看病しながら何度も布団に手を入れて身体に触れていた。べ、別に触りたいから布団に手を入れているわけじゃないから//...はぁ、誰に言い訳してるんだろ。私はそんなことを考えていた。
「う、うーん。...あれ、沙希か」
私が八幡の身体を触っていたら起こしてしまったようだった。でもよかった、寝汗が酷いんで起きなかったら、どうやって着替えさせようか考えていたから。
「あ、ああ。心配で来てみたんだけど、あんた寝汗酷いよ」
「服が張り付いて、ちょっと気持ち悪いな」
「着替えた方が良いよ。わ、私が拭いてあげるから//」
「..いや、不味いだろ」
「病人はおとなしく言う事聞きな」
私はそういうと、桶にお湯を汲みにいくため、キッチンに向かった。ど、どうしよう。今になって恥ずかしくなってきた//でも汗を拭いてあげないと。
私は少し熱めのお湯を桶に入れて、八幡の部屋に持って行った。
「じ、じゃあ、身体拭くから脱いで」
「いいよ、自分でやるから」
「いいから、早く服を脱ぐ!!」
私がそういうと八幡は溜息を吐きながら、上着を脱いで背中を向けてくれた。
「じゃあ、拭くから//」
私はタオルをお湯に浸して、八幡の背中を拭いていった。意外と大きい背中だな//私は拭きながら左手を八幡の背中に這わせていた。
「さ、沙希//こそぐったいから//」
「ご、ごめん//じゃあ今度は正面拭くよ」
「ま、前は自分で拭くよ」
「何回言えば分かるんだよ、あんたは病人なんだから言う事聞きな」
私は八幡を自分の方に向かせて身体を拭いていった。
「拭きにくいから横になって」
八幡は文句も言わずに従ってくれて、私はベッドに座って拭きだした。
は、恥ずかしいな//八幡は目を逸らして私の方を見ないようにしてくれていたので、私は拭くことに集中できた。でも触ってみたいな、そう考えていると何時の間にか八幡の胸に手を持って行って乳首を撫でていた。
「な、なにやってんだよ//」
「..ご、ごめん!!」
私は恥ずかしくなって、その後は拭くことに集中していた。後は下半身だよね//
「じ、じゃあズボンも脱ぎな//」
「良いよ、そっちは」
「何度も言わせるんじゃないよ、拭いてあげるから」
八幡はブツブツいいながら、布団の中でパジャマのズボンを脱いでいた。
「下は自分で拭くからタオル貸してくれ」
「私がやってあげるから」
そういって私は布団を捲って拭きだしたけど、八幡は顔を真っ赤にして私と目を合わせないようにしていた。私はパンツの膨らみから目を離せなかった//これって大きくなってるんだよね。私が拭いてるからかな//
足を拭き終わるころ、家のインターフォンが鳴って下の方から誰かが入ってきた音がした。
し、しまった。家に入るとき緊張してて、玄関の鍵を閉め忘れたみたいだ。話し声から雪乃と結衣が来たみたい、でもなんでアイツらが来るんだよ。
「ヒッキー、部屋かな」
「寝ているのでしょうね、でも鍵を開けてあるなんて不用心ね」
段々部屋に近づいてきて話し声が大きくなってきてる。病人がいるんだから、静かにしろって言うの!!でもどうしよう、抜け駆けして私がここに居るのは不味い、なにを言われるか溜まったものじゃない。
私は辺りを見渡して、八幡に抱きつくと布団を被っていた。
「さ、沙希。不味いって//」
コンコン、ガチャッ
「ヒッキー、大丈夫?」
「八幡、大丈夫かしら」
「あ、ああ。大丈夫だ」
や、ヤバイ//勢い余って八幡の布団に入ったけど、私の顔は八幡の脇に埋める形になっていた。
この布団の中は不味い//寝汗のせいか暑くて八幡の匂いが強くて、私が息を吸うたびに頭がクラクラしてきて、身体が火照ってくる//
私の身体はベッドの奥で八幡の右横に抱きついていたんだけど、うぅ、触りたい//い、良いよね、ちょっとぐらい。私は八幡の左胸を撫でながら舌を出して、八幡の脇下を舐めていた//
「ッ//」
「どうしたの、ヒッキー」
「な、なんでもないから//」
私達は授業で机を並べてる時、手を握り合って私の太ももに手を置いている。八幡はスカートを指で持ち上げようとしてくるんだけど、私はそれを防いでいて、恥ずかしがりながらもイチャイチャ出来るのを楽しむため、小町にも八幡の教科書を抜くようにお願いしてて、毎日どちらかが机を近づけていた。
今日はそのお返しが出来る//私に恥ずかしいことをしてくるんだから、今は八幡に恥ずかしくなってもらお//
私は左腕を下の方に伸ばしていった。股間には触れずお臍の辺りを撫でたり太ももを撫でるため手を動かしていたんだけど、たまに股間に当たってる//私は脇下を舐めていたんだけど、もっとしたくて脇下に吸い付いていた。目立たないところだけど、ここにキスマーク付けてみよ//
八幡達は何か喋っているけど、私はそんなことよりもっと触りたい、舐めたい。だから顔を胸の上に持って行って胸にも吸い付いていた。
「..ねえ、八幡。どうして、こんなに布団が盛り上がってきたのかしら」
そう言ったかと思うと布団が剥がされて、私が胸に吸い付いているのを雪乃と結衣に見られていた。
「な、何してるし!?サキサキ!!」
「あ、貴女、何しているの!?」
「...さ、沙希が見舞いに来てくれてな」
「なぜ胸を吸っているのよ!!」
「サキサキ!!いい加減離れるし!!」
私は見つかっても八幡に吸い付いていた。だってもっと味わいたいしイチャイチャしたい//それを邪魔されたくない!!
「じゃあ、今度は左胸にキスマーク付けるから」
私は左胸に顔を近づけていくと、雪乃の手が伸びてきた。
「いい加減にしなさい!!沙希さん!!」
「そうだし!!サキサキ!!」
私は頭を押せられ動きを止められていた。なんでこいつら邪魔するんだ!!
「あ、あんたらもしたいんだろ!!だったら一緒にすれば良いだろ!!」
「ッ...そ、そうね。私達も仲間に入れば良いのね//」
「ゆ、ゆきのんするの?」
「結衣はしなくても良いわよ」
「...ううん、あたしも一緒にする//」
「ま、まて。いくら何でも不味いから」
二人は何も返事をせず八幡ににじり寄ってきた。
「ま、まて。俺病人だぞ、不味いって。...あ、ああーーー!!」
私達は八幡の上半身にキスマークを付けまくって、その日は満足して帰宅していった。
八幡は裸でいたからだろうか、熱が上がったと言って次の日も休んでいた。もしかしたら私達のせいかも。だったら今日もお見舞い行こう。
結衣が私の方を振り返り目が合うと頷いてきた。今日は雪乃と結衣一緒に行こう。昨日は上半身だったから今日は下半身にキスマークを付けてあげようかな、また悪化させちゃうかもしれないけど//
(ここまで材木座の小説)
**************************
「八幡!!なんで太もも撫でてること、材木座にばらしてんのさ!!」
「ば、バカ。俺が言うわけないだろ」
「「「「「「は!?」」」」」」
「お、お主たち本当にやっていたのか。教室で隣合って教科書を見てるので、そこで出来るイチャイチャイベントを考えてみたのだが。...でもどうやってだ?字が書けずノートが執れぬであろう」
「..左手同士を繋いでる」
「後、八幡が教科書を忘れてくるようになったのも本当に沙希殿が小町にお願いしてたとか」
「材木座!!うるさい!!い、良いだろ、私がイチャイチャ出来るのって教室ぐらいしかないんだから!!」
「小町もグルか。どうも最近、忘れ物が多いと思った。...って、腕が痛い!!雪乃!!結衣!!」
私は八幡の腕を取って、いつの間にか力を込めていたのだけれど爪が食い込んでいるわね。結衣も同じようで、腕に爪が食い込んでいて淀んだ目で八幡を見ているわ。
「太ももぐらい良いじゃん!!うちは八幡に選んでもらった下着履いてきたとき覗いてくれたし、撮影の時お尻を撫でて揉んでくれたからね!!」
「「「「「「はぁ!?」」」」」」
「み、南。何言いだすんだよ」
「だって負けたくないじゃん!!下着履いてきた時も何回も振り返って見てくれたもんね!!八幡!!」
「い、いや、そんなに見てないはずだぞ...5回ぐらい?...痛い!!」
不味いわ、負の感情が溢れてくる。どうして私以外の女性とそんなことしてるのか、問い詰めないと行けないわね。
「南先輩。私は撮影の時、先輩とキスしましたからね」
「「「「「「はぁぁ!?」」」」」」
「あ、あれは事故だろ」
「ど、どう言う事かしら。私は今日、キスしたのだけれど八幡は初めてではなかったと言う事かしら」
「「「「「「はぁぁぁ!?」」」」」」
「...私は先輩と軽くですけど、触れあったんです//私にとってはファーストキスでしたよ。先輩も初めてですよね//」
「あ、あれは無かったことになってるだろ...って、痛いから!!」
「私の初めてですよ、先輩//」
血の気が引いてくるわ、頭が働かない。でも掴んでいる腕だけは離せないわね。
「そんなこと言ったら私はハチに胸を弄ばれたし、首の後ろにハチのものだってキスマーク残してもらったよ//」
「「「「「「はぁぁぁぁ!?」」」」」」
「姫菜も何言ってるし!!そんなこと言ったら、ヒキオはあーしのお尻でイッちゃったし!!」
「「「「「は、はぁ?はぁぁぁぁぁああぁぁぁ!?」」」」」
「優美子!!」
「あ...ごめん、ヒキオ。喋っちゃった」
「もういい...いっそ、殺してくれ...」
「..ねえ、ヒッキー。あたしだけ何もしてもらってないよ」
「...何もなくていいだろ」
「やだよ!!」
結衣はそう言うと八幡の首に手を回して、いきなり唇を奪ってしまったわ。
「ヒッキー。あたし、ヒッキーのことが好き!!最初はサブレを助けてくれたことが始まりだけど、今ではヒッキーのことが大好きなの!!」
「..結衣//」
「何してんのさ!!結衣!!あーしもヒキオが好きなんだから勝手にキスすんな!!」
「ハチは私のものだよ!!私が初めて好きになったハチだけは誰にも渡さない!!」
「うちも八幡が好き!!だから絶対負けない!!」
「八幡は私のだよ!!私も八幡のこと大好きだから!!」
「私も先輩が好きです!!先輩は私と付き合うんです!!先輩は年下好きですから!!」
どうして告白大会になってしまってるのかしら。皆、席から立ち上がって私達の方に近づいてきたわ。多勢に無勢ね、八幡も逃げようとしているのだけれど、私は腕を離さなかったし結衣は首に絡みついて今も頬にキスしてるわね。
「八幡。我は帰らせてもらうぞ...」
「材木座。助けてくれ」
「...主の今までの所業を悔い改めよ」
「ざ、材木座ーーーー!!...あ、アァーーーーーーーーー!!」
材木座君が部室から出て行くと、キス合戦が始まってしまったわね。私はキスだけでは物足りなくて首筋にキスマークを付けたのだけれど、皆まねしだして首筋には凄い数の跡が残ってしまったわ。八幡も初めのうちは抵抗していたけれど、途中からは受け入れてくれたわ。もしかしたら放心していただけかもしれないけれど。
今日は私だけが告白したはずなのに、その日のうちにこんなに多くの女性に告白されるなんて思ってもみなかったわね。でも最後に勝つのは私なのだから、これからも攻めて行かないと行けないわね。