やはり材木座が書くラノベは間違っている   作:ターナ

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「ゆきのんの妊娠」

「八幡。これ今日の弁当だよ」

「ありがとうな、沙希。でも3年になっても続けるのか」

「私は続けるよ。皆は知らないけど」

「うちも持ってくるよ」

「私も持ってくるわ」

「ヒッキー、私も続けて良いよね」

「先輩、私も持ってきますから」

「そうか。じゃあ、これを受け取ってくれ」

 

そういって八幡は鞄から紙袋を五つ取り出して、全員に配ってくれたわ。

 

「そのなんだ。今までのお礼とこれからもよろしくってことで」

「「「「「ありがとう(ございます)!!」」」」」

「八幡。開けても良いかしら」

「ああ、もうあげたからな」

 

私達が袋を開けると中には色とりどりのポーチが入っているわね。まさか八幡がお礼をくれると思っていなかったわ。

 

「可愛いポーチですね。先輩が選んだんですか」

「ああ、最初は小町に選んでもらおうと思ったんだが、自分で決めろって言われてな。ポーチなら化粧品とか、小物入れとかに使えると思って決めたんだ。まあ、安物だが良かったら使ってくれ」

「八幡、こういうのは値段ではないのよ。本当に嬉しいわ」

「うん、ヒッキー。ありがとうね」

「八幡、私も大事に使うから」

「うちも大事に使わせてもらうよ、八幡」

「先輩。ありがとうございます」

「じ、じゃあ。弁当食べようぜ。お腹が減ってしょうがないんだ//」

 

八幡は照れているようね。顔を赤くしながら川崎さんの弁当を食べだしたわ。私達は皆、嬉しくてポーチを眺めながら、弁当を食べだしたわ。

 

「ご馳走様でした」

「お粗末様」

「沙希、何時も旨い弁当ありがとうな。じゃあ、俺は先に教室に戻ってる//」

 

そう言って八幡は部室を出て行ったわ。多分、照れくさいのでしょうね。私達はずっと貰ったポーチを眺めていたのだから。

 

「でも良いのかな貰っちゃって。これアナスイだよ、安くはないよね」

「そうね。私達もお返しできるようにもっと料理を頑張りましょう」

「うん、うちもそれが良いと思う」

「そうだね。これでお返しに何か渡すと、また八幡に気を使わせるし」

「はい。でも先輩ってこういうところ、あざといですよね」

「ヒッキーは純粋にお礼をしたかっただけだろうけど、..もっと好きになっちゃったし//」

「「「「うん(そうね)(はい)//」」」」

 

私達は弁当を食べ終わってもずっとポーチを眺めたり、今まで使っていたポーチから小物を入れ替えたりしていたわ。八幡にお弁当でそれだけのものを返せていると良いのだけれど。

 

*****

 

放課後になったので私達は3年生になって初めての部活のため部室に集まったのだけれど、八幡が春休みのことを言い出したわ。

 

「今回の春休み、全然休めなかったな」

「なにがかしら、私は充実していたわよ」

「うん、楽しかったじゃん。撮影したり皆で買い物行ったり、ピクニックに行ってお花見したり」

「みなさん、いっぱい遊んだんですよね。私は生徒会と部活で偶にしか行けませんでしたけど」

「八幡も一人の日はあったでしょ」

「無かったぞ。誰かが来たり、呼び出されたり」

「...ヒッキー。私たち以外にも誰かと遊んだの」

「...いや、俺の勘違いかな。うん、一日家にいたこともあるわ」

「八幡。正直に言ってもらえるかしら」

「..めぐりが家まで来て、お昼作ってくれて図書館行ったり、かおりと千佳の三人でラウンドワンに遊びに行きました」

「「「ふーん」」」

 

城廻先輩は余り関わることがなかったのに、八幡の家まで行くということはそういうことなのよね。

折本さんと仲町さんは八幡のこと、どう考えているのかしら。特に仲町さんはあまり話すことはなかったと思うのだけれど。どうして八幡の周りには女性がこんなに多いのかしら。

 

私が考え込んでいると材木座君が来たようね。この間のこともあるので、普通のラノベを書いて来ているはずだけれど。

 

「雪ノ下殿のラノベを書いてきたので、最初、由比ヶ浜殿と生徒会長殿に読んでもらいたいのだが」

「今回はまともなラノベなのか、材木座」

「由比ヶ浜殿と生徒会長殿のラノベも用意しているのだが、全部子供が関係してくるのだぞ」

「「「....//」」」

 

由比ヶ浜さんと一色さんがラノベを読みだしたのだけれど、難しい顔をしているわね。

 

「これ、良いのかな」

「ちょっと悩みますね」

「何か不味いことが書いてあるのかしら」

「うん。ゆきのん家の両親が出てくるんだけど、ちょっとね」

「不味かったであるか。では読まない方が良いと思うので返してもらえないだろうか」

「..それは最後、どうなるのかしら」

「最後はハッピーエンドだよ」

「ただ、この内容だと途中まで雪ノ下先輩のご両親のこと、余り良いように捉えれませんから。最後は良いんですけど」

「それであれば問題ないわ。読ませていただけるかしら」

 

**************************

(ここから材木座の小説)

 

俺と雪乃は3年生の2学期になってから付き合いだした。俺たちは同じ大学を目指すため、雪乃に勉強を見てもらっていたのだが、いつの間にか俺は雪乃が居ないと何も手に付かないほど、彼女のことばかり考えており、受験生でありながら告白して雪乃は受け入れてくれた。

 

ただ二人で勉強している毎日だったので、恋人らしいデートや情事に溺れることなく手を繋ぐだけで嬉しく感じながら、学生生活を満喫していた。

 

「は、八幡。冬休みは私のマンションで最後の追い込みの為、合宿しないかしら」

「いいのか、今まで泊りに行ったことはないんだが」

「ええ、クリスマスや正月も勉強するでしょ、でも二人でお祝いぐらいしたいもの」

「そうだな。じゃあ終業式終わったら、用意していけばいいか」

「ええ、それで構わないわ」

 

俺は終業式の日、家に帰ると雪乃の家に泊まりに行くため、用意して向かっていった。

雪乃と初めて夜を明かすことになるが、俺はそういったことをやるつもりはない。本心から言えばやりたいに決まっているが、雪乃が望まないのであれば、俺からは求めないつもりだが理性が持つのか不安だった。

 

「では早速勉強を始めましょうか」

「ああ、ちゃんと用意してきたからな」

 

俺たちはいつも通り勉強会を始め、ご飯は二人で作り疑似の夫婦体験をしながら過ごしていた。俺はそれだけで幸せを感じていた。

 

クリスマスイブは午前で勉強会を終え、午後はケーキやターキー等の用意を二人でしていた。

 

「二人きりのクリスマスイブだな」

「ええ、今日ぐらいは勉強を忘れて、付き合いだして初めてのクリスマスイブなのだから、ささやかなパーティーをしましょ」

「ああ、雪乃。これ俺からのプレゼントだ」

「え!?は、八幡。何時の間に用意していたの?」

「合宿を決めた日に買いに行った。付けてもらえるか」

「ええ、貴方がつけて頂戴」

 

そういうと、雪乃は俺に背中を向け髪の毛を持ち上げていた。俺が買ったのは雪の結晶がモチーフになっているペンダントで雪乃の白い肌に合うと思い、購入していた。

 

「綺麗。嬉しいわ、八幡。では私からもプレゼントがあるの。目を瞑って貰えるかしら」

「ああ」

 

そういうと、雪乃は俺の首に何かを巻いてきた。多分マフラーだろう。ただ雪乃の息遣いが凄く近くに感じられる。

 

「目を開けて」

 

俺が目を開けると、雪乃の顔がすぐ近くにあり、潤んだ瞳で俺のことを見ていた。マフラーを巻いてくれたが、俺と雪乃を繋ぐように首にかかっていた。

 

「マフラー、ありがとうな//か、顔が近いんだが//」

「ええ、手編みで二人で巻いても良いように長くしたのよ。...八幡//キスぐらい良いでしょ//」

 

雪乃はそういうと目を閉じてきたので、俺は顔を近づけていき、雪乃に口づけをした。

 

「愛してる、雪乃//」

「私もよ、八幡。貴方を愛しているわ//」

 

俺は雪乃のことが愛おしくなり、雪乃の全てが欲しくなった。この日、俺は雪乃を求め雪乃も答えてくれた。

 

俺たちは交わった後でもお互い受験生であることには変わりないため、クリスマスと雪乃の誕生日以外はキスまでにしていた。

 

受験が終わり、俺たち二人志望校に受かった後、暫くすると雪乃が蒼白な顔をしていた。

 

「..八幡。..私、妊娠したの」

「ほ、本当か。じゃあ、雪乃のご両親に結婚の許しを貰いに挨拶に行かないと」

「..いいの?産んでも」

「何言っているんだ。当たり前だろ」

「あ、ありがとう。八幡...うぅぅ」

 

雪乃は不安だったのだろう、俺の胸に顔を埋め泣き出した。俺も確かに不安はある。まだ卒業もしていない、しても大学生であるため、親子三人の生活費を稼ぐことなど出来ないだろう。甘い考えだが、俺は実家で親に面倒見てもらえるよう頼んでいた。

俺の両親はしぶしぶだが了承してくれ、色々準備があるだろうと俺の学費で溜めていた分のお金を幾らか渡してきた。

 

「八幡が国立に受かったおかげで少しは渡せるわ。今後、お腹の子が大きくなると色々物入りになるから、このお金を使いなさい」

 

俺の両親はそう言って、早く雪乃の両親にも挨拶しに行けと言ってきた。

 

俺と雪乃は二人で雪ノ下家に赴いたのだが...

 

「何を言っているの、雪乃。まだ学生で責任持てないことしておいて、そちらのご両親に迷惑かけて子供を育てるですって。許されるわけないわ、貴女には雪ノ下家を守って貰わないといけないのよ。どこの馬の骨とも分からない男より私達が見つけてきた男性と結婚しなさい。お腹の子供は処分して貰うわ」

「ど、どうしてそんな酷いこというの!!子供には責任ないじゃない!!」

「ええ、子供に責任はないわ、あるのは貴方たち二人よ。だから降ろして別れなさい」

「いやよ、私は八幡のこと愛しているわ。愛し合って出来た子供にそんな酷いこと出来るわけないじゃない!!」

「..雪乃。私は貴女の将来のことを思って言っているの。高校生でありながら無計画にそういったことをする男に雪乃を任せれないわ」

「お義母さん。全て俺の責任です。俺のことを憎んでもらっても構いません。ただ雪乃と子供のことは認めてあげてください。俺は大学に行きながら働きますから」

「貴方にお義母さんと言われる筋合いはないわ。すぐに出って行って」

「八幡君と言ったかな、君はまだ高校生だろ。今回のことはお互いに責任があると言っていい。だから雪乃にこれ以上関わらなければ、私達から何かするつもりはない。だから雪乃と別れて出て行ってくれないか」

 

雪乃の両親は俺達のことを認めてくれる事はなく、俺と雪乃は雪ノ下家を後にした。

 

「..雪乃。俺に全て任せてくれないか」

「八幡。また自分を犠牲にするつもりなの?」

「いや、俺と駆け落ちしてくれないか。雪乃とお腹の子供に迷惑をかけるが俺にはそれしか思いつかない」

「良いわよ、私も考えていたもの。..でも、もう一つ手があるの。その為には姉さんの協力が必要なのだけれど」

「聞かせてもらえないか、その方法を」

「ええ、それは・・・」

 

雪乃はとりあえず御両親の言うことを受け入れていた。堕胎については、雪乃の体調を考え卒業式の後に行う予定になったようだ。

 

卒業式の日、俺達は登校したが雪乃と会うことは出来なかった。雪ノ下のご両親も来賓としてきており、俺の方を一瞥してきたが、俺が会釈しても何も反応はなかった。

 

生徒会長の送辞が終わり、答辞は3年間主席だった雪乃が選ばれ、壇上に立っていた。

 

「やわらかな陽射しの中に、ほのかな春の香りが漂う季節となりました。今日....」

 

雪乃の答辞が慎ましく進んでいったが、雪乃は一旦言葉を止め、呼吸を整えていた。

 

「私事でありますが、私は昨日、比企谷八幡さんと結婚しましたことをここに報告させてもらいます。彼が雪ノ下を名乗ってくれることになりました。そしてこのお腹には八幡と愛し合った結晶が息づいています。八幡、これからも私と子供を愛してください」

 

俺はそう言われ、席から立ち上がり大声で叫んでいた。

 

「雪乃!!俺はお前と子供のこと一生離さない。だからどこまでも一緒に付いて来てくれ!!」

「はい!!どこまでも付いて行くわ!!」

 

俺はそういうと、雪乃のもとに走っていき、壇上に上がった。そして熱い口づけを交わした。

教師や生徒、保護者達は騒然としていたが、俺たちはお構いなしに口づけを交わしていた。

 

「おめでとうございます!!雪ノ下先生!!ご婦人も!!いやはや雪ノ下家もこれで安泰ですな」

「い、いや。これは、..あ、ありがとうございます...」

「....雪乃。やってくれましたね」

 

体育館は騒然としていた。それはそうだろう、雪乃の結婚発表とお腹の子供。俺には考え付かなかったが、これだけの人の目があるところでの発表だ、雪ノ下家も後戻りできまい。婚姻届けも提出しているため、雪乃の経歴に傷を付けたくないだろうし。

 

俺たちはあの後、陽乃さんにお願いし実印を手に入れてもらっていた。未成年のため、婚姻届けには親の同意が必要だったから。ただ俺達は陽乃さんに幾つか条件を出されたが、それを全て受け入れた。雪ノ下性を名乗ること。近い将来、陽乃さんが引き継ぐ雪ノ下建設で働くこと。他にも細かい条件はあったが、俺たちは全て受け入れた。

 

「大騒ぎね、八幡」

「ああ、目立たず卒業する予定のボッチが、最後にこんなに目立つプロポーズすることになるとはな」

「良いじゃない、一生に一回ぐらい。もしかしたらこの学校で語り継がれるかもしれないけれど」

「でも悪い気分じゃない、大好きな雪乃が隣に居てくれるから」

「私もよ、八幡。一生離れないわよ」

 

俺たちはまた、壇上の上でキスを交わしていた。

俺たちが壇上を降りるとそこには卒業生達が花道を作ってくれていて、雪乃は俺の腕に抱きついてきたが、俺たちは祝福されながら花道を通り体育館を後にした。その後、平塚先生に呼び出されたが...

 

優乃(ゆうの)ちゃん、ばぁばですよ」

「母さん、優乃は寝ているのだから静かにしてもらえないかしら」

「雪乃、早く学校に行きなさい。あなた休学していたのだから少しでも遅れを取り戻す必要があるでしょ。陽乃も早く会社に行かないと」

「お母さん。もしかして今日も会社に来ないつもり?なんで社会人一年目の私に任せているのよ」

「陽乃、若い時の苦労は買ってでもせよって言うでしょ。雪乃、優乃ちゃんは私に預けてもらって構わないわよ。なんだったら八幡さんと二人で旅行に行ってきなさい。一週間ぐらい、いいえ一月でもいいわ。お金は出してあげるから」

「言っていることが支離滅裂なのだけれど。大体母さんは優乃を処分しろって言ったのよ」

「な、何を言っているの!!こんなかわいい優乃ちゃんを。...私がそんなこと言うわけないでしょ。あ、あれはそ、そうよ。貴方たちがどんなことが有っても乗り越えられるか試したかっただけよ」メソラシ

「「...へぇ」」

「そ、そうだわ。八幡さん、あなた新婚旅行も行っていないでしょ。雪乃は勉強しないと行けないし、陽乃は会社が忙しいから、私と八幡さん、優乃ちゃんで旅行に行きましょう。そうね、温泉が良いわ。部屋に露天風呂がついていれば、3人で一緒に温泉にも入れるわよ」

「な、なにを言っているのかしら!!この人は」

 

卒業式の後、雪乃の両親は俺達を別れさせることを諦め、俺のことを受け入れてくれた。最初のころは余り良い顔をしてもらえなかったが、俺が陽乃さんの手伝いで会社に出入りしだすと、いつの間にかお義母さんに連れ回されるようになった。

 

優乃は雪乃に似て、凄く可愛い赤ん坊で俺のアホ毛はしっかり遺伝しており、キャッキャ笑っている時はピコピコアホ毛が動いていた。家の両親も雪乃の御両親も優乃にはベタ惚れになっていた。

 

今では雪乃の御両親は人が変わったように俺たちの世話を買って出てくれている。俺の実家では優乃の面倒を見る人がおらず雪乃の休学が延びてしまうため、雪ノ下家の敷地内に家を建ててくれ俺達を招き入れてくれた。

陽乃さんは大学を卒業すると、元々雪ノ下建設で学生の時から仕事をしていたので、それなりの役職になり、お義母さんの仕事を幾らか引き継いでいたため、毎日奔走していた。

 

「八幡さん、陽乃と雪乃が私を虐めるのよ。次期雪ノ下家当主としてガツンと言ってあげて頂戴」

「はは..陽乃さんが結婚したらその旦那さんが次期当主ですよね」

「陽乃、八幡さんが大学卒業したら、どこに嫁いでもらっても構わないわ。なんだったら会社辞めてもらってもいいわよ」

「な、なんでお母さんはそこまで八幡君のこと受け入れているのよ!!」

「なんでって雪乃が選んだ人ですもの。私は娘の目を信じているわ。優乃ちゃんも幼稚園に行きだしたら、私と八幡さんで二人三脚で運営していくわ」

「母さんって八幡のこと、どこの馬の骨とまで言っていたのだけれど」

「雪乃!!自分の旦那様に向かってなんてことを言うの!!そんなこと言うわけないでしょ!!私が何時言ったの?何時何分何秒?地球が何回回転したとき?」

「..それ小学生でも言わないから」

「ほ、ほら時間よ。優乃ちゃんは私に任せて早く出かけなさい!!」

 

俺と雪乃はお義母さんに優乃を任せて、大学に向かっていった。

 

「雪乃、あの作戦ってここまで受け入れてもらえると考えてたのか」

「いいえ、まさか母さんがあそこまで舞い上がるとは思っていなかったわ。私は大学を辞めて八幡のお家で静かに暮らすと考えていたもの」

「そうだよな。俺が言った駆け落ちよりは良かったんだろうが、あそこまで優乃に入れこまれるとちょっと不安で」

「優乃もそうだけれど、あなたもよ」

「俺?俺は関係ないだろ」

「やはり気づいていないのね。今、私の両親はあなたに雪ノ下家を任せる気でいるわよ」

「それは陽乃さんを焚きつけるために言っているだけだろ。俺なんて雪ノ下家にとっては本当に馬の骨以下の存在だからな」

「はぁ、これだからあなたは」

 

俺と雪乃は大学に通いながら、子育てに日々追われていた。俺はお義母さんと陽乃さんの手伝いをするため、アルバイトで雪ノ下建設に出入りしているが、なぜか大きなプロジェクトの会議に出席させられ毎回発言させられるため、かなり建築関連の勉強をしている。大学受験より大変だったがお義母さんと陽乃さんのお蔭で何とかこなせていた。

 

こんな忙しい日々でも毎日が幸せで楽しいと感じていた。俺を支えてくれる雪乃が居るから。そして俺たち家族を雪ノ下家を含め支援してくれる人たちのおかげで俺たち家族は幸せに暮らしていった。

 

(ここまで材木座の小説)

**************************

 

「優乃//」

「いろはの時も有ったが何で俺が全校生徒の前で叫んでんだよ」

「これ以外の方法はあるか?」

「思い付かないが俺なら取らない方法だな」

「だが自分の伴侶と子供の為だぞ。これぐらい出来るであろう」

「あなた。優乃と私のためにやってくれないの?」

「い、いや、もしこんなことになって他に手がなければ腹を括るが」

「良かった。お父さん、優乃と私のこと守ってくれるって」スリスリ

「な、なんでゆきのん。お腹撫でて語りかけてるし!!」

「さっき、雪ノ下先輩が「あなた」って言った時、何時もとニュアンスが異なりましたよね!?あと、先輩のことお父さんって..」

「あら、当たり前でしょ。私とお腹の子を守って貰わないといけないのだから」スリスリ

「は、八幡。お主もしかして...」

「ヒッキー...」

「先輩...」

「俺、経験ないからね!!..頼む、雪乃。それ以上は止めてくれ」

「..あなた、優乃に会いたくないの?」

「い、いや、何時かは子供が欲しいと思うがまだ早いだろ。せめて社会人にならないと」

「では、大学卒業したら私に子供を作ってくれるのね//」

「な、なに言ってるんだし!!ゆきのん!!」

「そうですよ!!先輩も何言ってるんですか!!雪ノ下先輩と子作りするみたいに言って!!」

「いや、そういうつもりで言ったわけじゃないんだが//」

「キーーー!!なんでそこで二人で顔をあっかくしてるんだし!!」

「そうですよ!!先輩!!」

 

どうも今回、私は暴走してしまったようね。恥ずかしかったのだけれど、もし子供が出来たらって考えると嬉しくてしょうがないわ。

 

「雪ノ下先輩の家って厳しそうですよね。もし、子供出来たってなったら駆け落ちとかしないと行けないぐらいですか」

「ええ、多分こうなるでしょうね。それか私であれば、黙っておいて暫く旅行に行くと言ってその間に子供を産むわね。生まれてしまったらどうしようも無いもの」

「でもなんかのドラマで有ったじゃん。子供を施設に入れるとか」

「そんなことさせないわ!!私と八幡の子供を施設に預けるなんて!!」

「..雪乃。そこで俺の名前を出すの止めてくれ」

 

どうも駄目ね。本当にそうなったらと考えると、感情をうまくコントロールできなくなってしまうわ。

 

この後、時間もないので批評を行い、次は由比ヶ浜さんのラノベを読むことになったわね。

 

 


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