やはり材木座が書くラノベは間違っている   作:ターナ

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第23話

「前回は生徒会長殿に申し訳なかったので、今回は続編として書いてきたのだ。我も続編は初めてだったので練習がてらだが」

 

それで材木座君は相模さんを連れて来たのね。材木座君が相模さんに話しかけて連れてくるなんて思わなかったのだけれど、彼もラノベを書いて変わっていってるのかしら。

 

「ありがとうございます、木材先輩!!」

「でも先に読む人がいないね、ゆきのんどうする?」

「八幡で良いのではないか」

「ええ、それが良いのかもしれないわね。八幡、お願いできる?」

「ああ」(俺がダメって言えば、読まないんだよな)

「もしダメなら誰が読んではいけないのか聞いて、他の人が確認するわ。もし内容に問題がなかったら...」

「俺の考えを読むなよ、怖いよ。後、最後まで言えよ」

 

「ちょっと恥ずかしいけど、ま、まあ問題ないんじゃないか」

 

**************************

(ここから材木座の小説)

 

いやだな、大学に入って一週間、仲のいい子が出来たんだけど、その子の先輩が私と飲みたいって誘われて断りきれずに来てしまった。家が遠いんで、すぐに帰りたいのに。1時間ぐらいしたら帰ってもいいよね?まあ、お金は出してくれるって事なんでご飯食べて帰っちゃお。

そう思っていると、私達は居酒屋について席に案内された。まあ、笑顔だけは忘れないようにしてよう。

 

「「お待たせしました!!」」

「いろは!?」

「先輩!?」

「比企谷!!お前、一色ちゃんと知り合いなの!?」

「まあ、ただ高校の後輩ってだけだ」

「何言っているんですか、先輩。まだ責任とって貰ってないですよ」

「い、いろは!?あんた、この比企谷先輩とそういう関係なの!?」

「ひ、比企谷!!どういうことだ!!お前、女の子は苦手って言っていただろ!!」

「ま、まてお前ら、盛大に勘違いしているぞ。いろはも誤解を招くようなこと言うな」

 

私も知らなかったんだけど、先輩とは一緒の大学だったんだ。大学名を聞いてなかったんで、小町ちゃんに聞いてもなぜか怒って教えてくれなかったし。

先輩も今日は無理やり誘われたけど、借りがあって断れなかったって言ってた。でも良かった。大学に入ってすぐ先輩に会えて。

私の友達と先輩の友達?は放ったらかしで、私たち二人は思い出話に盛り上がった。まあそっちは自分たちの思い出話で盛り上がっているから良いよね。高校の思い出を先輩とこうやって、お話し出来て楽しい。でも先輩に会えて、また学生生活を送れると思うと嬉しくなってきて、いつの間にか私は飲んだことのないチューハイとかのお酒を飲んでいた。

 

「せんぱいぃ、びーるっておいしくないですぅ」

「いろは、お前かなり酔っているのか?」

「そんなことないですよぉ、せんぱいと話してて楽しくて飲んじゃいましたぁ」

「そういえば、お前ってどこに住んでいるんだ?時間大丈夫か?」

「実家ですよぉ、いま何時ですかぁ」

「実家って!?大学まで1時間半以上かかるだろ!!もう10時過ぎだぞ!!」

「あはははは、電車もうないですぅ」

「はあ、じゃあ今日どうするんだよ?」

「先輩ぃ、泊めてくださいぃ」

「まあしょうがないな。良いぞ」

「....え!?その、良いんですかぁ?」

 

酔っていたので、呂律が回らなかったんだけど、先輩が泊めてくれると思ってなかったので、酔いが一瞬冷めてしまった。でも先輩がこんなに簡単にOKを出すなんて。

もしかして大学に入って遊んでいるのかな?なんだかそんな先輩は考えられないし考えたくも無い。でも今日泊まるところないし。先輩だから私が嫌なことはしないよね?

 

お店を出て先輩の家に向かって歩いているけど、私は口数が少なくなっている。どうしよう、先輩に誘われたら断る自信がない。でも先輩が遊んでいるようなことは名前も忘れちゃったけど、一緒に居酒屋に居た先輩の話ではなさそうだし。行きたくないコンパに女性から誘われて、あの人に変わって貰ったんで今日はやむなく来たって言っていたしね、そのことに関しては感謝しないと、名無しの先輩には。

私だから泊めてくれるのかな、告白されたら最後までしちゃうのかな//

 

「いろは、ここが俺の住んでいる家だから」

 

そう言うと先輩は少し大きいけど、普通の一軒家を指差していた。家の中では電気が付いているので、誰かと一緒に住んでいるのかな?親戚の家とかにお世話になっているとか。そう思っていると先輩は鍵を開け、玄関を開けてくれた。

 

「ほら、入れって」

「は、はい。お邪魔しまーす」

「ただいま」

 

玄関に上がり、靴を見ると女性ものが多いけど、親戚の人のだろう。ちゃんと挨拶しないと。そしてリビングに入ると私が想像もしていない光景が広がっていた。

雪ノ下先輩がパジャマ姿でクッションを抱えてソファーに座っており、結衣先輩もパジャマを着てスマホをいじっている。相模先輩はお風呂上がりなのか、髪の毛をバスタオルで拭いていた。

私はリビングの扉の所で固まってしまった。

 

「「「おかえり(なさい)」」」

「あ、いろはちゃんだ!!やっはろー!!」

「あら、一色さん。お久しぶりね」

「一色ちゃん、こんばんわ」

 

「な、な、な、何で皆さんここにいるんですか!?」

「あら一色さん、私たちは4人でシェアハウスして、ここに住んでいるのよ」

「ほ、本当ですか!!先輩!!」

「あれ?言ってなかったか?」

「聞いてないですよ!!そんなこと!!」

 

分かった。それで小町ちゃんは先輩のこと聞くとあんなに不機嫌になったんだ。誑しのゴミいちゃん!!って言ってたし。

私はすっかり酔いが覚めていて、4人に詰め寄りたかった。でも色々言いたかったけど、過去の事を今さら言ってもしょうがない。どうしても1学年違うんだ、私が入りたくても無理に決まっていたから。それなら...

 

「先輩、私もマンション探しているんですけど良いところがなくて、今の所は実家から通っているんですよ。私もここで一緒にシェアハウスさせてほしいです」

「ああ、ただ部屋が余ってないんだよな。和室で良いなら結衣と南に相談してみろ。後、みんなの了解を得られれば良いんじゃないか」

「どういうことですか?」

「いろはちゃん、私とみなみんが和室を衣装部屋にしてるんだよ」

「みんなの荷物部屋を片付けて、うちと結衣の洋服をそっちに移動すれば和室空くんじゃない?」

「そうだね、じゃあ、いろはちゃんと一緒でも良いよ」

「うちも良いよ」

「一色さん、私も一緒に住みたいわね」

「じゃあ、後は先輩ですね。駄目ですか」

「そこの貼紙を守れれば良いぞ」

 

先輩はそういうと、壁に貼ってある紙を指差した。

 

『シェアハウスでの決まりごと!!』

・入浴中となっている時は、お風呂に入らない!!

・共用場所で恥ずかしい恰好をしない!!

・人の部屋に勝手に入らない!!

・洗濯籠から人の服を持ち出さない!!

・朝は自分で起きる!!

 

「なんでこんな当たり前の事、書いているんですか?」

「それはそこの3人に言ってくれ」

「『入浴中』って、お風呂に入っているとき、誰かが入ってくるんですか?」

「ああ、俺が入っていると3人一緒に入ってきたことがあってな」

「はぁ!?」

 

私が3人の方を見ると、おもいっきり目を逸らされた。この人たち何て羨ま..恥ずかしいことしているんだろう。でもそれって先輩に裸を見られてる、見てるって事!?

 

「もしかして4人でお風呂に入ったんですか!?」

「ああ、3人とも俺が入っているにも関わらず、体洗い出したり浴槽に入ってきたからな。さすがに俺はすぐお風呂から上がったんだが」

「な、な、何をしているんですか!!あなたたちは!!」

 

3人とも目を逸らして合わせようともしない。何て羨ましい事を...

 

「じゃあ、次の恥ずかしい恰好をしないって言うのは」

「みんなお風呂上がりにバスタオルで体を隠してはいたんだが、たまにバスタオルがとれてたんだよ。俺の目の前で」

「はぁ!?」

「まだあるぞ。雪乃は俺の捨てようとしていたTシャツを寝間着にしていてな、それは良いんだが下はパンティ1枚でチラチラ見えていたんだよ」

「Tシャツもよくないですよ!!しかもパンティ1枚って、ショートパンツぐらい履けば良いじゃないですか!!」

 

雪ノ下先輩はクッションに顔をクッションに埋めていたが、耳が真っ赤になっていた。いやいや、今赤くなるなら先輩の前でそんな格好しているとき、気付きなさいよ。

 

「結衣の場合も俺のTシャツを来ているんだが、寝る前はノーブラで寝起きも、もちろんそのままの恰好でリビングにいるんで、その大きいから目立つんだよ」

 

結衣先輩の方を睨むと顔を逸らして、口笛を吹こうとしているんだけど、ふぇーふぇーって音しか聞こえてこない。何しているんだ、この人も。

 

「南の場合は、俺が1日着たTシャツを洗濯籠に入れておいたんだが、持ち出して寝間着に使ってたしな」

 

私は思わず額に手を当て、ため息を付いてしまった。相模先輩はバスタオルを頭に掛けていて、表情は分からないけど。

 

「それが洗濯籠から持ち出さないって項目に繋がるんですね」

「それで今のパジャマは俺がこれなら問題ないってことで買って来たんだ」

「それで色違いのお揃いなんですね」

 

「人の部屋に勝手に入らないってのは、想像付くんですけど、教えてください」

「俺が寝ているといつの間にか布団の中に誰かが横に寝ているんだよ」

「やっぱりそうなんですね....」

「そ、それについては、私たちも言いたいことがあるわよ、八幡が恐いDVDとか借りてきて私たちに見せてきたんじゃない!!」

「でも、俺の布団に入る必要ないだろ、俺の方が怖いわ。知らないうちに隣に誰か寝ているんだから」

「でもヒッキーからも抱きついて来たし!!」

「いや、それは寝ている時だから覚えがない...」

「そうだよ、八幡。うちに抱きついてた時、大きくしてたじゃん!!」

「ば、ばか。それは生理現象だからしょうがないだろ」

「私もあったな」

「....」

 

「朝は自分で起きるって当たり前じゃないですか。なんでこんなこと書いてるんですかって、良いたいんですけど、もう想像は付きました。抱きついてくるとかですよね」

「ああ、よく分かったな。ただそれに付いては俺も悪かったんだ。起こしてもらってたんで、今は自分で起きるようにしているぞ」

 

はぁ、私は大きくため息をついていた...

 

「でもそんなことしていた皆さんが、よくこのルールを守ってますね。無視しそうですけど」

「..その、なんだ。俺の理性が持ちそうになかったんで、この家を出ていくって言ったんだ」

「先輩、まだ何か隠してます?」

「八幡。一色ちゃんも一緒に住むんなら、言っておいた方が良いんじゃない?」

「...そうだな、いろは。聞いてシェアハウスを止めても良いからな。..南、頼む」

「うちが言うの!?まあ、しょうがないか。実はね、夜中に雪乃が一人パソコンで動画を見てたらしいんだけど、恐い動画を開いちゃったんだ。それで八幡の布団に入りこんで抱きしめてたんだけど、震えてる脚を股間の上に置いてたら、大きくなってきて暴発しちゃったんだって//」

「ぼ、暴発って、そのイッちゃったって事で良いんですよね//..で、でも男の人だから、それはしょうがないですよね//」

 

先輩を見ると顔を真っ赤にしてなんか悶えている。雪ノ下先輩もクッションに顔を埋めているし。

「うん、それで八幡が出て行くって言い出して、さすがにうちらも八幡に対して配慮が足りなかったなって反省して、謝ってルールを作って貰ったんだ」

「もっと早く気付くべきですけどね、配慮が足りない。ではなく配慮が無いですよ」

「..八幡に甘えたかったのよ」

「..ヒッキーも喜んでたし」

 

「じゃあ、先輩は誰とも付き合っていないんですね」

「ああ、年齢=彼女いない歴だよ、言わせんな恥ずかしい」

「なら良いですね、家の中でイチャイチャされたら堪りませんし、ファーストキスもまだなんですね」

「「「「....//」」」」

「も、もしかして経験済みなんですか!?」

「...南を起こしに行った時、奪われた。その後、結衣、雪乃にも起こしに行った時にキスされた..」

 

私はいつの間にか、4人が腰を掛けているソファーの真正面に移動して、腕を組んで仁王立ちしていた。

 

「四人とも正座してください!!」

「うちは寝ぼけてたから、しょうがないじゃん!!」

「そうだよ、いろはちゃん。寝ぼけてしちゃうこともあるよ//」

「そ、そうね。私たちは寝ぼけていたのだから//」

 

結衣先輩、雪ノ下先輩は寝ぼけた振りをして、迫ったに決まっている。でも、それを先輩も許しているのが気に食わない!!

 

「うるさい!!せ・い・ざ!!」

 

四人は私の言うとおり、ソファーから降りて正座したのだけど、私の腹の虫はそれだけではとても収まらなかった。私は正座をしている先輩に近づいて行った。

 

「先輩、顔を上げてください」

 

そういうと、先輩は顔を上げてくれた。すぐ先輩の顔を両手ではさみ、私のファーストキスはライバルの3人が見ている前で見せ付けるようにしてやった。

 

「な、なにするんだ、いろは//」

「私は今、酔っているんですぅ。だからしょうが無いんですぅ」

「いろはちゃん、駄目だし!!」

「一色ちゃん、ルールを破ったら駄目だよ!!」

「そうよ、一色さん。出て行ってもらうことになるわよ!!」

「私はまだ、ここに住むとは言っていません!!キスをしたらダメってルールにも有りませんし!!では、今この時点からシェアハウスの一員として、よろしくお願いします!!」

「「「ずるい(よ)(わよ)!!」」」

 

その後、先輩は疲れたからお風呂に入る。と言って私たちの前から姿を消すと、私は3人から責められた。でも、私から言わせたら3人のほうがズルイ!!先輩を1年間も独占していたなんて!!

 

でも、私はあの奉仕部で一緒に過ごした時間がまた帰ってきたような感覚を覚え、心地よくなっていた。これからまた、こうやって馬鹿騒ぎ出来るんだよね。

私たちは何時しか笑い合ってお互いのことを話していた。

 

 

(ここまで材木座の小説)

**************************

 

「今回も、うちのイチャラブじゃないじゃん!!」

「あの流れなら当然こうなるでしょうね、でも前回は相模さん視点だったでしょ。続編と言うのであれば、今回もそうすべきだったのでは?」

「確かにそう考えていたんですが、難しくて生徒会長殿の視点にさせてもらったんです」

「そこは、今後の課題にしてはどうかしら」

「でも今回は焼きまわしみたいだよね、以前書いていた内容をいろはちゃんに説明しているだけだし」

「うちもちょっとそう思った。でも以前のラノベそのままで、いろはちゃんが出てきたら、うちら変態扱いされただけだよね」

「今回のラノベでも十分変態扱いしてると思いますけど」

「うちはお酒のところが気になったな。まあ高校でたら飲むんだろうけど、あんまり書かないほうが良いんじゃないの?」

「そうね、それかちゃんと『飲んではいけないけど、飲んでしまった』とか一言入れて罪悪感を持っているようにしてはどうかしら」

 

「なあ、材木座。雪乃が布団に入ってきてってところ、要ったのか?」

「そこは八幡が、家を出て行くって決心したところだから、要るであろう」

「なんか理由が情けないよな」

「いいじゃない、貴方は悪くないのだから。私が恥ずかしいわよ」

 

「でも、最後はいろはちゃんがキスして騒ぎになって終るんだね」

「どうしても女性4人が出るので、コメディ部分が強くなってしまうのだ」

「うん、この間も言ったけど、私たちがこうやって続いていくのは良いよね」

「そうね、このラノベのように続けたいわね」

「そうだね」

「そうですね、私も1年遅れでも一緒に居たいです」

 

材木座君はこのシリーズを続けていくつもりかしら、確かに面白いのだけれど、私は八幡との恋愛ものを書いて欲しいわね。

 




この後、材木座が相模にラノベを渡す話も書いて
「やはり材木座が書くラノベは間違っている。R-18」版に載せました。


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