私たちがまだ赤面している時、比企谷君が折本さんを連れて部室に入ってきたわ。続いて材木座君も来たようね。
「何で、3人ともそんなに顔が赤いの?ウケるんだけど」
「..なんでもないのよ。折本さん、こんにちは」
「やっはろー、かおりん」
「折本先輩、こんにちわです」
「うん、こんにちは。材木座君、今日はよろしくね」
「...ひゃい..」
「ひゃいだって!!ウケる!!」
「では折本さん。時間が掛かるので、早速始めさせてもらっても良いかしら」
「川崎さんのは先に終ったんだよね、じゃあお願いね」
「材木座君、ラノベを見せて頂けるかしら」
「これが折本殿の分でしゅ」
そういうと材木座君は鞄からラノベを人数分だしてみんなに配ってくれたわ。各々読み始めたのだけれど後半に行くにつれて、呻き声が聞こえてきているのだけれど。大丈夫なのかしら。
「ねえ、比企谷。本当にこの内容で批評を行うの?こんなの口に出したら流石にウケ無いんだけど」
「..ま、まあ、お前がエッチなの望んでいたし。ラノベの批評を行うのが目的だしな」
「うう、ちょっと予想以上だったよ。どうしよう、千佳にこの後見せるって約束しちゃったんだよね」
折本さんと比企谷君が顔を赤くして会話をしているのだけれど、私たちもかなり赤面しているわ。どうして折本さんは卑猥なのを望んだのかしら。
***
「う、ううん、それでは始めましょうか」
「雪ノ下さん、本当にやるの?ウケないんだけど」
「..そ、その卑猥なところは軽く流すようにしましょう、それ以外のところでは色々意見を言えるでしょ」
「そうだね、折角中二が書いてくれたんだし、批評を行わないのは悪いしね」
「そうですね、エッチなところはスルーしましょう」
「..エロのところも批評してもらえると有り難いのだが」
「材木座君「中二「木材先輩....」」」
「すみましぇん..」
「へへ、ウケる!!」
「じゃあ、初めましょうか。折本さんってサイクリングが趣味なのね。よく乗っているのかしら」
「うん、気持ち良いよ。比企谷、このラノベみたいにサイクリングに行かない?」
「やだ、疲れるし」
「うん、そう言うと思った」
「最初は比企谷君と折本さんがゲームで勝負するのね、そして負けた罰ゲームとしてサイクリングに付き合わせると。まあ、比企谷君は休日外出しないのだから、こうやって連れ出すしかないのかしら」
「俺だって、罰ゲーム以外でも外出ぐらいするぞ。本を買いに行ったり、小町のためにドーナッツを買いに行ったり」
「でもヒッキー、普通に「サイクリングに行こ」って誘っても絶対来てくれないよね」
「当たり前だろ、何で休日に疲れに行かないといけないんだ」
「先輩、もうちょっと運動しましょうよ」
「休日は本を読んで頭の中を動かしているから問題ない」
「比企谷君、そのうちナマケモノみたいになってしまうわよ」
「大丈夫だ、平日は自転車を漕いでるからな」
「それって学校に来てるだけじゃん!!」
「まあな、でも身体は動かしているだろ」
「はぁ、まあ先輩ですからね」
「それで自転車を借りにかおりん家にいくんだね、やっぱりママチャリとサイクリング用の自転車って違うのかな?」
「まったく違うよ、ママチャリと比べると目茶苦茶軽いしね」
「そうなんですね、でも誰でも乗れるんですか」
「体勢が前傾姿勢になるだけで、自転車に乗れれば誰でも大丈夫だよ」
「そうなんだ。でヒッキーが家にお邪魔したとき、かおりんの服装を細かく書いているよね。さっきのサキサキのラノベの時は、ただミニのメイド服って書いてあっただけなのに中二、どうして?」
「この間、折本殿に見せてもらった写真が、なかなかエロかったのでな。その姿をなんとか表現したかったのだ」
「見せた写真って携帯に入っているこの服装だよね?エロかったって普通のサイクリングの格好だと思うんだけど?」
「ピッチリした服装で胸が強調されていて、身体のラインが綺麗でお尻がクイッて上がっていたのでな」
「中二の変態!!」
「グハッ!」
「まあそこの変態座君は放っておいて、確かに身体にフィットした服装なら女性らしさを強調できるわね」
「そうですね、でも自信がないと中々着れないですよ」
「そうかな、あまり考えた事ないけど」
「それは折本先輩がプロポーション良いからですよ」
「それ言ったらみんなヤバイでしょ、雪ノ下さんてモデル見たいだし、結衣ちゃんはグラビアに出れそうだし、一色ちゃんもバランス良いし」
「川崎先輩も凄くないですか?身長高いし胸も大きいし」
「ラノベに出てる人って、みんな良いよね。ヒッキー」
「そうね、比企谷君。誰のスタイルが好みなのかしら?」
「今それ関係ないよね、何でラノベの批評から容姿の話になってるの?」
「あなたがみんなを誑かしているのだからいけないのよ」
「俺、何もしてないよね。お前たち全然ラノベの批評してないぞ」
「そ、そうね。それで2人で勝浦市のほうに向けて走っていくのね」
「勝浦まで自転車って結構遠くないか?俺、行ける自信ないわ」
「まあ、行けなくはないけど、初めてだと結構、時間掛かるかもね」
「それで道を走っている最中、比企谷君が後ろに着いて走ってくのだけれど、ずっと折本さんのお尻をみて妄想しているのね。妄想の内容については余り指摘したくないのだけれど」
「先輩、エッチです」
「ヒッキー、やらしい」
「それあるー!!」
「何で俺がそんなこと言われないといけないの?でも自転車乗ってて後ろを走っていたらやっぱり気になるよな」
「我も女子の後ろを走っているときはスカートばかり気になるぞ」
「やっぱりあなたたち二人とも変態なのね」
「ち、違うぞ雪ノ下。男とはそういうもんだ」
「..確かに由比ヶ浜さんの水着姿をずっと見ていたものね、「万乳引力」とか言いながら」
「お、お前聞いていたのか」
「ええ、あなたの目が左右にせわしなく動いていたわね」
「えぇ、ヒッキーのえっち!!」
「先輩たち、一緒に泳ぎに行ったんですか!?」
「違うわ一色さん、平塚先生と一緒に奉仕部の活動で千葉村に行った時、川遊びをしたのよ。比企谷君は水着を忘れたのに、私たちのそばを離れなかったわね」
「なにそれ、ウケる!!」
「先輩、やらしいです!!」
「八幡、お主だけ何でそんなイベントが色々起こるのだ!!」
「なあ、これラノベの批評なんだけど。俺のことを批判する必要ないだろ!!頼むからラノベの批評しろよ!!」
「で、勝浦まで行って色々回るんだね。でも何で観光したことを細かく書いてないの?中二」
「実は我は行ったことないのだ、なので詳しくは知らぬのだ」
「それであれば、観光したとか書かないほうが良いわね。本当であれば、現地に取材しに行くのが良いのでしょうけど。「海岸の近くのお店で、海の幸をいただいた」とか「海の近くの浜辺で遊んだ」とか、行かなくても想像が付くことで、現地に行ったことを表現したほうが良いわね」
「そのような手があったか、我には考えも及ばぬ」
「まあ、観光って行っても食べてばかりだしね」
「由比ヶ浜、それはお前だけだ」
「そんなことないよ、ちゃんと観光してるもん!!」
「じゃあ、俺と雪ノ下で修学旅行回った寺の名前言えるか?」
「....うぅ、ヒッキー!!ひどい!!」
「でも私も食べてばっかりだったな、私たちも修学旅行に京都と奈良に行ったけど、寺の名前なんかも全然覚えてないし」
「まあ、そういうもんですよね。寺とか神社みても「ふーん」ってなるだけですし」
「「それはお前たち(あなたたち)だけだ(よ)」」
「ゆきのん!!ヒッキー!!ひどい!!ハモらなくても良いじゃん!!」
「何なんですか!!2人とも!!俺たちは仲が良いアピールですか!!」
「へへ、比企谷ウケる!!」
「そして、帰り道は峠を走っていくのね。勝浦市との間に峠道ってあるのかしら」
「まあ、山なんで有るだろ」
「それで、ヒッキーとかおりんがゲリラ豪雨に見舞われるんだよね」
「ゲリラ豪雨って行き成り来ますからね、結構気温が低くなりますし」
「体温を奪われるわね。私は雨が降るとすぐお店とかに非難するようにしているけれど」
「サイクリングのとき、雨降られるとかなり冷えるよ、ゲリラ豪雨は経験ないけどね」
「濡れた体で震えながら自転車を漕いでいく折元さんを見かねて、比企谷君が峠の途中にあるホテルに誘うのね」
「でも、これは仕方ないんじゃないか、もし風邪でも引いたら大変だしな」
「そうやって先輩はホテルに誘うんですか?」
「いや、緊急避難ってとこだろ」
「確かに暖かくできるなら、そういうホテルでも入って暖をとりたくなるのかもしれないわね」
「それでかおりんが先にお風呂に入るんだね」
「ラノベにも書いてあるが『唇が紫色になっていた』って書いてあるんだから早く暖かくしたほうが良いだろうな」
「でも、そのときヒッキーはどうしてたんだろ?そこの描写がないよね」
「比企谷君のことだから落ち着かずに覗こうとしてたのではないかしら」
「それあるー」
「先輩、そんなことするんですか」
「いや、しないからね。多分...」
「そこは言い切りなさいよ」
「それで先輩が次にお風呂に入るんですね」
「まあ、早く温まりたいだろうしな」
「で、折本先輩がソワソワして気を紛らわそうとして、AVを再生しちゃうんですよね」
「まあ、そういうホテルのテレビだから見れるんだろうな」
「でもこの後、アタフタしたかおりんが色々操作していると、お風呂との境にあるマジックミラーが透明になるって書いてあるけど、本当にそんなホテルあるの?」
「我もネットで調べただけだが、有るらしいぞ」
「で、かおりんがヒッキーのを、その見ちゃうんだね。でもその、何にもしてなくても大きくなるものなの?」
「まあ、そういうこともあるというか...」
「でも材木座君、どうしてこの後、折本さんは想像力豊かになっているのかしら」
「それは折本殿が今まで本でしか読んだことがなかったものを、目の当たりにし想像した。って、いう設定でして」
「それなら「本ではこうだったけど、実際はこうなってるんだ」とか書いたほうが良くないですか?」
「でもヒッキーも洗面所に置いてあったパンツで想像しちゃうんだね、でもなんで今回はTバックなの?中二」
「スパッツとか履くときはTバックを履くと書いてあったのだが違うのか?」
「うん、私は履くよ。スパッツとかぴっちりしたパンツの時ってラインが浮いちゃうからね、みんなは履かないの?」
「持っているけど、あんまり履かないかな」
「私も余り履きませんね、ぴっちりしたパンツとか履きませんし」
「私は持っていないわ、でも有った方が良いのかしら」
「雪ノ下さん、持っておいたほうが良いと思うよ。ショートパンツの時、後ろから下着見えちゃうことも有るからね」
「そうね、今度の休みにでも買いに行こうかしら」
「な、なあ、お前ら、俺と材木座がいるのを忘れていないか」
「....」
「...だまって聞いているなんて、ムッツリなのかしら、あなたたちは」
「まて、さっきの会話は流石に俺たちは入れないだろ!!」
「そ、そうね。じゃあ次に行きましょうか」
「でもヒッキーがTバックをチラチラ見てるのが、マジックミラー越しに見えるんだよね。手に取ろうとしている時、鏡に戻るんだけど、男の人ってやっぱりパンツとか気になるものなの」
「..気になるからラッキースケベとかあるのだ」
「先輩もですか」
「気にならないって言ったら嘘になるな。まあ、頭では解っているんだ、単なる布って。小町が下着姿でうろうろしていても何も思わないんだが、以前見たときは俺も恥かしかったからな」
「それって私た「それ以上いうな、雪ノ下」...えぇ」
「なに、雪ノ下さん比企谷に見られたの?」
「ゆきのんと私が部室で着替えている時、いきなり入ってきたの」
「2人同時とか、ウケる!!」
「いや、ウケないから」
「....先輩、ラッキースケベ多すぎですよ」
「八幡、どうしてお主ばかり....」
「お風呂から出てきた比企谷君がバスローブを着て『前かがみで出てきた』って書いてあるのだけれど、どういう事なのかしら?」
「雪ノ下さん。その、判らない?」
「ええ、どういうことなのかしら」
「ゆきのん、さっきヒッキーのが大きくって書いてあったよね」
「...あ、あの、あれって服を着ていても判るものなの?」
「雪ノ下先輩ってパソコンでエッチな画像とか、エッチな少女マンガとか見たことないんですか?」
「ええ、ごめんなさい。見たことないわ」
「謝ることじゃないけど、ズボンを押し上げるほどなんだよね」
「いや、それをこっちに振るな、答えられないだろ」
「まあ見たことのない
「そ、それで私と比企谷が体が冷えないように布団にはいるんだね」
「まあ、ホテルだったらある程度暖かいだろうけど、雨でズブ濡れになったんだったら、風呂に入った後も暖かくした方がいいだろうな」
「そういうホテルってやっぱりベットは一個なんだよね」
「別々に寝る必要ないですしね。ドラマとかだと丸いベットだったりベットが回転したりするんですよね」
「どうしてベットが回転する必要有るのかしら」
「うーん、どうしてなんですかね。結衣先輩何かしてます?」
「わたしも知らないな、お姫様みたいだから?」
「結衣ちゃん、どうして回転しているとお姫様なの?」
「ごめん、何も考えずに言っちゃった」
「俺も知らないな」
「材木座君は先ほど調べたって言っていたのだけれど、何か知っているのかしら」
「答えても良いのか」
「うん、中二教えて」
「その、大体そういうところは壁が鏡張りになっているのだ。それで、その行為の際、お互いの痴態が色々な角度で鏡に映る仕組みらしい」
「....」
「そ、それでは次ね。背中合わせに寝ているだけなのに、お互いの感情が高ぶっているのね」
「ああ、これについては色々言いたいことがあるな。よくラノベで抱き枕にされて寝るとか有るだろ。でも抱き付かれたら寝れる分けないじゃん!!って、声を大にして言いたいね!!」
「ヒッキー、いきなりそんなこと言わなくても。でも女の子でも好きな人だったら一緒だと思うよ、隣で寝ていたら手を繋ぎたいとかイチャイチャしたいとか思うよね」
「それあるー。でも恋愛小説って、あんまりヤらないよね」
「折本、女の子がヤるとか言うんじゃありません!!」
「比企谷、口調がおかしいよ、ウケるー!!」
「それで折本先輩が先輩の背中に抱きついて話しだすんですね」
「クリスマスイベントで私たちがやったことで、だんだんヒッキーのことが気になっていったんだよね」
「でも材木座君。最初のゲームでの勝負で比企谷君が『手を抜いて折本さんに勝たせた』って言っているのだけれど、それは止めた方がいいわ。私だと不愉快になってしまうわね。ここは「隣で一生懸命ゲームをしている折本さんに見惚れてしまい手がおろそかになった」のほうがいいのでは?」
「確かに人によっては馬鹿にしている。と思われたりするかも知れぬ。参考にさせて貰います」
「ここで私たち3人も名前だけ出てくるんですね、折本先輩が私たちに焼きもち焼くんですね」
「この時のかおりん、かわいいよね。ヒッキーの背中をポコポコ殴ってるもん」
「折本のそんな姿、想像つかないけどな。折本だったらいきなり頭をぶん殴るぐらいだろ」
「比企谷、私だって好きな人が相手だったらかわいく見られたいもん...」
「どうしてみんなラノベの批評の最中に性格が変わっていくのかしら...」
「でもヒッキーが背中越しに『中学のときから今でも好きだ』って、告白するんだよね。せめて正面を向こうよヒッキー」
「先輩ですからね」
「ヘタレ谷君ね」
「それあるー!!」
「何で俺が攻められるの?材木座に言えよ!」
「でもこの後の折本先輩、大胆ですよね。先輩の腰に跨がってキスしながら段々下に移動していって、胸を責めてくんですね。これで先輩が大先輩になっちゃうんですね」
「比企谷君が肥大谷君になるのね」
「ヒッキーがボッk....ごめん、そんなこと言えないよ」
「お前たち、俺で遊ばないといけない決まりでもあるの?!」
「だ、駄目。恥ずかしいから何にも考えられないぃ」
「折本、無理しなくて良いぞ」
「それまでは『駄目だ』とか『まずい』とか言っておきながら、今度は自分から責めていくのね。獣谷君」
「いや、好きなやつにそこまでされたら、普通ヤるだろ。なあ材木座」
「そこで我に話を振るな」
「今度はヒッキーが責めるんだね、あんまり胸の事は書いてないのに、なんで、その、あそこの事は一杯書いてるの?」
「我にとっては桃源郷だからだ」
「ゆ、由比ヶ浜さん、そのこれ以上は止めないかしら。もう私には無理だわ」
「私もそろそろギブアップです」
「もう止めてぇ」
「そ、そうだね」
「後は気になるところを個別に批評しましょうか」
「材木座くん、この『だいしゅきホールド』って何かしら?文面からは卑猥な事とは分かるのだけど、比企谷君が『まずい』とか折本さんが『大丈夫』って言っているだけなのよね。これではどのような事か判らないわ」
「なんでしょうね?だいしゅきって大好きってことは分かるんですけど」
「なんか可愛いよね、比企谷」
「....それはヒッキーと中二には聞かない方がいいよ」
「由比ヶ浜さんは知っているのかしら、教えて貰える?」
「あ、あのちょっとこっち来て。....ゴニョゴニョ」
「....私は何て言葉を口にしているのかしら...」
「何が可愛いよ!!比企谷!!」
「お前が知りもせず言葉だけで判断するからだろ!!」
「ぅ、うう、ネット怖いですぅ」
「生徒会長殿。もうひとつ言っておくと、壁ドンも元はネット用語で今とは意味が異なっていたのだぞ」
「....どんな意味だったんですか?」
「アパートなどで隣のカップルがイチャイチャしてる行為の声が聞こえてきた時に壁を殴るのが語源ぞ」
「....じゃあ、先輩に壁ドンされたいって言ったら....」
「八幡の隣の部屋で生徒会長殿が誰かとイチャイチャしていると、八幡に声が聞こえて壁を殴られる。って事になるな」
「いぃーーーーやぁーーーー!!」
「まあ、今はネットとは違う意味で使われて浸透しているんで、問題ないだろ。だいしゅきホールドは言わない方がいいだろうが」
ネットコワイ netコワイ ネットコアィ
「..材木座君、ここからは卑猥なことが書いてあるだけなので終わりにして良いかしら。これ以上は無理だわ」
「俺からも頼む、これ以上は駄目だ」
「...我としてはこの後もお願いしたい所だが、まあ、仕方なかろう」
「折本さん、あなたも良いかしら?」
「うぅ、いいよ、って言うかもう終わってぇ」
「ではここで終わりにしましょう」
***
「比企谷ぁ、どうしよう。この後、千佳にラノベ見せることになってるんだよ」
「外で読むのは止めてくれ、どちらかの家で読んでもらえば良いだろ」
「比企谷はこんな内容でも問題ないの?」
「まあ、今回のは俺より折本の方が気まずい内容だからな。仲町さんにイジられてくれ」
「うぅ、じゃあ千佳に苛められてくる。材木座君、お礼をいっとくね。ありがとう」
「では我もそろそろ帰還させていただくとするか」
「じゃあ、私も折本先輩を送ってってそのまま帰ります」
そういって折本さんと材木座君、一色さんは部室を出ていったわ。
「それでは私達も帰りましょうか」
「..う、うん」
「どうしたのかしら、由比ヶ浜さん」
「恥ずかしかったんだけどさ、かおりんのラノベ良いなって思っちゃって。ヒッキーが『かおり!かおり!』って呼んでて、かおりんも『八幡!八幡!』って。エッチの最中だからお互い体を求めてる。って判るんだけど、私も求めたい、求められたい。って思っちゃったんだ」
「....そうね、私も折本さんのラノベのようにお互いを求め合いたいわ。由比ヶ浜さん、私たちも求めらるように頑張りましょう」
「そうだね、ゆきのん。私負けないから」
「由比ヶ浜さん、私こう見えて負けず嫌いなの。私が勝ってみせるわ」
「...そろそろ俺、帰って良いか?」
「..そう言えば、比企谷君。あなた姉さんの事名前で呼んでいたわね。私と由比ヶ浜さんの事も名前で呼びなさい」
「な、なんでそうなるんだよ」
「あら先ほどの会話を聞いていて何も思わなかったのかしら?私達はこれから色々求めていくのよ。最初はあなたからの名前呼びをお願いしたいわ。だから..八幡君。私の事、名前で読んでちょうだい」
「ヒッキー。ううん、八幡。だめかな?」
「...分かった..雪乃。結衣。これからもよろしく頼む」
「八幡君、これからもお願いね」
「うん、八幡。こちらこそよろしく!」
ラノベの批評をやっていたら私たちの仲も少し近づけたようね。
これからも、もしかしたらラノベを切っ掛けに仲良くなっていけるのかしら。