今日は材木座君からラノベが出来たと連絡が有ったので、川崎さん折本さんに連絡し集まってもらっているわ。
でも折本さんは他校から来ることになるので遅れているわね。今回、材木座君から「集まった人にラノベを読んでもらい、ストーリー順に色々な意見を聞かせてほしい。」と言われたので集まった人から何部かプリントした川崎さんのラノベを読んでいるわね。私は最初に来たので先に読ませてもらい今は紅茶を用意しているわ。
部室にいるのは川崎さん、由比ヶ浜さん、一色さん、比企谷君、材木座君そして私が集まっているので5人で批評することになりそうね。
「雪ノ下。アンタたちもみんなで読んで批評してもらったの?」
「ええ、川崎さんそう言った筈よ」
「アンタたちよく耐えれたな、もう恥ずかしくて...」
川崎さんは顔を真っ赤にしているわね、でも私たちは音読されたのだから川崎さん以上だと思うのだけれど。
***
「それでは始めましょうか」
「こういうお店行ったことないんだけど、こ、こんな恥ずかしいことも言うの?」
「私たちが行った時は「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」って言われたよ」
「私たちは衣装を着させて貰ってみんなと喋っていただけで、他の店員さんと関わることがなかったから、どのような接客をしていたのかは見ていないわ」
「先輩も行ったことあるんですか、メイド喫茶って」
「ああ、雪ノ下たちとな。以前ちょっとした依頼で人探ししていたとき、みんなで入ったことがあるんだ」
「でも川崎先輩が『にゃん、にゃん、お帰りなさいませ。ご主人様』って言ったら可愛いでしょうね」
「はぁ!?」
「ご、ごめんなさい」
「川崎、ラノベの批評なんだから個人の発言については文句を言うな、批評が出来なくなるだろ」
「うぅ、分かった」
「材木座、この後の台詞『なんでここにアンタがいるのよ』もみんなで行ったとき、お前が言っていた台詞だろ、そんなに川崎に言わせたいのか」
「何時もツンツンしている
「....いや、判らなくもないけど」
「ヒッキーもそういう女の子が良いの?」
「まあ、何時もと違う面が見れて良いんじゃないか」
「比企谷君。では例えばだけれど、わ、私はどのような行動が良いのかしら」
「...それ、今言うの」
「あ、あくまでも材木座君のラノベの参考のためよ」
「...雪ノ下だったら2人きりになると、甘えてくるとか」
「じゃあ、ヒッキー私は?」
「由比ヶ浜は逆に甘やかしてくれるといいな」
「先輩、私も教えてください」
「一色は何時もあざといが、たまに凛とした姿や頑張っている姿を見せるとかが良いんじゃないか。頼む、もう言わせんな」
「比企谷もそういったギャップがある女が良いの?」
「まあ、な。でもヤンデレ系とかは嫌だぞ、怖いし」
「ヤンデレ系ってどう言ったものなの?比企谷君」
「彼氏を独占したくて他の女子と喋っていたり仲良くしてると暴力を振るう、でも彼氏と二人のときはデレデレになるんだ」
「さすがにそれは引くわね、この中にそんな人は居ないと思うのだけれど」
私がそういうと材木座君、比企谷君と目が合ったのだけれど、すぐに反らされたわ。
「も、もしかして私がヤンデレ系って言うの!?」
「いやそういうわけじゃなくてだな...」
「材木座君、答えなさい」
「いや、他のラノベだと、雪ノ下殿に似ている方がヤンデレ系になっていくのが多いと言いましゅか」
「ゆきのん、今はラノベの批評だよ、脱線しすぎだよ」
「そうそう、この次の『サービスだから』って言ってオムライスにケチャップでハートと相合傘を描くのも良いですね」
「中二、メイド喫茶ってそんなことしてくれるの?」
「「おいしくなーれ」とか、云いながら描いてくれるのだ」
「...へぇ、そんなのが楽しいのかな」
「由比ヶ浜、それについてはクッキーの時と一緒だろ「俺のためにやってくれた」って気持ちが大事だと思うぞ」
「確かにそうだね。ごめん中二、変な聞き方して」
「構わぬ」
「でもケチャップで名前を書こうとして失敗して涙目になる川崎先輩ってかわいいですよね」
「うぅ」
「うん、サキサキってかわいいんだよ」
「..サキサキっていうなぁ」
「でも名前を書くのであれば、ケーキに使用する先の細いチューブを使えばいいのでは?」
「そんなの普通ないだろ、突然気になっている奴が来てケチャップで名前を書こうとして失敗したって話だし」
「そう言うことね、材木座君、私としてはここはもうちょっと詳しく書いてくれると助かるわ」
「雪ノ下先輩ってケチャップで名前とか書いたりした事ないんですか?」
「ええ、食べ物で遊んだりしないわよ」
「じゃあ、判らないかもしれませんね」
「ゆきのん、やったことないんだ。子供の時、よくドラエもんとか書いたりしたけどなあ」
「あー、書きましたね、それでケチャップだらけになっちゃうんですよね」
「うちは妹がやっているよ、でもドラエもんの絵描き歌、知らないんだ」
「えー何か歳を感じますね、もう妹さんから見たら私たちって、おばちゃんなんですかね」
「あんた、おばちゃんって..」
「だって平塚先生と私たちぐらいの年齢差ですよね」
「お前、それ平塚先生をおばちゃんって言っているようなもんだぞ」
「比企谷君、あなたひどいのね。先生の事をおばちゃんだなんて」
「ヒッキーひどい..」
「まてまて、また脱線し出したぞ」
「ああ、ごめんなさい。この後のゲームとか写真撮影っていいですね、私もちょっとコスプレしてみたくなりました」
「まあ、楽しいんじゃないか。今思うと雪ノ下と由比ヶ浜のメイド服の写真撮れば良かったな、すごい似合ってたし」
「あ、あなた何を言っているの!?」(〃▽〃)
「ヒ、ヒッキー、いきなりなんだし!!」(〃゚∇゚〃)
「..す、すまん」
「い、いえ、謝ることではないの//」
「....先輩、また話が脱線してますよ..」
「それで先輩が落としたスプーンを拾うため、川崎先輩が拾うんですね、でまた下着ですか、木材先輩」
「やはりラノベにはラッキースケベは必須なのだ」
「でも川崎先輩っていちご柄の下着なんて履かないと思いますよ」
「いや今回はギャップ萌を狙っているので」
「そうはいってもさすがにサキサキがいちご柄はどうかな」
「では妹殿のを履いてきたとか」
「材木座君、いくら何でもサイズが違いすぎるでしょ」
「川崎は黒のレース..ぁ」
「比企谷、アンタそれって私の下着見たときのヤツ....」
「ええ!?先輩って川崎先輩の下着覗いた事あるんですか!?」
「ち、違う覗いた訳じゃない。転んでるとき横をとおり過ぎたから」
「あら私と由比ヶ浜さんも覗かれたことあるわよ」
「ゆ、雪ノ下!?なんで今それを言うの!?」
「..へぇ、先輩って何気にラッキースケベをこなしているんですね、私とは何もないのに....」
「無いほうが良いだろ」
「八幡、御主そんなに美味しい思いしていたのか!くー羨ましい!」
「まてまて何でそう脱線するんだ、今はラノベだろ」
「そ、そうね。次に行きましょうか」
「ヒッキーがメイド喫茶から帰るとき、サキサキが見送りに来るんだよね」
「木材先輩、川崎先輩が涙目で見送ってくれたって事ですけど、ここはもうちょっと気持ちを文章にした方がいいと思いますよ。帰したくないけど、また今度コスプレして会いにいく。っていう後半に繋がると思いますので」
「ふむ、後半に繋げるための心境を書いた方が良いと云うことだな」
「そうね、後コスプレして会いに行くのであれば、比企谷君にコスプレをすごく褒められたとか、他にも見せてほしいと言われたとか、そういうのも入れれば川崎さんにしてみれば、着ていく理由になるわね」
「あ、アンタたちその言い方だと私が比企谷に逢いに行きたいみたいじゃないか」
「ええ、そうよ。今はラノベの川崎さんについて話しているのだから、誤りではないと思うのだけれど」
「で、でも」
「川崎、諦めろ。ラノベを書いてもらった時点でこうなることは判っていただろ」
「比企谷ぁ」
「それでサキサキがヒッキーに逢いにいくんだよね、でもその時のコスプレってまたメイドなの?」
「いや今回はロングスカートのメイドだぞ」
「うーん、喫茶ではミニで今回はロング。あんまり代わり映えしないんだよね」
「そうですね、もうちょっと衣装について詳しく書いてあれば印象も違うのかもしれませんけど。もしかしたら女性と男性でそのあたりは異なるのかもしれませんね。由比ヶ浜先輩なら何を着ていきます?」
「看護師とか良いかな、いろはちゃんだったら?」
「私ですか、そうですね。巫女さんが良くないですか、着てみたいんですよね。川崎先輩ならどうですか」
「うーん、ま魔法少女とか...」
「川崎先輩ってやっぱりかわいいですね」
「あぁ!?」
「ひゃ」
「川崎さん、否定は駄目よ。私であればそうね。メイドではなく婦警なんかが良いと思うのだけれど。それで「八幡のハートを逮捕しちゃうぞ」☆(ゝω・)vって言いたいわね」
「....」
「..ゆきのんって変なとこあるよね」
「雪ノ下、あんた凄いよ....」
「雪ノ下先輩!!私よりよっぽどあざといです!!」
「うぅ」
「材木座、これ俺たちがいる意味有るのか」
「八幡、結構良い意見とか出ているぞ。やはり女性ならではと云ったところか」
「まあ、俺にはよく判らんけどお前が参考に出きるので有れば、いいのか」
「サキサキがヒッキーを公園に呼び出して、告白するんだよね」
「そうですね、その時も電話してから公園に着くまでの間に川崎先輩の心理描写が欲しいところですね」
「一色さんの言うとおり感情が表せたら良いでしょうね、色々なことを考えて振られたら今までのように接することが出来ない、でも思いを伝えたい。とかかしら」
「そうだね、いきなり告白だとどうしても気持ちが入りきらないね」
「
「特に恋愛のことはそうだよ、気持ちが「私と一緒だ」って思うと、サキサキが一気に身近になるんだよ」
「そうですね、そうなるともう応援しかしなくなっちゃって、続きが気になりますよね」
「確かにそのとおりね、これについては捻くれ谷君には判らない事でしょうけど」
「確かに俺には解らないわ」
「それで川崎さんが『アンタのことが好き!!』って告白したのだけれど、その前にお互いの会話で徐々に気持ちが解るようにしたほうがいいのでは?」
「ああ、お互い気になっているんですけど、最後の言葉が出ない、出せないってやり取りですよね。ちょっと憧れますね」
「うん、良いよね。お互い惹かれあっているんだけど、もし駄目だったらどうしようとか考えちゃうんだよね。だから最後の言葉が出てこない」
「それは私も同意見かな、読んでいるほうもそれで気持ちが高ぶるしね」
「えぇ、俺はそんなのは、まどろっこしいけどな」
「そのあたりは男性と女性でやはり違うのかしら」
「まあ、俺の意見が男性全般と取られるとどうかと思うけど、そういう意見もあるということで」
「やはり
「お前も俺と一緒か」
「ああ、早くイチャコラしてしまえ!!って思ってしまうのでな」
「まあ、私たちの意見を生かせば、女性には受け入れてもらえると思うのだけれど」
「中二ももうちょっと女心分かったほうがいいよ」
「先輩もそうですよ」
「比企谷も材木座ももうちょっと女のこと勉強しな」
「「...はい」」
「最後にはやはり比企谷君と川崎さんがキスするのね」
「中二のラノベでは大体そうだね」
「まあ、キスをして終了でも良いんですけど、その後の会話も入れたほうが良いと思いますけど」
「前生徒会長殿みたいなのでは駄目であるか?」
「あれは後日談ですよね、キスした後、先輩が『サキ、これからもずっと一緒だ』で川崎先輩が『うん、よろしく』って言っただけで終ってますよね。もうちょっと話を膨らませたほうが良いと思うんですけど」
「由比ヶ浜殿や生徒会長殿みないなラノべのようにか」
「どちらかと言うと由比ヶ浜先輩のほうですかね。私のはお母さんが出てきたって描写だけでしたから」
「川崎殿のラノベであればどう行った展開にしていけばよいのだ?」
「そうね、私はお互い公園の芝生の上で寝転がり、星を見上げながら「星が綺麗よね」って言うと、比企谷君が「雪乃、お前の方が綺麗だ」って言ってまたキスしてくれるのが良いわね」
「やっぱりゆきのんは純情派だね、私は公園のブランコに座って後ろからヒッキーがあすなろ抱きしてくれるの、言葉は少ないんだけど後ろからヒッキーが「結衣、スキだよ」とか「愛してる、結衣」って耳元で囁いてくれるのがいいな」
「私はお互い好きなところを言い合うのが良いですね、一つ言うたびに先輩がキスしてくれるのが良いです」
私たちが意見を述べ合っていると比企谷君が顔を真っ赤にしているわ。よく考えたら先ほど私たちが喋っていた内容は川崎さんのためでなく、自分がして欲しいことを言っていただけじゃない。由比ヶ浜さん、一色さんも気付いたようで顔が見る見るうちに赤面しだしたわ。
「ん、んん、材木座どうだった?意見は参考になったのか」
「ああ、八幡。貴重な意見をいくつも貰えたぞ」
「そ、そうか、よかったな。川崎も満足か」
「..うん、ありがと。また機会があったらよろしく、材木座もありがとうね」
そういうと川崎さんは家の家事をやらないといけないから。と、帰っていったようね。そして比企谷君の携帯に折本さんが着いたと連絡があったので、一色さんから入館届けを預かって迎えに行ったわ。私と由比ヶ浜さん一色さんはしばらく放心状態だったので材木座君が気を利かせて席を外してくれたようね。川崎さんのラノベの批評を行っていたはずなのに、どうして私たちの黒歴史が増えていくのかしら。