やはり材木座が書くラノベは間違っている   作:ターナ

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今回は短いので連投させてもらいます。


第10話

月曜日、奉仕部で3人で居るのだけれど、比企谷君の様子がおかしいわね。扉の方を何回も気にしているようだし。

 

「比企谷君、どうしてそんなにそわそわしているの?挙動不審よ、通報してほしいのかしら?」

「うん、ヒッキーおかしいよ」

「いや、まあ、何でもない」

 

私たちが喋っていると扉をノックする音が聞こえたので入室を促すと、材木座君と川崎さんが二人で部室に入ってきたわ。

 

「こんにちは、珍しい組み合わせね、一体今日はどうしたのかしら」

「私もどうして連れてこられたか分からないんだ、材木座がどうしても来てくれって言うんで来たんだけどさ」

「材木座君、どうして川崎さんを連れて来たのかしら」

「..しょの、まだ皆が集まっていないようなので集まってからで良いでしゅか」

「まだ誰か来るの?でもそれだと川崎さんが困るでしょ、ちゃんと説明しなさい」

 

そう言っているとまた扉をノックする音が聞こえ、城廻先輩と折本さんが入ってきたわ。

 

「雪ノ下さん、折本さんを連れてきたよ」

「こんにちは!!」

「こんにちは、あのどういった件で折本さんが来たのかしら?」

「私も聞いていないんだ、はるさんから奉仕部に連れて行ってくれってお願いされただけだし」

「姉さんも来るんですか?」

「雪ノ下、それについては俺と材木座から説明させてもらう」

「じゃあ私は良いかな、今日は用事があるんでここに居られないんだ」

 

そう言うと城廻先輩は帰っていったわ、なぜ比企谷君と材木座君が説明するのかしら。とりあえず紅茶をみんなに出したのだけれど、比企谷君から説明してもらうしかないわね。

 

「じゃあ、比企谷君説明をお願いしていいかしら」

「まず、今日は陽乃さんから来れないって連絡があった。それでな川崎と折本。今日お前たちに来てもらったのは、材木座の小説のヒロインになって貰えないかと思ってな」

「なにそれ?意味わかんないんだけど」

「比企谷、それってどういうこと?ウケるかウケないかよく判らないし」

「比企谷君、どうして姉さんのことを名前で読んでいるのかしら」

「あ、土曜日。比企谷と雪ノ下さんのお姉さんってデートしてたんだよね!!どこに行ったの?」

「まあ、その話は置いといて」

「置いとけるわけないじゃん!!ヒッキー説明してよ!!」

「いや、土曜日陽乃さんの買い物に付き合わされただけだ、名前についても雪ノ下さんと雪ノ下で判りにくいから名前で読んでいるだけだ」

「じゃあ、早く要点を言ってよ、この後妹を迎えに行かないといけないし」

「ああ、悪かった。実は材木座がラノベ、小説って言った方がほうがいいかな、を書いていてな、色々な女性をヒロインにして批評をすることで材木座の文章力を上げていたんだ。それで今度は川崎と折本にヒロインとして出てもらえないかと思ってな、もちろん断ってもらっても構わない」

「へえ、比企谷たちってそんな事やってるんだ!!ウケる!!」

「雪ノ下、あんたたちも書いてもらったの?」

「ええ、私や由比ヶ浜さん以外にも何人か書いてもらっているわ」

「いいじゃん!!面白そうだし!私がヒロインってウケるし」

「折本って言ったっけ、今まで書いた小説を読ませて貰ってから判断した方がいいよ、ちょっと読ませてよ」

 

彼女達はパソコンで私と由比ヶ浜さん、姉さんのラノベを読んでいるわ、今のうちに比企谷君に聞かないといけないわね。

 

「比企谷君、どうして今回はこんなに協力的なのかしら、以前のあなたは「俺を出すな」って言っていたはずだけれど」

「いや、まあ材木座のために一肌脱ごうかと」

「ヒッキー、服を脱いだら駄目だよ」

「由比ヶ浜、お前どうやって総武高校に入れたんだ?」

「ヒッキー!!キモい!!ひどい!!うぅ、キモい!!」

「とりあえず色々説明して貰う必要がありそうね、比企谷君」

「でも中二は良いの?先週終わったとき、なんか書きたいのがあるって言ってなかったっけ」

「ああ、わ、我は大丈夫だ」

「ふーん、何かヒッキーもだけど隠してるよね」

「わ、わ我は何も疚しいことなどない!!」

「じゃあ、ヒッキーは?」

「..俺も何も隠してないぞ」

「また私たちに隠し事するんだ...」

「まあ、比企谷君には後で問い詰めるとして、どうして折本さんを誘ったのかしら」

「それは偶然折本に会ったとき陽乃さんが誘ったんだ。今日総武高校に来るようにって」

「じゃあ、彼女は何も知らないまま今日ここに来たの?すごいわね。私なら怪しんで近寄らないけれど」

「中二、サキサキはどうして誘ったの」

「我の知っている女性が御主たち以外だと川崎殿しかいないのだ」

「でも自分から誘うなんて材木座君もどういった心境の変化かしら」

「..いや、その、まお「ま、まあいいじゃないか。材木座も色々書いてみたほうが練習になるだろうし」...」

 

「ねえ比企谷、これウケるんだけど、私のも書いてもらえるの?」

「まあ、内容については材木座まかせだがな」

「ふーん、ちょっと興味あるけどエッチなのは嫌だよ」

「えぇ、そっちの方がウケるじゃん!!」

「サキサキもかおりんも書いてもらうの?」

「サキサキいうな!!」

「かおりんって私の事?ウケる..かな」

「ああ、お前たちがイヤならもちろん材木座には書かせない、書いてもらうのであれば材木座にお前たちのことを知ってもらうために色々教えないといけないしな」

「我は断ってもらっても良いでしゅよ」

「こんなウケること断るわけないじゃん!!材木座君よろしく!!」

「私も別に良いよ、エッチなのは駄目だからね」

「...完成したら八幡に伝えるので集って(つどって)貰えるのか」

「「いいよ」」

「じゃあ、今日のところは解散ということで」

「比企谷君、待ちなさい。この後3人でお話ししましょう」

「そうだよヒッキー」

「....ああ、わかった」

 

***

 

「卑猥谷くん、あなた録音なんてしていたのね、不潔だわ」

「ヒッキー、最低!!」

「すまん、でもお前たちには隠し事したくなかったんで正直に話した、軽蔑して貰っても構わない」

「それだけ聞くと責めている私たちが悪いようにとられるわね、でもあなたのやったことは許されることではないわ」

「うん、陽乃さん可哀想」

「音声データは姉さんが消したのね、他には残していないのよね」

「ああ、バックアップとる前に消されたからな、でも陽乃さんは証拠として持っているはずだが」

「....まあ未遂、ではなく事前に被害を防げたということで問題ないのかしら。でも姉さんも録音しているのを気づいていたのよね?比企谷君」

「憶測だがな、始まる前に携帯触っていた事を指摘されたし」

「じゃあ、わざと比企谷君に録音させるためにやった。と考えられるわね」

「どうして陽乃さんがそんなことするの」

「....比企谷君に言うことを効かせるため、っていうのが濃厚ね」

「ふーん、それだとヒッキー自分で脅される材料作っただけじゃん!!」

「それを言われると返す言葉がないんだが」

「しょうがないわね、でも材木座君はアドバイスを受けたのでしょ。そちらについては、よかったのではないのかしら」

「でもヒッキー土日、連れ回されるんだよね?」

「さあ、陽乃さんもそんなに暇じゃないだろ、この間は俺に仕返ししたいために買い物に付き合わされただけだし」

「....」

 

はぁ、結局このラノベ騒動もまだ続くのね。

 

 


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