幻想入りしたので普通に生活してみることにした   作:masakage

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その16

 ”住めば都”という言葉がある。

 自分には国語力がないから端的に言うが

 ”慣れてしまえばどうという事はない!”ということである

 例え住むところがスキマであってもどうという事はないのだ

 

「てかマジで住みやすいなスキマ。エアコンでも付いてるのか?」

 

「……どうしてあなたはまたスキマの中に居るのかしら」

 

 呆れた顔で紫さんが訪ねてきた。

 そんな顔で俺を見ないでくれ!

 

「今度はイケると思ったんだ!」

 

「その結果がこれね…スキマ開けっ放しで出口を作る練習をすればいいんじゃない?」

 

「いやいや人は追い詰められて真価を発揮できますから。背水の陣ってやつ?」

 

「そう、では御機嫌よう。存分に追い詰められればいいわ」

 

「御免なさい、助けてください」

 

 オリ主必須スキル音速土下座は俺も使えるようだ

 なのに嬉しくない、不思議!

 

「でもちょうどいいわ、あなたと話したかった事があるの」

 

「うん?……色々あったが悪気はなかった!」

 

「別にそういう話じゃないわよ…」

 

 呆れ顔の紫さんであるが、そうなると本当に心当たりが無い

 俺に話したいことってなんだ?

 ウチの幻想郷(シマ)で調子乗ってんじゃねーぞ!とかだったらどうしよう

 ガクブルしていた俺だったが、怒られることはなかった。

 

「あなた妖怪になってみない?」

 

「おお!まさかの強化フラグですか!?」

 

「そうね、妖怪になれば寿命は人とは比べ物にならないほど伸びるわ

 何より魔力が増えて能力を思う存分使えるわよ?どう?なってみない?」

 

 魅力的な話である、念願のオリ主無双が出来るかもしれないし

 ……敵って誰だろう?

 まあ俺の結論はすでに決まっているがな

 

「だが断る!

 この斎藤蓮が最も好きな事のひとつは

 自分の立場が上と思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ…」

 

「あら?良い話だと思ったんだけどね。どうして?」

 

「この台詞が言いたかったからです」

 

「……そう」

 

 紫さんはゲンナリしていた。

 正直「俺は人間をやめるぞ!紫ーッ!」とも言いたくて迷った

 ……あれ? 妖怪になった方が言える台詞多くね?

 

「しまった…妖怪になったら『私は後二回変身を残している』とか言えたかも

 まあ男に二言はないから良いけどね」

 

「でもいいの?妖怪になれば不死になれるかもしれないのよ?」

 

「うーん…まあじいちゃんになって死にたくなかったら考えてみるよ

 今は面白いからどうでもいいや」

 

 そう言うと紫さんは呆気にとられた顔をしたかと思えば笑いだした。

 偶に幻想郷の人々の笑いのつぼが分からなくなる斎藤蓮です。

 

「ふふ、人間なのに欲が無いのね。そのあなたの性格は嫌いじゃないわよ

 あなたが『YES』と言ったら実けn……改造手術をしていたのだけれどね」

 

「実験だろうと改造手術だろうと怖い件について」

 

 深く考えてなかったが俺の選択は当たりだったのかもしれない

 でももしかしたら改造されて仮面ライダーV3とかになれたのかも!

 いやショッカーになるとかのオチだろうな…

 

「まあ今更別にどうでもいいや。じゃあ俺そろそろ帰るぜ、じゃあなー」

 

 

 

 

 

 

 

「…出口作れないのにどうやって帰るつもりだったの?」

 

「ほら、無意識の時に力を使いこなせるとかあるじゃん?そのパターンで攻めてみようかと」

 

「そう意識してる時点で無意識じゃないけどね」

 

「なん…だと…」

 

 結局今回も紫さんに救出されることになりましたとさ。


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